ハルさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

赦し(2022年製作の映画)

3.3

まず、目を奪われる強烈なポスタービジュアルから彼女が主人公かと思ってしまうよね…
そこからして本作の迷走、ミスリードが始まっている。
メインは同級生に殺害された娘の両親であるカツ(尚玄)と澄子(MEG
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ターミナル(2004年製作の映画)

3.9

コメディ色の強い作品はあまり得意じゃないけれど、この作品はスッと心に入ってきて穏やかな気持ちと健やかに笑える喜びをプレゼントしてくれた。

何と言ってもトム・ハンクスが演じるキャラクター、ナボルスキー
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SEVENTEEN/セブンティーン(2019年製作の映画)

3.5

少年がキャンプショップで店が閉まる頃に入店、テントの中に隠れて過ごしたり、バイクを盗んだり…そんな破天荒な暮らしをしてる場面からのスタート(久々にバイクの直結を見たけど、直結って言葉自体わかる人は少そ>>続きを読む

四月物語(1998年製作の映画)

3.7

知らずに鑑賞しても、一目で岩井俊二監督の作品とわかってしまう透明感に満ちた映像と安らぎの音楽。
上京した大学生の慣れない東京での生活が瑞々しく映し出されていた。
新しい環境で出逢う友人や憧れの先輩との
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.2

Don't think Feel。
考えず、スクリーンから放たれる感性にリアクションし続けられるものだけが勝者となれる。
ここまで白と黒、真っ二つに評価が割れる作品も珍しい。
ただ、その異次元な角度か
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.8

たまたま時間の合うのがこの作品しかなく飛び込みで鑑賞。
原作未読。

昨年大ブレークした“目黒蓮”主演ということもあり、彼の良さが存分に活かされた作品づくりに感じられた。
明治時代を彷彿させるような時
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零落(2023年製作の映画)

3.5

原作読了済での鑑賞。
“卑屈と自虐とネガティブ”のみで構成されたディスり神が主人公。
深澤薫(斎藤工)は売れなくなった漫画家、基本的に人のせいにしてdisりまくった結果、誰からも相手にされなくなる存在
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Winny(2023年製作の映画)

3.8

ニュースとしては知っていたけど、その頃はパソコンに慣れ親しんでいたわけでもなく、ざっくりとしかわかっていなかった特殊な事件。
司法の無能さが浮き彫りにされ、当事者である天才プログラマー金子勇の人柄に寄
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

なるほど、確かに『オールドボーイ』のイメージを重ねて見ると面食らってしまう。
巷にある不倫モノとは角度を変えた切り口、不思議な感覚を抱かせる一風変わった物語に仕上がっていた。
パク・チャヌク監督ならで
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善き男の10日間(2023年製作の映画)

3.4

元弁護士の私立探偵サディクが人探しをしていく中で様々な事件に巻き込まれ、それをターニングポイントとして彼の過去や落ちぶれてしまった理由にリンクしていくお話。

訳あり探偵のハードボイルド系というと一時
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県庁おもてなし課(2013年製作の映画)

3.4

原作は未読、大好きな岡田惠和さんの脚本ということで鑑賞。
“おもてなしの心”を題材に綴られていく郷土ムービー、優しい雰囲気満載の作品だった。
“高知”の街おこし。
県を活性化させる為、奮闘する役所の人
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.1

父親であるジョンの立場に共感しながら見ていた。
自分だって苦しいのに、残されてしまう子供の事だけを考え、生き続ける器の大きさに心底惚れる。
一人の親として男として、どこまでも格好良い。
こんな慈愛に満
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.7

中性ヨーロッパの男尊女卑の時代、これだけでもハードな描写が伺え、賛否両論巻き起こっている本作。
映画通の方々は口を揃えて『ポール・ヴァーホーベン』が!!!を枕詞に語っている作品だけど、僕はそもそも知り
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湯道(2023年製作の映画)

3.5

多い日は一日に2回湯船に浸かる僕。
最近はシャワーで済ます人も多いらしいけど、江戸っ子は湯船に浸からない日がないのです(“江戸っ子”って懐かしい響き)
そんな無類のお風呂好きとして、とても気になってい
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ハニーレモンソーダ(2021年製作の映画)

2.9

みんなの人気者カイ(ラウール)を好きになった石森(吉川愛)
自分とは釣り合わないと思いながらも、彼の優しさに惹かれ恋に落ちていくお話。

好きな人が休んでる→生徒手帳落ちてて中身見たら住所発見→いきな
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タルサ 俺の天使(2020年製作の映画)

3.6

母親が亡くなり、行き場を失ったタルサは福祉士と面会中に父親らしき男の写真をもっていた。
それに女性が気付き「あれ、この人知り合いだ!」となり繋がっていくちょっと出来すぎなストーリー。
でも、これは実話
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.0

仕事に妥協しない男って心からカッコいいと思った。
妥協しないからこそ、利益を上げなければいけないコスパ志向のオーナーとぶつかり…
自分の料理を酷評したライター来店時にはメニューを変え、応対しようとした
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死体の人(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

舞台挨拶付き完成披露試写会にて。
斬新な設定、物語の本筋は面白かった。
正直、色々足りないと思うところはあったがそれは後述。

まずは本作の『死体の人』というタイトルについて…意味深で興味をそそるよね
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

