今作の大振りの殺陣に見られる殺意や力強さがダース・ベイダーのキャラクターを決定したに違いない。今から、日本の時代劇から見たらプリミティブだが次作でオミットされたのが残念な個性だ。ジェスチャーの威力を改>>続きを読む
基本、もっさりして緊張感に欠けてる感じしてる。
子供が遊び愛するオモチャが主に子供とは同じ目線でない(極端だが子供と違って狡猾で自立した―飽くまで程度問題だが)大人に創られたって事実は結構不都合且つかなり重要なのではないかと感じた。大人が金銭等や>>続きを読む
瀕死の老爺の前で無慈悲に転がり落ちる("falling down")ゴルフカートの取り返しのつかない事を肝に銘じさせるような絶妙なスピードの快感と不安がこの映画の白眉だと思う。然し、映画の場面や展開>>続きを読む
病魔の発作によると思われていたX字の殺人が、実は古くから殺人者達の持っていた心理的な病巣の施術による暴露と摘出―治療であったという展開は我々からしたら実に不愉快な代物であったが、それは詰り社会性や体面>>続きを読む
全て紙の上に背景と一緒に複製的に創造された恐竜が人間に愛着を持たれ、今でも瑞々しい生命を持っているのは改めて考えても奇跡と思った。
日本最初のフルカラーの長編アニメーションという事で本当にアニメーションで出来る事やりたい事が沢山あったのだろうと思った。だから映画としては多少メリハリが弱く物語性が弱い嫌いがあるとは思った(これは後>>続きを読む
やなせたかし本人の絵が凄すぎてアニメーションにする意義が余り感じられない。彼の銅版画みたいなこの作品での鋭いタッチがアニメーションにする過程で輪郭を自明にしすぎる嫌いがあったと思う。
然しやなせたかし>>続きを読む
オカルトにSFと言った設定の乱立は勿論、ガメラを憎悪する者,英雄として共に立ち会う者,一族の伝承通りに「邪神」ガメラを殺そうとする者,死の欲動(ギャオス)と生の意志(ガメラ)のパワーゲームを見出し傍>>続きを読む
前作と違って外宇宙からの支配者「レギオン」との死闘を描いたアクション大作で、面白かった。今回の自衛隊はより地に足ついたと言うかレギオンと戦ってても前作みたいな違和感が無いのが興味深い。
『ゴジラ』(1954)と比べてしまうがそれでも傑作だと思う。この作品だとギャオスとガメラが縦横に日本中を飛び回るので、様々な環境(離島、田舎、ドーム、ビル街)で現れる事で怪獣の異質さ、キャラクターが浮>>続きを読む
結局日本人の少年ケンがコンゴ人少年兵ニトを理解できず人殺しと排斥しようとし、それを咎められても結局最後まですれ違ったままだったのが印象的で「子供の残酷さ」と片付ければそれまでだがこれは「そしてその原因>>続きを読む
「合理的」に動けば全て凪の人生なのが、人情によって人が苦しみ人を愛し死ぬと言う人間描写が兎に角まぶしく愛しい。現実だと無理なのが分かっていてもその無粋な現実の方に反感を抱きたくなる二挺拳銃のような映>>続きを読む
結構前に観た。
貧困と富裕、絶頂と没落と言った社会の表裏による理不尽な辛苦を劇中の三船的な義理や人情で犠牲を払いながら克服すると言うテーマがあったように思うが、面会室で金網を揺らし絶叫する山崎努の>>続きを読む
結構前に観た。
この映画は最初の1時間程度で殆ど全ての状況説明や人物描写を済まし、後半はそれを前提にした事態の展開と収束に終始し新たな情報の追加は無いと言う点で実にタイトでストイックな映画だと感じ>>続きを読む
直情にして怜悧、武士に憧れながら誰よりも百姓を知り尽くした、よく動きよく喋りよく生きた、トリックスター三船敏郎が良すぎる。
変な映画だった。言いたいことは山程あってそれを消化しきれてないのは強固な時間制限のある映画だと致命的に違い無いがそれが極めて内向的な今作のバットマンと相乗して奇妙な魅力を生んでいる。連続ドラマの方が>>続きを読む
Qアノン系陰謀論者がこの映画の「白ウサギを追え」や「レッドピル」をよく引き合いに出してるからそろそろ見なくてはいけないと思い視聴(政治学ゼミ教授の推奨もあった)。
云いようの無い不満から世界の実相>>続きを読む
