ぱさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

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人も動物も観ていて何も感じない。予め決められた物事がただ起こってる。無感情の振り付けのような身体が面白く、そして怖い。自分の意思で動いてるとは思えない、人間とマネキンの間。

時間の表現というか、エピ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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セクシュアリティや死の予感をエモの道具にしている気がして少し引っかかるが、興味深いシーンもあった。


夜の海に入っていく父の後ろ姿はロビーで寝てしまった娘の夢としても考えられるが、父が部屋で寝てい
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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自分を打ち倒したところで、新たな白鯨やエイハブ船長を生むだけのような気もする。

独りよがりという意味ではあの飛翔はコメディとして合ってる。

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

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「私の人生から一瞬で消せる」ってまさに映画の力のことだなと思った。

時の経過をテロップで処理してる割には年月を体感するのは、観ている最中には要らなそうに思えるカットや間合い、通訳の手間などがあるから
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ロッジ 白い惨劇(2019年製作の映画)

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現実か妄想かわからないというのは利点にもなるけど欠点にもなると感じた。

状況を放置したままシームレスに展開していくのは面白いが、エスカレートするにつれてどうでも良くなってくる上に、オチが分かりずらく
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パラドクス(2014年製作の映画)

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安っぽい再現ドラマのような画作りに、これをあと1時間以上観るのかと辛くなった。後半の露悪的な表現も苦手だった。

あと、ネタ明かしを急にセリフで説明しだすけど、そんな突然思い出すってあるかな、1分1秒
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EO イーオー(2022年製作の映画)

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動物の目を通して人間の愚かさを描くというのは安直で説教臭いが、この擬人化に他にどんな意味があるのか考えながら見たが、わからなかった。

ロバ目線にしては人間を異物として感じず、何らかの移人称ということ
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

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カットが短く緩急付けず、介護も不倫も等しく扱われている。

老いと病によっていずれ来るかもしれない変容に対しての見限り方、終盤のあの無視が印象に残った。

深刻なことではないのに、娘の成長痛がやや不穏
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早すぎる、遅すぎる、(1982年製作の映画)

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搾取する眼差しを避けようとして、このような無味無臭な映像になったのかなとも思った。

小説家の映画(2022年製作の映画)

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余白が生む想像より、このアングルやカットしか存在しないという不穏さを感じた。
演劇を見ているようでもある。

手話でシーンを締めるところが美しい。

略称・連続射殺魔(1975年製作の映画)

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長回しはほぼなく風景のダイジェストといった作風。フリージャズによって現場の音は消され、生々しさやメリハリはなくなり均一に均されることで独特の倦怠感が付き纏う。

ナレーションがない部分が大半を占めてい
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ある犯罪の物語(1901年製作の映画)

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屠殺のようなスムーズさ。回想か夢かわからないけど、異なるレイヤーを同じ画面に入れ込むのは面白い。

都会の女(1930年製作の映画)

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光源に敏感。影の変化で人の訪れを知る。
都会の部屋の造形がやや不気味。ひとつのアングルでしか見えない、まさにセットのような部屋。生活感のなさと窓から見える鉄骨、妙に長いベッドの柵。

話は今の感覚だと
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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ノスタルジックで感傷的でドラマになるエピソードを詰め込んでいるが、日常の些細な時間が描かれていないので、上滑りしてるような、置いてけぼりにされたような気分になる。

全てがセンチメンタルに回収されてい
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風たちの午後(1980年製作の映画)

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いつの間にか季節が変わっている。というか季節感がない。暑いだとか寒いだとかもない。クリスマスなのにやけに薄着で、一体今いつなんだとか、部屋で寝転んでる場面ばかりが思い出されるけど、時間ってだいたいそう>>続きを読む

フリーク・オルランド(1981年製作の映画)

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カットの連続性より 1枚の絵としてのインパクトを狙ってるのか、同じ場所で撮ってることに一瞬気づかないようなカメラの置き方、繋ぎ方が印象に残った。

