阿房門王仁太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

阿房門王仁太郎

阿房門王仁太郎

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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.0

 カート・コバーンの"Nobody dies a virgin… Life fucks us all"(生娘として死ねる奴なんていやしない…人生って奴が全員犯しちまうからな)"という名言を彷彿とさせら>>続きを読む

トレマーズ(1990年製作の映画)

4.0

 『ジョーズ』は海の恐怖に立ち向かう話で人間側が挑戦者だったが、今回は砂の大地を泳ぎ回る触手を持つ蛇みたいな生物4頭を廃れ切った田舎の人達が迎撃する話で、「陸版ジョーズ」と言われるけど関係はまるで逆で>>続きを読む

スパルタンX(1984年製作の映画)

4.0

 とにかくユキーデが強い。ジャッキーVSユキーデは必見。それ以外のヴィランも中々に強くアクションもイイ。別に遺産に拘らなくてもだいぶ稼げるんじゃないか。
 タイトルにスパルタンと付くが、ジャッキーもユ
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超劇場版ケロロ軍曹 撃侵ドラゴンウォリアーズであります!(2009年製作の映画)

4.5

 陰謀論乃至カルトと家族について話を伺う時に絶対思い出す作品で キルル三部作に押されがちだが相当の傑作。
 今回のゲストであるシオンは前々作のメール王子に連なる独善的な性格と行動をしているが彼女の行動
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キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(2011年製作の映画)

4.0

 約10日前に『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』の予習として視聴。真っ当な精神と肉体による真っ当な仕事が即ち社会貢献になった幸福な国の幸福な時代の話として見事に『ウィンター・ソルジャー』>>続きを読む

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

4.5

 大体10日前に前作『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』を見た程度の事前知識でも面白かった。
 パラノイア的なそれ故拭いきれない不安から発生したナチズムや対テロ戦争、警察国家延いては
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.5

 二人の刑事でいられなくなったハグレ者の敗退的な半生を描いた映画で、べらぼうに面白い。それに、生きる事永らえる事さえ諦め「花火」の様な一瞬にのみ生きる事にしたたけしと、逆に不自由な身体なれど永らえよう>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

5.0

 大体三年振り再見したが凄まじい映画と思う。
 ゴジラは生きる化石や水爆の落し子と言う表現を為されるが、実際に於いては眼光の無い幽鬼、夜の暴力、古代からの怪獣、そして鳴き声は巨獣と機械の合いの子と言っ
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.0

 『用心棒』の続編的作品で、今度は前作以上に精神面についての描写が多く、曰く「抜き身の刀」との事だ。確かに三十郎は腕が立つ、頭も切れる、情も熱い。その事は若干鈍い9人とは比べ物にならない。然し、そうで>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

4.0

 ヤクザの壊滅を目論む三船が単なる戦闘狂やニヒリストじゃなくて、その萌芽はあっても、寧ろワルぶっても義理人情の厚い好人物なのがいいし、それに絆されて桶屋や居酒屋の亭主の荒んだ心が和らいでいくのも面白い>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

4.5

 ロッキーがうだつの上がらない人生に疲れたベテランボクサーという設定が先ずいい。彼が友人や仕事先のギャングの好意や恋人の存在で段々人生の色を取り戻し、それが幸福によって本格的に彩られ始めると言う展開は>>続きを読む

ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)

4.0

 舞台は、アイルランドとイギリスの対立が激しい現在のグレートブリテン島。ジャッキーはアイルランド独立を目論むテロリストグループに娘を殺されその復讐の為にあらゆる手段を講じていく…
 作中の誰もが政治的
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ニキータ(1990年製作の映画)

4.0

 面白かった。面白かったけど、よくいるエログロ好きなのに変なところで潔癖な年頃の男子の妄想をそのまんま映画にしたような作品だとも思った。面白かったけど。
 ニキータの男に都合の良い妄想ヒロインっぷりは
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.0

 殺し屋、テロリスト、悪徳銀行家、ギャングと言った連中が高飛びに訪れた南米の田舎町は、暗黒の原野に囲まれ先進国に依る搾取的開発と独立を求めるゲリラの内乱が繰り返される疲弊したスラムの様な町だった。男た>>続きを読む

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.0

 偽善者が支配する暴力と不徳の蔓延る世界―刑務所―でも規律があるだけそれ以外の住処を知らなければ居心地のいい、逆にシャバの自由さが身に堪えてしまう。このような逆説を星新一がエッセイで書いていた記憶があ>>続きを読む

キャンディマン(1992年製作の映画)

3.5

 キャンディマンは都市伝説と言われるには壁画等の具象性がいささか高過ぎはしまいか?と思ってしまった。あれだと伝説と言うより実録に近いのではないだろうか。然しキャンディマンのビジュアルは素晴らしい。あと>>続きを読む

マスク(1994年製作の映画)

4.0

 CGの凄さを改めて感じさせる映画。詰りCGの肉体や現実を想像力で変貌させる魔力を最大限生かしていると言おうか。この時代のCGだからテクスチャは粗くて実在感は薄いがそれ故にカートゥーン的な(だから、主>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.5

 敵が『ジョーズ』のように鮫であると期待すると肩透かしを食らうがサメ型の怪獣が敵と、それに立ち向かうはジェイソン・ステイサム率いる科学特捜隊と思うとしっくり来てなかなか面白い。サメ型怪獣メガロドン(>>続きを読む

