eknさんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

ekn

ekn

映画(1071)
ドラマ(0)
アニメ(0)

けんかえれじい(1966年製作の映画)

3.5

人物の配置がきれい。バランス感覚というか美的感覚がいい。
抑制された性欲が暴力に変わるのはよく語られるテーマだけど、演出が面白い。

自由の幻想(1974年製作の映画)

4.0

再見。
完全な自由を獲得した人類のベタなイメージを逆手に取って、歪んだ形で残った社会を描いてみたってことかな。相対的なシュール。
ビジュアルの面白さを突き詰めたら裸体になりましたって、日本のお笑いに通
>>続きを読む

賭博師ボブ(1955年製作の映画)

3.0

『仁義』はまだ画が楽しいのでなんとか持ったけど、本作は冗長に感じる。計画を立てるシーンは楽しいが、それ以外は退屈。

カイジのパチンコ編...?似てる。

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.5

タイトルバックからまず痺れる。女のアップショットからカメラがだんだん引いていくと電話しているのが分かって相手の男とクロスカッティング。そしてマイルス・デイヴィスの劇伴。
行方が分からない男を探して夜の
>>続きを読む

パリの大泥棒(1966年製作の映画)

3.5

タイトルから勝手にスマートな盗み方をするのかと思ってたら、冒頭いきなり工具を詰め込んだバッグを敷地内に投げ入れて縄を使ってよじ登り、ドアをバールで力ずくで開けると言う荒業から始まる。

オシャレな犯罪
>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

5.0

赤、白、黄、青、緑...色彩豊かな画面を次々とベルモンドが横切る。心情と対照的な美しいショット。

変化球的な演出が続き、その後の男と女の会話も普通には撮らない。隣人の部屋から聴こえるピアノの調べに合
>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

3.5

街中を駆け回る中盤までは楽しめた。追走劇のアイデアがトムとジェリーみたいでヌーヴェルバーグ的な演出がアニメっぽく感じた。

ザジのビジュアルはかなり影響を与えたみたいですね。

五月のミル(1989年製作の映画)

3.5

海外のコメディを観る際に最も難しいのは、どこからがコメディなのかを判断する、その線引きだと思う。文化の違いから全く理解出来ない笑いを今までたくさん観てきたが、本作のあるシーンは日本の葬式コントでも割と>>続きを読む

民衆の敵(1931年製作の映画)

4.5

北野武っぽい。背が低くて暴力的でマザコンだし、単身で敵の元に乗り込んで、外から銃声だけ聴こえるショットとかもぽい。幼少期の駅のシーンは悪ガキだった人間の思いつきそうなアイデアで溢れてて、そういう演出も>>続きを読む

ピクニック(1936年製作の映画)

4.0

わずか30分の作品だが、全ての登場人物のキャラを描き分けている。細部の演出も見事。話はベタな悲恋でも見ごたえのある一本。

扉を開けるシーンの解放感。

M(1931年製作の映画)

4.5

犯人の顔出しまでを引っ張る『第三の男』的な展開。話の中心は街の警備強化により仕事が出来ないギャングや犯人を6年も逮捕できないために立場を無くした警察、暴徒化する大衆など、彼のせいで掻き乱される周囲の人>>続きを読む

アジョシ(2010年製作の映画)

4.0

窓ガラスを割って外に飛び出すところを1カットで後ろから追いかけるように撮ったシーン。CGで繋いだのだろうか?

仁義(1970年製作の映画)

4.0

殺風景な田園地帯と曇天の空。
派手なアクションもないし展開の抑揚も少ないが、メルヴィルにアメリカ的なカーチェイスや銃撃戦を求めても仕方ない。

普通の犯罪映画とは一線を画す尺の使い方が面白い。冗長気味
>>続きを読む

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.0

画面外から銃声がして相手に着弾する瞬間にパン、画面奥の敵を手前から弓で射る構図、馬に乗りながら並走する敵を銃で撃つなど印象的なショットはいくつかあった。

個性的なキャラと映える戦闘描写。しかし相手が
>>続きを読む

エレファント(2003年製作の映画)

3.5

高校生の男女10人くらいの群像劇。カットがひとつひとつ粘るから独特のテンポを生み出す。若干、冗長気味に思えたが、しつこくカメラが人物を追っていると、急に横切った人間に焦点が変わって追い始めるところは楽>>続きを読む

プレデター(1987年製作の映画)

3.0

今観ても楽しめるアイデアがたくさんある。プレデターの造形、サーモグラフィ的視界、武器などデザインが魅力的。
ストーリーは単純明快で作り手も人間のドラマパートにはそんなにやる気はないのだろう。仲間の死は
>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

2.5

強調させたい場面の編集が一辺倒で飽きる。スリルも同じようなアイデア。
画面に映ってる時はノロマなのに画面外に出ると途端に目が見えるかのような俊敏な動きをするところがゲームっぽくて無理がある。まだ家の中
>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.0

畑で騒ぐ子供たちと下水道に転がる女の死体を交互に見せる冒頭からやられた。のどかな田舎の風景とそのすぐ近くに潜む絶望的な闇を初めに見せることで、コミカルな演出で進行する前半でも常に陰を感じられる。
刑事
>>続きを読む

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

4.0

非日常への導入が“茂みを抜ける”というのがいい。『となりのトトロ』や『ブルーベルベット』もそうだが、子どもの頃のワクワク感が思い出させる。

沈没船の浮上と遊園地での戦闘シーンが白眉。キャラデザや能力
>>続きを読む

血と骨(2004年製作の映画)

3.0

過激な描写が多い割りにダイナミックさがない。淡白。
それでも140分観ていられたのは役者の演技が素晴らしかったからで、別の監督ならもっと面白くなった。
ゴッドファーザーⅢの劣化ラスト。

鬼火(1963年製作の映画)

5.0

大傑作。
有名なカフェテラスのシーン。世界からひとり取り残された人間の視点、行き交う人々を撮すだけのショット。
ラストに向けてカットがどんどん短くなる。
自問自答する彼を見て、来るその瞬間まで息が苦し
>>続きを読む