ぱさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

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まさか幽霊譚だとは思わなかった。天気が天才。出現までの風の通り道の見せ方、湿度の表現が素晴らしい。

後半ニシノに対して苛立ちを覚えはじめるけど、いなし方というか、そこからの着地がすごい。夏の午後の昼
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

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恐怖という本能を人質に取られている感がすごいので面白かったのかどうかわからない。

終盤の妄想パートで本当は自分しか残されていないという現実を一瞬見せる、我に返るシーンがあるけど、そこが劇中では夢とい
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小原庄助さん(1949年製作の映画)

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飄々としたユーモアに笑ってしまう。そして移動撮影が素晴らしいのは言わずもがなだけど固定撮影も面白い。

知人の娘の家を訪れるシーンで、始めに地図を映した後に無人の路地をいくつか映していくブツ切りの移動
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ヴィレッジ(2004年製作の映画)

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描写より謎で引っ張るタイプの作品だけど、残念ながら同じオチの映画を知っていたので退屈だったのは否めない。

無口な青年が「何でみんな喋らせようとするんだ、話したかったらこっちから話しかける!」みたいな
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(2023年製作の映画)

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小説だと蛇がいるのかいないのか曖昧になるし、想像で蛇を描くことはできるけど、映像だとはっきりわかってしまうので、より皮肉を強調する感じになったのかな、知らんけど

左様なら今晩は(2022年製作の映画)

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「あなたといると気が滅入る」と元カノに言われたらしい人間性が幽霊に対する接し方で垣間見えるのが面白い。

波長が合うと死線が見えるらしいが、後半は不穏な描写も特になく、優しさの扱いに重きを置いているの
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雨月物語(1953年製作の映画)

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絵巻物のように引いた視点で場が移り変わっていく。アクションの中に別のアクションが入り込んで来て、虚実構わずスルスルと展開される。羽織の試着シーンの時空の入り乱れ方はすごい。

全体的に顔よりも行いが捉
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砂の女(1964年製作の映画)

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脳のストレージが砂で埋められていく。しんどいはずだけど、なまじ生活が回ってしまっているので緩やかに沈んでいく感じがする。あの家が帰るべき故郷になってしまってる女性の境遇も辛いし、村民の目から感情が判断>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

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ミステリーやサスペンスを観ているとき、主人公(主に男性)が謎を追ったり、転げ回って銃撃戦をしている間、家では奥さんが料理したり掃除したりしてるんだろうなといつもぼんやり考えていたが、この作品は
謎を追
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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予想以上に自己肯定感のある思い出話だったような。撮る暴力性を顧みること自体も快楽に呑まれてる気がしなくもない。

プロムの場面の映画はクィア表象とも言われてるけど、それは気づかなかったな。 あるとして
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

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最後に劇中劇が始まったように思うが、実際は史実のような作り話と実在する創作(の映像化)という捻れ。

全て見終わったあと、前半が二重映しに感じられる。冒頭のニュース映像もどこか夢のよう。

遺灰は物語
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千年女優(2001年製作の映画)

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たいして知らない相手に執着して追い求めるという展開でひたすら引っ張るけど、この前提にいまいち乗れなかった。なんでも出来るアニメーションだからこそ、パターンがわかってくると一本調子というか淡白に思えてし>>続きを読む

ジャーマン+雨(2006年製作の映画)

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チープな絵面にどうしようかと思ったが、慣れてくるとこの多動的な世界観とバランスがとれてることに気づく。これだけ奇を衒っておきながら、あざとさやお寒い感じがしないのが不思議。

セリフの後に来そうな返し
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

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語り手本人とその回想的な紙芝居を同じ画面の中に同時に収める表現は好きだった。

顔のない眼(1959年製作の映画)

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なぜか記憶に残るのは、踏切を画面いっぱいに横切る列車、出発する時には降ってなかったのにいつの間にか濡れてる路面、遺体確認終わって外出たら暗くなってるとか、墓場に死体遺棄する夜に空を見上げると飛行機とか>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

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窃視症殺人と過去のトラウマがなぜ結びつくのかわからない。性的倒錯ならまだしも。
訳の分からない人物とするには肩入れしすぎてるし、母娘が都合が良すぎる。
ヌード写真だらけの雑貨屋?に少女が普通に買い物に
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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桜の木の下には死体が埋まってるっていう言葉が思い浮かんだ。どれも出てこないけど。雪に遺灰をこじつけたくなる。

