たこふみさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

たこふみ

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国葬(2019年製作の映画)

3.8

スターリンの国葬に集まった人びとの表情を延々と写しているだけなのに、片時も目を離せない不思議な映画。この作品を支えているのは、編集の素晴らしさだ。
スターリンのようなとんでもない独裁者でも、当時は多く
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デッドゾーン(1983年製作の映画)

3.8

四半世紀ぶりぐらいに再見。前見たのは、テレビ放送だった。久しぶりにみて、とても面白かった。
クリストファー・ウォーケンがいい演技をしている。ウォーケンは無表情でこわいイメージがあるが、笑うと結構かわい
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.8

新幹線同士の正面衝突を避けるための線路の切り替え、爆破ギリギリの速度まで減速させて爆弾の設置場所を確認するなど、爆破を避けるための人びとの努力が丁寧に描かれている。この映画は、新幹線の仕組みをよく研究>>続きを読む

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

3.5

おもしろえ!塗装工のあんちゃんの最期といい、川谷拓三の暴走ぶりといい、はちゃめちゃな感じがよかった。
室田日出男も相変わらずいい仕事してます。

狂った野獣(1976年製作の映画)

4.5

痛快とはこの映画のことを言うのだろう!渡瀬恒彦自ら危険なアクションシーンに挑む。
好きなのは、渡瀬がバスを追いかけるシーン。ビール箱を荷台にのせた自転車をかっぱらって、必死の形相でバスを追いかけるシー
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

黒沢清の作品は、わかりやすいものと、小難しくてよくわからないものがあると思うのだが、この映画は文句なしに誰がみてもわかりやすく、かつ、面白い傑作。 蒼井優がスクリーンの前で錯乱するシーンが一番好きだ。

実録外伝 大阪電撃作戦(1976年製作の映画)

3.5

面白かった。松方弘樹の目力と、渡瀬恒彦のキレッキレの動きがみどころ。南原組長を演じた織本純吉がいい味出してる。

仁義の墓場(1975年製作の映画)

4.8

この映画は何度みたことだろう。とにかく名場面の連続なのだが、特に印象深いのは、芹明香の娼婦と渡哲也がクスリにおぼれるシーンだ。このあたりから、映画はそれまでの喧騒に満ちたタッチから、陰鬱でデガダンな雰>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976年製作の映画)

4.0

この作品は、なんと言っても宇野重吉のすばらしさに尽きる。一見ルンペンのような作務衣を着ていても、スーツに身を包んでも、着流しの和服をまとっても、みなさまになる。飄々とした語り口、時折悲しげな表情をみせ>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

この映画でコーダのことを初めて知った。多くのひとにコーダの存在を知らせたという点でとても意義のある作品だと思う。
ストーリーはありがちなパターン。でも、時々ハッとさせられる演出があった(主人公の発表会
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男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982年製作の映画)

3.8

田中裕子がキュートで、かつ、色っぽくてよかった。沢田研二が田中裕子にほれたのもよくわかる。寅さんはキューピッド役で、かっこよかった。

エル・スール(1982年製作の映画)

4.2

ビクトル・エリセといえば、なんといっても「ミツバチのささやき」なのだが、この「エル・スール」もすばらしい魅力にあふれた作品だ。父親のミステリアスなキャラクターといい、全体的に不思議な雰囲気に包まれてい>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

4.5

とにかく、グロリアを演じるジーナ・ローランスのかっこいいことかっこいいこと。マフィアの男たち相手にいきなり発砲、ピストル突きつけて脅す、殴ってきた野郎を殴りかえす、ホテルのボーイにまでピストルチラつか>>続きを読む

時をかける少女(1983年製作の映画)

4.0

原田知世がみずみずしく、一生懸命健気に演技している姿が、ほほえましい。
大林作品の常連、尾美としのりの演技はもはやベテランの域に達しており、知世をしっかり支える。上原謙と入江たか子の老夫婦も素晴らしい
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男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年製作の映画)