あとエスカレーター上ったところからの磔歌謡(ドリンク
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

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最初からレイシストであることはわかっているので、映画として終盤への飛躍は見られず、ワンカットで撮る意味は無いと感じた。

まさかこの人が90分後にこんなことになるなんて、という変化がないならカットを割
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

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人外と食卓を囲むシーン辺りから急に可笑しくなってくる。『ブンミおじさんの森』にしろ、自分はどうもこういうのが好きみたいだ。アダの可愛いとは言いきれない不気味な佇まいもいい。

話は因果応報で、もっと理
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宝島(2018年製作の映画)

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掴みどころのない、距離をとった撮影がどうにも退屈に感じてしまった。

エピソードの多くがナンパか警備員の目を盗んだ遊びでバリエーションもあまりなかった。取り上げられてる人の男女比に偏りがあるのも気にな
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

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シーンの繋ぎ方が好きだった。テンションは抑えめながら、興味は持続させつつ、前のカットからハッと我に返ったように次のアクションや表情に繋げていく。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

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粗暴な態度に対して女性がひとまず折れる、耐えるところから始まるのを普遍的なコミュニケーションの話にするのはどうなのかという気もする。

これが地獄巡りならともかく、初対面でここまで友情が成立してしまう
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オオカミの家(2018年製作の映画)

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生成されると同時にどんどん忘れていく。

ドアの外から写真が入ってきてシーンが変わるのは、PCやスマホのドラッグ&ドロップの感覚だと思った。

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

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ハイブランドのレトロCMのような映像。

バーで客が踊るシーンでヒールが床に当たる音が聞こえるのがいい。当の主人公は後ろの方で構わず適当に飲んでるところがまたいい。奥行きを引きで撮ってるこのシーンが好
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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今何が起きているか、何ができるか、超能力について観客にわかるように作られている。しかしそれゆえ、超能力なのにわかりすぎて面白みは感じなかった。

サスペンスホラーかと思ったら異能バトルが本筋で肩透かし
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

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男の復讐ロマンといい恋愛描写といい、古臭いというか幼いというか。

雰囲気は出しているが弛緩したような画が多く、これといって見どころがないのも気になった。

11×14(1977年製作の映画)

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壁にかかってる写真の家が後のシーンで同じ画角で出てきたり、部屋で流れてる曲が別の映像と共にフル尺で使われたり、空間を解体と再構築させる表現が興味深い。

川沿いのホテル(2018年製作の映画)

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事故にあったはずの自分の車が何故か別の人に所有されてる話が、静かな池を波立たせるように不気味に響く。

草の葉(2018年製作の映画)

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「逃げる女」に繋がるような作りやフェミニズム的な要素が垣間見える。

それぞれの人物が予想外な位置にいることが分かる横パンはほぼコント。

ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

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ズームやパーツのアップを用いることでシーンの意味を解体して判断できなくする、または違った意味合いを引き出そうとしている。

等価で交換可能、さらに追記可能なものとしてこの街が描かれているように感じた。

ポゼッション(1981年製作の映画)

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オーバーアクトだが、ミュージカルや歌舞伎だと思えば。

この話で何で神とか出てくるのかわからないが、女は訳分からないからとかだったら安直だし、それはどうなんだろう。

こんなになってまで何でこの夫に執
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ヒッチ・ハイカー(1953年製作の映画)

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殺人犯が出てくるのに暴力の匂いがほぼしない。唯一はっきり映る暴力がグーパンチで、しかも殴られる方という変な映画。

しかもそこで殴るかというようなタイミングで、浮気相手を殴るような殴り方。

郊外の鳥たち(2018年製作の映画)

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都市の変遷や暮らしの変化ではなく、幼少時代へのノスタルジーに重きが置かれていた。あまり広がりがないので物足りなさは感じる。


子供が髪を切るかのが下手な描写はよかった。上手くやってるつもりなんだろう
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夜の人々(1948年製作の映画)

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ナルシズムと男のロマンという感じで終始乗れなかった。女性がだいぶ都合がいい役だった。