はますけさんの映画レビュー・感想・評価

はますけ

はますけ

イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.9

どう足掻いでなんらかの形で良くも悪くも親の影響からは逃れることができないんだなと
美しくてもすぐ裏は醜く、好感と嫌悪のハーフ&ハーフで練り込まれた描写がとてもリアル

妙な名言(迷言?)がところどころ
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

4.3

独特なテンポ感が心地よくなってきたあたりから突き落とすような急展開
妙な居心地の良さはなんだったのか自分を疑いたくなる
物を見る視点がとても新鮮

エクリプス トワイライト・サーガ(2010年製作の映画)

3.6

揺さぶられる恋の行方、迫る戦い
どっちつかずなベラへの妬みが冗長な気配
ただ戦闘に至るまでのプロセスは緊迫感あっておもろい

赤い靴(1948年製作の映画)

4.3

単なるバレエの舞台作品を観ていたんだっけと思うぐらいの作り込み具合。バレエ・リュス、ペトルーシュカな要素を感じた
舞台化されてもおかしくないよう悲劇性とそれを支える音楽が美しかった
他のオペラ作品もレ
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.4

ノーランの作家性を象徴するようなこの編集構成がデビュー作から最大限発揮され、
最後のピースの綺麗なハマり具合と70分という短さを感じさせない濃密な展開は流石の一言

どんなに排除しようと執着してしまう
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ザ・レポート(2019年製作の映画)

3.7

アダムドライバーの素晴らしさ大変堪能できる作品
費やした月日とレポートの数に対して尺の関係もあるかもしれないが、予想以上にあっさりしすぎてしまっている

拷問で爆音で流す音楽がマリリン・マンソンなの笑
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トスカーナ(2022年製作の映画)

3.4

ひねりもなく、月並みな内容
料理も美味しそう!と思えるほどそんなにたくさんは映らないし、(というか食べてるシーンがほぼないからか、つまみ食いばっかりで、盛り付けもなにか散らす程度のことしかしてないので
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

3.8

ティムバートン色がとても濃くなったクリスマスな2作目
共感させちゃうようなヴィランの弱さがいい
全面的なシリアスさはないけど、よりダークな画面になった

ペンギン爆弾軍団は自分も引き連れたい🐧

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

3つの時間軸、色彩で分けた2つの視点、1人の苦悩
織り交ぜた編集の交錯の仕方はさすがノーランといったところで、相変わらずの混在させることでの難解さとギリギリ追いつける落とし所の上手さは天才的

伝記映
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インソムニア(2002年製作の映画)

3.7

途中までのハラハラ感や盛り上がりとても良かったが、、
白夜によって睡眠を奪われだんだんと増す狂気は結構恐ろしかった

ノーランが前作や過去作に次回作の布石がよくあるが、今回はダークナイトの片鱗が感じら
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ニュームーン トワイライト・サーガ(2009年製作の映画)

3.9

今回はジェイコブのターン
ムキムキなワイルドくんは短髪の方が似合う
質落ちることなく進んでいくのでよい

途中だれがだれの名前かよくわからなくなってしまうぐらい単純な名前と登場人物が多い…

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

エマストーンの凄まじさに畏れ慄く
慣れというのはこわいもので、不快に感じるシーンが随所で現れても、終盤に至っては一つ目に感じた不快感を忘れてしまうぐらい感覚を麻痺させられてしまった。その苦味もありなが
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バットマン(1989年製作の映画)

4.1

バットマン映画なはずだが、ジョーカーの誕生からしっかり描いてたほぼジョーカー映画
ジャックニコルソンやるジョーカーは少しおちゃらけた愉快さがある
バットマンはたまに着地失敗したりと少し不器用ながら無骨
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25年目の弦楽四重奏(2012年製作の映画)

3.8

ありがちな話で説得力を持った俳優陣の演技でリアリティさは増してた
言葉ではいままでぶつかって来なくても、長年弾き続けていれば否が応でも愛憎相半ばすることになるのではと思う。その分あっさりしてしまったが
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.3

「一九八四年」みたいなディストピアあふれる世界
優秀な官僚から反体制のダークヒーローになるまでが丁寧に描かれて、夢想の自分に少しずつ重なっていくのが良くも悪くも滑稽になるのが悲しい
全体通して鳴り響く
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.9

スローテンポな空気が心地よい
諦めはあるが、絶望感がないのでなんとか楽しもうとするスタンスがすき

トワイライト〜初恋〜(2008年製作の映画)

4.0

ロバートパティンソン美しいね
いろんな二項対立描いてて、これから楽しみ

通例的にはヴァンパイアさんは鏡に映らないというのがあるけど、あえて鏡だらけでトリック感も出してたのが興味深い

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

3.8

どこを切り取っても詩的で陰影に満ちた絵画のような構図と色彩が美しい
一時は歴史から忘れ去られたからこその、曖昧な部分の繋ぎ方が巧妙だった
意図的すぎるアナクロニズムの数々はあくまで劇であることの強調と
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スティーラーズ(2021年製作の映画)