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.0

 ワイルドの『サロメ』(後『銭ゲバ』2021.04.10)を思い出す映画だった。
 フランクン博士は愛させるだけで決して人を愛さない、只与えてもらうだけと確か二回指摘されているが実際その通りだろう。然
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.0

 はっきり言って個人的には稚拙でかったるいカットも多い(やたらめったら映しまくる人骨細工の山と鶏もうそれは分かったから、ヒロインの眼をやたら長く映す場面)映画だと思ったけど、そういうかったるい中にレザ>>続きを読む

エイリアン(1979年製作の映画)

4.0

 リドリー・スコット監督映画の美術や光の使い方はやはり素晴らしいと思う。終盤の方になると色鮮やかな光が縞を描いて人物を浮き彫りにする美しい場面があるがあの綺麗ながらやかましい感じが中々核心に迫れない苛>>続きを読む

エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

4.5

 二重の怖さがある映画だと思う。一つ目が、超自然的な悪魔に取り憑かれて心身、家族共にボロボロになってゆく外的な恐怖で、二つ目はそのような偶然の産物に依る悪魔憑きが二人の神父を罪悪感や恐怖を駆り立る事で>>続きを読む

レインマン(1988年製作の映画)

4.5

 否定でも疑問でもなく、肯定的に「分からない」映画だった。
 果たして、チャーリーの真心や好意はレイモンドに通じたのか、レイモンドは弟が向けるほどのそれを感じてくれているだろうか、全て藪の中である。冷
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激突!(1971年製作の映画)

4.0

 気違いトラックドライバーに殺意をこめられた煽り運転をされる話。
 トレーラー運転手の顔が見えず、害意を込めたジェスチャーを見せる腕だけ映る事で恰もトレーラー自体が一頭の怪物に見える演出は夙に有名だが
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ゾンビ/米国劇場公開版(1978年製作の映画)

4.5

 ゾンビの動きが怖いというよりは結構滑稽だったのが印象深い。のろのろしてショッピングモールを彷徨ったり、とりあえず人間を見たら噛みついてみたりとどこか愛玩動物らしい感覚さえ覚える。実際、終盤に出てきた>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

4.0

 ドギョンの冒頭の独白で言う通りどいつもこいつも欲の皮が突っ張って私腹を肥やす為ならなんだってする畜生みたいな連中ばっかりなのだが、そういう奴に限って世渡りが上手い。
 我らが主人公のドギョンはそうい
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.5

 人間の思惑や祈り、意志さえ固い皮膚で跳ね返して鋭い牙で切り裂いてしまう巨大な鮫。この映画の素晴らしい所はこの自然的偉力の演出に形而上学的な意図を含まなかった事だろう。詰り、人を喰らい船を沈めるバカで>>続きを読む

鬼畜(1978年製作の映画)

4.5

 ふと、如何なる罪なら許されるべきなのかといった問いが頭に浮かんだ。
捨てられた憎しみ、敵への優越感故に愛すべき児を置き去りにした罪、憎むべきでない憎い相手の死を願い死に導く罪、義務や義理に押しつぶさ
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サイコ(1960年製作の映画)

4.0

あの不協和音のテーマは素晴らしい。如何に映画に於ける惨殺が観客の目を楽しませる代物でも、やはり殺人は殺人。本質的には不快なものであのBGMはそれを改めて教えてくれる(然しそれも乗り越えて楽しむのが観客>>続きを読む

アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

4.0

 独特の雰囲気と逆説的だったり捻くれたセリフなどが多いのもあってか、引き込まれると言うか客観視が若干出来なくなる感覚し、コメディなのに「常識にあわせた」ツッコミ等が寧ろ無粋に思われる、大笑いよりは微笑>>続きを読む

ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!(1989年製作の映画)

4.0

 コンピュータウィルスもダイヤも結局は人間の浅ましい欲望やそれが巻き起こす惨劇、そしてそれらの反対物を映す舞台装置に過ぎない、何処までも人間ドラマ的な作劇に出崎監督の感覚を感じる。実際作中に於いて清廉>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

https://twitter.com/R0noFIFdiKiJjA4/status/1368667303219396610?s=20
https://twitter.com/R0noFIFdiKiJ
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太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年製作の映画)

4.5

 白土三平の『ワタリ』の影響を多大に受けた作品と聞いて視聴。
アニメとしては、緩急の利いた躍動感あふれる演出が素人ながら大変見ていて面白く特に終盤のホルスとヒルダの剣戟のシーンなど、両者の葛藤をも剣捌
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メトロポリス(2001年製作の映画)

4.0

脚本に関してはそこまで瞠目に値しないが、物語が表面的であるゆえに映像の凄まじさがより浮き彫りになる。あの全面に於いて異常にコントロールが利いた等速直線運動的な作画は見ているだけで汗が吹き出す。あの淡い>>続きを読む

捨てがたき人々(2012年製作の映画)

3.0

この作品に於けるセックスは、只管快楽を得る事で、即ち快楽を与えてくれる他者の存在を通して承認欲求を獲得している様な感覚だが、その承認欲求の代償として配偶者や子供の様な桎梏が付いて回る。すると却ってその>>続きを読む

探偵物語(1983年製作の映画)

3.5

脚本に関しては探偵物としてはそこまで面白くは無かったかなという感じ。
然し、主演の松田優作と薬師丸ひろ子は素晴らしかった。それぞれ「大人」と「子供」の性格付けをされているのだが、それは理想的な完成なの
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