はつしもさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

はつしも

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鞍馬天狗 横浜に現る/鞍馬天狗 黄金地獄(1942年製作の映画)

3.6

嵐寛寿郎が見せる殺陣の素晴らしさは言うに及ばず、燭火に照らされた琴糸路の妖しい美しさに魅せられる。

丹下左膳 坤龍の巻(1956年製作の映画)

4.0

丹下左膳と奉行方の殺陣が俯瞰して撮影されており、しかも塀や堀に囲まれている為、大多数に対する孤立が際立っており、絶望と狂気が強調されていて良い。

丹下左膳 乾雲の巻(1956年製作の映画)

4.1

丹下が時折見せる悪魔の如き哄笑が闇夜に響き渡るシーンが印象に残る。

血煙高田の馬場(1937年製作の映画)

4.1

阪妻の軽快で機敏な演技が安兵衛役に適役である。決闘の最中に熱狂する群衆は映画を観る我々に似る。

忠臣蔵 (天の巻・地の巻)(1938年製作の映画)

4.2

二部構成となっており天の巻はマキノ正博、地の巻は池田富保が監督との由。松の廊下の名場面では奥からカメラ側に役者が近付いたり遠ざかったりして奥行きを感じさせるような演出が見事で斬新さを覚える。

次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り(1955年製作の映画)

4.0

次郎長が単身黒駒一家に乗り込む際に写る闇夜に散る剣戟の火花や、終盤の火祭にて松明の炎によってほのかに照らされた背後の神主達など、光と闇の演出が素晴らしい。北原三枝はマキノ監督に「時代劇は似合わないから>>続きを読む

欲望の谷(1954年製作の映画)

4.0

タフな西部の男達がバーバラ・スタンウィック演じる悪女に振り回される。その結果として崩壊する王国が大量の馬と牛を使って描かれているさまは圧巻。

絞首台の決闘(1959年製作の映画)

3.8

西部の田舎町が如何に移り気で窮屈な社会であるかが保安官の孤独を通して描かれる。それにしても強盗団の連中は間が抜けていると思わないでもない。

馬上の二人(1961年製作の映画)

4.5

スチュワートが珍しくやさぐれた役を演じていると思ったが、酷薄な西部の社会を際立たせる為なのだなと納得した。

ララミーから来た男(1955年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

広大な牧場を所有しながら息子の安泰を願うクリスプ、父に認められたいニコル、牧場主としてオドネルとの夫婦生活を望むケネディの三人の思惑が狂気と化し、町を破滅へと導くが、弟の仇を求めてきたスチュワートによ>>続きを読む

妖星ゴラス(1962年製作の映画)

4.1

ゴラスの禍々しい姿が一切の人間ドラマを陳腐なものとする。しかしこの禍々しさこそがこの映画の核である。

海底軍艦(1963年製作の映画)

4.2

特撮シーンは言うに及ばず、ムー帝国の豪華絢爛な儀式のシーンは往年のスペクタクル映画を思わせる程の迫力で圧倒された。

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.9

アクションが以前にも増して華麗にあるいは泥臭く非常に素晴らしいが、本作では世界観の描写もなされており、一種の政治劇の趣がある。

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラとコングの対戦が神々の戦いの様であり前作と変わらず素晴らしい出来映えであるのだが、今作はそれに加えてメカゴジラという人の造りしものが第3の勢力として現れ、これにゴジラとコングが共闘するという怪獣>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.8

チャプター2程の派手さは無いものの、キアヌの婀娜なアクションは観る者を酔わしめる。

ヴァイラス(1998年製作の映画)

3.4

人間と見るや否やあらゆる方法で命を奪い、死体を機械の部品と接合する惨たらしいエイリアンだが虫型のロボットはどことなく可愛いのがなんとも。

たそがれの恋/グレイト・フラマリオン(1945年製作の映画)

4.3

芸一筋の頑固一徹な拳銃曲芸師としての面と女に溺れる愚かな男としての面の両面を違和感なく演じたシュトロハイムがあまりにも見事で可笑しさすら覚える。

ネゴシエーター(1997年製作の映画)

