ぱさんの映画レビュー・感想・評価

ぱ

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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小学生の頃から30代まで相手を想い続けるにしては、過去パートが弱い気がする。10代にしても20代にしても、あまり印象がない。前世や来世についての会話をするが、積み上げがないので、すれ違いも反響も感じら>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

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手を伸ばせば届く距離だが、建築によって隔てられることで、全く違う用途に使われる空間になる。マナー、公とプライベート、聞こえる音、何もかも違う。すぐそばにいるのに。特に前半ではガラスや簡易的なパーテーシ>>続きを読む

なみのおと(2011年製作の映画)

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お互いの目線が向かい合わず、それぞれが目の前のカメラに向かって喋る「Z」の形の位置で撮影をしてるのは知っていたが、肩越しの斜めからのカットを見ると正対しているように見える。よく見ると錯覚でやはりズレて>>続きを読む

No.10(2021年製作の映画)

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ネタバレ厳禁とは言いつつ、相当こぢんまりとしてる。契機を経て前半の話から遠く離れてもやる事は変わらない。フィクションを立ち上げること、スケールは違えど劇団の話と地続きになってる。

良かったところは、
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

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女性の地下組織の話だが、その中で男性として唯一働く医師の扱いが面白い。モブ中のモブかと思っていたら、印象が二転三転する。もっと粘着質に描いても良さそうなのにサラッと放流する。

警官役のジョン・マガロ
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グリズリーマン(2005年製作の映画)

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彼は自分が林の中に分け入るシーンを三脚を置いてワンオペで撮影している。男の姿が木々の中に消える。しばらくすると戻って来てやり直すのだが、この間の誰も映ってない、葉が風で揺れてるだけの風景が美しい。皮肉>>続きを読む

ZOO(1985年製作の映画)

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フェルメールの絵に脚はあまり描かれない、描かれていないのは実際は絵の中で足のない人間が椅子に縫い付けられているんだとか、フェルメール狂の医師が足のない女に興奮するとか、唯物加減が凄い。

宮殿のような
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武器人間(2013年製作の映画)

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武器人間の造形が着ぐるみ感があってファニー。しかも結構弱い。元は死体だけど、あれだけ魔改造されて弱いって。第2の人生がトンチキ仮装コンテストは悲しい。POVとはいえ、アクションを面白く撮れてないのは残>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

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写真を撮る映画でもあるけど、肝心の出来上がった完成写真がほとんど出てこない。代わりに挟み込まれるのは、こちらを向いて動かない、ポーズをとった人達のポートレイトのような動画。

当時の写真は長時間露光な
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マーサ、あるいはマーシー・メイ(2011年製作の映画)

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室内でこちらを向いて佇む人、すぐ目の前、窓の外を人が通り過ぎても微動だにしない。ガラスの反射で人間だけが明るく浮かび上がってホログラムのよう。または住居侵入の際、庭をフラフラとゾンビのように歩く後ろ姿>>続きを読む

同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

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傍から見れば共依存だが、この生活以外を知らない2人にとってはそう簡単に言いきれない。泥沼かつスリリングで目が離せない。画も面白く、廊下突き当たりの誘い込むように開いたドアはまるで団地ホラー。

我を通
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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幻聴や幻想が何らかの予知、予感の症状として描かれているところは一瞬面白いと思ったが、実際はシーンの順序を入れ替えたフラッシュバックであることがわかると、やや拍子抜けする。パッと見でそうは見えないように>>続きを読む

ミュリエル(1963年製作の映画)

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この時間の飛び方は何なのか、ずっと考えていた。日記を盗み見るシーンがあるのだが、その際に間に挟まった数枚の写真がスーッと滑る。そうかこのイメージかと。この映画はスナップ写真的な重なりかもしれない。 >>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

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店舗の写真を見ながらそこに電話をかけるなんてよくある事だけど、この映画で似たようなシチュエーションを見ると何故か面白く感じる。

いつ撮られたのか分からないストリートビュー的なホテルの外観と通りの風景
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按摩と女(1938年製作の映画)

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清水宏じゃなければ険悪な雰囲気になってそうなところを飄々としたユーモアで包み込む。「残念でした」連呼に笑う。たっぷりとした間合いが温泉地に溶け出しそうで何とも心地良い。

盲目の男が女の後を追う駆け引
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

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とある人の妊娠の件で警察の話題は出るが中絶は出ない。このような境遇を受け入れることを美しく描くのは多少引っかかる。出産、血縁、子は然るべきところに居なくてはという監督の考えなんだろうけど。

別室で眠
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天使(1937年製作の映画)

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これだけの豪邸なら隣の部屋の音も聞こえないだろう。扉を閉める度に外の世界から切り離されていく。そして三角関係の修羅場では不倫カップルが過去の自分たちを別人として話し、その場を取り繕う。この切断のイメー>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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1番記憶に残ったのは声。主役のひとり、金髪の人は本業がスタントパフォーマーということで発声が役者のそれではなく、ほんとに独り言を言ってるような感じがする。サブカル演技になりそうなものなのに。殺しの現場>>続きを読む

