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逃げろ、どこへでも構わない。こんな不条理な世界からは逃げてしまえばいいのだ。
リップヴァンウィンクルの物語に倣い、この映画もその舞台によって二つに分けよう。分岐点は、七海(黒木華)が不思議な屋敷に住>>続きを読む
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映画を見るための映画、といったところ。
映画音楽が映画にもたらすインパクトについてのインタビューを素材にして、それらが一つの映画史として手際よく構成されており、そのアンサンブルは感動的でさえある。
こ>>続きを読む
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一カ月程前に幸運にも、EXPOCITYにてIMAXレーザーで鑑賞できた。評判に違わぬ迫力そして映像美であり、その部分でも語るべきことは多かろう。
とはいえ、この投稿では例によってストーリーや人物関係の>>続きを読む
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真実とされるものは、常に真理たり得るわけではない。
映画館の主人がテロリストに与していること、そして隣の八百屋の男が覆面刑事であることを観客が知ったうえでストーリーが展開される。ミステリー的な要素は>>続きを読む
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独占的な巨大企業を分割するという、これ以上ないほど世俗的で現実的な目的のもと、観客はターゲットの潜在意識、夢という幻想的な世界へと誘われる。この夢の世界でインセプションに成功するのを見届け、充足感と安>>続きを読む
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「悪」はいかに生まれるか。アーサー(ホアキン・フェニックス)の置かれた状況や出来事に原因があり、それを深く辿っていけば深淵に真理が見つかる、というものでは全くない。
そう、電車内で二人の警官がピエロの>>続きを読む
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監督はスピルバーグだが、原案はキューブリックによるものだそうだ。昨今なにかと話題のAIをタイトルにもつが、シンギュラリティや機械による人間の支配といったテイストはほとんどない。むしろ人間による機械の抑>>続きを読む
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ロマンス&ミステリー映画という区分がなされる映画なのだろうが、こうした区分は一面的であり、いくつかの理解可能性を覆い隠すことになるだろう。
ここで私は、ジェフリー・ラッシュ演じる美術鑑定士、ヴァージ>>続きを読む
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ある事件から30年前に楽団をクビになった指揮者アンドレイ・フィリポフ(アレクセイ・グシュコブ)が、かつての仲間たちと楽団を偽ってパリで演奏するというなかなかファンシーな設定である。
加えて戯画化され>>続きを読む
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メラニー・ロランの監督作品で、対照的な(それでいて実は近しい)二人の女学生の友情とその破壊を描いた作品である。
主人公のシャルリ(ジョゼフィーヌ・ジャピ)は喘息を持った、どちらかといえば内気で地味な>>続きを読む
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エル・ファニングが美しい、これだけでいいじゃないか!と言いたくもなるが、レビューとしてまとめてみたい(笑)
組織から切り捨てられた殺し屋ロイ(ベン・フォスター)と、たまたま居合わせた娼婦ロッキー(エ>>続きを読む
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冒頭、ローマの映画監督である主人公トトは故郷の映画技師アルフレードの訃報を伝え聞く。本劇の大半は、トトがアルフレードたちと過ごした青春時代の日々の回想録が占めている。
回想録はトトが小学生の頃からス>>続きを読む
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本編は、レオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンとブラット・ピット演じるクリフ・ブースとの友情譚とざっくりとまとめられよう。ここに主にリック・ダルトンが演じる劇中劇が頻繁に挿入される入れ子構造と>>続きを読む