富士山さんの映画レビュー・感想・評価

富士山

富士山

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.0

オチはこれでいいのでしょうか。ラストまでは、大成功したわけでもないけど、落ちぶれたわけでもない、ヒーローにも極悪人にもなり得ない、その他大勢のアメリカ人が漠然と行う、説得力のない暴力を見事に描き出して>>続きを読む

風の大陸 The Weathering Continent(1992年製作の映画)

3.0

作品紹介程度の作品なのでしょうが、IGなだけあってすごい作画でした。今後10年以上アニメ界を引っ張っていく人たちが集まっています。こういう作品にストーリーを期待するのは間違っているのですが、キャラの立>>続きを読む

ファイブスター物語(ストーリーズ)(1989年製作の映画)

3.0

さすが作画がすごい。正直サンライズ作品として見ようと思っただけで、原作にまったく想い入れがなく、むしろ絵柄が受け付けないくらいなのですが、伝説的な作品の映像化としては名に恥じない質なのではないでしょう>>続きを読む

あなたの番です 劇場版(2021年製作の映画)

4.0

テレビ版のファンからは微妙だと聞いていたのですが、テレビ版をネットのうわさ程度しか知らない者にとってはそれなりに楽しめました。ただ、この設定でこのキャラなら、もっとおもしろくなりえた作品だったのではな>>続きを読む

海底3万マイル(1970年製作の映画)

4.0

ジュール・ベルヌっぽさと言えばSF冒険ものくらいですが、個人的には好きでした。特撮怪獣ものとして作られていますが、ファンタジー的なメカも含めて、出てくる兵器にどことなくリアルさがあります。ヒロインの王>>続きを読む

宇宙皇子(1989年製作の映画)

1.0

角川映画らしいですが、このクオリティで?と思わざるを得ません。物語から作画まで、凡作OVAといった趣でした。カナメプロ的な、当時の流行を感じるとともに、流行は過ぎてしまえばこはずかしいの最たるものです>>続きを読む

妖精フローレンス(1985年製作の映画)

3.0

サンリオクソハイクオリティアニメの末期の作品。お金がかかっているのはヒシヒシと伝わってきますが、それに見合った内容かと言えば微妙な感じです。ストーリーは少年が一皮むけるという堅実なものですがとにかく無>>続きを読む

六神合体ゴッドマーズ(1982年製作の映画)

3.0

いろいろな意味で80年代前半といった作品でした。見る前はそんなイメージはなかったのですが、70年代から続く美形キャラの系譜の最末端にいるのがこの作品なのではないかと感じました。キャプ翼やら聖闘士星矢や>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

良い百合でした。百合としては、ガチガチにテーマにした作品より、ふたりがこのくらいの距離感の作品の方が、いろいろなものを含めることができて好きです。特に、シイノに彼氏を作ったら死ぬと言っておきながら、自>>続きを読む

Tokyo 7th シスターズ 僕らは青空になる(2021年製作の映画)

2.0

このコンテンツは謎で、話題にはなっているみたいだけどいまいち全体像がつかみにくく、興味がありました。劇場作品が作られていると知って見てみたのですが、作画のレベルは高いけど、お話が微妙でした。それはアイ>>続きを読む

ザブングル グラフィティ(1983年製作の映画)

3.0

このノリ、結構好き。正直もっとまじめに作れば、名作になったのではと思いました。内輪ノリや楽屋オチはいらないし、ストーリーももっと丁寧に構成し直して、作画も映画にふさわしいものに直し、映画の尺でちゃんと>>続きを読む

劇場編集版 かくしごと ―ひめごとはなんですか―(2021年製作の映画)

2.0

アニメーションとしてのクオリティは『絶望先生』よりはるかに高いですが、作品としての完成度は微妙でした。特に、笑うべきか泣くべきか迷う部分が多い。ギャグが続いていたと思うと、シームレスに泣きの話に移行し>>続きを読む

西遊記(1960年製作の映画)

