ヒカルさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ヒカル

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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

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マイ・ベスト・ファスビンダー。
DVDでは何回も観たけどスクリーンでは初めて。屠殺場のシーンを大画面、良音響で見れて良かった。

主人公は無償の愛を求めようとするが、そのためにことごとく自らを不幸にし
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デスペア 光明への旅(1977年製作の映画)

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ナボコフの原作をファスビンダーが監督という、幸せな結末が訪れる訳が無い作品。
分身テーマと「信用できない語り手」という小説ならではの設定をファスビンダーがどう映画で処理するかというと、いつも通り鏡とガ
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赤の女王 牛る馬猪ふ(2014年製作の映画)

4.5

前作『魔王』よりもエンターテイメントに振りきっていて、テーマ性も格段に分かりやすい。
嘉子姉ちゃんの孤高の女ヒーローキャラも観客にとってはお馴染みになっているので、余計な説明が要らず話がポンポンと進む
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魔王(2013年製作の映画)

3.5

監督の、今作らなければという焦燥感か、自主映画に回帰する気負いのせいかは解らないけど、テーマ的にもエンターテイメント的にもどこか消化不足。
ケレン味溢れる場面は多いので、見てて楽しくはある。

君の名は。(2016年製作の映画)

1.5

理想の青春の光景に、タイムリープ設定や「君のためなら何度だって…」的な展開、そしてポップ・ロックという中高生が大好きな要素ばかりで出来た映画なので、そりゃあ、その年代に人気が出るのも納得やよね。
色々
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COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)

3.5

ガキ二人組の何百倍も、タンクトップで走るベーコンが愛くるしい映画だった。

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

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久々の再見。いやぁたまらんですな。
登場人物が揃いも揃って身勝手で虚ろというのが素晴らしすぎる。
息子の独善的な人間性が目立つけど、娘もかなり非道い。結局彼女は女性の自由をうたいながらも、旧態依然とし
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ゴジラ×メカゴジラ(2002年製作の映画)

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『シン・ゴジラ』がエヴァっぽいってレビュー書いて、その後見直したらお前の方がまんまやないか!!
「暴走…!?」とか「動け!動け!」とか夕日に照らされ活動停止とか。
釈由美子が碇くんですね。

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.2

当初の期待を大幅に越えた出来で、充分に面白かった。
心配していた人間ドラマも、決して悪くはなかった。
特撮シーンも、特にゴジラ上陸と東京の火の海は、怪獣映画の新たな名場面として、語り継がれると思う。
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クラッシュ(1996年製作の映画)

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バラードの「クラッシュ」はテクノロジーと人間との関係を完全に更新した。
テクノロジーのもたらす死と暴力に我々は魅了され、そこに性的意味を見つけ出してしまう。
バラードは人間の抑圧された野蛮性を解放する
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スペースバンパイア(1985年製作の映画)

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最近復刊された「宇宙ヴァンパイア--」の解説で、村上春樹が「これ(スペースバンパイア)がひどい映画でね(笑)」とか全く解ってない事を言っていたので。

例えそいつが世界で最も優れた頭脳を持っていたとし
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Seventh Code(2013年製作の映画)

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突発的に見返す。
『カリスマ』の役所広司があっちゃんに替わって、カリスマの樹が装置の部品になったみたいな話。
荒涼とした世界をひたすら前へと進み続ける主人公の姿は黒沢清の作品で何度も繰り返された光景だ
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

5.0

黒沢清の映画の人間には内面というものが無い。皆虚ろで空っぽな存在だ。
香川照之演じる西野は空虚中の空虚。
考えてる事が一切解らない怪しい人物かと思えば、親切な父親としての一面を見せ、かと言うと不意に機
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貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)

4.5

中盤まで丁寧に恐怖の演出を積み上げて行き、その積み重なったものを終盤に景気良くぶっ壊す感じ。
勿論クライマックスは貞子と伽椰子の世紀の対決なのだが、これがですね…監督は『コワすぎ』シリーズの白石晃士監
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FAKE(2016年製作の映画)

4.0

佐村河内さんにTV局の制作者たちが来た時のやり取りは場内大爆笑で、実際に僕も笑っていた。
だが同時に、非常にヒリヒリとした居心地の悪さを感じたのも事実だ。
僕はたまたま彼らの作った歳末特番を見ていなか
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グッドナイト・マミー(2014年製作の映画)

4.0

中盤からのホラーのジャンルが変わる展開がとてもスリリング。
全体を漂う冷え冷えとした空気感が良いし、なによりも、全く救いのない展開が素晴らしすぎる。
ガキの陰気具合も厭な感じで良い。

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.0

池松壮亮が阿部寛に何を助けられたのかを敢えて言わないのが品が良い。
樹木希林の「どんな人でも誰かの役にはたってんのよ」という台詞が深く響く。
裕也さんの事を思い浮かべるとまた味わい深い。

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.7

言いたいこともあるけど、邦画のメジャー大作でここまでのもの見せられたら大満足。
タイトルが最後に出る映画ってあんまり好きじゃないけど、『ロボコップ』のラストを思わせるこの出方にはグッと来た。
謎を幾つ
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

