ギャスさんの映画レビュー・感想・評価

ギャス

ギャス

対峙(2021年製作の映画)

3.5

面白かった、と軽くは言えないが最後まで目と心が離せない映画だった。噂で高評価だったので、前知識なしで観れるように予告なども見なかったのはよかったと思う。

"ある立場"の人が"ある言葉"を言いに行く。
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ロストケア(2023年製作の映画)

3.2

既視感、そしてほぼ予定調和、新しい視点も感じられなかった。が、こういう映画が何度でも作られることは良いことだと思う。目を背けている人や考えたこともない人にも届く可能性があるなら。
こんなに悲惨なのか、
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.4

円谷のような特撮の味もチラッと感じさせる箇所もあったが、賞をとったVFXはさすが素晴らしかった。
ストーリーも起伏に富んでいて最後までだるさもない。(その偶然はないだろと遭遇シーンに突っ込みはしたが)
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.1

いかにも男性用コミックの映画化という感じが溢れていた。全体的に自己陶酔な男たちの話で、迫力のアクションシーンなどは面白かったが、潜入捜査官判明がワンパターン、あと女性が痛めつけられるシーンがエンタメと>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.4

サクッと観れて面白い。コミック感もあってテンポも良い。
美術的造形も凝っていたりオカルト感もちょうどいい感じで盛り込まれていて、ねじろうと思えばもっとできるだろうしもっと暗くも怖くもできたと思うがそこ
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.3

久々2度目。
ただただ天才的で強い物静かな存在をじっくりワクワク楽しめる。
殺し方のバリエーションも広くて工夫がある。もっとグロいやり方もあるのだろうが、サクッと楽しめるように抑えてある感じ。
個人的
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.4

難民問題をわかりやすく過剰な演出なく伝える誠実な映画だった。青春を理不尽に不自由に過ごすことのリアルは物語としても切なく胸に迫る。


デモに参加した罪で"自国"で生死の不安を抱え避難し難民となった人
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愛なのに(2021年製作の映画)

2.8

いろいろとズレた視点、「無いわー」と思わせる愛の世界観。男が作った男のための慰め映画という感じ。モテそうな男へのやっかみと"復讐"のような展開、冴えないがなぜか一途に愛される男、しつこくて暴力的でも肯>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.6

"言葉では説明されない感情"や"何かを示唆するようなムーブ"がどのシーンにも溢れすぎていて、
淡々としたストーリなのだがあまりにも濃密。
太陽の輝くリゾート地だが、ずっと不穏に満ちていて常に身構えてし
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

3.3

「浅く知るというほどでもなくなんとなく知っていたある人物」の人生。
何を支え、何に支えられていたのか、その社会背景は。
なかなかの波瀾万丈であり、そしてエキセントリックな部分を含め彼の人生が愛と共に立
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七人の秘書 THE MOVIE(2022年製作の映画)

2.8

シリアスと荒唐無稽の塩梅があまり好みのバランスでは無かった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

とても面白かった。
ラストの彼女の表情を見て、そしてオープニングロールの画面を思い出しつつエンドロールの画面を見比べると、心に豊かな感情が溢れて涙が滲んだ。
日頃ジェンダー的話題について触れていれば、
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます


アニメ放送の時と同じ「余命」を使ったエピソードはもう要らないのでは?「余命」はそんなに何度も使ってよい話ではないような。

アニメの時からこの映画での愛について考えているが、ヴァイオレットは彼の何を
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.5

パールの感じる閉塞感とその中で育ってゆく彼女の狂気の混ざり具合がすごく面白かった。オーディションのシーンもその濃度にゾクゾク。

"彼女なりの論理"も意外と筋が通っていて(あくまでも彼女なりに)、何に
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Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

3.0

東京MERなみのこれでもかという次から次へのドラマティックなシーンを孤島で作ってはいたが、そこまで必要なのか?無理がありすぎでは?という気持ちが正直なところ。
孤島の医療を支えるシステムへの鋭く苦い指
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

開拓時代初期、名もなき2人の男たちの話。冒頭シーンから観客にはある問いが投げかけられる。
ライカート作品は「ミークスカットオフ」のみ観たことがあるだけだったが、あの感じを知っておいてよかった。静謐で芳
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.2

なるほどこう来たかと思わせるとても意外な展開に心の中で手を叩いてしまった。
ラストはもはやある種のすがすがしさを感じる。
ストーリーにもう少し捻りが欲しかったところもあるし、彼女が流石に10歳には見え
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

3.1

先日あった飛行機事故を思い出す冒頭のシーンに、重傷の怪我人がいなかったとはいえ現実の乗客は映画と同じように冷静だったなと改めて感心したり。
どんなにハラハラする展開があってもきっと助かる結末しか見えず
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聖なる証(2022年製作の映画)

