slowさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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ドント・レット・ゴー ―過去からの叫び―(2019年製作の映画)

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何だろう。ふわっとアナ雪の何かみたいなタイトルだなと思いながら結局正確なタイトルも覚えられないまま観終わって感想を書こうと思っていたのだけれど全く集中できなかったのであまり内容を覚えていない。というの>>続きを読む

グローリー 消えた腕時計(2016年製作の映画)

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その行いは正義や愚直といった畏まり改まった言葉で括られるべきものではない。それは、その仕事を全うしてきた者にとって、ひとつの事件に過ぎないはずだったのだから。噛み合っていたものが、噛み合わなくなること>>続きを読む

スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988年製作の映画)

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北を目指す渡り鳥は、地平線の彼方にあると聞く楽園を、歴史からあぶれた御伽噺だろうと笑った。遥か遠くで生まれ、この骨に何千年とかけて届く愛や、時を追ったまま、何千年と戻らない旋律は、少年少女であった頃を>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

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スピルバーグや宮崎駿が世に送り出してきた名作は、どれも子供たちも(が)楽しめるようにとほっこりキャッチーな外装で包まれていることが多い。しかし、その物語の端々には監督の目は全然笑ってないぞと思わせるよ>>続きを読む

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)

5.0

世界を見せるそのゆりかごは、かつて生命の不可思議を説こうとした旅人たちの渡し船だったのだろうか。空は触れ合いを嫌うように広がり、宇宙はこれでもかとひしめき合う。その袖より解き放たれた流星群に導かれ、わ>>続きを読む

気になる関係(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

泥棒を生業とするうだつが上がらない男。相棒として行動を共にする少年。ふたりはその日を生き抜くために、明日のプライドを燃やし続ける。

このジャケットの女性の物語だと思ったら大間違いで、ダルデンヌ兄弟と
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死角(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

その踊りは模範となってはならない。その叫びは悪夢のせいではない。その闇には誰の未来も映らない。

完全ネタバレ。


時間軸を完全に逆にしているのならいいけれど、そうでもないようなのでタチが悪い。最初
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素肌の涙(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

荒凉とした大地と曇天。笑顔も覇気もない子供たち。人生は苦く厳しい。父親の内面的な冷たさ。汲み取るまでもなく表面化した暗く鬱々とした空気。それらをイギリスらしさと捉えてしまうのは、果たして正しいのだろう>>続きを読む

マーサの幸せレシピ(2001年製作の映画)

4.7

その気概は弱さに屈しないためのものであったはずなのに、気が付けば強さを示すためのもののように額に張り付き、気持ちとは裏腹な顔を作ってしまう。冷静になろうと努めれば努めるほど熱くなってしまうこの頭は、時>>続きを読む

メタルヘッド(2010年製作の映画)

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わたしは、わたしを物語る上で、とても大切なものを失い、その現実を、まるで喉の渇きと同等に受け入れざるを得ず、嘆きの真っ只中で踠き苦しんでいた。千切れるぬくもりを、途切れるこえを、目一杯伸ばし辛うじて繋>>続きを読む

フリージング・アウト(2004年製作の映画)

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『ブラインデッド』というホラー映画をいまいち楽しめなかったのは、自分にホラーを観る知識と才能がないからかもしれない。遡れば最初にそう思ったのは数年前。この『フリージング・アウト』を観た時に全く良さがわ>>続きを読む

アフター・ワールド2020(2018年製作の映画)

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ギャレス・エドワーズの『モンスターズ〜』のようなジャケットだったので意外と掘り出し物なのでは…と思い鑑賞してみたらとんでもなかった。いろんな意味で。物語の軸となる人物に敢えて感情移入させないような映画>>続きを読む

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

パオロ・ソレンティーノは好きな監督なので、本作にも期待していたのだけれど、これはやや自分の好みではなかった。よく引き合いに出されるフェリーニの『甘い生活』がノレなかったのも同じ系譜だからだろうか(でも>>続きを読む

プライス -戦慄の報酬-(2019年製作の映画)

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映画を観ては妄想に勤しむ物好きが匙を投げる部門第1位に輝いた本作(嘘)。造形へのこだわり(主にイライジャね)から熱意は感じるし、展開も悪くはないのだろうけれど、何かダラダラとやりたいことをやった結果、>>続きを読む

大阪少女(2020年製作の映画)

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どぎつい言葉にツッコミという名のしばき。これを大人がやってしまうとただのチンピラ映画になってしまいそうだけれど、それを少女にやらせるという発想が面白い。ただ、本当に少女に変更しただけで、それ以上の何か>>続きを読む

読まれなかった小説(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ここからの視界が屑程の現実しか見せていないのだとしたら、無限の可能性など、その言葉の範疇に収まってしまうのではないか。わかり得る世界とは、永遠に不確かなものばかりで、誰ひとり照らせやしないのに、せめて>>続きを読む

ナンシー(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これはただの嘘つき女の物語であり、そうとも言い切れない。物語はナンシーが子供を亡くした男性に嘘をつくところから始まるけれど、このような嘘を誰にでもついていたのかどうか。明らかに男性たちに対して愛想がい>>続きを読む

ブラインデッド(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

事前に何かで予告編を見てからの鑑賞。
こんなことゾンビ映画で言うのはナンセンスかもしれないけれど、あまりにもアイデア先行で無理があるかと(ナンセンス)。長年目の見えない生活をしていたわけでもない男が、
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

