Ryomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

“殺人“の犯人を巡るミステリーなのだが、シリアスさはほぼ感じさせずコミカルに振り切っていたように感じた。その作風やポップで軽快な音楽、クセ強などこか憎めない愛すべきキャラクターが織りなす会話劇、現代に>>続きを読む

優しき罪人(2018年製作の映画)

4.1

“過ち“と“赦し“がテーマの一作。人は誰しもその大きさに大小あれど誤ちを犯す生き物であり、世の中に蔓延る矛盾や不条理さなど大概のことは許せるけれども、凄惨な事件など決して許せないことも確かに存在してい>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.4

しがない男性タクシー運転手と92歳の乗客女性の交流を描いた本作。波瀾万丈で様々なことを経験し老成した彼女から語られる言葉の一つ一つはどんな優秀な教師や敬虔な神父の教示よりもすっと胸に届いてくる。フェミ>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.3

人の温かさや神秘的で幻想的な雪景色など、フィンランド🇫🇮の魅力が詰まった素敵な作品だった◎
自分の真意と向き合い過去と訣別する姿も印象的で、それを助長させるかけがえのない出逢いや別れが純朴にシンプルに
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.8

“家族“の尊さ・愛おしさ、コロナ禍を経ていっそう強まった社会の生き辛さ・不条理さ、映画製作の苦悩、自分に正直であること、様々な要素が演者さんらの秀逸な演技と優しさやユーモア溢れる石井監督の精緻な脚本か>>続きを読む

小公女(2017年製作の映画)

4.2

“自分らしく“生きること。それは簡単なようで意外と難しい。周りは結婚、出産、大企業への就職など先を進んでいるように感じ、どうしても自分と比べてしまう。それでも、人によって価値観も考え方も違うものだし、>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.2

緊迫感溢れる命懸けの交渉劇や手に汗握るカーアクション、性格も境遇も異なる主演2人の徐々に深まる絆、現地アフガニスタン🇦🇫の過酷な惨状や治安の悪さ・貧困が窺える街並みや広大な砂漠など🏜様々な面で引き込ま>>続きを読む

アワ・ボディ(2018年製作の映画)

4.1

競争社会、学歴社会と言われる韓国🇰🇷の闇やそこで生きる女性の生き辛さが窺えた。何かに行き詰まったり躓いたりしたときに、その思いを和らげてくれるもの・人の存在は必ず必要なんだなと改めて。
人に指図されず
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ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

4.4

相棒の愛犬コーギーと一緒なウェールズ🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿出身の絵本作家のターシャは花💐と動物🐕🐓🐥🐿と庭🌿がとっても大好きで、アメリカ🇺🇸のバーモント州の喧騒からは離れた郊外にコテージを構え慎ましく長閑な生>>続きを読む

(2023年製作の映画)

-

強烈過ぎるメッセージ性と演者の途轍もないほどの演技に魅せられた。本当に強烈だった。今年と言わず今までの人生で観てきた作品の中でも洋邦あわせて考えてもトップクラス。PG12らしいが、性的・暴力的描写やシ>>続きを読む

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.4

立ち塞がる過酷な運命や世の不条理に振り回されながらも自分の人生を生きようとする女性の姿が印象的な本作は、『C'mon C'mon』を彷彿とさせる親子ではない子と大人の絆が深まる過程の描写・要素がありな>>続きを読む

ハルカの陶(2019年製作の映画)

4.3

備前焼に人生を懸ける人の熱い思いがこれでもかと伝わってきた。“大変“という言葉で括ってしまうと陳腐に聞こえるけれども備前焼ができる過程を見ていると本当に途轍もない精神力と努力、熱い思いが注がれているこ>>続きを読む

ドーナツもり(2022年製作の映画)

4.3

神楽坂郊外の長閑な雰囲気漂う街並みにぽつんと佇む小さなドーナツ屋さんが舞台の群像劇。
ドーナツには穴が開いているように、誰もがきっと人には言えない空虚感や孤独感を感じているのかもしれないけれども、人に
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.3

様々な角度から被写体を捉えた撮影でまず引き込まれる。俯瞰的に日常を淡々と映し出していたかと思えば、人の心情に迫ったシーンでは人に焦点を当てた画角を全面に使った手法が用いられ洗練された映像を堪能すること>>続きを読む

バグマティ リバー(2022年製作の映画)

4.2

兄と妹の間の空白の10年間を埋めるかのような最後のシーンが胸の奥深くに響く。暫く会っていなかった兄が、国や家は違えど確かに生きていたことを現地に行って確かめ、彼の死を心の底で受け入れようとする彼女の心>>続きを読む

ビューティフル・ライフ(2023年製作の映画)

4.1

新たな出逢いや関わりを通して、それぞれの登場人物が過去の悔恨や痛み、喪失から決別し前に進んでいこうとする様がセンスの良いカメラワークを付してスタイリッシュに描かれていた。『コーダ あいのうた』を少し想>>続きを読む

揺れるとき(2021年製作の映画)

4.0

幼さが残る見た目とは裏腹に、大人びたどこか達観したような眼差しや考え方を持った少年ジョニー。幼い妹の面倒も見て愚痴も言わずしっかり者の彼だが…それは、両親が家庭を顧みず親としての役目を果たせてないから>>続きを読む

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.0

快活で純粋な心を持った女性の、何があっても人生を諦めないひたむきな生き方に勇気をもらえる。現代にも通ずるが、貧困や低所得などの社会問題が鮮明に顕在化していた時代において、その不条理でやらせない現実に目>>続きを読む

女ともだち(1983年製作の映画)

