ふかいさんの映画レビュー・感想・評価

ふかい

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

アジア人と西洋人の関係性を一方的に推測する第三者の視点から入るのは良かったが、そこからは特に新しさを見出せず…あまり良くない意味でふつうの映画だった

マグノリア(1999年製作の映画)

3.6

高校時分に見た時はその語り口の斬新さで圧倒されてたけど、今見返すと明らかに失敗作だなってことがわかる。PTAも後々あと20分短くすればよかったって言ってるように、もっとコンパクトに出来たと思う。ラスト>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.5

高校生ぶりに見返したけど、こんなに面白かったのか…!!
「ブギーナイツ」の系譜で、マスキュリティでがんじがらめになる男をPTAは描いてきたけど、この究極形が出来たから次作から別のモードに入ったんだな…
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.3

急に見返したくなって10年ぶりくらいに再見。
こんなにもストレートな一代記。ダニエルにとっておそらく1番脂が乗っていた(文字通り!)時期をバンバン省略して、色々な不幸が重なる場面をピックアップしてるか
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

次々に強い仲間を引き連れていくところとか、王道のチーム映画として存分に楽しめた前半。映像としてのIMAXの必然性はそんなに感じなかったが、音がやはり重要なんだなということを実感した。矢継ぎ早の台詞回し>>続きを読む

みんな〜やってるか!(1994年製作の映画)

4.1

10年ぶりくらいに再見。
やはり殺し屋の展開くらいまでは超絶的な面白さ。「ソナチネ」というある種北の映画の完成系のような作品の後にこのナンセンスギャグ連発みたいなのをやりたかったのも痛いほど気持ちがわ
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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

3.2

構成や展開は「ひとよ」とか「ハッシュ!」とかを連想した。俳優たちの演技も特に響かず…

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

世界で1番過ぎるのが早い166分だった。
もはや人智を超えた驚愕映像のつるべうちで、これが最初は1人の人間の頭の中から生まれたものだという事実にまた唖然とする。シャラメがサンドウォームに跨る場面で叫び
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市子(2023年製作の映画)

3.3

面白くなりそうな瞬間は多々あるのに、それがどうも途切れてしまって引き込まれない(時間軸のばらつきがあるからしょうがないともいえるが)
似たテーマで言えば「さがす」の方がよっぽどエンタメ度は高かったし、
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

「エル・スール」を連想させる階段から転げ落ちるボールのファーストショットは上下関係を表す表現としてはやや類型的な気がしてウッとなったが、そこからは脚本の力だけで押し切るような映画にシフトチェンジするの>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.4

「哀れなるものたち」はルールの中で無茶苦茶やってるって感じがめちゃくちゃハマったけどこっちは無法地帯すぎてちょっとのれなかった
あと自分が普段見てる夢に近すぎて起きてるのか寝てるのかよく分からない時間
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.2

つまらないと言いづらい雰囲気があるが流石につまらない。ラストシーン以外は特にオッと思わせる箇所もなく、ただただ平凡な会話劇で退屈。エリセだからどこかにいい所があるだろうと頑張って探したけど、特になし。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

言葉を選ばずに言うと、こんなにニュートラルで色が無い題材ながら、三宅唱節としか言いようがない映画に仕上げてしまうその作家性(その多くは16ミリフィルムの質感に依っていると思われるが)に驚く。
暗いオフ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

ここまで破茶滅茶ながら全てが整然とされている映画は見たとがない。全てが未体験の映画ながら、どこか懐かしさも感じさせるという奇跡的なバランス(ダンスしながらのドタバタとかチャップリンみたいだし)
表現っ
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.2

やっぱり小津はカラーの方が圧倒的に映えると思う。成瀬に対してはそんなこと思わないのに、なぜだ。
いつもの小津作品とは異端のものが多く登場するので、見応えがある。突然の外国人の彼氏や、森繁久弥の芸達者っ
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.0

こんなに重くて暗くて長い話なのになぜ集中してみつづけられるんだろう。恐るべき小津マジック。有馬稲子はあまりにも肝が座りすぎているし顔も超整ってる。布マスクを外すまでの間がすごい。珍珍軒の親父と、お見合>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

3.9

「ワレメ」にしようと決めた字幕担当者の作戦勝ち。序盤怒涛のカットバックはiPhone撮影の必然性をそれほど感じなかったが、対象との距離の近さという意味では機能してたのかな。ストーリーは結構「POSE」>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.6

構図や編集の素晴らしさは分かるけどいまいち没入できないこの感じ、自分が西部劇苦手なのが分かってしまった…

黄龍の村(2021年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

どうせなら陽キャ達も救われて欲しかった

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

1の方がインパクトはあったし脚本も頑張ってる感はあったけど本来監督がやりたかったのはこういうテイストなのかな?観た後に特に何も残らないけどシリーズものはこれくらいでちょうど良い。「手握って」のシーンで>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.5

ショーンベイカーって、こんなにすごい監督だったの…(今更)
やはり「子供が憂き目に遭う」映画にめっぽう弱い。是枝演出に影響受けてるっぽいけど、時折それが悪い方にも転ぶ是枝作品の重くなりすぎる気質は受け
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ラブホテル(1985年製作の映画)

4.1

レイプ紛いの事をされた女性が暴力的なセックスに目覚めるといういかにも石井隆的な80年代日本の逆行した男尊女卑的価値観が全面に出た題材には拒否感を覚えるが、それにしても相米マジックと言える長回しの美しさ>>続きを読む

彼方のうた(2023年製作の映画)

3.5

役者たちを魅力的に撮れてはいると思うけどさすがに省略しすぎでは…これ観てたら自分の中で「ひかりの歌」の評価が相対的に上がってきた、見返したくなってきた。

恋は光(2022年製作の映画)

4.3

ともすれば安っぽいラブコメになってしまいそうな題材ながら2時間近く全く集中が途切れずに没入して観れたのでおそらく相当脚本と演出のクオリティが高いんだと思う。具体的にどこをどうとは言いづらいのもまた上手>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.3

好きだなあ…!「アンカット・ダイヤモンド」のようなテンポ感と中毒性。時折挟まれる素っ頓狂なズームイン、ズームアウト(海沿いでセックスする2人からの一瞬のズームアウトで爆笑した)がクセになる。
これをグ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.2

前半のザ・スパイダーマン的な、穴ボコ男との格闘と四者面談のカットバックが楽しすぎたが、そこをピークにどんどん興味が薄れていったことで、自分は「マルチバース」に嫌悪感すら抱いているんだなというかとがよう>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.3

こんなド傑作が配信に埋もれてたなんて…
バリーコーガン✖️「プロミシングヤングウーマン」の監督っていう組み合わせだけで見ないわけにはいかない。
イケてないグループのコーガンが超絶モテ男と仲良くなって自
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.5

これはあまり好きじゃないスコセッシかも。脚本の色が強すぎて映画としての強度を失ってないか…

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.2

前半のキレキレさよ。バレンシアガ!H&M!の連発からのタイトルバック。
席一つずれて~で横移動していくカメラと、弾かれたカールのすっとぼけ具合が最高。本作で一番面白いのは第一部で、どちらがディナーの金
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.3

どうやって撮影したのかがひたすら気になる驚異のロバ演出。後ろで滝が流れてる橋をロバがフラフラ歩くショットとかバチバチにキマっててすごかったな〜遠景ショットがどれも良い。EOと初恋相手が戯れるシーンたま>>続きを読む

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