Frapentaさんの映画レビュー・感想・評価

Frapenta

Frapenta

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ(2023年製作の映画)

4.0

東工大のイベントで観た。
濱口竜介を一目みようと思っていたのだが、小森はるかも出席しており、そこでドキュメンタリー監督として有名らしいのを知った。その時に上映された映画だった。

正直内容はうろ覚えで
>>続きを読む

ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)

4.0

ラスベガスでヤクをキメまくってハチャメチャやらかすトリップムービー。ハングオーバーはこの系譜を踏んでいるのではなかろうか。

バイクレースの取材が主な目的だったようだが、薬物依存症だけあって目的も責任
>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

エルヴィスプレスリーのことは全く知らなかったので、彼の生涯を勉強できた。「Suspicious Minds」はブレードランナー2049でも流れていたが、エルヴィスが歌っているとは全く認識していなかった>>続きを読む

ゼイリブ(1988年製作の映画)

5.0

最高。
久々にこんなに空想科学の面白さを感じられた。

消費社会において身の回りに溢れている商品が、行く先にはサングラスをかけたようなメッセージを体現しているのがちょっと考えると納得してしまう。また、
>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.8

素直にブラックコメディとして最高だった。こんなにこのジャンルで笑ったのは「ホワイトボイス」以来。ザボーイズにも通ずる現代のブラックさをここまで体験できるとは思わなかった。また、本年度アカデミー賞脚色賞>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

大傑作だった。


ミゲルは失踪した俳優フリオを探していく中で、自分自身の人生について見つめ直す話。
それと同時に、ビクトルエリセ監督自身の経験が投影されているように思える。

直前に「ミツバチのささ
>>続きを読む

バートン・フィンク(1991年製作の映画)

4.8

有望な作家が不気味な館に住み込むことで奇想天外な面倒ごとに巻き込まれていくブラックコメディ……なのだろう。静謐なブラックコメディでもあるノーカントリーを作ったコーエン兄弟だからおそらくそういうジャンル>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.8

多分自分とは相性が悪かった。

敵勢力同士の男女が惹かれ合い愛するも抗争により引き裂かれてしまう物語。ロミオとジュリエットのような話だ。

劇場で観るべき映画だったように思う。音響を持って感じないと魅
>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

3.8

脚本が終わってる変な映画だが嫌いになれない。

わざわざお金を払って映画館に足を運んだ人ならばこの映画がヘンテコだとすぐわかるはず。いろいろなところに突然佐藤二朗が出没したり、儀式のあまりに穴だらけす
>>続きを読む

ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

4.0

メタルギアシリーズのスネークの元ネタとして有名な映画。

スネークという名前へのこだわりは?最後なんでまた本名で呼ばせた?
些細な疑問が残るも、全体としてはディストピア映画として楽しめた。ディストピア
>>続きを読む

エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

4.5

大人たちの信頼と友情、我が子の成長全てを取りこぼしなく緻密に描いた傑作。社会的な交流による一個人の変化がもたらす力強さはこの作品で十分に示されてるといえよう。

今回のお話ではエリンブロコヴィッチがと
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

PART1と変わらずやはりどこか俯瞰的に物語を追ってしまいうまく没入できなかった。ただ、俯瞰的に観てもグレイグフレイザーの映像美およびサンドワームを主とした大迫力の音響は圧巻。これだけでも映画館で観る>>続きを読む

ウォーターワールド(1995年製作の映画)

4.0

昔のおバカアクション映画感あって好き。コマンドーと同じカテゴリーに位置するのだろう。
アンチャーテッド3の船場はおそらくこれをリファレンスにしている気がする。錆びついた船の外骨格が懐かしい気分にさせる
>>続きを読む

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション(2021年製作の映画)

4.2

現時点でヒロアカ映画最高傑作。

制御の効かない「個性」は人を孤立させるというメインヴィランの言葉に少し共感してしまう。彼なりの苦悩が人生にあって、ついにはその壁に打ちひしがれ、それを乗り越えるのを諦
>>続きを読む

JSA(2000年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

パクチャヌク出世作。

いまや血みどろの復讐劇で有名な彼の作品だが、今作は南北境界線を跨いだ友情およびその破局を描いていて、人間愛溢れる映画で驚いた。しかも今作は二つの異なる証言と、一つの真実という「
>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

内容がすごくよかっただけに、ユニバース化という蛇足が本当に勿体無いなと思った。


個人的にユニバース化には良いとも悪いとも思っておらず、要は整合性が担保されかつ類似しない話を出して楽しませてくれれば
>>続きを読む

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(2019年製作の映画)

4.0

クラスのみんなが役割を持って総力戦で打ち勝つのは素直に熱いものがある。
公開当時に観ていないので、アニメ何シーズンごろの時系列かよくわからなかったけど、デクと爆豪が秘密を共有して今一度良きライバル関係
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

硬派すぎて観てて楽しくはなかった。

法廷では事実が重要ではない。それが回り回って最終的に実際に観たという確証ではなく、(第三者からしたら)聞いただけという比較的曖昧な根拠による二者択一という結論に至
>>続きを読む

地獄への逆襲(1940年製作の映画)

