猫田さんの映画レビュー・感想・評価

猫田

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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

現れた時から怪しかったけど、結局主役の2人を喰らうように最期の最期まで圧倒的に気持ち悪いマークライランスの怪演に脱帽。だけど、自分の特性のために誰とも分かり合えずに愛を知らないまま生涯を孤独に蝕まれた>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.5

人間の壊し方という説明書でも読んでるよう。まず人格を破壊され戦地に送り込まれた兵士たちは、実戦を経てさらに人間性が失われてゆく。それがプラスアルファとなって戦争を成功させる秘訣でもあるかのようにも見え>>続きを読む

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.6

寓話というにはあまりにもリアル。
公人である彼女が声を荒げてる姿はもちろん見たことはないけど、旦那の不倫に逃げ場のない王室暮らしで、実際メンタル的にも行動にしてもあんな感じだったんじゃないだろうかと見
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Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

3.2

出てくる子らがみんなしてバカっぽい。なので、やたら陽気で楽しげ。それプラス、若さの二文字でゴリ押しの恐いもん知らずぶりがアホさに拍車をかける。
店長を前に内緒話になってない内緒話をラリってて丸聞こえで
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

90年代、たしかに急に観なくなった女優さんがいたけど、今になってその謎がすべて解けた気がした。あんなオヤジの薄汚い欲望のせいで、前途有望な女性たちの未来が次々に潰されていったんだと考えたら腸が煮えくり>>続きを読む

スクリーム6(2023年製作の映画)

3.8

面白くてビックリした。前作は主役を変え、レジェンド生き残りオールスターズも出て、まさかの置き土産まで残し、個人的には上々な滑り出しリブート5作目だったんだが、それを越えてきた。ニューヨークを舞台にして>>続きを読む

声もなく(2020年製作の映画)

3.6

ヘビーだけどやたら人の良さそうな2人組とわりと明るく進む展開に拍子抜けしながら観ていたら、ラストで一気に現実に引き戻される。子供の残酷さが心に突き刺さる。善人だから良い恩恵を受けるとは限らないし、善人>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.2

スポ根ものじゃないと昔教えてもらっていたが、その通りだった。このての作品って、結局は心温まる感動の展開になるはずなのに様子が違う。なんだかんだ全身の毛穴が開くくらいラストは圧倒的に感動はするんだが、そ>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

実話を元にしてるというのがこれまたゾッとする。宗教と男尊女卑。融合すると、こんなに途方もない闇が生まれるもんだな。ねじ曲がった性善説がさも当然であるかのように見せられるのがすでにこっちからするとホラー>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この子キムダミちゃんか?違う?違うよね?いや、キムダミちゃんか?と1人で問答しながら始まったものの、キムダミちゃんじゃねぇ!と気付きました。これにはX-MEN並みに超能力者どもがでてくるんだったという>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

時を経てエスターちゃんはやっぱりちょっと歳をとっていた。と言っても、まだ20代。若い。彼女なしでは始まらないので、出てくれてありがたい。続編だと、どうしてもあの成長しない設定が足かせになってしまうのは>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.7

日常が一変するような恐怖ってのは、こんな風に突然訪れるというのがよく分かる。前兆は些細なことで、気付いたらあれよあれよと渦中に巻き込まれる。でも、なんとなくSFっぽさがあるので生々しさは多少抑えられて>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.3

ジョニー役の子がめちゃくちゃ可愛いな、おい。ベッドに横になってるおじさんのお腹に頭を乗せておじさん見てる顔とかくるくる変わる表情に悶絶。そんでもって、子供と一緒になって戯れているホアキンも素敵すぎて眼>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

シャマラン監督の作品は博打のようなもんで、自分の中でアタリかハズレかの2択になる。でも、ハズレかもしれないと思いながらもつい観てしまう。それがシャマランマジックと個人的に思っている。今回はハズレだった>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

世の中にたくさんある点を繋ぎ合わせると、何かと何かが偶然に繋がる。でも、それは偶然に見せかけた必然のことだったりするのかもしれない。物語に入る前のモノローグがすごく好きだ。
同じ空の下、それぞれの理由
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.9

デヴパテルに釣られて観たけど面白かった。ダークで荘厳かつ雄大な自然の美しさに見劣りせずに映えるデヴパテルの濃さよ。素敵です。
約束の日までの旅路で対峙する数々の出来事は己の中にある弱さで、それを乗り越
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

回想と現在を行ったり来たりしながら進む切なすぎるお話。湿地を舞台にした回想シーンはすごく幻想的で美しい場面もあって、切なさがさらに際立つ。ザリガニが鳴くところに辿り着けただろうか、としばらく余韻に浸っ>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.7

ヒエラルキーが逆転しようが、人間てのはどんな状況でも結果的には欲深い生き物なんだと再確認させられる。地獄の沙汰も金次第が通用しないブラックコメディー。ラストはああなるだろうね…という展開。
フレンチア
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

