このまさかの対決。命をかけるにしてはちょっと…時代というかお国柄というか、今見るときょとんとしてしまう。ただ、ブシェミの二度見だけは忘れ難い。それを拝めただけでも幸せ。自分にとってはブシェミ映画。
ひとりでこのシーン演技してるのか…とか考え始めたらとにかくシュールに見えてくるSF映画。ずっと手突き出したままの地味にしんどそうな戦闘スタイル!みんな伊勢海老にしてやろうかっ!と意気込む地球外生命体!>>続きを読む
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俊敏に動き回れるアンドロイドが造られた時点で、その先の世界を想像することなど難しくはない。脆さや不慣れや弱さやら、わたしたちが不完全であるからこそ、この世界はなあなあと成り立っているのでしょう?エゴか>>続きを読む
たけしは存在感勝負なので、もうあれこれ言うものでもないのだろう。松田龍平も同じ部類なのだけど、デビュー作というだけあって初々々…。喋りを主戦場とする芸人の起用が多いのも、雰囲気を壊すことなくスムーズに>>続きを読む
ずっとずっと、呼ばれていたような耳鳴りがする。心を静め耳をすませば、それはわたしのひとりごとだったとわかる。いくらでも言い換えられたはずの、はじめましてとさようなら。その後悔が憂鬱となり、日常を、日常>>続きを読む
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普段は言わない言えない本音と、それを解放させる不思議な花と、精神的に不安定な人間と、思春期で多感な子供たちと…。一度疑い出すと歯止めがきかず、重い腰を上げたら最後、そのまま行き着くところまで行ってしま>>続きを読む
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クリストファー・ノーランを観た。
理解できるとか絶対そんなわけない。ないけれど、凄くわかりやすい作りというか、そうなるよねっていう展開が次から次に繰り広げられていくので難解という印象は受けなかった。ど>>続きを読む
わたしたちは多くの目に縛られながら、広大で不自由な世界を生きなければならない。そこでは(イコール)で結ぶ真実も選べず、守られるべきは体裁と調和。歓迎されない個性は抑圧ないし黙殺の対象となる。わたしが長>>続きを読む
人は眠りの中で現実をより鮮明に捉え、夢を実現させるための光と影を知るのだそうだ。もしかしたら、映画は光を得るもっとずっと前から、人々の身近にあったものなのかもしれない。舞台は1880年、世界は新時代の>>続きを読む
その晩、人肌のシーツの上で、ふたりは仔犬のように戯れ合い、メロドラマの真似事をしていた。人たらしや人でなしの檻に居心地を求めることは、大きな誤りだと知りながら、この頭は他人事のようにぼんやりと考えず、>>続きを読む
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音楽が良いという触れ込みで鑑賞してみたけれど、音楽が一番不要に感じられた。純粋な劇伴で十分だった。後半はそれがもう少し出来ていたことから、前半は意図的にそうしたのだと思うけれど、もう少し音楽の鳴らない>>続きを読む
ちょっとジャック・リヴェットぽさを感じるガールズムービー。主演のエラ・ルンプフは『RAW』の時にそこまで注目していなかったけれど、本作ではその魅力が爆発。まずとんでもないイケメンっぷりに驚いたし、フリ>>続きを読む
何かが音も立てずに嵌る瞬間がある。昨日までの自分にはなかった自信を感じるのは、不可欠な存在として、朝目覚める喜びを知ることができたからだ。まるで恐いものなどなく、恥じることもなく、いつ声が掛かっても、>>続きを読む
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序盤こそ世界とそれを撮るカメラとの距離にリー・ワネルぽさが感じられなかったけれど、徐々に物事が不条理に転がって行く展開は、間違いなくリー・ワネルのそれだった。話自体は捻り過ぎず枠を大きく外して来るよう>>続きを読む
大きな胸がコンプレックスというエイドリアン・シェリー顔(記憶違い)のアリソンが、レグイザモ顔だけれど偽レグイザモなのでポンコツな恋人ミカエルと母親を連れ立って胸の縮小手術を受けようと美容整形病院を訪れ>>続きを読む
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ちょっと待って欲しい。浩は理恵を暴行していないということ?(あらすじにそう書かれているのでそうなのかな)。そんなことってあり得るのだろうか。成人式の時点でまだあれ程の低脳ぶりを見せていた達也が、あのボ>>続きを読む
かつての子供たちは、誰一人として現状に満足などしておらず、肩書きで武装したこの成りは、各々が、その日の眠りひとつを変える革命家でありたかった過去に夢見たものであり、行き場のない怒りと引き換えに差し出し>>続きを読む
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『リンドグレーン』という作家を題材にした映画では成功するもっと前の話だけを描いていて賛否もあったけれど、本作はミシェル・ペインという人物のひとつのクライマックスまでをしっかりと描いていて、映画らしいカ>>続きを読む
悪夢は悪夢でも、これは愛でしかない。