ビニールハウス(2022年製作の映画)

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障害や病が話を都合よく転がすためのギミックに思えてしまう。あと、サスペンス部分の“”力仕事“”の描写が結構省かれていて、問題なく事が運んでいることになっているが、あれでいいんだろうか。

身体的な障害
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悪夢(1896年製作の映画)

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物や人が突然現れたり消えたりする。そうなると、最初にいたように記憶してる女性はいつからいたのか怪しくなってくる。この時代ならではの現実感がない書割のセットなので、どこまでが夢だったのかも曖昧。

ダウンレンジ(2017年製作の映画)

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この場で起こってる狙撃以外の情報がほぼない。闘いだけがある。犯人の姿もあっさり映る。事態が一時的に落ち着くと、BGMと共に真上からの俯瞰の映像が挟み込まれる。スポーツ中継みたいだ。

片や俯瞰視点を持
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僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)

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この冥婚が成り立つのは台湾で法的に同性婚が認められたからなのか。霊も法の統治下にあるんだな。

自由の幻想(1974年製作の映画)

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高層ビルからの射撃の出鱈目さ。撃たれた人の芝居が酷くてとてもいい。というか撃たれてない。角度もおかしい。何も当たってすらない。当たった瞬間を映してなかったりする。そこら辺の人に声掛けてちょっと倒れてく>>続きを読む

遠い一本の道(1977年製作の映画)

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SLとか苦しい家計とか、ずっとそういうことが描かれてきたのに、急に新幹線で旅行する場面が出てくると、新幹線あったの?と驚く。当然あるんだけど、タイムリープしたような、または前時代的なコミュニティの外に>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

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そつなくまとまったエンタメで、特にこれといった印象はない。主役はともかく脇の人々に目を向けると、そこに生きている人という感じがしない。子役の人、エキストラの皆さんとしてしか見れなかった。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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行きたいのか行きたくないのか、旅なのに軟禁じみてて、受難のつるべ打ちとかこういう感じは割と好き。カフカの「アメリカ」とか。カメラの立ち回りとアクション、音の響きが面白いので退屈はしない。脳がキャパオー>>続きを読む

V/H/S ネクストレベル(2013年製作の映画)

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ゾンビ目線POVだけがあちら側の世界を見せる。変なオチはついてるけど。もっと長い旅程を見たかった。他の話はグロいかジャンプスケアかくらいで、こちらが逃げるだけ。犬目線のPOVもあるが、飼い慣らされてい>>続きを読む

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

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一日の中で用件が一件だけなんてことはなくハシゴする。その場によって見せる顔も喋り方も変わる。勤務中と退勤後では当然違う。変わることで過去が意識され、忘れていた時間がそこで還ってくる。地層のような変容を>>続きを読む

ハンテッド 狩られる夜(2023年製作の映画)

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夜は長いからね。これだけベラベラ喋っててもいいよね。トランシーバーの音質も演説っぽい。犯人が喋らなくなる、間を開けることがあるが、それによってある人物の不在が際立っていて面白い。
舞台がコンビニという
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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

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ほぼ室内。建物の外観、街の全景は線画。このマクロとミクロの移行をどう受け止めていいのかわからなかったが、演奏や発話のためにたまたま室内に人がいるというだけのことなのか。自然現象までイラストで呆気にとら>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

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カーテン(幕)が開くことで始まる舞台っぽさ。ラストのアクションがそれと対になってる。クライマックスでの人の現れ方が唐突。司法が生んだモンスター映画を引き取りに来たような。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

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駅から街へ行くあの移動シーンは何だろう。何かに乗る描写はない。まるでワープといっていいような。例えば道を歩いてて数分後にはあそこら辺を歩いてるんだろうかと、先を見渡すことがあるけど、そういった視線の投>>続きを読む

親愛なる日記 レストア版(1993年製作の映画)

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テレビドラマの続きがどうなるか、壮大な自然の中でする会話じゃない。高低差ありすぎて豆粒大の切り返しに笑ってしまう。人間はちっぽけだ。

遠景の向こうにいる人を映したまま進んでいってそのまま会話に入ると
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夏休み(2023年製作の映画)

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フランスのバカンス映画なのにナンパが出てこなくて風通しはいい。音楽を使うのはリフトのシーンまで取っておいた方が良かったんじゃないかという気はする。

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

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実際の事件当日と演技パートは何が違ったのか。光の差し方、天気、風の流れ、バスの運行ルート、車窓と会話のタイミング、言葉の抑揚、そういった些細な違いに本人たちは何を感じていたのか、バリエーションの差異に>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

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短パン男が分け与える優しさや願いのようなものが、どのように繁茂するのかもっと長いタームで見たいと思うけど、表立った毒気が見えない世界は、既に生い茂った、その後の世界のようにも見える。円環の構造という感>>続きを読む

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