韓国の映画監督キム・ギヨンと『下女』の存在は以前から知っていて、シネマヴェーラで催された特集上映などチェックしていたのだが、今回が初めて。観て、なんでもっとずっと前から観ていなかったのだろうと激しく後>>続きを読む
この映画の作者はおそらく映画のことをただ観るのではなく、どのように撮り、語るべきなのかということを一生懸命に学んだ人なんだと思う。オープニングの空撮は蛇足だけど。チンピラ3人は盲目の老人がひとり住んで>>続きを読む
オタクは基本二番煎じである。ジョージ・ルーカスから庵野秀明に至るまで先行する作品や人物に強い影響を受け、そこから表現を始めることで映画の進化を半歩なり一歩なりさせる存在だ。今回、庵野秀明が作ったゴジラ>>続きを読む
この映画はホドロフスキーらしからぬ描写の緩慢さがあって居眠りをしてしまったからぼくには語る資格はないと思うのだが、観たことは観たので少しだけ。ホドロフスキーはイギリス資本のイギリス人の俳優を使って娯楽>>続きを読む
浅学なぼくにとって映画にはだいたい芸術か娯楽かに分けられるが、「だいたい」に当てはまらない映画も当然存在する。この映画がそれだ。誰がどのように論じようが、上映館が少なかろうが、この映画のことを知ってい>>続きを読む
新海誠はかつて1人でアニメを作って世間の注目を浴びた。アニメはひとりで作ることが出来る、そのあたり前のようであってそうでないものをやってのけた。そして今度は漫画アニメ、分かりやすくいえば萌えアニメで空>>続きを読む
近頃黒沢清は引退モードに入ったのかなと思わせる。とある漫画のセリフを引用すれば「これはおまえが手練手管だけで作れるもの」である。フランスでフランス人の俳優を使って、怪奇映画じみた映画を作るにあたって、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この映画に登場する聾唖のヒロインはトリックスターに過ぎない。核となるのは主人公の、ちょっと悪ぶっている男の子だ。ヒロインがただそこにいることだけで、その周囲は揺れ、友情は崩れ、その後の人生まで影響させ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
まず、男の子が海で泳いでいる描写に驚く。艶めくような動き。むろん、撮影スピードを落とすなどの工夫があるのだろうけど、官能的というべき動きを見せている。この映画には説明がない。なぜ男の子ひとりに年上の女>>続きを読む