はつしもさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

はつしも

はつしも

映画(164)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.4

弱者が信仰の危機に陥った時、それは神への裏切りか否か、普遍なる教義を棄て特殊なる儀礼を受け入れるのは背教か否かを問う作品。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

従来現場の判断に委ねられていた案件が、戦場での「安全」と引き換えに政治家の介入を招き、徒に事態を長引かせ、結果として無辜の少女を巻き込んでしまう。英国らしい残酷さと皮肉に満ちた作品。

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.3

ジェダイや将軍など名の知れた英雄ではなく、地味で公にできない活動に従事し犠牲となった無名戦士による「もう一つのスターウォーズ」の物語である。組織に翻弄されながらも大義を信じて戦う他なかった者達の悲劇。

真昼の死闘(1970年製作の映画)

4.0

ガンマンと尼さんの珍道中。中盤はやや退屈だったが終盤のフランス軍との戦闘シーンは見もの。マカロニ・ウェスタン風。

J・エドガー(2011年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

権力者の執念と奇癖を描く。イーストウッド特有の過去と現在を自在に行き来する演出が良く生きている。耄碌したかに見えたクライド・トルソンが実は一番エドガーを理解していたというシーンには驚かされた。ディカプ>>続きを読む

マンハッタン無宿(1968年製作の映画)

3.6

『ダーティー・ハリー』とコンセプトは似ているものの、色事のシーンが多く、緩急に欠ける憾みがある。

アウトロー(1976年製作の映画)

3.8

農夫だった男が家族を殺され流浪する。本人の意思に関わりなく仲間が増えてゆき、頑なだった彼の心も変わってゆく。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

 すずは絵を描くことによって現実を認識する。人さらいも白波寄せる広島の海も敵機が覆う呉の空も絵によって現実となる。しかし姪の死と右手の喪失によって彼女は空虚に苛まれる。戦禍が彼女の身辺に及び始めた頃、>>続きを読む

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

4.5

普通の人間が戦場に旗を掲揚した事により、世間から英雄視されることへの葛藤と後ろめたさを、時系列をあえて入り組ませることで、その心情の深部まで繊細に表している。

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.2

刑事と殺し屋という正反対の立場ながらよく似た人格の二人がぶつかり合う。からりと乾いた暴力が、荒寥とした社会ではより激しさを帯びてゆく。逃走犯を車で轢くシーンは滑稽ですらある。

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

4.1

前作より謀略や陰謀のシーンが多く暴力シーンは少ないが、それでもなかなか過激に仕上がっている。大友(北野武)がいくらか好印象なのは、マル暴が主体となって事態をかき回しており、その駒の一つにすぎないからだ>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.2

各々の利欲と保身、上層部の無定見と無責任が駆け引きと抗争を生み出してゆく。悪の現実に迫った作品。

現代やくざ 人斬り与太(1972年製作の映画)

4.1

喧嘩、障害、強姦と思いのままに暴れまわる無法者が、巨大暴力団の前に敗れ去る。エネルギッシュな生の躍動とその儚さが心に残る。

戦後最大の賭場(1969年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

『総長賭博』と構成が似ているような印象。新時代に適応する為全国の博徒を組織し政治に食い込んで利権を漁ろうとする菊村(金子信雄)と、昔気質の任侠道を貫きながらも実はそんなものは虚妄だったことを死の間際に>>続きを読む

提督の艦隊(2015年製作の映画)

3.2

17世紀の艦隊戦を多角的な視点でみることのできる映画はこの他にはないのではないだろうか。

金環蝕(1975年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

化物対化物の対決が戦後政界の腐敗を背景に活写されている。かつて船舶疑獄(造船疑獄がモデルか)で暗躍した高利貸しの石原参吉(宇野重吉)が戦後の混乱でのし上がった乱世の梟雄であるのに対し、若手政治家黒金泰>>続きを読む

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)

3.8

全共闘運動華やかなりし頃に製作された、時代性を強く刻印した映画。当時の学生運動を日本の伝統の上に基礎づけようとしたか。

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.3

老人の孤独と苦悩が1人の異民族の少年との出会いによって救われる物語。時には過激な差別語は差別語が必ずしも差別とはならないという言葉と内心の微妙にして複雑な関係を表したものか。

われらが背きし者(2015年製作の映画)

