冒頭の自然と音楽のポリフォニーにまず惹き込まれる。その後の陸わさびのカメラワークやだるまさんが転んだで静止した子供など、ただ美しいだけではない不穏さも映し出される。
ただ、このまま山での生活だけで進ま>>続きを読む
みぞれと自分を重ね合わせ、中高生の時に向こうから話しかけてくれる人っていたな…と思って観ていた。
でも希美みたいな人はだいたい沢山の人と仲がいいので、仲がいい人が一人しかいないみぞれ側としては常に寂し>>続きを読む
マイノリティへの差別的な描写が無理…という気持ちと、過剰なまでの「そんなことある⁈」っていうジェットコースターのような展開にアガる気持ちがぶつかり合い、気持ちが迷子になった…。
とりあえず、この時代の>>続きを読む
PMS、パニック障害といったキーワードからの想像に反する穏やかさ。抑えられたトーンで日常として描かれることで、日々のふとした瞬間にシーンを思い出しそう。
二人の症状について丁寧に説明されているのがまず>>続きを読む
各々のプレイヤーが一つの音楽の上に乗りながらも自由を謳歌していて、合奏の一つの理想形だと思う。
デヴィッド・バーンの声の踊らせる力が凄い…!
劇場内に音に合わせて体を揺らしている人が少なくて、上映中>>続きを読む
この物語で語られるような他人の身体への所有欲に対して、かつてその萌芽を自分の中に発見して気持ち悪さを感じて以来、できうる限り距離を取ってきた。男たちがベラに対して投射する本当に様々に勝手な欲望は、それ>>続きを読む
空間がしっかり撮れていること、無駄が省かれたストーリー展開、古典である所以よ…。
自転車探しに子供を連れ回すことに違和感があったのだけど(ちょっとバディものにも見えた)、今とは子供の扱いが違うのか?>>続きを読む
奇想天外な美術に面くらいつつ、曲がすべて良すぎる!特に黄色い舗道を歩く時の「Ease On Doen the Road」、ラストのドロシーの大歌唱。思いっきり歌って踊りまくるダイアナ・ロス、キレの良い>>続きを読む
自分も郊外で育ったので、住んでいる時には郊外から出たいと思いながらいざ出たら郊外が美しく思い出される気持ちがよく分かる。
クリスティンのバイト先に来た時のダニーの「ゲイが"悪化"している」という言葉は>>続きを読む
あまり話の流れが分からず、パンフレットを読んで初めて知る設定も多かった。それでも前作同様、どこにでもある、それでいて距離のあるぼやけた光に満ちた画面はとても好き。
春の考えていることが分からず、他人と>>続きを読む
常に子供たちと同じ位置に立とうとする校長先生に代表されるように、登場人物たちの、個人を尊重しながら、それでいて個人主義に陥らず互いにケアし合う関係性がとても良かった。
特に高橋くんの尾てい骨の話。悪意>>続きを読む
誰かに対して勝手に親近感を抱いて、それが裏切られて勝手に孤独を感じることってあるね…と思った。
ちょっと苦手なタイプの冗談が台詞として頻出していたけど、それもただの強がりに聞こえてくる。
前情報を入れずに観に行ったのだけど、今まで観た映像の中で最も自分の経験した震災に近かった。よくあるスペクタクル的な描き方とは対照的で、揺れてる描写がしつこいほど長いかと思えば、津波が迫る中キリエ(姉)>>続きを読む
西村ツチカの光を伴った柔らかい線画、紙の質感が伝わるような塗りが再現されて動いている、しかも舞台は色彩豊かな百貨店で、目が最初から最後まで幸せだった…のだけど、登場人物たちの価値観が旧来的で、設定や台>>続きを読む
自分には感情の流れが本当に分からなかった。マリアとヘルマンがなぜお互いをずっと待ち続けられるのかが分からないし、そのくせ会えたら会えたで嬉しそうな様子を見せない。この映画で描かれている出来事とはとても>>続きを読む
男らしさ的価値観をずーーーっと避けたいと思ってきたので、大作映画で戯画化され笑い飛ばす対象になったのがよかった。
登場人物では物事の常に外側にいるアランに親近感を感じたけど、突然暴力を振るったのにはび>>続きを読む
美しい衣装に身を包んだ主人公がくすんだベルリンの街から浮いていて、飲酒することで更にその存在が際立つのが爽快であり、孤独が深まるのが哀しくもあった。
綱渡りのシーン、壁とその前の広大な空き地、遠くに>>続きを読む
時代によって異なる性を生きるオルランド、小人や松葉杖の人など、規範的身体から逸脱しているとされる人々が派手な色彩とともに生き生きと動き回る画面が刺激的かつ気持ちよく、クライマックスの「醜い者フェスティ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