(1963年製作の映画)

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部屋の壁に虫を見つけた時のような間合いと静けさのジャングルジムのシーンが恐ろしい。

食堂の議論シーンが長すぎる気もしたが、あの長さがあってこそ、後に同じ場所に戻った時の変化にハッとする。

メッセー
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別れる決心(2022年製作の映画)

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恋愛モノはお互いなぜ惹かれてるのか分かりずらいことも多いが、これは事件を会した2人のやり取り、腹の探り合い、夫婦生活のような共同作業を通して恋愛のガワの部分を見せていくスタイルで、これはこれでありかも>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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ほぼ喋らない人間の日記を他人が読み上げるというアイデアに惹かれる。

交換可能性としても使える表現だけど、ここではあくまでナレーション的にケイコという存在をめぐる音して使われていた。

読み上げている
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こどもが映画をつくるとき(2021年製作の映画)

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こんなに勝手気ままに動き回る演者を見るのは初めてかもしれない。もはや映画制作に参加してない子もいたりする。スタッフもできるだけ軌道修正しないのもいい。

次々にアイデアが生まれ、秒でボツになったり、そ
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下女(1960年製作の映画)

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音使いが印象的。ピアノの演奏がそのまま劇伴になっていてサスペンスを盛り上げている。
そしてミシンのように機械的に階段に打ち付けるあの音。見た目もミシン針と糸のよう。

カルメン純情す(1952年製作の映画)

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ストーリーと全く関係ないが、赤ちゃんとか犬が自由に動いていて、違うレイヤーの生き物が紛れ込んでる感じが良い。

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

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男たちに勝手に人生を決められ、肝心なところで蚊帳の外に置かれる女性。

文化や社会構造についての感想はあるけど、映画についての感想は特にないかな

ブリスフリー・ユアーズ(2002年製作の映画)

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イラストや文字、ナレーションで時間を多層的にデコレーションするのが面白い。

映像に映っている今この時間だけでなく、いつのことか分からない遠く離れた時間も重なり合っている。

blue(2001年製作の映画)

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音楽がなければホラーに見える。いつの間にか人生に異物が侵食している気持ち悪さと風景の美しさ。池を泳ぐ白い魚のように音を鳴らさず学校にやってくる救急車。

この手の作品にありがちな、主人公の親が出てこな
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帰れない二人(2018年製作の映画)

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時間を描くのって難しいんだな。良くも悪くも18年の歳月を感じない。テンポがよすぎるからなのか、風景の変化がわかりずらいからなのか。

クラブでダンス中にポケットから拳銃を落としてしまい、一瞬水を差す感
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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霊的な気づきや予感のようなシーンが割と面白かったが、それが風刺を込めたメタ演出だとわかって、意味に回収されてしまうのが少し残念に感じた。こういう作風なのでアピチャッポンの作品を引用したのだと思うけど。>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

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ミスリードの作為は感じるけど、この混同や認識のズレに人生ってこんなもんだなとも思わされる。

BGMの神聖さと泣いてる理由のしょうもなさが可笑しい。

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

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人も動物も観ていて何も感じない。予め決められた物事がただ起こってる。無感情の振り付けのような身体が面白く、そして怖い。自分の意思で動いてるとは思えない、人間とマネキンの間。

時間の表現というか、エピ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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セクシュアリティや死の予感をエモの道具にしている気がして少し引っかかるが、興味深いシーンもあった。


夜の海に入っていく父の後ろ姿はロビーで寝てしまった娘の夢としても考えられるが、父が部屋で寝てい
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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自分を打ち倒したところで、新たな白鯨やエイハブ船長を生むだけのような気もする。

独りよがりという意味ではあの飛翔はコメディとして合ってる。

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

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「私の人生から一瞬で消せる」ってまさに映画の力のことだなと思った。

時の経過をテロップで処理してる割には年月を体感するのは、観ている最中には要らなそうに思えるカットや間合い、通訳の手間などがあるから
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ロッジ 白い惨劇(2019年製作の映画)

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現実か妄想かわからないというのは利点にもなるけど欠点にもなると感じた。

状況を放置したままシームレスに展開していくのは面白いが、エスカレートするにつれてどうでも良くなってくる上に、オチが分かりずらく
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