キラリさんの映画レビュー・感想・評価

キラリ

キラリ

マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

3.0

“いつも手付かずで残るブルーベリーパイ。パイが悪いんじゃなく、ただ選ばれなかっただけ” 

映像も色彩センスも音楽もキャストもおしゃれで、監督の美意識がふんだんに詰まった作品。

公開当初、この映画の
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ドラえもん のび太の宇宙漂流記(1999年製作の映画)

3.3

“地球は、地球人のものです”

壮大な宇宙スペクタクルアドベンチャー。終盤あまりに機転の利くのび太にびっくりさせられる本作。

スネ夫とジャイアンがゲームの中で迷子になり、UFOに連れ去られてしまう。
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.6

“健康で文化的な最低限度の生活” 

東日本大震災の傷跡と貧困問題、そして日本社会が抱える生活保護制度の実態と受給をめぐる理不尽さが描かれた本作。

終始、息苦しくなるほど辛くて、やるせない思いに頭や
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ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版(2009年製作の映画)

3.5

“あなたには隠された真実が見えるだろうか?”

深夜番組として放送していたモキュメンタリー番組『放送禁止』。一部の界隈でカルト的人気を誇っていたフェイクドキュメンタリーで、かくいう私も番組の大ファンで
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クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年製作の映画)

3.7

“ロボットでもいい。あなたは立派な父親だわ。”

ある日、ひろしがロボットになって家に帰ってきた。それは弱い立場にいる父親たちの力を取り戻そうとする“父ゆれ同盟”の陰謀だった。野原一家の運命は!?
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.5

“不倫を許すか?許さないか?”

キャスティングの妙が光る、爽やかで恐ろしい不倫劇。

黒木華×柄本佑が主演という時点で、内容はさておきどうしても見たくなってしまう。本作は、内容も面白く、よくありがち
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オールド(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

“大勢の人を救うために多少の犠牲は仕方ない” 

ある日、なんの前触れもなく被験者になってしまったら?ありえない現象に自分も大切な人たちも巻き込まれてしまったら?

“老化”という生物に生まれてきた以
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.3

“普通って?ミー坊はよくわからないよ。”

鑑賞後に心地良い多幸感に満たされる映画。以前映画『横道世之介』を鑑賞した後と似た感覚だなぁと思っていたら、案の定監督が同じ。

「ダイバーシティ&インクルー
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ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記(1997年製作の映画)

3.3

“のび太君、無事でいてくれ”

藤子・F・不二雄先生の遺作となった映画。内容は、環境破壊や自然との共存にも踏み込んでいる。

物語は、のび太がジャイアンとスネ夫に「牧場を持っている」と嘘をついてしまう
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夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

3.6

“これ以上傷つきたくないから、相手に期待しない”

こんな山田裕貴をこれまでみたことがない。

この二人の関係性は、無責任で、ずるくて、単なる傷の舐め合いなのかもしれない。恋愛という程のものではないの
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

3.8

“泣かないでバンザイできるもん”

ちびまる子ちゃんのシスターフッド映画として名高い感動作。

サイケデリックでありながら、笑いあり、ブラックユーモアもあり、涙あり。ちびまる子ちゃんは、初期の頃の方が
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.6

“あなたならどこにいても孤独を手放さずにいられるわ”

誰にも何にも邪魔されない、干渉しない、流されない、孤独を手放さず、抱きしめながら生きている“ちひろさん”。

鑑賞後に率直に思った感想は、今の時
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.5

“今日は残りの人生の最初の日” 

殺される誕生日を何度も繰り返す女子大生をスリラーとユーモアたっぷりに描いた新感覚タイムリープホラー作品。特にグロいシーンもなく、怖すぎるということもないので、ホラー
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.5

“みんな聞いて お母さん話ある お母さんさっきお父さんを殺しました”

子供を守るための殺人。本作は、父親を殺めた母親と自由を与えてもらったはずの3兄弟の葛藤の物語である。

冒頭から田中裕子が凄い。
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名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

4.1

“母ちゃんが言ってたんだよ、米粒ひとつでも残したらバチが当たるってな!”

今週の金曜ロードショーで放送予定なので、コナン好きの方や観たことないけど気になっている方はぜひ!

コナン史上最高に元太くん
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.9

“終わったと思ってないよね?”

プロミシング・ヤング・ウーマンとは明るい未来を約束された女性のことをいう。まず、このタイトルからしてこの作品にふさわしく秀逸だと思った。

この映画は、主人公キャシー
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明日の食卓(2021年製作の映画)

3.5

“僕はいい子じゃない。お母さんもいいお母さんじゃない。”

同じ名前、同じ年の息子を持つ3人の母親たちが、子育ての理想と現実に直面し、悩み苦しむ姿が描かれた作品。家庭内でそれぞれ抱えている問題があり、
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ドラえもん のび太と夢幻三剣士(1994年製作の映画)

3.7

“この隠しボタンを押すと、夢と現実とが入れ代わる” 

ドラえもん旧作映画で最も怖いトラウマ級ホラー映画。

本作では、現実の世界では何をやっても上手くいかないのび太が、せめて夢の中だけでもヒーローに
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.3

“二人でいると何でもできる気がした”

昭和ジュブナイル作品の名作。想像以上に素晴らしくて、老若男女問わず多くの方におすすめしたくなる映画だった。思い切りノスタルジーに浸りたい方はぜひ!

