eknさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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マイキー&ニッキー(1976年製作の映画)

4.0

「ミルクだけ寄越せ!」と胸ぐらを掴むピーター・フォークを半笑いで見つめる奥の客を撮ってるのはいいね。
カサヴェテスとの違いは、プライドを持って仕事するプロがいないことかな。70年代アメリカ映画として普
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月光の囁き(1999年製作の映画)

5.0

大傑作。映画がファムファタールに復讐される話。
目で撮ったかのような盗撮写真、盗聴テープの再生と鍵のエグい反復。
押し入れのショットなんてまさに映画体験。映画とはNTRだったか。ラストは運命の人!
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.5

葉巻を吸うからナイフ出せって言ったらドサドサ出てくるとこと知らない人の結婚式に飛び入り参加してフードファイター並みに飯を食らうシーンがよかった。

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.0

所謂“ご都合主義”的な偶然をここまで物語のドライブ感に昇華させているのが奇跡。夢描写とか近所の赤ちゃんの泣き声が聞こえる今敏っぽさも変わらずいい。
めちゃめちゃクレしんっぽいなと思ったら清子の声優がこ
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フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

4.5

傑作。
渋滞、工事、差別、貧困、マニュアル、病気…。「あぁこいつぶっ●してえな~」という人間を片っ端から●す元サラリーマンのマイケル・ダグラスが最期に突きつけられる事実「俺が異常なのか…?」は哀れんで
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ロボコン(2003年製作の映画)

4.0

2005年の『ドラゴン桜』の長澤まさみがこの世で一番可愛いのは間違いないんだが、その2年前ももちろん可愛い。赤ジャージ着てトラックの荷台に乗って熱唱→海が現れるショットだけで凡百の青春映画を越える。>>続きを読む

3階の見知らぬ男(1940年製作の映画)

3.0

悪夢の陰影や巨大な空間が楽しい。
ピーター・ローレは『M』の頃の印象が強すぎて、ガリガリに痩せてるのが違和感ある。隣人に対する主人公の殺意を見透かすような目は変わらず。あと歯並びが怖い。

秘密の儀式(1968年製作の映画)

4.0

レオノーラ→チェンチ、レオノーラ→2人の叔母、アルバート→レオノーラとチェンチ、レオノーラ→アルバートとチェンチの“正体”を視る窃視ショット。それぞれの欲望が表出する瞬間の驚きと興奮と恐れが混じった表>>続きを読む

男性の好きなスポーツ(1964年製作の映画)

2.5

性的隠喩がてんこ盛りのスクリューコメディ。ラッキースケベ一辺倒なギャグは昨今のアニメっぽくて生理的に受け付けないが、分かりやすく気が狂ってて、大声だけの銀魂ツッコミに比べたらまだ観てられる。

ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.0

長い殴り合いの果てに支配者たちと戦うことを決めた主人公たちだったが、役割を終えるとあっさりと殺され、シュールな笑いで幕引きという切れ味。
色眼鏡って言葉は日本語にしかないのかな。サングラスをかけること
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組織(1973年製作の映画)

3.5

各地に点在する組織の事務所→本丸への襲撃は移動に継ぐ移動。相棒とのバディものかつ本丸はスニーキングってとこもジョン・フリンの大傑作『殺しのベストセラー』と同じ。
昔の犯罪映画の役者を起用している辺り、
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

2.0

ちゃちなコメディで誤魔化したり説明過多な映像で保険かけたり、観ていて不安になる。『永い言い訳』の演出はくどくなくてよかったが、本作は『ゆれる』の頃まで戻ってる。
年を重ねて笑ったときにくっきり目尻にシ
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.5

前半のヒロインがパチモンのジーナ・ローランズで全然可愛くないが、後半の上野樹里みたいなヒロインはよかった。トニー・レオンの部屋に侵入して好き勝手するシーンは全部いい。
あと露店の店長が何故か恋の伝道師
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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.5

拳銃をパクって留置所から脱走して警察を襲ってパトカーで移動するって発想がすごすぎ。どんだけバカならそんなこと思いつくんだ。こういうバカが出てこないと転がらない脚本が本当に苦手。田舎と警察を心底バカにし>>続きを読む

危険な場所で(1951年製作の映画)

3.0

ニコラス・レイ5作品目。
警官殺しの犯人を追うサスペンスかと思いきや、孤独についての映画だった。
「笑ってほしいのに笑ってくれない」って孤独を感じる状況なのかもね。

