くまくまさんの映画レビュー・感想・評価

くまくま

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カーマイン・ストリート・ギター(2018年製作の映画)

4.2

淡々とギターショップを映すだけの映画。
店先に流れる空気感は優しさで満ちており、見ているこちらの心にも暖かいものが込み上げてくる。

時折挟まれる無言で作業を行っているシーンが最も心地よさを感じられた
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

劇場で見るべき作品だが、入念に予習をしていかないとほとんどついて行けない。カラーと白黒を使用した視点の切り替えと、ぶつ切りにした時間軸をしっかり縫い直す脚本は見事。内容の評価に関してはまだしっかりとで>>続きを読む

アメリカ、家族のいる風景(2005年製作の映画)

3.0

知らない間に生まれた自分の子供と触れながら少しずつ心の隙間を埋めていく弱く脆い中高年の話である。決してポスターみたいな感動は無いので人にはおすすめできない。

突然現れた父に動揺して自宅の窓から家具を
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キッドナップ・ブルース(1982年製作の映画)

3.2

タモリが本人役で出演している珍しい作品。少女とおじさんが旅する映画って基本的に好きなんだけど、タモリが出す独特の哀愁も相まって並のロードムービーより儚さが強い。

基本的にストーリーや大きい動きはない
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バビロン(2021年製作の映画)

5.0

180分もあるんじゃなくて、たったの180分しかないんだ。チャゼルはもっと詰め込みたい事があっただろうが、仕方なく映画という形に収めるために削ったのだろう。それほどまでに濃厚で色鮮やかな、まるでおとぎ>>続きを読む

エイミー(1997年製作の映画)

3.0

特に大きな盛り上がりもなく平坦なストーリーラインだが、ザラザラした質感が良くて曲のクオリティが高い。隠れた名作というよりも妙に忘れることができない平凡な作品だと思う。

生きる(1952年製作の映画)

3.0

華美でも地味でも無いんだよ。それで…どこかスッと抜けるような場面も無いし、グッと重くなる場面も無いんだよね。でも淡々とそういうのを見せられると…なんかこう…つまりだね、心の奥底がほんの少しだけパッと明>>続きを読む

海の上のピアニスト イタリア完全版(1998年製作の映画)

4.3

躊躇なく丁寧に描いてくれるおかげで圧倒的に深みが増している。120分ではやはり足りなかったという事がよくわかる一方で、かなり苦渋の決断でカットを行ったんじゃないかと思われる。個人的に大好きな荒波で揺れ>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版(1989年製作の映画)

3.0

インター版に比べるとアルフレードの所業が酷に描かれている。また、迷える中年が初恋の女の子に酷似した少女をストーキングするというのは少し犯罪的である。(決して嫌悪するほどではなく、押し込めていた心の弱さ>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.0

半分が猥褻で半分が暴力で、合わせた時に落ちたかけらがキラキラと美しい。みんなで頑張ろうという綺麗なテーマなので家族団欒のお茶の間で流しても問題ない作品。

夢の中では自由なのに夢は自由に見ることができ
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天国と地獄(1963年製作の映画)

4.0

もう単純に面白いと素直に言える作品。帽子と靴の話から始まるサスペンスは随所に対立する2つのモチーフを散りばめながら飽きないリズム感で進んでいく。三船を始めとした昭和の名俳優がチラホラ出てくるのでとにか>>続きを読む

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.0

前半と後半の温度差がすごい。時々差し込まれる頭の悪いワザとらしいCGがとても良い。羊の誕生を映したと思えば、地雷原で無惨に死んでいく羊を映すなど、短い時間でライフサイクルのようなものを見せられることが>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

2.5

単純な善悪の対立ではなく、複数のレイヤーで対立の仕組みを描写している構造などが今の時代をよく捉えてると思った。しかし、展開の粗さや長澤まさみの雑な使い方などが少しだけ目立っており、教科書的な映画という>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.5

不器用な恋愛模様にグッとこないやつは多分いないと思う。猫が卓上の小物をチョイチョイっと落とすような感じで互いの心を知ろうとする過程は胃の裏側がムズムズとしやがる。そうはいかんやろというデートの誘い方(>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.5

全体的にシュールで無機質なシーンが多く、感情的な演技が少ないので胸焼けせずに見ることができる。そのくせ展開のスピードはめちゃくちゃ早いので飽きる事なくあっという間に見ることができるので疲れている時にお>>続きを読む

映画 けいおん!(2011年製作の映画)

-

リバイバル上映で鑑賞。
隣のオタクが同じタイミングで泣いてて笑った。

・ガラケーでメールを送り合うなんて…もう見れないと思うし、あの独特なカチカチ音も聞くことはないんだろう…

・鋭く無い色彩と緩め
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.2

暴力&暴力により、あらゆる怪奇現象や幽霊による被害を解決するモニュメンタリー脳筋系B級ホラー映画の記念すべき1作目である。
見どころは工藤Dによる我々が全く予想できない行動の数々であり、聞き込みという
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怪物(2023年製作の映画)