3.5

面白かった。"現代にも通じる"話であることを完全に言い切る演出も潔い。
誰が何を求めどう埋めようとするのか、誰が何を守ろうとし、何を犠牲にしようとするのか。それぞれがとても明らかに理解できるようになっ
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めまい(1958年製作の映画)

3.1

久々2度目。
ラストを知っているともう楽しめないタイプの映画だなと思った。昔初めて見た時は面白かったのだが。
どうにも展開がゆっくりで長く感じてしまう。そしてやはり価値観がもはや古い。
しかし、全体的
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.2


マーベルのように最後の最後におまけあり。

マリオをやり込んだこともなくマリオカートもお付き合い程度、ドンキーコングはやったことない、そんな感じの人間なのでふんわり見ていたが、ラストの盛り上がりは流
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.1

やはり殺し屋とスパイと未来予知能力動物、このコンボの中心に読心能力者である子どもを設定したところにおもしろさのキモがある。
東西冷戦を背景にした情報戦のエピソード、壮大な空間での派手なアクションなど盛
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.3

後味は両極端が混じった感じで複雑だったが、なかなか面白かった。
そんな後味も含め、丸ごとシャマランの映画のよう。
超現実的な出来事やツッコミどころのあるオカルトぽさから始まるミステリアスな物語。
テス
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.1

最後までサクッと見られる映画。
いろいろなことが予想通りでかつ既視感があり、
見終わってからふと、何が新しかったのだろうと振り返ってみたが特に思いつかなかった。
トイソルジャーやTITANの曲が効果的
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見えざる手のある風景(2023年製作の映画)

3.3

シニカルな面白さ。
のんびりした音楽や宇宙人の造作とかゆるいし、淡々としていてハードルは低いけど、社会風刺の比喩的表現に満ちていて、ニヤッとしたりゾッとしたり。
宇宙人に対して「なーんかやだなぁこいつ
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.4

家族のようなAIの使用人がいる世界での人生や家族の在り方の思考実験に、東洋思想を加えた哲学的考察とも言える滋味深い映画だった。

平易な言葉と印象的な映像、少し謎解きのような要素もあり難しくはない。新
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.3

振り返ってみるとかなり雑なところもあるシンプルなストーリーなのだが、ねっとりとした爽快感(かつ満腹感)があり面白かった。
なんといってもバリーコーガン(バリーキオガン)無双。無表情であっても、醜くも美
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ラブ・ハード(2021年製作の映画)

3.4

サクッと見られるクリスマス恋愛映画。最後まで面白かった。こういう湿っぽくない恋愛コメディ映画もたまに観たくなるジャンル。

冴えない風貌を絵に描いたような彼を応援したくなる。
脇の登場人物たちが魅力的
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獄門島(1977年製作の映画)

3.1

戦後の田舎の閉じた村の陰惨な事件シリーズの一つ。
横溝正史原作を元にこの頃作られた映画は様式美のようなマンネリであり価値観も古すぎるのだが、たまに見たくなるのは何故だろう。

最近では鬼太郎の映画(い
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ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.3

かなり久々の2度目?
曖昧な記憶を正すような鑑賞となったが、なかなか楽しかった。
意外と泥棒への仕掛けがエグかったり、
おうち(および近隣)は超金持ちなのだなとわかったり。
あと、あの有名な"両頬に手
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

3.3

胸という言葉、おっぱいという言葉、
そこに込められる意味や想いはなかなか複雑だ。。

難病ものとはひと味違う青春ものであり親子ものであり、恋や友情ものだった。湿っぽくなくバランスも取れていて、登場人物
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一度死んでみた(2020年製作の映画)

3.0

馬鹿馬鹿しさに振り切った映画を見ようと思って。
細かいところを拾うと楽しいかも。

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.2

良質な余命もの。
余命宣告された父親が懸命に最愛の息子の里親探しをする。
あなたならどの人を選ぶのかと、こちらに問いかけるかのようにさまざまな人たちを訪問する父親。明らかに、ちょっと不適切だなと思える
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.3

思春期の恋の衝動や焦燥、冷静なようで渦巻く奥底の何かわからないもの、
嘘をついているようでついていないようで、自分の欲しいものは何なのかも、よく見えていない。
愛を演じた山田杏奈の暗い目と仏頂面がそれ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.3

確かに地味だが、確実に自分たちの人生の意味を振り返ることになる映画。
ビルナイは長く老いた役をしてきているが、この真面目な老人の役は出色のハマり役だった。
クラシカルな音楽も美しく、風景も綺麗。

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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.4

面白かった。
二転三転、いや四転五転、パソコンの前でサーチするだけで"事実"がひっくり返っていく面白さ。
「きっとこうに違いない」と思わせてくる細かいポイントや伏線も満載。

また、若者のアプリの使い
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