2.5

熊は良かったですよ。でもそのシーンだって、CGで画面にヨダレが着いてるみたいなのを足しちゃうんだよなぁ。
やっぱり僕はイニャリトゥを好きになれないんだなと観て思いました…

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.8

キャップを巡る今カレのトニースタークと、元カレのバッキーの三角関係は、いつの間にかできてるヴィジョンとスカーレットウィッチやら、さる国のやんごとなき殿下やらを巻き込んで大事に発展。

てかアベンジャー
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蛇の道(1998年製作の映画)

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人が人として生きていくうえで、見ない方が良い物ってのはあると思うけど、ラストに香川照之が見た映像は正にそれではないだろうか。

多分だけど、ジョニートーは『エレクション』で『蛇の道』をかなり参考にして
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ポルノ時代劇 忘八武士道(1973年製作の映画)

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フィルモグラフィーが全部カルト作の石井輝男の傑作なんですが…X-VIDEOで普通に全編観れる!
ポルノ時代劇の名に恥じない事で何より。
人でなしにも人でなしなりの誇りがあるという、 至極大切な事をおっ
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

2.8

面白かった。
普段なら、恋愛要素が邪魔だなぁと思うところも、百人一首って題材ならスポ根系のドラマと喧嘩しない(作中でも言われてたけど、百人一首のほとんどは恋愛の歌だし)。
ラストの展開は、恋愛要素がち
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ホワイトハウス・ダウン(2013年製作の映画)

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ホワイトハウス占拠祭。
見せ場の詰め合わせで幕の内弁当状態なので、とにかく飽きない。
まぁ同じ味の飯は何回も食ったことあるけど。量と密度勝ち。
ダイ・ハードシリーズの本来あるべきだった姿。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

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旧シリーズ含めて一番好き。ウジウジが少ないし。
前から「綾波ってそんなに良い女か?」と思ってた自分には、新劇場版のキャラ改変は大歓迎。
やっぱり使徒とエヴァの怪獣バトルが観たいのであって、ぶっちゃけ童
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

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小学校六年の時に最初にDVDで観たんだっけ。結論「オタクはキモい」というメッセージだけは受け取った。

やっぱりシリーズ通して一番芯を食った台詞はアスカの「気持ち悪い」だよなぁ…

残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.5

大分前に観たから今更感が半端ない。

多分ここ最近のJホラーの括りの中では一番怖い。家で一人でいる時とか、物音だけでビクついちゃう。
ラストは、貞子登場や伽椰子の階段降りはやっぱり心底怖いって事を改め
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昼顔(1967年製作の映画)

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『マジカルガール』に先立つマゾファムファタールの映画。
『昼顔』のドヌーヴは本当にエロくて美しく、男の欲望を全て受け入れてくれるよう。まぁ、こっちも破滅するんだけどね。
中国人がプレイの為に持って来た
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あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

4.3

年がら年中映画ばっか撮ってるから現実との境が曖昧になったファスビンダーが、ディック的パラノイアの『あやつり糸の世界』を撮ったってところがミソ。
思うに、これはファスビンダーによる『スキャナーズ』ではな
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デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

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これは誰もが認めるであろう、21世紀最高の映画。

グラインドハウス映画は、ストリップ小屋でストリッパーのダンスの間に上映された映画群の事だ。
制作費は限りなく低く、いいかげんな脚本に、荒削りな演出と
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孤高の遠吠(2015年製作の映画)

4.3

アップリンクの見逃した映画たちにて鑑賞した。都内でまた上映の機会があるみたいなので、未見の方はこの機会を絶対に逃さないように‼
日本映画会で現在唯一、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が放ったアク
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2013年製作の映画)

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第一シーズンでは劇場版の次に好き。
映像の実験性も凄いけど、それと不可分のストーリーの膨らまし方に初見では驚いた。
トイレの花子さんというモチーフからタイムリープのSF 設定に繋げ、その円環構造が少女
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キラー・スナイパー(2011年製作の映画)

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とにかく出てくる奴等が全員、悪党かバカというのが素晴らしい。
トレーラーハウス住まいの家族は親父も息子もバカで卑近な欲しかなく、息子に至っては少々頭の弱い妹と近親相姦しているという見下げ果てっぷり。
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ブラックブック(2006年製作の映画)

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基本的に人間性なんて信用におけるものではなく、ナチスだろうが、オーストリアだろうが、アメリカだろうが、国家という形になった時点でそれクソだという、心底正しい事を言ってる傑作。
主人公が「この地獄は終わ
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スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)

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ディック原作映画の中でも一番原作再現度が高い。
ディックといえば自我の不安によるパラノイアで、それはドラッグ中毒者の幻覚症状に重ねられる。
様々の人間のシルエットが写されるスーツは、自分でも自分が解ら
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セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

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ハネケ映画の真髄はドキュメンタリー的手法による、エモーションの排除にあると思う。
家族が心中するまでの課程を淡々と、しつこいまでに撮ることで、そこから意味を剥ぎ取り、感情の揺らぎを無くす。
それによっ
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