キーホイクァンのウェストポーチヌンチャクとミシェルヨーのカンフーが真似たくなるくらいキレキレでシビれた。
テーマがすごく良くて、見せ方も凝ってるし楽しい。ただ、展開が目まぐるしすぎて、あの高速感に完全
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スターフィッシュ(2018年製作の映画)

3.6

メンタル内での葛藤や己との闘いの記録をSFファンタジーにするとこんな感じになったりすんのかなとなんだか感心しながら鑑賞。そして、観終わる頃にはこっちの心も浄化されるくらい妙に清々しい気持ちにもなる。答>>続きを読む

デモニック(2021年製作の映画)

3.8

監督の得意なテリトリーにオカルト融合。派手さはないもののセンスのいい映像もあって地味ながらシャープでスタイリッシュな印象。こういうこじんまりした作品でみると、それがさらに際立っててイイ。どうにかすれば>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

誰しも昔の楽しかった日々ってのはあんな風にキラキラと輝いて映るし、上手くいかない現実は灰色に曇って冷たく映る。そんな心を反映させたような映像も印象的。構成もすごく良い。少年っぽいシャラメ君との対抗馬に>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

見えないものは怖いし、見えすぎるのも怖い。明確にならないのは怖いし、成す術がないのも怖い。気付いたらそんな八方塞がりの怖さで身動きがとれなくなる。概念が違えばそれだけで如何ようにも変化するオカルト世界>>続きを読む

地獄の警備員(1992年製作の映画)

3.3

地味にずっと観たかったやつ。松重豊って、こんなにデカかった?と二度見するくらいデカい松重豊のインパクトが強烈。それが活きてる。大杉漣の役柄もなかなかキモかった。1992年の作品なので、どうしても時代を>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

3.9

息をのむ美しい山岳地帯の風景から、生々しく混沌としていて、たまに幻想的にも見える世界観に気付いたらのまれていた。話全体をしっかりとは見せずに進むので、少年少女たちの言動で楽園にも地獄にも見えるのが本当>>続きを読む

カポネ(2020年製作の映画)

2.5

48歳で亡くなったのか。大部分はあくまでフィクションなんだろうが、彼の晩年が本当にあれと限りなく近いのであれば切ない。病気のせいとはいえ、裏社会のボスが人間としての威厳を失ってからの姿がちょっとショッ>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.9

トマトを投げられてキャッキャしてるおっさんの画が脳裏に焼きついて離れない。裏で誰かが嘲笑ってる姿が目に浮かぶような後味の悪さが、もはや中毒になってやめられないヨルゴス監督。女王を差し置いて唯我独尊オー>>続きを読む

フォールアウト(2021年製作の映画)

3.2

空っぽな日常と相まって、軽さや掴みどころのなさがすごく今っぽい。事件を乗り越えて前を向ける人がクローズアップされがちだけど、こうやっていつまでも前を向けず何かに逃げることで心を守る人もいる。それは悪い>>続きを読む

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.0

ラストがさらっと素敵。もっとコメディコメディした感じだと勝手に思っていたので、中盤からシリアスな雲行きになっていくバランスが絶妙で素晴らしかった。ジャックレモンのお人好しぶりが歯痒くなるものの、別人の>>続きを読む

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years(2016年製作の映画)

4.5

もの凄い人気だったのは知ってたが、ここまでとは…アンビリーバボー。
イギリス人らしい皮肉のきいたジョンのキリスト発言も納得。ビートルズって言葉だけが完全に独り歩きしてる異常な現象に振り回されて疲れ果て
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.7

設定が好き。他人の意識に入り込む時の感覚も見える化にしたら本当にあんな感じなんじゃないかと思ってしまうほどの作り込みよう。見た目こそ違えど、他人の身体に入って意識だけは自分のまんまって、精神的にきつそ>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.3

正直、ああも繊細に見せられたらお前が悪いとは一概に言えない気持ち。
柔らかで温かみのある光の映像が多いのに、彼を包む孤独の陰がコントラストのように映った。彼も自分もただ少し違うだけの同じ人間というリア
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

4.8

初っぱなからトガりまくっててラブコメ臭を微塵も感じさせないというギャップよ。バンドマンと追っかけのある意味、究極シチュエーション。なのに、下品でお下劣でダサい。でも、それを浄化するようにピュア。
あの
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

好き!とか言ってりゃなんでもいいのかよ。アホか。という、主人公みたいな屈折した青春を送ってきた身としては、拗らせの中にある青春みたいなもんの姿が完璧に具現化されてるような気がしてめちゃくちゃ爽快だった>>続きを読む

コインロッカーの女(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ライオンが我が子を崖から突き落とすかのようなラストが、不謹慎だけどカッコ良すぎて震えた。残酷だとしても、それが彼女への愛情の裏返しだったのかと思うと泣ける。裏社会の疑似家族。普通とは明らかに違うカタチ>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

タイウェストとミアゴスの組み合わせいいなぁ。どんな作品でも物怖じしない雰囲気が漂うミアゴスには、ある意味ぴったりな役柄かも。血しぶきで真っ赤に染まったヘッドライトが映し出す恍惚と憎悪の姿には思わず見入>>続きを読む

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