ペキンパーの映画を通してみたのは初めてだが、「暴力」の本質である不随意性と不可逆性の不快感が描かれている点で北野映画の暴力描写の源泉を見た(たけし自体はよりロマンチストであり静謐ながら結構ウェットな>>続きを読む
葬式の場面に於けるあの志村喬の「身の程を超えた」態度を無化しようとする無意識的な通夜の客の態度の単なる説明に留まらない深層心理、不快な原風景を映してしまったような迫力が凄まじい。飽くまで映画に流れる>>続きを読む
(ハル)と(ほし)達のメールでのやり取りが生活と嘘も含む形で密接に現実での生活に密着―というか、それを元にしている―事を常に意識する作品で、そこには匿名のネットだからこそ身勝手さやナイーブさが露わに>>続きを読む
監督が同じ『地球の静止する日』に感動して見たのだが、やっぱりワイズの映画のあの自然な感覚、取り立てて感情移入を迫り勝利を語る主人公不在(詰まり脇役に追いやられたままの人間も極めて少ない)の群像劇的性>>続きを読む
映像と言うよりは雰囲気がいい。セピア色に染まった映像や世界観を反映するような不自然に小綺麗な余り親しみの持てない現実の未来的な建築物、それに対比し人間の潔癖と高慢を笑うような怒るような荒れた海(自然>>続きを読む
これは所謂冷戦の映画ではなくて、終結後のイラク戦争等に露骨に見える「世界の警察」アメリカ合衆国の映画ではないか。世界の各国(星)がロボットによる強大な軍事力に監視され逸脱があるとされたらその報いを受>>続きを読む
序盤の危篤の少女に心臓マッサージを施す場面に言いしれぬながらかなり強い生に纏わるグロテスクや反対の尊厳を感じた。これが動きを表現するアニメーションの偉力なのか、手塚治虫が漫画記号説を唱えながらもアニ>>続きを読む
ジュリー演じる天草四郎が色っぽ過ぎました。あの声にはホント、悩殺ですよ。
前半がジュリーの暗躍によって未練の残った強者を魔界転生させていく下りで、原作と違って女体が必要無かったのはあるが少しかったる>>続きを読む
初代のゴジラが怒り、憎悪、根元的暴力の比喩(これもまた一面で恐らく全面ではない)であるのに対してモスラは反社会的であるけれど慈しみや直向きさが漲っているように見えた。何より可愛いし。
『モスラ』も>>続きを読む
昭和20年辺りを生きた者は皆ヤクザ絡みの「汚ねェ」闇米を喰らって生きてきたし、それを警察が貪欲に没収して私腹を肥やすヤクザと公営ヤクザ(警察)の必要悪的共犯関係。そういうあぶれ者による「組織暴力」が>>続きを読む
松田優作のあのあからさまでない暴力的な雰囲気は矢張いい。
序盤の茶碗の中に煮豆を埋める弟、頭から無造作にめざしを貪る兄、目玉焼きを唇につけ黄身を吸う父と序盤からグロテスクなものを見せてくれるなーと>>続きを読む
「愛される暴走族」や「愛国烈士(プロの極右)」の様な型に嵌って愛される「温い」生き方を拒否して徹底的に自由に生きてやろうとする仁の生き方に憧れを感じない人間は恐らくいないだろう。そしてその自由の闘士>>続きを読む
あまりの会話の少なさから「主人公二人は聾唖者なのかな?」と推測はしていたのだが、それが台詞で伝えられるとやはりショックは大きかったし、何故この二人に聞こえない潮騒や若者の声がしつこく流されるのだろう>>続きを読む
空虚に耐えきれず原爆という力を欲して、結局はそれを持て余す、そういう倦怠感の表現が素晴らしいと思う。
ジュリーが菅原文太に東京はクズばかりだクズを殺して何が悪い旨を叫び、菅原はお前が一番のクズでお>>続きを読む
北野映画で良く言われる暴力の虚しさが、その利益や受け継ぐ者の無さで強く表されている(後は、分かりいい爽快感の無いアクションの泥臭さに反比例するように多い粘りつくような血糊)。これは、序盤も序盤のホー>>続きを読む
なんだかんだでアドベンチャーらしいアドベンチャー映画になっていたと思うが、「仏造って魂入れず」と形容されるような映画だと感じた。アドベンチャー映画の体裁は保っていても、それで何を描くかという意識があ>>続きを読む
オールタイムベストの一本。再度見たらゴルゴに原作には無い訳では無いがかなり薄い男の色気が強く漂っていたのが感じられた。それはゴルゴに限らず登場人物の全員が持つ性質であり、個人的に手塚治虫作品的(即ち>>続きを読む