3.3

ジュードロウにしか見えないジュードロウの息子のパルクール
マイケルケインの存在感ありすぎて、リタオラすら霞むけど、登場人物が割といるのに関係性の描き方が雑な感じで
やろうとしていることであったり、オリ
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ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴(2021年製作の映画)

3.8

B級感溢れる雑なグロさの中に、しんみりする兄弟愛を捩じ込んでくるが、意外なバランス感
度々揺れ動く弟くんの度胸は大したもんだが、割と不器用な感じがまたかわいい

裏窓(1954年製作の映画)

4.4

かなり狭い範囲の空間での話でしかないのに、これだけのバランス取れた描写が成されるのすごい
限られた面積である窓から喜怒哀楽に満ちた人々の生活の機微を描くの素晴らしい
寝たきりパジャマとは対照的なリザの
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.9

結局は何も起きずラブストーリーでもなく、クライムでもなく、ロードムービーでもない、何者にもなれない主人公をまさしく体現するようであった
時折の詩的な心情は共感できる部分があった

アクセントカラーとな
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.5

キルスティンダンストとエルファニがいる画面がひたすら強かった
それ含め服飾やら可愛らしかったけど、なんとも言い難い引っ掛かりのなさ

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.3

良い方向に完全に予想を裏切られた、かっちょよすぎる
闘い方もシンプルにかっこよさで決める時とショーというよりサーカスみたいな感じで決めたりでまんまキングスマンだった
古い007の要素だったり、徹底的な
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.0

ひたすら黄色い土埃に覆われた乾いた土地にじわじわと潤いを与えるような老人の言葉
会話の映し方、夕焼けの綺麗さが見事だった
登場人物も少なく、基本車内か、土埃の上か、博物館だけだが、凝縮された濃厚さがあ
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.9

名絵画とともに巡るロシア史の一大スペクタクル
ワンカットなので一瞬たりとも目を離す隙はなく、ただただ豪華絢爛な映像・服飾に圧倒される

大広間のマズルカ踊るシーンがお気に入りで
ゲルギエフがニッコニコ
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グレムリン2/新種誕生(1990年製作の映画)

4.0

前作よりも個体差が多く、多様なグレムリンがわちゃわちゃしててよりやかましさが増してた

随所に小ネタ満載で、本編関係ないダフィーダックのかまってちゃん具合がかわいい

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.4

ここまで感情をすべて置き去りにしないと観れない映画は稀有
すごいことはわかるが、それをしっかり理解するには自分が足りてないぐらいにはとても無理だった…
できる限り目を背けないといけないぐらいにはとても
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ヒットマンズ・ボディガード(2017年製作の映画)

4.3

いいテンポ感と爽快感
犬猿の仲といえど、お互いの強さ認め合って任務進める感じとてもいい
ボンドとタランティーノの中間みたいな作品

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.5

ストップモーションとわかっていても信じられない映像の連続だった
西洋から見た東洋というのを極端に感じてしまう設定はさておき、色々足りなさも感じてしまった
ただやはり自分が日本人だからか、側から見たCo
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

事実に至るまでの過程をいろんな切り口からスライスしていく精神的な疲労は計り知れない
裁判を経て結論がでたとしても、死んだという変わらない事実が生み出す安堵の中の空虚さがとっても切ない
裁判の中での激し
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

4.4

インタビューウィズヴァンパイアのコメディ版みたいなモキュメンタリー
それぞれの人間模様というかヴァンパイア模様を一応は真面目に撮ってるのがいい
人間だけでなく、ゾンビや狼男との関わり合いもあり、長く生
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

人によってはそれが幸せな終わり方なのかはわからないけど、長く生きて他よりも圧倒的に多くを経験しているだけの深みと刹那的な情緒ですら楽しむような姿が印象的だった
お互い苦労しているのをわかっているからこ
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ネイティブ・サン アメリカの息子(2019年製作の映画)

4.3

良き道へと進もうとしていたが不利な方向へ動いてしまう世の中の潜在的な不条理さが生み出す悲劇。スパイク・リーの作品を思い出す
ビッグの言葉ひとつひとつがエッジも持った素晴らしい切り口の数々で、ロックもベ
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.9

一連の流れをこんな切り口で描き・演じさせるのはかなり斬新すぎる
よく実話系の本人映像が、全然似てないとか意外に似てるやんとか思うことはあるけど、本人じゃん、これはニュース映像?映画?と混乱するのは初め
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ベイビーティース(2019年製作の映画)

4.2

強がりな色鮮やかさに内面のドロドロが少しずつ滲み出てくるような感覚
各チャプターの切り取り方と標題がとてもよく、ティーンな音楽が空虚に聞こえてくるような切なさがよかった
そして徐々に死を受け入れる・向
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