キラリさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.7

“あの頃の2人には、もう戻れない”

あの頃、そこに愛はあったはずなのに、気づけばその愛は消えてなくなっていた。エンドロールの花火と二人の写真がすべてを物語っていて、ひたすら切ない。心臓をギューッと握
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名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)(1998年製作の映画)

3.0

“次に狙われるのは誰だ!?”

名探偵コナン映画第2弾の作品。今回の映画では、毛利小五郎と妃英理の過去が明らかになる。

トランプになぞらえて、カウントダウン形式に連続殺人事件が起きるという設定が良く
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羊の木(2018年製作の映画)

3.0

“あなたは元殺人犯と一緒に暮らせますか?”

本作では、人間が人間を受け入れることの難しさが描かれている。ましてや、相手は元受刑者だ。難しいのも当然。

「とある漁村が、過疎化対策のために、元受刑者6
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空白(2021年製作の映画)

4.4

“みんな、どうやって折り合いつけるのかな”

緻密な物語構成や脚本はもちろんのこと、俳優陣の演技も非常に素晴らしく、この作品は本やマンガではなく、映像で堪能するべき作品だなと強く感じた映画。実力派俳優
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葛城事件(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

“俺は、やるべきことはやってきたんだ!俺が、一体なにをした!”

「二度と観たくない名作」と言われるのも納得。おそらく低予算で上映館も少なかったと思うが、胸糞悪い作品が苦手でない、むしろ好きな方にはぜ
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約束のネバーランド(2020年製作の映画)

2.1

"わたしたちは、「外」へ出てはならない”

原作大ファンなので、本作を実写化するにあたって、色々思うところはあるのだけれど、そこは目をつぶるとして、、、映画そのものの感想を。

全体とおして、展開があ
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.3

“最低なんだよ、俺は”

ギャンブル依存症の男の悲哀と再生の物語。自身の弱い心との葛藤、そして悔恨の念にかられる様を香取慎吾が熱演で魅せている。恒松祐里も美波の持つ明るさと脆さを丁寧に演じ分けていて、
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クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王(1993年製作の映画)

3.5

“ウフッ、あんた達のことちょっぴり好きになりそうよ”

みんながハイレグ姿にされるシーンで涙が出そうなくらい笑った。

劇場版クレヨンしんちゃんの原点。夏休み特有のノスタルジーを感じる作品で、全体的に
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.5

“愛ってなにかな?”

概念を奪う侵略者(宇宙人)が存在する世界、ならびに夫婦愛の再構築が描かれたSF作品。概念の欠落とそれに伴う異常行動という設定がまず面白い。車のシーンや淡白な殺人行為、そして日常
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.3

“誰が正しいとか間違っているということではなく、誰になりたいかを自分に問いなさい”

人間の尊厳の存在しない世界が、今もなお、現実にある。それも日本からほど近い場所に。

謎に包まれたあの国を舞台に、
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

“裁いたのか?救ったのか?”

非常に難解だが、そのぶん何度か繰り返しみたくなる作品でもある。司法の抱える問題点を浮き彫りにする映画で、個人的には「大人の事情で、うやむやにされ、かき消された真実」を描
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.2

“俺を好きじゃなくてよかった”

恋愛において、「一心不乱」という言葉が、これほどまでに似合う主人公がこれまでいただろうか。

「片思い」について、生々しく、そして緻密に描かれた本作。ほぼ共感できない
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悪の教典(2012年製作の映画)

2.7

“Excellent!”

サイコパス教師による大虐殺映画。二階堂ふみ、三浦透子、松岡茉優、伊藤沙莉、岸井ゆきのといった現在大活躍中の女優陣が出演されているのも見どころの一つ。

全体的にストーリー性
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.2

“あんたならできる”

仮想世界(デジタル)と田舎の親戚付き合い(アナログ)という一見相反するものを融合させて、大家族の人と人とのつながりを武器に、人工知能プログラムの暴走に立ち向かっていく本作。
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時をかける少女(2006年製作の映画)

4.6

“Time waits for no one”

とにかく儚くて、切なくて、面白い100分間。細田守の映画の中では、すべて観たわけではないけど現時点では1番好きな作品。観れば観るほど一つ一つの場面が持
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名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(1997年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

“だって、切りたくなかったんだもん。赤い糸は、新一と…繋がってるかもしれないでしょ?”

今から25年前、名探偵コナン映画第1弾の作品。

コナンの映画は、何度繰り返し観たか覚えていないくらい好きな作
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.9

“自分が助けろ”

もともと原作漫画が好き。とても満足のいく仕上がりのゾンビパニック映画だった!

結構グロいので、苦手な方は要注意だけど、ZQN(ゾンビ)の造形や動き一つとっても、めちゃくちゃ良くで
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楽園(2019年製作の映画)

4.2

“どうしておまえは生きている”

閉塞感に満ちた限界集落を舞台にした濃密な人間ドラマ。映画全体を纏う凄まじい負のエネルギーに圧倒された。日本の映画賞でもっと評価されてもよかったんじゃないかと思うほど重
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紙の月(2014年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

“お金触っていると、もう変になりそう”

めちゃくちゃ面白かった!