4.0

歴史作品へのアプローチとしては既存にないもの、さらにこのビッグプロジェクトで大博打を打ってきた覚悟、素直に驚かされた。
一説によると今作の制作費は20億を超えていて、邦画の超大作が10億ということを考
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幸せのレシピ(2007年製作の映画)

3.8

人間関係、仕事、家族。
様々な要素がバランス良く織り込まれた、心温まる雰囲気の作品。
傲慢でワンマンなシェフが変化していくその姿、物語が進むに連れどんどんケイト(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)が愛おし
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.3

人類が求める最高の研究成果とは生命を超越すること、つまり『不老不死』ではないだろうか?
“アンチエイジング”などが流行り言葉の昨今、若くいたい、歳を取りたくないの最終点にある永遠の課題。
かのピッコロ
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しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)

4.0

人の優しさと温もりを知り、底辺からNFL選手まで上り詰めたマイケル・オアー選手の実話モノ。
アメリカには4大スポーツがあり、NFL、NBA、MLB、NHLの順に人気があると言われている。
そのためNF
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劇場版 ATARU(2013年製作の映画)

2.8

何も考えずに再生してしまったので取り敢えず最後まで見たけど、ドラマ版を見ないとダメなヤツだった。
サヴァン症候群の主人公が特別な能力で推理していくありがちな展開とはいえ、人物背景が何もわからないので楽
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.3

初タイタニック。
この機会を逃したら永遠に見ないだろうと思い立ち参戦。
まず、驚いたのはこんなにも席が取れない作品は初めて。
予約開始となる2日前の0時にスタンバってようやく…人気アーティストのライブ
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梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.6

ふと思い出す、小学生の頃にチュウさんみたいな同級生がいた事を。
当時は自閉症なんて病名さえ知らなかったけど、その子のお母さんが送り迎えをしていたり、クラスのみんなで遊んだりもしていた。
でも、クラスで
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スマホを落としただけなのに(2023年製作の映画)

3.6

日本版と基本は同じとはいえ、やはり国も異なり新作なので新鮮なゾワゾワ感満載。
この手のキモスリル系は韓国作品の十八番だし、破壊力も抜群だ!

しかし、この作品を見ると改めて痛感させられる。
スマホって
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シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.7

原作未読ながら「あ、この話は池井戸潤のヤツだ!」と瞬時に分かるくらいお馴染みの空気感で埋め尽くされていた。
そのため、他のシリーズが好きな方にはお勧めできるかな。

とある銀行の支店でお金を巡り、勃発
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Prelude ~プレリュード~(2023年製作の映画)

3.3

配信を見たけど折角の機会なのでティーチ・イン付き舞台挨拶にも参加。
率直に感じたのは25分という短い尺の中に重要なテーマを詰め込みすぎたかな、と。

認知症になってしまったおじいさんの話、親友のモモコ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.4

去年は『THE FIRST SLAM DUNK』今年は『BLUE GIANT』
これでもう決まりじゃないかな。
最高に熱くほとばしるエネルギーの渦に翻弄される2時間!
情熱失いかけの冷めた心にマグマを
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バビロン(2021年製作の映画)

3.9

ゴージャスで上質で下品でシニカルでユーモアまで盛りだくさん。
「ハリウッドのオーラに酔いしれろ!」
そんなメッセージ性を強烈に感じられる、光と闇が対比的な作品だった。

序盤からマーゴットロビーの魅力
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対峙(2021年製作の映画)

3.7

「自分がもし、どちらかの家族だった場合、果たして相手側家族と会いたいと思うだろうか?」そんなことを鑑賞前から漠然と考えていた。

教会の一室、無差別銃乱射事件で子供を殺された被害者側の両親と加害者側の
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.8

岡田准一×綾野剛×藤井道人監督の楽しみすぎるリメイク版が5月に公開されるということでオリジナルを鑑賞。

「僕見たよ!」
「さてどうするのかな?」
「それは悪手じゃない??」
事故を目撃してしまったワ
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.6

ひょんなことからマンホールの中に落ちてしまった青年がアイディアを駆使して脱出するストーリー、かと思いきや…思いっきりスリラー/ホラーよりの作品だった。
サイコ強度高め。
“FALL”が天空のワンシチュ
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CRANK-クランク-(2023年製作の映画)

3.7

とても穏やかに身体へ沁み込んでくるタイプの作品。
宅配ドライバーがチャリンコで製品を運び、友人と話し、ご飯を食べて、そしてまた運ぶ。
出てくる役者陣がまた渋い面々。
中島歩、染谷将太、高良健吾、井浦新
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Sin Clock(2023年製作の映画)

3.6

『IWGP』や『GO』の頃から観ていた窪塚洋介が18年ぶりの主演ということで鑑賞。
分かりやすく気持ちの良いノワール系の物語だった。
94分でドスンと感情に突き刺さり、欲望の海に溺れた。

作品自体は
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.8

「うぉー死ぬ!!」思わずそう叫ぶほどの臨場感はのっけから。
高所恐怖症殺しのアングルで、震え上がった死に体の心を揺さぶられる。
ロッククライミングから始まり、鉄塔を登る最中も凄まじい恐怖感に支配され
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