3.9

フリッツラング初のカラー。
カラー映画の発展を経た彼の作品はいかがなものかと思えば、やや作家性の欠けた西部劇となっていた。しかも、この作品はフリッツラングが関わる前からすでに製作が進行していたジェシー
>>続きを読む

真人間(1938年製作の映画)

4.1

良作。
基本的には男女二人の愛という非常にミニマルな話だが、それぞれ元囚人という秘密を抱えており、そのバックグラウンドを活かしきった展開に唸った。
ギンピーをはじめとした刑務所仲間のコミカルさもいい塩
>>続きを読む

ありふれた事件(1992年製作の映画)

4.0

殺人鬼を追うモキュメンタリー。
詩の引用や偉人の存在をひけらかして如何にも自分の行う殺人に大義があるように見せかけるのが怖い。ベンは表面的な欲に深みを持たせる洗脳術に長けてる。
殺人のモンタージュが今
>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

5.0

生理的な不快のないアリアスター映画は何度でも観れそう。
素晴らしい。


アリアスターはトラウマによる恐怖を描く以前に映画を美しく撮るのが上手い監督だと思う。だから、「ミッドサマー」に特にみられた生理
>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

シリーズの中ではかなり面白かったが、これで終わりなのかという驚きがすごい。

特に完結とも宣伝されておらず、これからもワイスピみたくスケールが膨張していくのかと思っていたが、まさかのジョンウィックが死
>>続きを読む

リリオム(1934年製作の映画)

3.9

フリッツラング亡命後初の映画。最終的にアメリカに渡るわけだが、その前の道中であるフランスで撮られた作品である。


何度も警察にお世話になるような体たらくなクズ男リリオムとその男を愛してしまった変わり
>>続きを読む

怪人マブゼ博士/マブゼ博士の遺言(1932年製作の映画)

4.0

「M」に続くフリッツラングのトーキー映画第2弾、そしてドイツ時代最後の作品。一応「ドクトルマブゼ」と「M」の続編の立ち位置なのだが、「M」での探偵が一緒なだけで、直接的にはあまり関係なさそうだった。鑑>>続きを読む

もっと遠くへ行こう。(2023年製作の映画)

3.6

夫が遠いところへ単身赴任するので本人そっくりの代替夫を用意したみたいな話。
表層的な部分しか理解していないのかもしれないが、正直にいって本作で起こる問題は本人たちだけで解決できそうだったような気がする
>>続きを読む

ワルキューレ(2008年製作の映画)

4.1

ナチス政権下で歴史上最後のクーデターを引き起こしたシュタウフェンベルク大佐の物語。おおかた歴史通りに話が進行しており、淡々としていてかつ骨太な作品だった。なんといってもロケ地のほとんどが現地で行われた>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

純粋にいい映画だなと思った。
特に何か大きな事件が起こることはないけど、それでも日々人の心は大きく動かされているのを体感させられた。

本作の平山は温厚で物静かな性格だ。そして都内のトイレ清掃員として
>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

ビクトルエリセ監督作を初めて観た。

端的に言えばアナが死に初めて触れて成長していく話に見えた。死に触れることで感じる喪失で表情を曇らせていくアナは観ていて哀しくなるが、この現実を乗り越えないと生きて
>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

だいぶヘンテコな映画な気がするけど、バリーコーガンは人を貶める役がすでに板についているので、今回それが遺憾無く発揮されていたのがよかった。被害者と思われそうなミスリードを生かした彼の狂気に驚かされる。>>続きを読む

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

4.0

何度でも言うが、スパイファミリーにおいて父がスパイ、母が殺し屋、娘が超能力者という設定がもう優勝しているので、あとはどんな物語でも面白くなってしまう。今回も面白かった。何なら少なくとも平和回はサザエさ>>続きを読む

花に嵐(2015年製作の映画)

4.1

なぜだろう、気づけば終盤の怒涛の展開に感動している自分がいた。一度死んでしまった在りし日の彼女を救うプロットはシュタインズゲートを観てから弱い。主人公が何かしているかと言われれば撮っているだけなのだが>>続きを読む

ハロウィン(2018年製作の映画)

4.0

1978年製作の初代ハロウィンと比較すると、マイケルを追尾する視点によって主観性がもたらされていて、初代の不気味感が減少しているのは否めない。しかし、それを掻き消すくらいのホラーらしからぬ胸熱展開が心>>続きを読む

ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

4.0

コーエン兄弟の長編デビュー作。
至る所に『ノーカントリー』の断片が見られてよかった。1番感じたのは会話中に鳴る大きめの呼び出し音。緊迫の中さらに緊迫する要素が介入する面倒さを表すには本当に効果的だなと
>>続きを読む

ハロウィン(1978年製作の映画)

4.5

クラシックホラー。傑作だった。

マイケルマイヤーズもといブギーマンがハロウィンの夜を恐怖に陥れる。陽気な少年少女が襲われるのはいまやホラーの定番だけど、もしかしたら定番を作った張本人が本作かもしれな
>>続きを読む

アトミック・ウォー 大腸篇(2022年製作の映画)

3.8

後輩の作品。映像もストーリーも少数で作ったとは思えない完成度。
汚いが洒落が効いてて好き。
思わずどうやって撮ったのか知りたくなる映像群で、純粋に楽しかった。

>|