逃げ遅れた感情は立ち竦み、まぶたは涙を匿い切れない。ひとたび流れてしまえば、落下しても落下しても、地に落ちる日など来ないと知りながら、それでも涙は生まれ続ける。こんな恐ろしいことがあるだろうか。底を知>>続きを読む
わたしがどう受け止めるかなど、どうでもいいことで、あなたの命の旅を、あなたに語る覚悟さえ決まれば、わたしは嘘と真実から逆算を始め、直ぐにでもその選択をするだろう。それが正しいか間違いかどうかなど、どう>>続きを読む
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これを『アニアーラ』とリンクさせて観ているラッキーな鑑賞者はあまり多くいないだろう。あの時すれ違っていたのはこの宇宙船だったのか。軌道が違うって?気にしない気にしない(勝手)。でも何千人乗せた移住計画>>続きを読む
憶えているだろうか。その御手に撫でられた感覚を。ツリーチャイムの降る朝を。わたしたちの軌道上に架かる虹を。憶えているだろうか。わたしはあの日の産声が、彼方の大海原へと宛てたトーチソングであったことを、>>続きを読む
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あちら側から眺める煌々とした世界も、こちら側で蠢く魑魅魍魎の生態も、今のわたしにとっては全く無視のできないもの。こう在りたい、こう認識されたいと、作っては壊し、壊しては作るわたしと、わたしの努力は、思>>続きを読む
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これは宇宙船に誰か一人いるはずのない人がいるという恐怖のサスペンススリラーでもなければ、誰か一人犠牲になれば助かるという感動のヒューマンドラマでもない。原作は現存する数々のSF映画に影響を与えた(かも>>続きを読む
声が海に手招きしている。
大人は判ってくれないとか、そういうことではない。真面目に学び、世界を見渡し、真剣に人生を設計すれば、その分だけ、人生への悲観は膨らみ続ける。こんな時代に君たちは何を思い、羽>>続きを読む
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ただでさえずれのある心身のバランスが、日を追うごとに悪化していく様。誰もが通る成長期の痛みとは、また別の、根本につっかえたままの違和感。鏡越しに見るその姿は、心のままに生きられない悔しさともどかしさの>>続きを読む
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そのオーケストラは、どの願いを隔離し、被写体とするだろうか。
原題『Resonance』(共鳴)の方が、邦題より考察しやすいのではないかな。邦題はいつものごとく、よくわかりません。と言っても、オリジ>>続きを読む
籠の中で不自由なく、知り過ぎた自由に囚われ、呪われる日を望みながら、煙を立てず、火花を散らし、知性と品性に燃ゆる花。目線を合わせ、光を集め、同じように咲くことは容易い。しかし、環境に左右されず、哲学を>>続きを読む
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何年後か、この監督が傑作でも生み出した時に、再評価したくなるのかもしれないけれど(あの辺のセンスはこの時から既にあったとか)、今これを観て凄く面白かった、脚本に唸った、とはならなかった。つまらなくはな>>続きを読む
タエコは仕事に追われる日常から逃げるように、ある島を訪れていました。青い水平線。澄んだ空気。自分が生きてきた世界とは似ても似つかない、美しい世界がそこには在りました。そこでタエコは個性的な人々にも出会>>続きを読む
世界にただ消費されて行くことは、当たり前のことでしょうか。本当は戸惑い、悲しむべきことでしょうか。耳を塞いだ頭の中に、あなたの声が聞こえた気がした。
あっちゃん、消費されないで。
キアロスタミと錯>>続きを読む
とりとめて、何が良いとは言い切れないけれど、ずっと観ていられる。120分で朝ドラを半年かけて観たような不思議な感覚と、ほんのりとした満足と。通り抜けたのは、風、家族という曖昧な風景。何処か高畑勲的郷愁>>続きを読む
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希望とは絶望を違う角度から見ているに過ぎない。これはカルト集団を『マーサ、あるいはマーシー・メイ』のシリアスとは異なるテイストで映像化した作品(と決め込んで鑑賞)。ユーモアもあり一見笑えるけれど、紐解>>続きを読む
依存が洗脳を加速させるのか、洗脳が依存に付け込むのか、これはどちらもだろう。本作に登場したカルト集団と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で登場したあの集団との類似性。マーシー・メイと名付>>続きを読む
夢がカウントダウンを始める時がある。途端にゼロに向かって(起床時間だろうか)世界が構築し直され、凡ゆる事象が、ある時はコマ送りで、ある時は駆け足で、帳尻を合わせにかかる。誰もが一度はそのような、何かに>>続きを読む
モンスターパニック映画でありがちなきっかけを猫映画で採用してみたら…という風変わりな映画だった。もうね、あの男性の第一印象が杉本哲太だったので、終始ミヌースに振り回される哲太にしか見えなかったよ。お疲>>続きを読む
ないものねだり、のフリをしていただけ。よりリアリティを持たせなくては、わたしはこのフリに醒めてしまうだろう。だから、何度も何度も、言い聞かせる。この口で、この身体で、わたし自身を説き伏せようと。
鑑賞>>続きを読む
Don't Move!