4.5

「男はつらいよ」シリーズ屈指の名作。マドンナでは、やっぱりリリーが一番。寅さんとの掛け合いもぴたり息が合っている。リリーとのケンカのあと、寅さんが傘をもってリリーを柴又駅に迎えに行くシーンは何度見ても>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインに振られることの多い寅さんが自ら身を引く姿がかっこよかった。志村喬がもう少し物語に絡めば、よかった。

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.5

ジョン・カサヴェテス最高傑作の一つ。ジーナ・ローランス演じるマートルの女優魂を描く。
マートルはジーナそのもの。もはや若くはない彼女は、老け役を演じることに抵抗し、悩み苦しむ。結局、マートルは台本通り
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ブリット(1968年製作の映画)

4.5

自分的には、「ゲッタウェイ」とならぶ、スティーブ・マックウィーンの代表作。「ゲッタウェイ」がロマンチックな作品とすれば、「ブリット」はハードボイルドな一本。
ときどき入る音楽はシブくてかっこいい。でも
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

家族とは何かを問う作品。血のつながっていない男女たちが、ウソンという一人の赤ちゃんをめぐってつながり、結果的にそれぞれの人生も大きく変えていく。それにしてもウソンはまだほんの赤ちゃんのに、彼が周囲の大>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

何度見ても泣かせる映画。特に好きなシーンは、トラヴィスがハンターと通りを挟んで、学校から家までおどけながら帰るシーンだ。最初は距離のあった親子が次第に心を通わせあう様子が温かく、とても好きだ。
ハンタ
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バリー・リンドン(1975年製作の映画)

5.0

おもしろい!映像も、音楽も、脚本も、衣装も、そしてもちろん俳優たちの演技も最高。有名なローソクの火だけでとったシーンをみるだけでも、この作品には価値がある。
シリアスなドラマの合間に時折はさまれる喜劇
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アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

3.5

ベッケルの「穴」をみたあとにみたせいか、緻密さに欠ける印象を持った。「穴」は音楽が一切はいってなかったけど、こちらは効果音バンバン入っていて、「さあここは見どころですよ」と親切に教えてくれる感じ。
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(1960年製作の映画)

5.0

音楽もなく、余計なものが削ぎ落とされ、登場人物たちはただひたすら、穴を掘っている。それだけなのになんだろう、この緊迫感は。監房のなかで穴を掘り、カンカンと音を立てている。それだけなのに、なぜこの映画は>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

4.0

初めてみたのは中学生の時。当時は有名なラストシーンの印象ばかりが脳裏に焼き付いた。ボニーとクライドの最後といい、ジーン・ハックマン演じるクライドの兄の最後といい、暗い映画だと思った。そんなこともあって>>続きを読む

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

5.0

記憶が確かならば、この映画を初めて見たのは萩昌弘さんが解説を務めていた月曜ロードショーだった。当時の自分はまだ小学生だった。子どもながら、スティーブ・マックウィーンのかっこよさにしびれた。パトカーをシ>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.0

カサヴェテスの作品では、「グロリア」と「オープニングナイト」とこの「こわれゆく女」が好きだ。特に「こわれゆく女」は、日本での最終上映で渋谷に駆けつけるほど好きな映画だ。
私は、映画の初めの方でジーナ・
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スティング(1973年製作の映画)

5.0

中学生から高校生のころ、年末年始は夜中にテレビでたくさんの映画を放映して、みるのがとても楽しみだった。中でも特に面白かったのが、この「スティング」だった。それ以来、何度も見返している。
「明日に向かっ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

特別なことは何も起こらない映画。でも、俳優たちの表情や言葉が素晴らしくて、みいってしまった。音楽もよかった。全体的にかったるいけど、それが気持ちよかったです。

劇場(2020年製作の映画)

4.0

正直、見る前は期待していなかったけれど、最初から引き込まれるようにみた。松岡茉優は本当に演技がうまいと思う。山崎賢人もよかった。この2人がとてもよかった。音楽も素晴らしい。