3.2

桑港の路面電車を用いたアクションが、平穏な日常を突如として破壊する異物のようで見応えがある。ウィンコットの執念深く凶悪な面構えが印象にのこる。

スネーク・アイズ(1998年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤の長まわしが見事。終盤はすこしだれる。ニコラス・ケイジがみせる、友人が裏切ったことを知った時の悲しそうな表情が良い。

マイル22(2018年製作の映画)

3.9

イコ・ウワイスのアクションがキレがあって素晴らしい。個人的にはウォールバーグのパワハラめいた言動を中心に描くアメリカの殺伐とした職場が正にイメージ通りで良い。

ブローン・アウェイ/復讐の序曲(1994年製作の映画)

4.1

爆弾ものの定番作品。日常のちょっとした動作、例えば冷蔵庫を開けたり照明を点ける瞬間をとらえて観客に気を揉ませる演出が面白い。

無責任時代(1937年製作の映画)

3.4

正直、話は微妙だが、30年代のニューヨークをカラーで観ることができる。キャバレーのシーンは極彩色で素晴らしい。

グッド・フェアリー(1935年製作の映画)

4.1

サラヴァンが一途で可愛らしい。給仕と実業家の怒鳴り漫才のようなやり取りも秀逸。

陽気なルームメイト(1943年製作の映画)

3.5

正に「恋と戦争は手段を選ばない」という格言を地で行く老獪さに、我が大日本帝国も敗北やむなしといったところである。

サドン・デス(1995年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ダイハードの影響が強いと思いきや、シークレットサービスの警護官が裏切り者だったのには意表を突かれた。マッチョな敵や銃に動じないヴァンダムが、アイスホッケーの試合に怯んでいたのが面白い。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

運転手に成り済ました父親は、殺害に及ぶ瞬間の外は主人である社長に対して感謝の念を忘れていなかった。この感謝と殺意の感情が表裏一体となった原因としての貧困が凄まじい密度で活写される為、男の凶行を自然の成>>続きを読む

ブレイブ ワン(2007年製作の映画)

3.9

婚約者を殺された女が懲悪に目覚める話。ジョディ・フォスターの憔悴した顔が黒を基調とした背景によく似合う。

ロックアップ(1989年製作の映画)

4.1

陰湿な所長、残虐な看守、傲慢な牢名主(?)など刑務所ものの全てが詰まった名作。独房にてスタローンが寝る時間もなく看守に点呼をとらされて心身共に衰弱する最中に、恋人との逢瀬がフラッシュバックする演出が絵>>続きを読む

男対男(1960年製作の映画)

4.0

題が多少暑苦しいが仕草も美術もなかなかお洒落。加山雄三は本作がデビュー作とのことで、台詞こそ棒だが若旦那ぶりは板についていると感じた。

殺人者(1946年製作の映画)

4.1

エヴァ・ガードナーの妖しい光が周囲の影をより一層濃くする。序盤の殺し屋二人が車に乗って町を訪れるシーンがダークで素晴らしい。

影なき殺人(1947年製作の映画)

4.1

牧師の殺害に始まり犯人の捜査から法廷での審理までの様々なシーンを一つのストーリーに乗せて描いているが、実際の現場で撮っているだけあって臨場感があり引き込まれる。

T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

4.1

戦車映画だが中世騎士の冒険譚のような娯楽活劇に仕上がっており、入りやすい。軍事考証が凝っており、特に迫撃砲の着弾音や戦車装甲の被弾など音響へのこだわりがすさまじい。

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.1

人類の孤独を恐れ他種族の発見に執着する父と、孤独を好み他者との接触を嫌う息子。月面基地の無機質で無骨な機能美が秀逸。

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

4.4

リズミカルな躍動感と惨烈な生々しさが同居したバイオレンス描写に恍惚となる。ちょっと軽率であるが故に一層業の深い主人公もよい。

東への道(1920年製作の映画)

4.5

約100年前の映画でありながら表情と動作の表現がまったく古びておらず新鮮。やはり映画は「顔芸」だなと思う。流氷のシーンは今みても圧巻。

呪われた城(1946年製作の映画)

4.1

無骨で荒々しいが率直な父と、優雅で洗練されているもののその実毒を含んだ貴族の夫と対照的に描かれているものの、それぞれの台詞に弱さや悲しさといった微妙な陰影を刻していて複雑な性格を際立てている。終盤にお>>続きを読む