ヒッチ・ハイカー(1953年製作の映画)

4.0

ヒッチハイクで逃走中の犯人が右目に麻痺の障害があって、目を開けたまま眠るんだけど、それがめちゃめちゃ怖い。
被害者の2人は2人だからこそ逃げられず、2人だからこそ協力し合えた。一方の犯人は銃にすがるこ
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無謀な瞬間(1949年製作の映画)

3.5

死体発見からボートに乗せるまでの見せ方すごいな。実際に運んでるように見えるローアングルのショットとか面白い。
母と娘とドネリーの関係性、『容疑者Xの献身』だ。
17歳の娘がいる母親役のジョーン・ベネッ
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(1949年製作の映画)

4.0

35歳の高齢ボクサーが栄光を掴むべく八百長を無視して試合に挑む話。場末の酒場に設置されたUFOキャッチャーが結末を暗示していたり、壁に貼られた対戦表の主人公の名前部分でマッチを擦ったりアイデアがいいし>>続きを読む

美人モデル殺人事件(1941年製作の映画)

3.5

別部屋で取り調べを受けている殺されたモデルの姉とモデルにスカウトしたプロモーターの男を繋ぐパン、映写室のライトアップなど、陰影を利用した場面転換がいい。
夜の街並みとプロモーターの“そこで育った感”が
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おとし穴(1948年製作の映画)

2.0

ディック・パウエルが土田浩翔に似てるなーって思ってたら終わった

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)

3.5

ラングの中では下の方。でもそこそこ楽しめる。
お気にのメイドが使っている2階のバスルームから配水管を伝って流れる水の音をニヤニヤしながら聞くのが最高に気持ち悪い。

セールスマン(2016年製作の映画)

4.0

『別離』と同様にドアと視線の映画。終盤のじいさんがよたよた歩くところをみんなが見つめるシーンの切り返しが白眉。とんでもないサスペンス。
タラネアリシュスティは人類で一番美しいな。クレオパトラより美人。

灼熱の肌(2011年製作の映画)

1.5

妻に再三不倫された上に逃げられ、木に車ごと突っ込んで自殺する画家の、衝突する瞬間の情けなさったらありゃしない。『天使の顔』のジーン・シモンズを見習って、メンがヘラって車で死ぬと決めたら笑顔でアクセルを>>続きを読む

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

4.0

視る/視られる、電話、牛乳配達、為替通知は男→女への一方通行だったが、自殺未遂(動脈を断つ)で立場が捻れていく。よくできてるが、キエシロフスキの苦手な部分である童貞礼賛的な気味の悪さと都合のよさがどう>>続きを読む

ある過去の行方(2013年製作の映画)

1.5

妊婦なのに煙草バカほど吸う癇癪持ちカスれ怒鳴り声の母親がマグル版ベラトリックス・レストレンジ にしか見えなくて超怖い。話が通じる相手じゃない感。それが元妻であったり母親であったりすることの絶望感。

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.5

破滅の一途を辿る愛、家族、人生へのタル・ベーラの温かい眼差しは終盤の輪になって踊るシーンで頂点を迎えるのだが、それまでの悲観主義的な会話や無機質な風景のショットもフレームや障害物、陰影によって視覚的に>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

3.5

ドアの映画。それと視線。ドアの開閉、隔たりを活用したドラマは視覚的にも面白い。
イランの女優はド級の美人ばかりでびびる。中東系の目が本当に好き。

でんきくらげ(1970年製作の映画)

1.5

渥美マリは不必要に脱ぐのは嫌だったってのをWikipediaで読んだ。本作も裸になるシーンで常に腕で胸を隠してる。かわいそうに。

テレフォン(1977年製作の映画)

2.5

催眠を仕込んだ工作員たちの引き金が「詩」という洒落た設定が77年にはあったのか。
爆破描写の徹底っぷり!

女経(じょきょう)(1960年製作の映画)

4.0

増村保三の第一話は100分で観たいし市川崑の第二話は短編としてよくまとまってるし吉村公三郎の第三話は三条大橋(?)から鴨川を眺めるショットが最高。

ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)

3.5

身体=車体。年月の経過、脚の負傷とタイヤのパンク、鍵。車=棺でもある。復讐の連鎖の中で唯一の生存者があの車に向かうショットは秀逸。
殺す対象とは会話をするな。とは言うものの、顔が捻り飛ぶ威力の銃をぶち
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