3.6

下院議員とロシアンマフィアの幹部ディマは組織の裏切り者という点で共通している。しかしディマには裏切らざるを得ない切羽詰まった事情があり、その事情が本作の主人公ペリーを突き動かす。裏切り者に対しても信義>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.3

旅客機の不時着水以後を虚実織り交ぜながら淡々と描き、しかも劇的である。機長や副操縦士だけでなく、救助にあたった船長や航空救助隊の仕事ぶりが丹念に描写されている。事故後、究明調査にあたる官僚に機長は人的>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あえて時間軸に沿って物語を進めるのではなく曖昧にすることで、二人の世界がずれていることを視聴者に気付かせず、糸守町が三年前の彗星災害で壊滅していたことをインパクトをもって伝えている。この衝撃は物凄く、>>続きを読む

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

3.9

とても豪快でエネルギッシュな作品。女性陣の特に意味のないやりとりが魅力的。ゴーストバスターズと敵役は境遇と立場共に似通っているが、それにもかかわらず世界や人間に対する考え方の違いが示されており、これが>>続きを読む

アントマン(2015年製作の映画)

4.1

縮小能力だけではなく元窃盗犯というヒーローらしからぬヒーロー。蟻と共闘して戦うなどアクションもテーマを生かした斬新な場面の連続で良い。

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

4.0

キャプテン・アメリカとヒドラとの因縁の対決が再び幕を開ける。次々と明かされる衝撃の事実と相変わらず派手なアクションが観ていて飽きさせない。

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.4

 恐怖と畏怖の対象としてのゴジラとそれに立ち向かう人間の弱さと粘り強さを描いている。序盤ではゴジラの出現と、対応を迫られながら決して無気力、無能ではないにしても法の手続と会議に追われ処置が遅鈍にならざ>>続きを読む

マイティ・ソー ダーク・ワールド(2013年製作の映画)

3.4

ソーは操縦が下手だったことが明らかに。相変わらず博士の助手が変人で面白い。

ユーズド・カー(1980年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

まさにアメリカのノリの映画。ライバルの中古車ディーラーがトランプによく似ている。エロありグロありアクションあり何でもありの心の底から笑って楽しめる作品。メキシコ人や学生、同僚の迷信深さがすべて終盤にい>>続きを読む

アイアンマン3(2013年製作の映画)

3.9

終盤はとにかく緊張の連続。トニーの成長が見どころ。

インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

4.0

物語がやや駆け足だったが前作の『ハルク』よりも面白いと思う。ニューヨークでのアクションは圧巻。

ヤコペッティの大残酷(1974年製作の映画)

3.9

残酷というよりブラックジョークが多い印象。ただ花畑でのユダヤ女性兵士とアラブゲリラの銃撃戦は鮮烈且つエロチックに描かれている。原作のモチーフよりもこの世界の醜怪と滑稽を映像にしようする努力が見受けられ>>続きを読む

アベンジャーズ(2012年製作の映画)

3.9

全てのヒーローが集結する期待感と高揚感が溢れる作品。それぞれのキャラが立っていながら決してバラバラになっていない。

アイアンマン2(2010年製作の映画)

4.0

トニー・スタークが相変わらずエキセントリックで面白い。アクションは無論の事、テレビ中継のような公聴会のシーンなど演出も凝っている。

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.3

静謐な雰囲気や和やかな風景から突如現れる暴力。何気ない会話が我々の日常的なそれと変わらず完璧なまでのリアリティを保っている。筋は一般の任侠映画と変わらないがそれは死を熱望する男の狂気を表すための道具に>>続きを読む

ハルク(2003年製作の映画)

3.4

ハルク違いで間違えたのだが、評判のように悪くはなかった。ストーリーはちょっと重いが善悪ないまぜになったハルクの悩みや葛藤はジキル博士とハイド氏を思わせる。コマ割りのカットも生きていたと思う。

シアター・プノンペン(2014年製作の映画)

3.5

主人公や周囲の大人達が映画製作を通して過去と向き合っていく。カンボジアの大自然や寺院を背景に情緒豊かに描いている。

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(2011年製作の映画)

4.1

ヒーローの強さと弱さ、偉大と滑稽、明るさと哀しさを余すところなく体現している。やはりアメリカにとって第二次大戦は神話なのだなという印象。ラストが実に切ない。