はーまんさんの映画レビュー・感想・評価

はーまん

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ただ起きただけ、それだけなのだと落とし込んだ。


美しい音楽と映像に満たされる。もしこの音楽がなかったらすごく後味の悪い作品だったかもしれない。

自然は美しいが畏怖の念も抱く。ただそれは自然に悪が
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

3年前ぶり2回目の鑑賞

前回見た時との感じ方がいい意味で全く異なり、3年の間に自分自身が大きく変わったことを改めて実感した。

映画の中に流れる、言葉に表すことができない親密な時間。何度でも繰り返し
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チーズとうじ虫(2005年製作の映画)

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生まれて死ぬこと。
未来はわからないと言えど、死ぬまでは生きていること、最後は死ぬことは確実に決まっている。
生きると死ぬが重い鉛の砂時計のように常に私の中にある。
ただ、本作を観ているとその鉛の砂が
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

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時代に「もしも」はないとしても、もしも、日本が朝鮮半島を植民地化しなかったら、と考えてしまう。その場合、今の日本もなかっただろうけれど。

自分が直接拷問を受けなくとも、家族が受けている、その事実だけ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7

ハラハラするのはちょっと疲れるから他のケリー・ライカート作品の方が好みではあった。
登場人物多かったから色々考えてしまって、もう一度見たらまた違うかな。

ちょっと映るだけの人たちもその時代の生活をし
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.0

ケリー・ライカート特集で順を追って観ているけれど本作もとてもすき。

生きていくって本当に大変だと、なんで小さい頃教えてくれなかったんだろうと思う。
人とのバランスを少なからず取りながら仕事をして、何
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.3

昨日の余韻

あんな高校時代を過ごしたわけではないのに、何かが揺さぶられた。里伽子がわがままには思えないんだよな。2年後吉祥寺駅のホームで杜崎と会ったときのあの表情を見ると、本当によかったって思うんだ
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

5.0

リバー・オブ・グラスを観た後に鑑賞。

はじめは、道を全然覚えてないカートにマーク同様、なんだかなあというような気持ちになっていたが、焚き火のシーンあたりからカートに感情移入していた。

確かな何かが
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ好き。

マイアミ行ったことないし、フロリダでだらーっと過ごしたことないのに、鑑賞中「この風の感じ知ってる」ってふと何度か思ったのはなんでだろう。
何者かになりたくて悶々としていた時期が自
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

テルマもルイーズも最高。
ただ、公開から30年以上前経ってもなお、男女格差や、もはや無意識に発せられる性的な言葉や態度が全てなくなったわけではないことに腹が立つし悲しくもなる。
社会や夫から押し付けら
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.5

夜に歩く

ロンドンの路地を歩き回ったこと(その時代ホテルでしかWi-Fi繋がらないのに友達と別行動してピザ買う担当となんか違うもの買う担当で分かれたなんてこともあった)。
ロサンゼルスのやや治安悪い
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

三宅監督の映画はあたたかくて、夜もひとりじゃない。
Hi’Specの音楽もとても心地良い。


働いて暮らすこと、大丈夫でいること、人に迷惑をかけないことが当たり前なのはなんでだろう。

夜に星空や月
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人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

3.8

10年ぶりくらいにみたらとっても好きだった〜
ユリちゃんみたいな軽やかでキュートで素直な大人になれてるかなあ。むずかしいよな〜
お家が古いけどちまちましててかわいいね

キャロル(2015年製作の映画)

4.5

原作の一番好きな台詞は入っていなかったけど、映画もとっても好き。

心に従って生きなければ人生は無意味

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤、何を見せられているんだろうという気持ちになりながらも、美しく奇妙で繊細な衣装とセットと音楽にくらくらする。
お皿を割ったり死体をぐしゃぐしゃにしたりやりたい放題。でも脳は赤ちゃんなのに身体は大人
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0

これほど美しい映画はないのではないかとすら思える。
解釈を放棄しながら眺めていた。
自分の言葉にしてしまったら陳腐なものになってしまいそう。
水、湯気、土、コンクリート
手に触れたよう。

ガザ 素顔の日常(2019年製作の映画)

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イスラエルとの境界に向けて石を投げる若者たち。銃弾が撃ち込まれ怪我をした若者を救急車で運ぶ、一回りくらい年上の男性たち。
諦めているように感じたが、彼らも現状に怒っている。


生まれながらにして天井
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

無理に笑うのやめようと思った。
優しくしてくれる人に優しくして、私も優しくしてもらって、良いことがあったら微笑む。そして働いて暮らす。
暗くて悲しい世の中、それだけで十分すぎる。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

毎日起きてカーテンを開けて窓を開けて、空を見て微笑む。
私もやっている日常。
何かが起きなくても毎日美しいと思える。

世界が違う人の影と自分の影が重なる時もある。
何にもないなんてない。何かがあった
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Winter boy(2022年製作の映画)

4.0

あああ、好きだ。

何もなかった頃に戻りたいと狂うほど思ってもそれはできない。やがてその変化も小さな波になり、また凪いていく。


今の自分の状況と合っていたのもあり、重ねてしまった。
特別な感情を抱
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.0

東京のことは好きなのか嫌いなのか分からないのに、海外の映画に映る東京は好き。


こんな出会いはもうないと思った人とも、早かれ遅かれ手を振り合って別れる。
後ろ姿を見送る時のことを考えると胸が苦しくな
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.5

ラストがあれでよかった

寝室一歩も出ないのね
娘かわいそうすぎて…トラウマになるよ

愛してしまうって厄介

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.3

マリア好きだな。
いつだって私が選択するんだ。

最後ちょっとうとうとしてしまった…

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.0

人と人が関わる中でのちょっとした気まずさまで伝わってくる作品で好き


自分には誠実でいたいけど
他人に求めすぎるのは良くないね
邦題、恋愛時代ではなく独立時代にしてください

大いなる自由(2021年製作の映画)

4.0

大いなる自由、という邦題を噛みしめる。

ひとりの人と一生通じ合うなんてない気がする。それでも、ハンスとヴィクトールのような一瞬があって、それは自分の人生をずっと小さく照らしてくれる。マッチの火のよう
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シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

4.5

強い、強い人だった。

穏やかな子供時代の記憶と強制収容所での記憶の対比に張り裂けそうになる。

温かい記憶を持った人間同士が憎み合って殺し合う、いつになったら終わりが来るんだろう。
誰かを救うことは
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.5

深く愛しているのに深くは知らない
友達だったらいいのにと小さい頃から何度も思っていた

たしかに、みんなそれが使命かのように母親から離れていくよね。
私もビデオカメラでインタビューをしながらだったら、
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

この目を通してリアルタイムで見ることは一度しかできない、一通りしか見ることができない。
それがとてももどかしい。
帰り道の夕日を見て、確かにこの夕日は毎日あるのに私は毎日は見ることができていないことが
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.5

街の壁画や鉄格子に映画「ベルファスト」のままの雰囲気がまだ残っているし、戦いの時期を経験した大人たちは、手を出されたらやり返せと言う。
暗い歴史を背負った子供たちに、考えること、平和な未来に向かって話
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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めっちゃ寝た
わかるとかわかんないとかじゃないと思ってるから満足です

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