eknさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ドリーマーズ(2003年製作の映画)

3.5

あそこで目玉焼きを焼くのはめちゃめちゃ良い。『グロリア』並みに印象的な目玉焼き。

アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

傑作。奥行きを使った縦の構図、本作が最多か?
電車や車の走行音、ラジオ、風、会話…鼓膜を直接撫でるかのようなザラザラとした質感の音がほとんど常に流れている。それが留守電を用いたラストの演出に結び付いて
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

3.0

存在の輪郭が消失するショットは相変わらずキレキレで、ラストの長回しは霧を用いずに表現しようとしたのかなと思ったり。

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。ラストに痺れた。
全てから均一な距離を保つカメラが、2度の電車内のシーンで印象的なショットを残す。1度目は、カメラを凝視した数人の乗客のうちの右手前にいた白髪の男が隣の車両に移る瞬間、“登場人
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街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

4.5

傑作。
束になったまま強火で茹でたであろうパスタをでたらめに食うシーンが良すぎ。
静かに、ふとした瞬間には完全に消失しそうなシャンタル・アケルマンの、まだ「自分が火元になってやろう」という野心的な精神
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皆さま、ごきげんよう(2015年製作の映画)

4.0

奇想天外な物語を普通の群像劇みたいな顔して撮るイオセリアーニがやっぱ好き。
ラストの不味い白ワインを不味そうに飲んで道に捨てるシーンが自分の人生にもあればいいのに。ありそうなもんなのに。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.0

日本人女将とアメリカ人旦那のくだりが意味不明だったんだけど、あれが“コメディ”ってこと?

マジェスティック(1974年製作の映画)

4.5

傑作。
『チャイニーズブッキーを殺した男』だこれは。映画制作についての映画。蜂の巣にされるスイカがフィルムに見えてきた。

遊び(1971年製作の映画)

5.0

大傑作。穴の開いた木舟をビート板にして泳ぐ逃避行。
回想が頻繁に挿入されるのは説明的で苦手なはずなのになぜか気にならなかった。
二人が初めて交わるところでなんか泣いた。

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.0

子どもたちに何の役割も与えず、親の周りをちょこちょこと動くだけの小さな小道具のように使っていてグロい。「幸福な家族映画」の定型、映画の定型を少しずつズラし、最後は一見、幸福そうな家族像で終わる。

ガラスの墓標(1969年製作の映画)

3.0

こういう映画を観て煙草を吸い始めた。たぶん。

冬の旅(1985年製作の映画)

-

最終回だったから無理やり体力0で挑んで開始5分から睡魔と戦い、30分くらいで力尽きた。目が覚めたらモナがゆっくりと力尽きていた。ごめんよモナ。俺の代わりに……。

影の軍隊(1969年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

凄惨な暴力の痕を残す身体が物のように剥き出しで撮られるショックは強烈。省略され続けた暴力は、恩人であるシモーヌ・シニョレを銃殺するシーンにおいて露になるが、直前の執拗な“顔”の切り返しが最も恐ろしい。

ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

5.0

大傑作。初ファスビンダー。
仰々しい光に囲まれた試写会を終えた2人が、ひとつの傘に身を寄せ林を駆け抜けて電車に乗り込む横移動、車内のローアングル、傾いたショット。冒頭から凄まじい。
内装が白一色の病院
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アス(2019年製作の映画)

2.0

子どもの頃に行ったハーバーランドのお化け屋敷にトラウマがあるから舞台はワクワクしたけど、バカに決定権があるのが無理なのでホラー映画のお約束はしんどい。襲われたあともバカな父親、早く殺されないかな~って>>続きを読む

ヘッドハンター(2012年製作の映画)

1.5

玉無しかと思いきや裏切った女を股間からぶっ放して射殺、弾無し男を早撃ちで射殺。相手より小さい銃だけど。

コレクター(1965年製作の映画)

2.5

2階のバスルームから溢れたお湯が廊下を伝って1階に落ちるまでの切り返しがよかった。

アングスト/不安(1983年製作の映画)

4.5

傑作。頼むから犯罪映画の傑作は埋もれないで…。
「人が走る」ショット史上最高かも。血と汗でよれた髪と服、不格好な走り方に足音の残響。室内を走り回るときの撮影もよかった。犬のショットの差し込みは男の動物
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西部の人(1958年製作の映画)

3.0

盗賊団から足を洗い、改心してまともな生活をしている主人公があんまり殴り合い強くないの珍しいね。
無人町での銃撃戦の屋根、床下、斜面。最後のタイマンの高低差ショットが印象的。

不知火檢校(1960年製作の映画)

4.5

傑作。「息の根も…止まったな」
死体と小判の山を積み上げ、頂点まで登り詰める勝新太郎。「この人、悪い人なの…?」と困惑している間にも次々と悪事を働く。栄華を極めてしまうと退屈だが転落する様はめちゃめち
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雁の寺(1962年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ぼっとん便所の汲み取り掃除で周囲は鼻が曲がるほどの異臭がするにも関わらず、三島雅夫は「おしろいの匂いしかせん」と若尾文子に迫るシーンの圧倒的な説得力。観ている側の嗅覚が切り替わるほどのクローズアップ。>>続きを読む

暴力街(1974年製作の映画)

3.5

足の映画。ラストの養鶏場のシーン最高。
ダンスもセックスも誘拐もまず足を撮る。5~6人のヤクザの上層部が廊下を歩くシーンでも漏れなく足元のショット。
菅原文太がズル過ぎる。戦場にヘッドフォンつけて乗り
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痴人の愛(1967年製作の映画)

3.0

川の字で寝ている男3人の頭の上で大股開いてからかうシーンがよかった。

突破口!(1973年製作の映画)

4.5

傑作。ピンク過ぎる乳首に笑う。
殴られてノビてる父親を見つめる息子とか、鉄砲屋の車椅子のじいさんを壁にぶつかるほど押すとか、“巨悪”の描き方がいい。“悪”の銀行強盗犯を手際よく追い詰める“巨悪”のマフ
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素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。ルノワール的な人間讃歌。
富裕/貧困の階層社会に暮らす人々が、鉄道模型やグラスを動かす水平の円環、屋敷の外壁やロッククライミングの垂直運動、流麗なカメラワークによって繋がる気持ちよさ。
画面を
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ブルー・レクイエム(2004年製作の映画)

4.0

見た目の重厚さに反して防弾加工もされていない脆弱な現金輸送車と、PTSD持ちのムキムキ警備員。先に暴力を振るった者勝ちな世界に差す“光”もまた暴力という地獄。目を瞑ってはいけない。
10人ほど登場する
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チェンジリング(2008年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

傑作。体制側の悪人共が揃いも揃って悪人顔なのがちょっとどうなのって感じなくもないなくもないが。
偽の子どもと再会した本物の母親の笑顔に鳥肌が立ち、もう掘らなくていいと言われても掘り続ける少年の姿に泣く
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