若干ハードボイルドというか、他の版にはない作風でした。劇場版3作全てが違う作風というのは、ある意味贅沢なんでしょうね。良く映画にするくらいあのエピソードを膨らませたなあと感動。
鮮烈なヴィジュアル主人公、対するはまさに異形そのものな吸血鬼…ともすればB級映画になちがちなテーマを芸術に昇華した撮影の妙。まず作画が美しいだけでなく演出がうまい。特に序盤の電車でのサヤの立ち回りにう>>続きを読む
またあのメンバーが見られて、それだけで感動。それと音楽だけで見る価値あり。ただTV版の雰囲気と全く同じものを期待すると少し肩透かしを食らうかも。
脚本は押井さんだが、演出や構成のお陰でわかりやすい(でも陳腐じゃないラブ)ストーリーになっている。無口な主人公周辺に視点を絞ることで衒学的にならず、最後まで素直に心に入ってくる作品だった。盛り上がると>>続きを読む
今見るとふるいことはふるいんですが、それを鼻で笑えない魅力や面白みがある。本当の意味で「古くならない」作品はこういうのなんじゃないかな。ストーリーも素直で熱い。「踊る大捜査線」にも影響を与えたシリーズ>>続きを読む
原作とともに見返すたび胸がいっぱいになる。ハリーの音楽だとか登場人物が素朴な猫になっているとか素晴らしくない要素がない。詩が、きらきらした言葉が、そのまま映画になったようだった。
こうファンタジー感を全面に押し出されると映像がキレイでも普通に感じてしまう。それだけ新海作品に馴染んだということか…。新海さんに求められているものってこういうものじゃないような。広大な世界にスカスカの>>続きを読む
なんせ片方は宇宙にいるわけだからスケールは壮大。いろんな種類のロマンが詰まっている。
でも話の主軸は二人のメールだというのがぶれないから、設定に白けず見ていられる。確かに今の作品はこれに比べると人物描>>続きを読む
作品の完成度は最高、特に演出は素晴らしいの一言。ただパトレイバーっぽい(特車二課のドタバタ)かというとTV版漫画版好きの自分としては謎。
押井さんは「自分は野明や遊馬に感情移入できない、イングラムも嫌>>続きを読む
テレビ版の糸を織り上げてくれたのは嬉しいし、アニメーションとしては間違いなく傑作。
ただこの作風を全肯定するのは、視聴者を楽しませようという姿勢の作り手さんを否定するようで抵抗があるなあ。
サイボークと人間という命題は士郎さんが原作で一席も二席もぶってくれているし、自分も掴み切れていないので敢えて脇に置く。テーマ性だけでなく映像面でも革新に富んでいて非常に楽しめる作品であることだし。どん>>続きを読む
錦絵のような作画、絵巻物を徐々に広げるような構成…。溜息が出るほどに美しい。
どのような意図にせよ、ラストにああいう台詞を持ってくる勇気がすごい。あれが本心だろうが「台詞」だろうが、彼女は最後まで女優>>続きを読む
膝を打ちすぎて痛くなるくらいおもしろい。
問題児もいるけど基本分別ある大人を説き伏せていく8番の存在感と、ヘンリー・フォンダの演技の説得力が素晴らしい。
不純物を排した室内劇だからこその緊張感。ラスト>>続きを読む
映像作品として分かりやすいよう三人称視点ではあるけど、この作品は私小説(主人公の見た世界)を映像化したようなもの。幻想的な世界が現実より綺麗なのはよくあるけど、例えばただ洗濯機が回ってるところですらこ>>続きを読む
子供のときにした無茶を思い起こさせる、誰のの心にも引っかかるところのある作品。少年たち行動や性格がそれぞれの将来をすでに暗示していてちょっと切なくもなる。
色んな要素が上手くブレンドされず齟齬をきたしているという印象。その違和感や不安定さを作品の味と見るか、宙ぶらりんと見るか。個人的にはこういう心象重視というか、胸がチリチリする映画は好き。
マーサの人生に不器用な感じ、女優さんが巧くて素敵。食べ物に凝ってる映画に外れなしですね。
WWⅡ下ロンドンで出逢い結ばれた歌手(キーラ)と将校(キリアン)。彼は彼女を置いて出兵。彼女は友人夫婦と、夫の帰りを待つ日々過ごすが…。
どこか甘美かつ退廃的に描かれるヒロイン周辺のふよふよした有様>>続きを読む
馬とそれを取り囲むものたち、という見方で見れば素晴らしい映画。何よりも馬と、自然がドラマチックに撮られていたから。視点人物の切り替わりは効果的だが途中から冗長に。つくりが好きになれず心が動かなかった。>>続きを読む
難解さや詭弁に陥っていない品のある映画。映像に華美さはないが、血が騒ぐようなシーンもあるし歴史の勉強にもなる。
迷えるウィルバーフォースがジョン・ニュートンのもとを訪れるシーンがいちばん好き。画的に美>>続きを読む
地に足がついたファンタジーでした。なんて余韻溢れる結末。感極まってまぶたが剥がれそうです。鑑賞後胸がいっぱいになってこそ映画!
