ヴィルヌーヴにはSFでなく、プリズナーズ灼熱の魂ボーダーラインの系統で新作を撮ってほしいと思いながら、それでも見ておかなければ。
政治と宗教。
大義や目的こそあれど、そもそも絶対的な正義が無い。そこ>>続きを読む
三重構造の物語、キャラクターによっては四重。
そのギミックを使って描こうとした、創作物ないしフィクションの陳腐さや、虚構が虚構であるが故に持ちうるパワー、みたいなものは面白い。
ただ、ウェスアンダー>>続きを読む
「揺れていたい」
そんな発言をした、政治的にも道徳的にもふらふらしていて判然としない男が、原子爆弾という不条理を開発した話。
そして原爆投下後の演説において「立場上求められている発言/本心で語りたいこ>>続きを読む
最終的には、時代が状況が異なれば、愛し合えたはずの者たちが抱える悲哀ってとこに落ち着くか。
一定数コアなファンがいそうな俳優たちのオンパレード。
好きな人にとっては堪らんだろうな。
内容が複雑だと>>続きを読む
惜しむらくは全編英語による製作であること。
けっして中国語が分かるわけではないが、視覚と聴覚のイメージが一致していないと、史実に基づく物語なのに作り物感がでてしまう。
現在と過去を交互に見ながら、い>>続きを読む
見なきゃよかったと後悔。
掘り下げが浅いから薄っぺらく感じるんだろうけど、じゃあどこまで何を盛り込めば観客は満足するのか。曖昧な理由で軽薄とダメ出しするのは簡単なので、自分なりに合わないと思った点を咀>>続きを読む
黒沢清が選ぶ、ホラー映画ベスト50の第2位にあった本作。(『リテレール』別冊「映画の魅惑」)
亡霊がいる。ただそこにいるってだけなのに、それはこの世のものではない何かで、フィクションの中にその怖さを>>続きを読む
ドイツ人監督が母国でこの映画を作ったことが何よりすごいと思う。
作中で唯一中東系を平等に扱っていた孤独なお婆さんは、もともとナチス党員という設定。それも周囲に流され、強い動機は無く加入していた。そんな>>続きを読む
家族・血縁のしがらみ。
映画単体で見るより、ひょんなきっかけで目にした監督のインタビューと併せた方が圧倒的に面白かったかな。
つまり映画単体としては可もなく不可もなく、面白くもつまらなくもなく。
自分の尺度でしか他者を測れないとこうなるよねっていうオンパレード。
ただよくよく考えると、人間は誰しも自分の尺度でしか物事を測れないというのも真であって、つまり必要なのは理解の域まで達しなくてもいいか>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
チョークで書かれたセットのみで展開される舞台が変な感じするけど、いつの間にか慣れていた。
片田舎の町では些細な出来事も噂も全部筒抜け。この事象を視覚的に観客に示している。様々なカットの裏で村人たちの>>続きを読む
うっすらと張りつめ続ける緊張感。
コントラストが低く淡い映像。
衣装と美術を楽しむに留まる。
ミュージカル映画の枠組みでありながら、「ミュージカルって急に歌い踊りだして変だよ」と登場人物に言わせることでそのフィクション性を自問しつつ、セルマにとってミュージカル(=空想の世界)が現実逃避の方法で>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
魚眼レンズ、ただピントをずらしたボケじゃなく渦を巻いたような歪み方?、ズームイン/アウトで伸縮する画面、夢を見ているようなヴィジュアル。
テリーギリアムの世界観が「誰もが空想したことのある、意味はな>>続きを読む
記憶や思い出っていうのは、それを振り返る時点や経験といった人間の感情的な要素に印象・理解が左右される曖昧な物で、「カメラで撮る」という行為そのものは対象の瞬間を普遍的に記録すること。
ただしその際に、>>続きを読む
嘘がバレたら…という緊張感と、軍内部の恋模様が絡んだいざこざの緊張感。2つのパートが上手く共存している。
思わぬ物々交換と咄嗟の嘘が命を救い、無数の同胞たちの名によって次第に太くなっていく偽のペルシ>>続きを読む
明らかにシリーズの中ではサスペンス路線に振り切った、テイストの異なる作品。
マイクの影の部分の象徴でもあるようなミッキーが、果たして実像なのかそれとも虚像なのか。