4.1

第二次世界大戦末期、それぞれ波乱で壮絶な人生を歩んできた女性2人が出逢い、すぐさま意気投合しお互いの悲しみや苦しみを分かち合っていく。形は違えど、互いに同じ苦難の時代を生きた者として大きな苦悩を背負っ>>続きを読む

みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)

4.1

緑の中に佇む男女の姿。互いに見つめ合い、微笑み合い、仲睦まじく同じ時間を過ごす彼らの姿が微笑ましくもあり、同時に、いつか終わりを迎えるであろうそれが切なくもある。それを助長させるバイオリン🎻などの擦弦>>続きを読む

息子の部屋(2001年製作の映画)

4.4

息子を失った父親。息子の生前、心理学者でもある父親が、思春期の息子との関係に時折り思い悩む姿は、患者への治療・対話を通して自らに対してもカウンセリングし向き合おうとしているかのようで、彼の真摯さや苦悩>>続きを読む

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.1

地震によって無残に崩れ去った家々の数々。映画監督であるアッバロ・キアロスタミが現地の住民の声を聴くことで見えてきたもの…住まいや家族をなくし悲しみ途方に暮れる者、次は自分かもしれないと腹をくくり今ある>>続きを読む

小さな兵隊(1960年製作の映画)

4.0

スパイとして極秘に暗躍していた男性がある女性と恋に落ちる。硬派なカメラマンでもある男性と天真爛漫だけれどもミステリアスな雰囲気を纏い少し陰がある女性。その対照的な組み合わせが良き化学反応を発生させてい>>続きを読む

まわり道(1974年製作の映画)

4.0

塞ぎ込み気味で人生に迷える作家志望の青年が旅を通して自分と向き合っていく。人生や世界に関する感慨深い詩や本、絵画、“孤独“についての哲学的な話etc…一見すると壮大な話にも感じるが、少し難解にも感じな>>続きを読む

巴里祭 4K デジタル・リマスター版(1933年製作の映画)

4.2

原題でもあるフランスの革命記念日(7月14日)を舞台にパリ🇫🇷に生きる若者の恋模様が描かれた本作。管弦楽器🎺の愉快で軽快な音色にのせて紡がれる恋物語は、パリの下町の古き良き街並みや純粋でひたむきな若者>>続きを読む

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

4.0

1942年、ひとりの男性外交官がスイス🇨🇭の首都ベルンにて回想に耽る…北アフリカの国で愛したひとりの女性のことを…まず、モロッコ🇲🇦のカサブランカやマラケシュ、ラバトを想起させる情緒漂う街並みや砂漠🏜>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.1

普段はふわっとしてマイペースに見える大学生の久能整がどんな時でも頭に浮かんだ疑問を迷いなく口に出す姿は、多くの人が抱える本音では言えない悩みや苦しみを遺憾なく代弁してくれているようで本当にスカッとする>>続きを読む

愛人ジュリエット(1950年製作の映画)

4.2

恋人との旅行のために会社のお金を横領して投獄された主人公。獄中、恋人を想うあまり彼女に関するある夢を見て…
ファンタジー要素を含んだ恋愛物語がユーモアたっぷりに表現されていて、夢の世界の人物設定やセッ
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秘密の花園(1993年製作の映画)

4.1

子供なりの悩みや悲しみを和らげてくれる拠り所や思いを共有できる人の存在の大切さを感じた。児童文学が原作ということでDisney作品を彷彿とさせる爽やかで前向きな気持ちにさせてくれる展開や優しさ溢れる音>>続きを読む

田舎の日曜日(1984年製作の映画)

4.1

フランス🇫🇷郊外の牧歌的で長閑な自然の景観がとにかく美しい。劇中でも登場する画家が描いた見事な絵画。モネやルノワール、シスレーなどの印象派の画家👨‍🎨の作品を想起させる美しい自然もそうだし、絵画や芸術>>続きを読む

ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.1

死に取り憑かれた19歳の少年ハロルドと人生を謳歌している80歳の女性モードの恋物語。
人生に意義を見いだせない少年に対する人生経験豊富な彼女の助言や何気ない語りがひとつひとつ心に沁みる。少年が、彼女を
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

4.3

美しい自然で満たされた丘陵下一面を見渡せる丘の上に佇む古書店のロケーションが良すぎた。店主リベロの名前にちなんで名付けられた店名が記された煉瓦造りの外観を構えた店内に一歩足を踏み入れると、理路整然と並>>続きを読む

(ハル)(1996年製作の映画)

4.1

知らない者同士だからこそ真の本音を伝えられるけれども、文面上でも互いに理解しあえ思いを共有できたら、たとえ対面で逢わずとも、それは心が繋がり通じ合っているということなのかも。文面上で紡がれる様々な言葉>>続きを読む

心の旅(1991年製作の映画)

4.2

あることがきっかけで、記憶を失ってしまったハリソン・フォード演じる敏腕弁護士。自分の生きてきた過去を俯瞰的に、第三者と同じ視点で顧みることで、仕事や出世よりも家族など人生における大切なことに気付いてい>>続きを読む

ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)

4.1

『ゴッド・ファーザー』のフランシス・フォード・コッポラが手がけるミュージカル映画。ハリウッドの特殊なセットで撮られた映像は煌びやかて賑やかな世界が表現され、とても美しかった。映像とともに流れる劇中歌も>>続きを読む

落ちこぼれの天使たち(1987年製作の映画)

4.2

ドラゴン桜のような王道サクセスストーリーだけれど、スカッとできて楽しめたし、実話に基づいているということで、より現実味を帯びたものとして観れた。
身分や貧富の差が苛烈だった当時のアメリカ🇺🇸ならではの
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