色と光と水の撮影の仕方が好き。絵画のような陰影にハッとしたりうっとりしたり。残酷なストーリーと美しい映像が引き立てあってる。
ブライオニー役の女優さん3人とも好き。男性陣も含め透明感のあるキャスティン>>続きを読む
撮影、美術、音楽すべてが丁寧に作られた優等生的な作品。ストーリーが分かっていても見返したくなる魅力がある。
キャストも粒揃い。コリン・ファースのダーシーのイメージを払拭するのは非常に難しかったと思うが>>続きを読む
ラッパスイセンなら「尊敬」「あなたを待つ」黄色のスイセンなら「愛に応えて」
海の向こうも同じ花言葉かは知りませんが、敷きつめられたのが真っ直ぐな愛であることに間違いはないでしょう。父と子の距離感のリア>>続きを読む
仏語分からないから、少ない字幕(良い感じに訳すの大変そうな作品だし)と人物の所作で物語を理解しなくちゃいけない。それがすごくキュートだったり、おぞましかったり、可笑しかったりする。そういう台詞外の演技>>続きを読む
トラウマになったシーンもあったけど、それはストーリーの背景やキャラの行動原理なんて考えない原始的な状態だったからこそ感じたこの作品の力だったんだと思う。見直して改めて設定・作画に感銘を受けるもあの強迫>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
難しいことは抜きに良質な馬鹿映画として楽しむことにしてます。そもそも暴力映画というジャンル分けも疑問だし。痛いんじゃなくイタい。青春とかラブとか人間ドラマのイタさ。
どんな主義主張のもと殴り合いをし>>続きを読む
今監督の抽斗にはこんな温かい赤ちゃんのほっぺみたいな作品のスペースもあったんですね、すごい人だわ。個々のキャラクターのアクはすごいのに不自然じゃないのが本作の良いところ。社会的立場を拗らせた3人組とい>>続きを読む
色彩と、もの、物、者の乱痴気ぷりが素敵。常に何じゃこれッ⁉っていう驚きとときめきに溢れてる。それらはすごくヘンで不安になるけど、日本的な混沌だから妙な愛着感もある。この作品を見た後のすごいけど何かよく>>続きを読む
色んな意味でコンパクトに纏まった良作。この設定でドラマチックな展開を繰り広げられても白けてしまうと思う。彼らはジブリならではの温かい背景の中で身の丈にあった冒険をして、旅に出る。余韻も素敵だし、ディテ>>続きを読む
この映画に感動した瑞々しい気持ちとその瞬間を、ずっと忘れたくないと素直に思えた作品。衒いなく青春してるのが良い。誰もが共感できる部分があるから。
夏の空気感の表現は流石。アニメでそういうぼんやりしたイメージを普遍的に表せるってすごい。作品のストーリー自体にはワクワクできなかった。感情移入しやすい登場人物もいないというか、肝心の主人公とヒロインが>>続きを読む