ミッキーに向けての言葉はそっくりそ>>続きを読む
映像的な面白さは一作目を上回らず。
けれどマイクたちの軽妙なやり取りや要所でキメてくる演出は見とれちゃう。
一作目にはモノクロの面白さと味わいがあった。
カラーはカラーでまた良さはある。ストリップ劇>>続きを読む
淡々と変化していく状況と、そこにいる人々の認識に乖離があって、そこに温度を感じない異質さ。
現実世界でも、社会を構成する大きな枠組みの何かが崩壊したとき、大衆の一人でしかない自分が真実を理解できるのは>>続きを読む
冒頭に示されるように、寓話から映像への翻訳。まさにそのもの。
さらにストーリーテリングがほぼ無く、ヴィジュアルで魅せる。
その熱意に圧倒される。
けど単純に好みではなかった。
魔術や幽霊・精霊、巨人>>続きを読む
クローネンバーグということを抜きにして面白いか否か。
1つの映画として見ると、ありきたりな盛り上がり方。けど裏を返せば、定石をしっかり抑えられるからこそ、変化球や個性を盛り込んだカルト映画に発展できる>>続きを読む
「おもしろい」という言葉では括れない魅力がある。
田舎町の人情・風習・自然環境。
一見ロマンティックに描いているようにも見えるけど、昨今流行りのホラー映画と同じものを取り上げており、誰の子かもわから>>続きを読む
ゲームみたいな映画。
ファンタジーと現実のバランスといい、場面とカットの移り変わり、物語の広がり方。ゲームプレイ動画のムービーパートを見ている感覚に近い。良くも悪くも。
ただ予告編を踏まえてみると、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
なんでそうなるかな、という玉突き事故の連鎖で始まる物語。もはやあきれ笑いが止まらない。
感謝祭セールで物欲に目がくらみ、暴徒と化し死傷者を出した一因でありながら、主催者とその親族を非難するその姿勢たる>>続きを読む
とにかくテンポが良いし、変に感傷的な描写もなく、コメディはこういうので良いんだよ、と声高らかに言いたくなる快作。
精肉店夫婦の2人は、必ずしもヴィーガンという志向そのものにはじめから否定的なわけでは>>続きを読む
シチュエーションの発生原因とその経過には、同情の余地無く馬鹿ばっかだ〜、と呆れ笑いするけど、その緊張感をうまく維持しつつワンフックもあり、きれいにまとまってる。
あまりにも一喜一憂 浮き沈みが激しく>>続きを読む
ミーガンの装いがいちいちお洒落。
誰にも同情できないせいで、なんだかイライラする。
触れ込みほど理性が残ってる感じ無し。
むしろちょっとキマッちゃってる人が暴れてる、という具合。
そもそも大晦日に見るような代物ではなかった。
なんでこんなチョイスをしたのだろうか。
このレビューはネタバレを含みます
スタートダッシュ、得も言われぬ緊張感を押しつけ、何が起きているか分からぬままに走り続けるストーリーテリングは良かった。
ジョーダン・ピール作品のような、真実を見せてくれてるのか否か、「こういうパターン>>続きを読む
北野武は乾いてザラザラした暴力と残忍さってイメージだけど、これはもっと生臭くてドロドロした感じ。
けれど、その暴力ひとつひとつに衝撃とか非日常性が無く、淡々と流れていく。それはある意味、戦国の世におい>>続きを読む
すごく好み。
ノスタルジック・ハードボイルドかと思っていたが、案外コメディ強め。
オープニングからがっつり掴まれた。
要所で臭いセリフや露骨な決めポーズが、ダサいのにカッコいい。
線路の襲撃シーン。>>続きを読む
ウォンカのファンタジーさとミュージカル、相性が良い。
街に到着しウォンカが旗揚げの夢を見ている心の比喩としてのミュージカルパート。現実世界では誰も歌いも踊りもしていない。むしろ1人歌っているウォンカ>>続きを読む
人は誤る。
こんな能天気で緊張感が無くナンセンスな終末ってあり?と言いたくなる。
なぜ地球最後の日にこのメンバーで集まろうと思ったのか。誰も仲良くないじゃないか。誰も心から共に過ごすことを願ってない>>続きを読む
人間臭く、それも矮小な人物像として描かれるナポレオン。
要所ではカリスマ的側面もあるけど、一貫して権力を求めるちっぽけな人。
ワーテルローの戦いは、まったく策が無くどこか自暴自棄のようで拍子抜け。予>>続きを読む