4.5

ジリジリと心を削っていくサウナみたいな話の展開と、湧き立つ感情を中和するような清涼感溢れる水風呂みたいな音楽と、人間の内側にある醜さを置き去りにして幻想的な儚さを写しだす外気浴中に感じるホワホワ感を濃>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

空襲警報のサイレンから始まり様々な時代を切り貼りしたコラージュのような世界を渡り歩くジブリっぽさがたっぷりと詰まった作品。生と死の香りが至るところに散りばめられているが、直接的なものは多くなくフワッと>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.2

居心地の良さと慣れてきた人間関係を感じると突発的にドチャクソ深い孤独感に吸い込まれて逃げてしまうのめっちゃ共感。弱くて脆いから必要な分だけ食べて、必要な分だけ笑って、必要な分だけ寂しさを埋める。ただそ>>続きを読む

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.3

癖が強すぎて一周回ってストレートに思えてくる映画。ただでさえ癖の強いアダムドライヴァーがめっちゃ普通に見える不思議…時事ネタも絡めながら古今東西に纏わりつく異和だけど日常に支障をきたさない程度の薄い膜>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.0

導入や説明などの無駄な部分を削ぎ落とし、シンプルでスタイリッシュに作り上げたなぁという印象。全体的に暗く重く、様々な問題を闇鍋のようにごった煮したような内容となっている。リアリティの部分にウェイトを置>>続きを読む

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(2018年製作の映画)

3.8

ハイエボシリーズの中で最も完成された作品!前作よりもTV版のコラージュが上手く使えているし、何よりも挿入歌のやくしまるえつこがカバーしたバレエメカニックが素晴らしすぎる!そして主人公不在で映画を作れて>>続きを読む

交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1(2017年製作の映画)

2.6

初見で見た時は理解するだけで精一杯だったけど、シリーズ全部鑑賞してから2回目に見ると悪くないんじゃね?ってなった。完全に視聴者を置いてきぼりにするとわかった上で、これまでにない既存のシーンを繋ぎ合わせ>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

1.5

SWファンをどん底に叩き落としたライアンジョンソン監督の超豪華クソミステリー映画だよ!フォース?魔法みたいなもんやろ?せや!宇宙空間で浮遊させたろ!みたいな感じで、推理?普通に解いてもつまらんしな…!>>続きを読む

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.6

こっちまでなんだか息が苦しくなる感覚が続き、少しだけそれが癖になる映画。話はシンプルで時間は短く、映像美と音響の良さを感じられる名作だと思う。また、イケおじのジョージクルーニーが勤務先にいて欲しい上司>>続きを読む

サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

2.8

ショッピングモールに団地、畑と商店街と横にとても広い道路。地味に地方都市が持つノスタルジックさをあざとくなく魅せている良い作品だと思う。ストーリーラインは王道のラブストーリーで余計なことをしないから引>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

2.6

色々切り離して単体アニメとして観れば全然良いかなと思う。実写に比べて恋愛が前面にズドンって感じだから、苦手な人は苦手かもしれない…でもシンプルに観やすいから比較的だれにでもお勧めできるのは強い!

台風クラブ(1985年製作の映画)

3.5

相米節が全開すぎて間違いなく見る人を選ぶ作品ではある。ただ10代が持つエネルギーの爆発とその美しさをここまでの高純度で映し出すことができるのは多分この人しかいないと思う。そういう意味では個人的に小津安>>続きを読む

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

3.0

さらっと見たけど普通に面白かった。変に重いところが無く、淡々と描かれているので見やすく仕上がっている。ストーリー云々というよりかは自己啓発的な側面が強いのでそういうのが好きな人はおすすめかも。

天気の子(2019年製作の映画)

3.2

TVシリーズのエウレカを思い出す王道的な展開。「なんかわからないけど世界なんてどうでも良いから突然出会った君を守りたい!」というセカイ系を無駄なく描いた作品。新海誠は自分の内側にあるものを成仏させる気>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

3.0

共通言語の一つとして観なくては…と思いながら気づくと令和まで未鑑賞。逆張りの精神を成仏させる気で見たが普通に面白かった。電車の中で見てたからクソでかタイトルテロップはちょっと恥ずかしい気持ちになった。>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

3.0

作画と音楽は文句なしに良い。声については最初の方は違和感を感じるかもしれないがすぐになれる。物語については後半部分が難解であり、ジョジョ6部のラストを想像すると見ていなくても想像できると思う。(6部に>>続きを読む

詩季織々(2018年製作の映画)

2.7

日本的なアニメーション表現で、出てくる文化は中国圏のものになっており、聞きなれない単語や見慣れない場所やお菓子などの物など、いつもの日常に入り込んだ僅かな差異みたいなものを感じた。
それ以外に目新しい
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

2.5

壮大な同窓会みたいな感じ。2000年初期に超ハマっていた人は楽しめると思う。もうぶっちゃけマトリックスの中にいた方が幸せだと思うのよ…無理して外出なくてええやんって思ってしまった。
ディスカッション中
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.2

アイロニー100%の映画。
現代における様々なアホやなーってのを面白おかしくコミカルに描いた作品。
監督は絶対性格が悪いし、これを笑える人間は同じく性格が悪いし、そして、これを笑って観ていられる今の時
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