宮崎駿の新作が観られるなんてまるでパラレルワールドに迷い込んだようだったけど、その上今までで一番自分ものと思えるジブリだった。
映画の世界観のつくりこみという面では過去作品の方が断然上とは思ってしまう>>続きを読む
道祖神や間の空間にズームしたり、カメラが手袋の目線になったりと、人間以外の主体を認めているのがとても心地よかった。
音に関しても、サントラの中にイヤフォンから流れる音が重なったり、話し声や物音のざわざ>>続きを読む
感情によって水彩画のように画面の色が変わる演出がとても美しかったし、音楽も全部好き。
ストーリーの方は途中なのでまだなんとも言えない感じ。L…のユニバースが出てくるとは思わなかった、子供の頃すごい欲>>続きを読む
生活ぶりやあまりにも酷い暴力の内容からどこか自分からは距離のある中世の話だと思っていたけど、突如知らされる2010年という数字から、これは過去ではなく現代社会の問題なのだ、と突きつけられる(耳をつんざ>>続きを読む
ふわふわとした余白のある描写で、観ている最中に自分が子供だった頃の記憶がフラッシュバックしてくる。カレーをつくるために具材を炒めている夕方の風景とか、小学生くらいの頃たまに親が喧嘩していたな、とか。>>続きを読む
舞台挨拶付上映で観たのだけど、監督が「収まりのいい映画にはしたくない、自分のような取り乱している人間が撮らないといけない」というようなことを仰っていて、そのごつごつした感覚がそのまま映像の中に閉じ込め>>続きを読む
同性同士の恋愛が周囲との軋轢を生むような脚本になっておらず自然に受け入れられている映画を観たのは初めてかも。ミンミからロンコへの「まだ経験がないだけ」発言はちょっと嫌だったけど…。
美術もすごく良く>>続きを読む
思ったほどはまらなかったのはちょっと下品な感じの笑いが合わなかったのかも。
でもジョブ・トゥパキのファッションはどれも好きだったし、ベーグルに向かって階段を登っていくシーンの闘い方はじんときた。自分が>>続きを読む
原作の絵から伝わってきていたサックスのホーンをメリメリ鳴らす音が、アニメ表現として具現化されていてかっこよかった!
何より上原ひろみを起用してどんどん攻め込んでいくような音楽として結実させたのが凄い>>続きを読む
モリコーネによる音楽講義。
自分にとっては『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』に代表される美しいメロディーを書く映画音楽作曲家、という認識で、映画音楽とニ軸と言ってもいいほどに現代>>続きを読む
自分のことをほとんど語らず、たとえ誰かに優しくされても決して甘えず捨て台詞を吐いて立ち去る姿がよかった。
歯車が狂うとこんなにあっさりと終わりを迎えてしまうとは…。
冒頭のヘリコプター&爆散など、トンチキなイメージに笑ってしまう場面もありつつ、ハッとするほど美しいシーンの連続だった。
特に教会に農民が並んでいるシーンや雪だるまが語るヴェネチアのシーンなど、白飛びし>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
恋愛の話になりそうになると隙を見て話題をずらそうとするところや、妹が「レズビアンなんでしょ」と言ってくるところなど、良くも悪くも「わかる」となって、この映画を好きと思う気持ちと嫌いと思う気持ちがないま>>続きを読む
選手の見ている光景を井上雄彦画でリアルタイムでレンダリングしているような迫力があって、そこに音楽とのシンクロ具合やボールを掴むパスッという音などが加わって臨場感がもの凄かった。
原作で描かれていた大量>>続きを読む
主人公2人の関係性的にも、メタにストーリーの進行役としても、アンバーに色々背負わせすぎでは…?
ゲームセンターで遊んでる辺りの2人のロマンスを含まない関係性は心地よくて新鮮だった。
同級生や弟の振る>>続きを読む
天気の子のアポカリプスのその後をきちんと引き受けた感じがよかった。
スペクタクルよりも道中の人々との関わり合いがすごく良くて、セカイ系からここまで来たのかと感慨深かった。
かといって、まだ起こってから>>続きを読む
成長物語というよりもむしろ話が進むにつれてエルマーが年相応の子供に戻っていくような描写がよかった。
経済的な理由によって大人になろうとしたエルマーが、お調子者のボリスとの出会いによって無邪気さを取り戻>>続きを読む
ストップモーションということがちょっと信じられぬ…。
特に、世界が崩壊して色彩がぱっと切り替わるところが凄すぎる。