おあずけを繰り返すアルペジオ。こだまのようなレスポンス。不格好でも息を合わせて反復するうちに、風は震えてリフレインへと変わり、エモーショナルに静寂を切り裂く。
男女の噛み合わせ>>続きを読む
一応『モンスターズ/地球外生命体』の続編らしい。例によって評価よりは質の高い作品。間違いはモンスターズなどという風呂敷を広げてしまっていること。それは前作にも言えたことだ。せめてジャケットの怪獣大戦争>>続きを読む
高評価映画ということで気になり鑑賞。
丸っきり肌に合わない映画でした。そもそもコメディ苦手だということを忘れていた自分が悪い(作品にもよるけれど、このノリは…)。この題材をコメディで描くことに意味はあ>>続きを読む
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眠る前に叶えられた願いが一番美味いのだと、誰かは言った。目覚める前に食べられた願いは二度と戻らないのだと、また誰かが言った。どちらも、聞いたことのある声だった。
叶った願いとは何であったか。それは寝>>続きを読む
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そうか。本作に求めてしまったものが『ドライヴ』にはあったということかな。逆に『ドライヴ』が苦手だった人には、本作をおすすめしてみよう。
目が眩む程の愛よ。目が眩む程の血よ。目が眩む程の闇よ。己が堕ちる程、眩く光るこの世界よ。
『FEAR X』から稼働し続けていたエレベーターと、『オンリー・ゴッド』へと続く不穏なネオン。レフン作品の中で>>続きを読む
茹だるような真夏にでも観たくなる映画だった。アクションキレキレ、皆んなブチ切れ、血飛沫傾奇の大立ち回り、美女揃いなのも嬉しい限り。何よりゾンビのやられっぷりやその捕食シーンが良い。水風船が割れるように>>続きを読む
展開はガイ・リッチー映画のようにホイホイとテンポがいいものの、全然リッチな感じはせずプア感が凄い。冒頭まもなく、ある訳ありの銃の行方を追うことになるのだけれど、全くその本筋に興味が持てず。終始シリアス>>続きを読む
ジャックという男は一体何者であったか。本作を後味のままの映画であったと考えることもできるし、その逆であったとも考えることができる。マッチ箱程の幅しかない世界の物語でありながら、奥行きが奈落の底程に深く>>続きを読む
鳴り響いたベルの音が、特別な記憶として残らないことなど、何も珍しいことではないのかもしれない。ただ、その響きは存在を距離で示し、運命を時で明かす。ずっと、眠っていただけなのだろう。魂が導き合うように、>>続きを読む
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見ていられないタイプの映画だと思いながらも、見ているうちにそれなりに。見ているうちに思いもよらず。観ていくうちにこれがなかなか悪くないと思えてくる不思議な映画だった。始まりはアーティスト西山小雨のMV>>続きを読む
フランスには14歳のホラー映画監督もいたっけ。本作は松本花奈が17歳(当時)で撮った作品とのこと。彼女『サイドカーに犬』に出演していた、あの子役の彼女だったのか。印象に残ってる。まさか、このような作品>>続きを読む
いつだって海は叫んでいる。いつだって空は泣いている。いつからか、いつまでか、知るところではないけれど。わたしたちの関係は、メビウスの輪のようにひとつながりであるのに、わたしたちの時間は、誰一人として繋>>続きを読む
子供の頃、風に乗りどこからともなく聞こえてくる重々しい音の群れに怯え、歩道橋の上でひとり泣き噦ったことがあった。通り掛かった見ず知らずの学生や、スーパーの袋を下げた買い物帰りの女性が、親切に声を掛けて>>続きを読む
なるほど。レビューでお見受けする最初がピークという意見もわかる。むしろ同意。ゴズリングもエマ・ストーンも好きだし(でも時々エマの顔が苦手だなと思う瞬間があるのは何故だろう)、ベンチのダンスは『ロスト・>>続きを読む
『スパイダーパニック!』のスカーレット・ヨハンソンに続けと、ミア・ワシコウスカもパニック映画に出演(適当)。しかし、本作はパニック映画と言うよりスリラーに近いのかも。同じ年に『ブラック・ウォーター』(>>続きを読む