moriさんの映画レビュー・感想・評価

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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.8

ケリー・ライカート週間。

ロードムービーだいすき!
犬と友人を車に乗せ、見知らぬ土地を走る。それだけで物語だ。
人を殺したくないから免許は取らないと思っていたけれど、
最近気持ちが変わってきた。
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.2

【加筆修正】
濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』。
師である黒澤清が描いた精神を、おそらく意識的に引き継いでいる。

人間が群れを成し文明を発展していく上で作った規範やタブーと、それに定義された "
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青春(2023年製作の映画)

4.4

「Made in China」の衣類を身に付けない日は、恐らくほぼない。
大量生産・消費されるそれらを作る人々が、いったいどんな顔つきをしているのか?
今まで想像を巡らせたことはなかった。
16歳〜3
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

公開直後に『オッペンハイマー』 を観て、いまだに気持ちの整理がつかない。
トリニティ実験が成功した瞬間の無音。 あのシーンから藤子・ F・不二雄の『ある日……』という短編を思い出した。
うまくできた映
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

造られた女性ーベラがアイデンティティを確立する物語。

男たちは、天真爛漫で美しく危うさを持つベラに群がり、支配しようとする。
自分と他人の区別がなく、空っぽで、無垢な性への欲求と未知の世界への好奇心
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

4.0

生々しく、青い映画だった。

戒厳令の解除からわずか14年。
猥雑で熱気に満ちた、2001年台北の夜。

在りし夜の温度や湿度が、真空パックで状態よく保存されたようにリアルな質感を持っていた。
クラブ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

ハンディカメラのざらついた質感と、ねっとりした長回し、死を連想させるモチーフの頻出が相まって、下手なホラー映画よりずっと不穏で恐ろしかった。
右手のギプス、閉ざされたドア、脱げない潜水服、漆黒の海、無
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すべて、至るところにある(2023年製作の映画)

3.8

かつてヨーロッパの火薬庫と呼ばれたバルカン半島と、そこに残された戦争記念碑「スポメニック」を舞台にした物語。

未知の土地を訪れその土地に生きる人々の時間を切り取るという手法で作られた映画は、フィクシ
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.4

映画館での上映を見逃したのでアマプラで鑑賞。冒頭と最後の語りっているかしら。説教くさいなと思ったけど、当時のアメリカの時代背景を鑑みると見方が変わる。無視され、邪魔者扱いされ、虐待される老人の「外には>>続きを読む

ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023年製作の映画)

4.2

「飾っとくものではないんです、憲法は。
床の間に置いとくものではない。」という言葉が印象に残っている。
なんかもっと、理不尽な仕組みや政策に対して怒って良いんだ、声を上げなきゃいけないんだ。
小さく丸
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.2

事前情報なしで鑑賞。私は全然入り込めずだめでした。。。
やたら大きく幾度も映される「THE TOKYO TOILET」のロゴ、クリーンにデザインされたトイレ、BOSSの缶コーヒーとダイハツのバン、どう
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.6

くだらない痴話喧嘩なんだけど、言葉の響きのせいなのかどうにも頭に響いて辛かった。
情の話、政治の話。群像劇でなければ、もう少し印象に残っていたかも知れない。都会を象徴する2人の女性のファッションが素敵
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

『君たちはどう生きるか』を観てきた。説教くさい作品を想像していたけど、そうでもなく、監督の人生観ややりたかった事がそのまま素直に映されていると感じた。
セルフオマージュと思しきシーンが多く、幼い頃ジブ
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コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

3.8

舞台は内戦中のタジキスタン。
ゴンドラが行ったり来たりするように、
くっついては離れを繰り返す男女の恋を描いたストーリー。

絶えず銃声が鳴り響き人に会えば「あなた難民?」なんて聞かれる。そんな世界で
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.2

メーサーロシュ・マルータ監督特集、「ナイン・マンス」
事前情報を入れずに観て正解だった。

ユリのアイデンティティは常に脅かされる。
閉鎖的で旧態依然とした社会が、「愛してる」と耳元で囁く男の幼稚性が
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.6

久々の劇場での映画鑑賞。
近未来の世界でのAIや人間という枠組みを超えた家族の物語。正直話の筋書きはありきたりなものに思えたし、中弛みと最後の駆け足感が否めなかった。しかし映像のクオリティや構図の美し
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