本作は、1
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母性(2022年製作の映画)

2.9

“愛能う限り、娘を大切に育ててきた”

母がしてくれたように娘を愛せるはずだったのに・・・。母になりきれなかったルミ子とそんな母親に愛されたかった娘の話。

どうしても戸田恵梨香と永野芽郁が親子にみえ
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学校の怪談(1995年製作の映画)

3.2

“ねぇ、知ってる?”

私の中の平成初期ノスタルジー映画。

もし誰かに「大人になったなぁと感じる時はどんな瞬間ですか?」ときかれたら「映画『学校の怪談』が怖くなくなった時」と答えるかもしれない。
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.3

“三種類の人間がいる 上にいる者 下にいる者 転落する者”

映像の気持ち悪さはもとより私利私欲にまみれた人間の汚さにぞっとする映画。

不衛生極まりない描写と不潔感をこれでもかと強調しまくるカメラワ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.7

“はじまりは おわりのはじまり”

この先の人生で何度も観返すであろう恋愛映画の傑作。

とにかくリアル。現代の恋愛をここまでリアルに描いた映画がこれまであっただろうか。現代の恋人をここまでリアルに、
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

3.3

“宇宙一ダサい。もう一緒にいたくない。顔も見たくない。死んでほしい。”

夫婦ってなんだろう。

主演2人の好演が光る本作。頼りがい皆無のうだつが上がらない夫を濱田岳、そしてそんな夫に罵詈雑言を浴びせ
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

“私は幸せになれるのだろうか?”

とにかくヒカリ役を演じたCOCOちゃんの演技が凄まじい!あそこまで鑑賞する者をイライラさせるとは、、、将来が楽しみ。ワタル君といい、クルミちゃんといい、子役が凄い!
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

“君の名前は?”

日本国内の興行収入が250億円を超えるメガヒット作品となったのも頷けるほどに、見応えのある素晴らしい青春SF映画だった。

前作までの新海誠特有の切なさを内包した淡く儚い世界観が好
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黒い家(1999年製作の映画)

3.4

“保険金まだぁ~?葬式もあげられないよぉ~”

大竹しのぶのサイコパスを堪能するための映画。やりすぎ感も否めないんだけど、こういうイッちゃってる役を演じたら右にでる者がいないほど役に憑依している大竹し
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四月物語(1998年製作の映画)

3.5

“愛の奇跡”

咲き誇る桜、新たな門出・・・春になると見たくなる映画の一つである「四月物語」。

北海道から上京してきた女子大生のたわいもない日常を岩井俊二ワールドらしく瑞々しく描いた作品。カメラワー
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.6

“刺され! 誰かの胸に!!”

劇中アニメの本気度が半端ない。

ビジネスのために、どこまで自分の意志を貫いて、どこから妥協・譲歩するべきなのか?アニメをつくるためには多額なお金が動いていて、さらにチ
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ハルフウェイ(2008年製作の映画)

3.2

“「私のために」と「私のせいで」“

本作は、もともとは台詞付きの台本も用意されていたが、北乃きいと岡田将生のコンビネーションの良さを見込んだ岩井俊二の提案で、10代の恋愛模様をリアルに描くため、ほと
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.1

“わたしは、あきらめない!”

先が読めないハラハラドキドキのスリリングな展開に目が釘付けになってしまった。どこか韓国映画を感じさせるような計算され尽くされた緻密なカメラワークと音楽の使い方も非常に好
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.0

"愛はときに全てを解決するけれど、愛のせいで全てが壊れることもある"

目が覚めると外見が変わってしまうウジンとそんな彼が恋に落ちるイスが織り成す切なくて苦しい、だけどとても力強い愛の物語。

斬新な
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ソウル・ステーション パンデミック(2016年製作の映画)

2.8

"帰る家さえあれば、ソウル駅に住み着いたりしなかったのに"

映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚として描かれたアニメ作品。この『新感染』と本作は全くの別物として観た方がよさそう。

「社
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.6

"何かがおかしい"

序盤から張り巡らされた多くの伏線、そして後半にそれらが華麗に回収される様が見事で終始目が離せなかった。後半明かされる真相に関しては、どことなく漫画『彼方のアストラ』を想起させられ
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.5

"子どものすべてはわからない"

全編パソコン画面のみで構成された斬新な映像手法にはびっくり。映画の新たな可能性を見たようで単純にワクワクするし、新感覚映画として一見の価値あり。

失踪した娘探しに奮
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.7

"愛する人を守り抜く"

ゾンビ映画初心者でも楽しむことができる傑作。

ゾンビ映画でここまで心を揺さぶられるとは思わなかった…

全体とおしてスピード感あふれる展開で、且つ要所要所に見せ場があるので
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