「お金」という人間なら誰でも扱うであろうものを題材にしているので感情移入しやすいし、サスペンスとしても重厚感のある作りになっている
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何者(2016年製作の映画)

2.9

“あなた自身を1分間で「表現」してください”

原作は未読なのだけれど、とにかく『何者』というタイトルが秀逸だなぁと。「何者」にもなりきれていない人たちが、自分が「何者」かであることを周りにアピールす
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

4.1

“吉やん。今年も桜が咲いたよ”

福島第一原子力発電所事故を題材に、最前線にいた50名の現場作業員が最悪の事態を免れるために命がけで奮闘する姿が描かれた作品。

本作は、そうそうたる顔ぶれが集結してつ
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

“守ってばっかりじゃなくて、攻めないと 面白くないですよね”

全体的にテンポが良く、演出も巧妙なので、前半はグイグイ引き込まれ夢中になって観ていたが、後半は終盤にかけて失速していった感が否めない。
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

“たったひとりの私の恋人“

嫌な女と下劣な男たちが織りなす数奇な愛の物語。

蒼井優と阿部サダヲの演技合戦だけでもかなり見応えがあるのだが、物語全体とおして、共感はしづらいが感情移入しやすい作りにな
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.3

“これを見ると勇気がでるんだ”

吉沢亮の新境地でもあり、俳優としての底知れないポテンシャルの高さが引き出された作品であると思う。

若者たちの心の乾きが生々しく描かれた作品。

決して万人受けする作
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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

3.7

“人は二度は死なない”

ラスト30分が非常に良い。篠原涼子の鬼気迫る演技と子役みんなの迫真の演技に圧倒された。

「脳死」を題材に、「人間の死の定義とは?」を問いかける作品。デリケートで重いテーマと
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海街diary(2015年製作の映画)

4.2

“ここにいて、いいんだよ”

まるで、4姉妹のドキュメンタリーを観ているようで、とても心地良かった。

すずが自分の居場所を見つけるまで、そして4姉妹が同じ方向を向くようになるまでのプロセスが、鎌倉を
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ナラタージュ(2017年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

“最後にもう一度だけ”

「I love you」よりも「I need you」という表現が似合うラブストーリー。
葉山も泉もお互いが心の拠り所だったんだろうな。

原作ファンなのですが、小説と切り離
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愚行録(2017年製作の映画)

3.9

“日本はね、格差社会じゃなくて、階級社会なんですよ”

満島ひかりの本領が発揮されている映画で、そこだけでも一見の価値がある作品だと思う。

単純にイヤミスとしてもストーリー展開が面白いし、出演されて
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

“世之介に出会えたことが、自分にとって1番の幸せではなかったかって“

決してドラマチックではないのに、観終わった後ここまで充実感にあふれる作品は久々。

「2時間40分はさすがにきついなー」と鑑賞前
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よこがお(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

“違うんです”

犬になる筒井真理子の衝撃たるや。ただものではない存在感に圧倒された。

「人間の多面性」をテーマに掲げ、深田晃司監督が、筒井真理子を筆頭に実力派俳優陣たちと創りあげた映画が本作『よこ
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

“どうして?”

本作の1番の見どころといえば、クライマックスの石神の慟哭シーンなのだが、彼の気持ちを想像するだけで胸が張り裂けそうになった。堤真一が、圧倒的な演技力を見せつけたシーンでもある。

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ラストレター(2020年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

“なぜ自殺したことを隠すのでしょうか、真実であるなら正直言えばいいと思う”

正直に言うと、前半は途中まで退屈で、思わず眠ってしまいそうだったのだが、後半は涙するシーンもあり、最後エンディングが流れる
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渚のシンドバッド(1995年製作の映画)

4.2

“優しいふりするなよ”

何年経っても、あの時観ていてよかったと思える映画。浜崎あゆみに対する印象がガラっと変わる。

鑑賞したのは上映後ずいぶん経ってから。浜崎あゆみの歌手デビュー前の作品ということ
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CURE キュア(1997年製作の映画)

5.0

麻薬的サスペンス映画。まさに“圧巻”。

個人的には、邦画最高傑作のサスペンスだと思っている。こういう人の本質に迫ったサスペンスは、何よりも怖い。黒沢清監督の手腕を最も見せつけられた映画でもあるし、キ
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夜明けの街で(2011年製作の映画)

2.2

“自分の長所をアピールし合うのが恋愛なら、短所をさらけ出し合うのが結婚だ。もう相手を失う心配がないから、恋愛中みたいに必死で相手を振り向かせようと努力することもない”

原作を読んでから当時映画館で鑑
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回路(2000年製作の映画)

4.6

“本当はつながってないよ、人間なんて。コンピューターの点とおなじ。一人ひとりバラバラに生きてる” 

黒沢清ワールド炸裂なホラー映画。“異質な何か”が現実をジワジワ支配していく様が、最高に面白い。生と
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