これ評価が高かったのに楽しめなかった残念自分な作品。雰囲気から何から好みだったし、観ている間も面白くないとは思わなかったけれど、観終わった後の満足感が期待を下回っていた。このキャラクター面白い!この人>>続きを読む

オーファンズ・ブルース(2018年製作の映画)

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歪なモザイクの集まりが、何の違和感もなく、むしろ美しいものにさえ見えてくる。けたたましい音と光。このミシミシと軋む眠りが、あなたと同化する夢なのだと、今ならわかる。彼女が振り向く度に記録は擦り切れ、証>>続きを読む

わたしたち(2016年製作の映画)

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一体いつまで生贄を差し出し続けなければならないのだろうか。それにしては、浮かばれず、報われず、日々は笑顔すら許してくれない。引っ掻き引っ叩かれ血がにじんだのなら、手当てをすればいい。でも、涙は、涙の手>>続きを読む

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記(1970年製作の映画)

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それは彼らが何十年と吸った煙草の煙の中だろうか。霧の中を彷徨い歩く大人たちは、いつからともなく獣道を抜けられない。

最初はロイ・アンダーソンとは思えないような印象だったのだけれど、終盤辺りからじわり
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ザ・アウトロー(2018年製作の映画)

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これ良く出来てると思う(尺はやや長いかな)。ステファノ・ソッリマ系?怪獣の出ないギャレス・エドワーズ?。キャストもほぼ知らないので(無知)、それは完全にプラス要素。クライムアクションだとマイケル・マン>>続きを読む

欲しがる女(2016年製作の映画)

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『スクールズ・アウト』のインパクトで一気に注目度を高めたセバスチャン・マルニエの過去作。ミシェル・フランコぽい雰囲気も感じたけれど、あちらの構成の巧みさと緊張感に比べたら(比べるな)大味ではある。それ>>続きを読む

恋人たちの予感(1989年製作の映画)

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付かず離れずの会話劇が心地よいテンポで繰り広げられるアメリカ映画。この雰囲気はドラマ『最高の離婚』のようでクセになるな(以前『新婚道中記』でも似たようなことを書いた気がする)。メグ・ライアンのあの迫真>>続きを読む

ROMA/ローマ 完成までの道(2020年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

このドキュメンタリーの中で、『ROMA』は小規模な作品の予定だった、というような発言が度々あった。確かに、キュアロンのプライベート映画と言ってもいい程に超私的な作品だとは思うけれど、脳内のイメージを具>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.7

拾い集めた羽根を束ねてみたところで、わたしの両の手は羽ばたき方を知らず、この空を泳ぐことなど、万に一つも叶わないのでしょう。ただ、わたしはそれを悲観せず、この地上での暮らしに十二分を尽くせば、日々は、>>続きを読む

KIN/キン(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

深そうで深みのない。とにかく設定が活かされない。そんな感想が出てくる作品だった。ジェームズ・フランコ演じた兄弟を組織の完全なる悪役からは外して『天空の城ラピュタ』のドーラ一家的な存在にした方が断然好み>>続きを読む

グッド・シリアルキラー(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

犬に仕事を覚えさせる時(調教する時)に、「グッド・ボーイ」と言って褒めてあげるのだそう。『グッド・シリアルキラー』は邦題だけれども、ふとその犬の話を思い出していた。褒められたことは何度でも。それが自分>>続きを読む

スパロークリーク 野良犬たちの長い夜(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

まず、これがアメリカ映画であることに驚いた。正直引き合いに出されている『レザボア・ドッグス』の内容や雰囲気を忘れてきているので比較はできないけれど、ほぼワンシチュエーションの男たちの語りのみで作られた>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

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世界に生まれ落ちたことを、どうのこうのと語ってしまう心よ。それは掛け替えのないものであると誇りたいからか。いくらでも替えの利くものであっては悲しいからか。あわあわとまごついている間にあっさりと永遠の果>>続きを読む

ブラックシープ(2006年製作の映画)

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クストリッツァ映画でも、ここまでもふもふには囲まれまい。ドアからもふもふ。助手席もふもふ。足だけもふもふ。これを読んで可愛いアニマル映画だと思ったら大間違い。でも目を閉じて音だけ聞いていれば『ひつじの>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

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タイトルが『クライマックス』であることと、ある順番が入れ替えられていることの意味。振り幅など考えず目一杯お手軽に齎される絶頂は、次の瞬間には回れ右をし、ゆっくりと、確実に地獄へと降下を始める。こういう>>続きを読む

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

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もし、あなたが存在したならば、わたしは叱られてばかりだっただろうか。でも、きっと、抱きしめてもくれたはずだ。もし、あなたが存在しなければ、わたしは今頃何をしていただろうか。多分、きっと、この世界の半分>>続きを読む

(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

瞳に宿る、人外のテリトリー。

冒頭の男の状況とそのまわりで起こる怪奇現象。シチュエーションスリラーとロードムービーを絡めたような不思議な物語は、静かに観客を引き込んでいく。主演2人の演技の良さも相ま
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天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~(2019年製作の映画)

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「あなたはなぜクリエイティブなのですか?」
このたったひとつのパスポートを持って、世界中の著名人のもとへと旅を続けて来たハーマン・ヴァスケ。もしやこれは壮大な大喜利なのでは?とも思ったけれど、それは何
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