スピルバーグ先生の『未知との遭遇』は生温い絵空事と言わんばかりの狂気大本命ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの脳内悪夢を映像化。『遊星からの物体X』のようでもあ>>続きを読む
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どことなく楳図かずお的なのは、全編劇画調イラストであることと、今っぽくない台詞の丁寧さが醸す不気味さによるところが大きいのかもしれない。雰囲気は合格。
ただ、序盤はワクワクしながら観ていられたものの、>>続きを読む
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殺されたい青年に対して妙に愛着が湧いた理由は、演じたアナイリン・バーナードにアントン・イェルチンが重なったからだと思う(顔自体はイライジャ・ウッド似だけども)。こういう役者は多いようで少ない。頼りなさ>>続きを読む
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監督の作品は初鑑賞だったけれど、人の感情の動く様を焦れず根気よく捉える方だなという印象(長尺になるのも仕方ない)。キャスティングも絶妙。ワン・ジンチュンの風貌と徐々に草臥れていく背中、ヨン・メイの凛と>>続きを読む
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アストリッドを演じたアルバ・オーガストが素晴らしい。個として野心を抱きながらも、閉鎖的で窮屈な田舎町でくすぶらざるを得ないもどかしさ。根の奔放さが信号となり表情やダンスのステップとなる可愛らしさ。不安>>続きを読む
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最初にジョーが疾走するシーンは、もちろんジョーのキャラクターを表すものでもあったと思うけれど、監督の挨拶(ガーウィグ印)でもあったと感じた。監督のらしさと思い入れを感じさせる力強いオープニング。四姉妹>>続きを読む
最初に転がった石のことを、そこが坂道であるということを、それが凶器に変わることを、誰もが暗に知りながら、その行き着く先の想像を止め、災難を目の前の誰かに取り憑けることでしか日々を凌げず、疎通を拒んだわ>>続きを読む
さり気ないこだわりは、誰かに見つかる瞬間を密かに期待しながら消えて行った、自信の名残りだったろうか。見つけてくれて、ありがとう。何でもないことが面白いのではなく、君がいれば何でもいい時間になるだけだっ>>続きを読む
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『ミッドサマー』の後の鑑賞だったけれど、小品ながらこちらの方が好感の持てる内容で意外と楽しめてしまった。好感が持てると言っても良い話とかそういう意味ではないのでご注意を。やっぱりカルト集団は人の弱さや>>続きを読む
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むやみにこのようなコミューンにおける幸せの在り方を否定することはできない。同じに見える同じではない世界の人と習慣。それらが作って来た歴史。同じ価値観を持たなければ理解などできないであろう異質の塊。引っ>>続きを読む
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これは…色々と言いたいことはあるけれど、果たしてそれは整理してまで言いたいことなのか…と。物語としてはありなんだろう。ありなの?自分は解せない。マーガレット・クアリー目当てだったので、もっと動いている>>続きを読む
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どんな暗闇の中でも、あなたは笑ってくれた。わたしは悲しみに埋もれてしまいそうな喜びを、忘れまい逃すまいと必死に拾い集めた。歌は笑顔を運び、愛は命を結ぶのだ。
わかってほしい。これは娘への言葉であり、>>続きを読む
これっぽっちも信用できない笑顔は、悪戯に空を抜け出した月のよう。可愛げに満ちた仏頂面は、強かに夜を夢見る太陽のよう。どちらも素直に向かい合おうとしないのは、その横顔に、どこか見覚えがあったからだろう。>>続きを読む
瞳という宇宙の容赦のなさに、どれほどの涙が流れたろう。嘘という絡繰を知ったばかりに、どれほどの言葉が心したろう。無責任な幻想と身勝手な幻滅を繰り返し、その苦しみが一体何であったかを知る夜明けに、この声>>続きを読む
鏡に映ったわたしの顔が、今までかたどったどの面よりも柔らかく丸みを帯びて見えたのは、君の笑顔にほだされたからだろうか。何度も、何度でも振り返り、想っては考える。君と、君の隣でなければ、ならなかった理由>>続きを読む
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パスカル・ロジェの作品を何倍にも薄めたような作品だった。
前半はゆったりとしていたものの、それはこの手のジャンルの定石。嵐の前の静けさ。後半は一転、展開が目まぐるしく、怪しさを前面に押し出していたユ>>続きを読む
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誰の内にもウイルスは潜伏している。それは生れながらにして存在するものではなく、環境が、格差が、言語が、目が、植え付け、媒介させ続ける、この世でもっとも根絶が難しいウイルス。
パンデミックの終息と、新>>続きを読む