3.0

手塚さんがはじめて本格的にアニメに関わり、挫折感を植え付けたという東映長編のひとつ。作品としてのレベルは高い。演出的に今のアニメに近づいているのに、アクションに声芝居がついていないのが何気に気になりま>>続きを読む

時空の旅人(1986年製作の映画)

3.0

角川映画のアニメのクオリティはもはやオーパーツのようです。めんどくさいメカニック描写や2号影がガシガシ入ったエフェクトと、80年代アニメの超絶技巧が余すところなく投入されています。作画的、演出的な技巧>>続きを読む

ニルスのふしぎな旅 劇場版(1982年製作の映画)

3.0

本当は本編を見るべきなんだろうけど、こっちを見てしまいました。どうもオリジナルらしい。それにしても超絶作画です。アイレベルが小人になるだけでも空恐ろしさを感じます。作品としては地味ですが、最高潮に達し>>続きを読む

点と線(1958年製作の映画)

3.0

松本清張作品の初映画化とのこと。作品としてそれなりにおもしろいとともに、その後テレビに移ってサスペンス劇場となる特徴を完全に備えているように感じたことが発見でした。作品としてはプログラムピクチャーでも>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.0

劇場公開中から見たかったものをやっと見ました。おもしろかった。しかし、権力の横暴と闘う被告と弁護士という法廷ドラマかと思って見るとちょっと違うし、社会制度とイノベーションの矛盾を突いた啓発ドラマにふり>>続きを読む

ながぐつ三銃士(1972年製作の映画)

3.0

変に片意地はらずに見られる東映長編末期の作品、ついにアメリカにまでわたったペロシリーズ3作目。単純な作りですが、アクションは本格的なウエスタンを感じさせる演出なように感じました。特に構図が丁寧に取られ>>続きを読む

オマージュ(2021年製作の映画)

3.0

配信で偶然見て。フェミニズム映画ですが、押しつけがましくないので、マイノリティ映画としても見ることのできる良作でした。娯楽映画としてはオチが弱い気もしますが、日常感重視という意味ではこれでいい気もしま>>続きを読む

少年猿飛佐助(1959年製作の映画)

3.0

東映長編2作目。やっと全編見ることができました。作画はがんばっているのですが、やはり演出は今とは質的に異なるぎこちなさを感じます。正直、資料以上ではない。この時代の「わりに」良い、くらいです。モンター>>続きを読む

嘘八百 なにわ夢の陣(2023年製作の映画)

4.0

新世代のテッパンプログラムピクチャーとして期待のシリーズ最新作。時系列に載っているのが大変そうですが、立ったキャラがお約束のドタバタをしながらうまく行かなかったり、行ったりしながらキャラを崩さない形で>>続きを読む

大名倒産(2023年製作の映画)

3.0

そもそも時代劇はファンタジーだったのだから、こういうのもありだとは思いますが、ファンタジーだから設定スカスカの薄くて軽いギャグものでないといけない理由はないと思います。とりあえず暇つぶしとしては十分な>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

5.0

期待せずに、何気なく見たのですが、かなりいい作品でした。お金のない雰囲気を感じますが、演出でそれを補えているのも感じられます。お話は冷戦期に実際にあったエピソードをもとにしたもので、ストーリーは平和の>>続きを読む

ヴィナス戦記(1989年製作の映画)

4.0

あまり期待していなかったけど、それなりにおもしろかった。80年代らしい超絶作画に驚愕し、チャラチャラしたストーリーにイライラしながらも、お決まりの戦争ものでありながら、主人公はあくまでも民間人という設>>続きを読む

劇場版 世界一初恋 横澤隆史の場合(2014年製作の映画)

3.0

まえまえからBL系作品を見てみたいと思っていた中、原作者の名前で選びました。時代の問題もあるかもしれませんが、劇場作品と言うには厳しいクオリティの低さでした。しかし、某大型新人声優の存在感がすごい。堀>>続きを読む

永遠の831(2022年製作の映画)

1.0

ひどい。東のエデンの時は斬新さがありましたが、10年以上たってもまだ同じことを言っているのに衝撃でした。009の文語調なんちゃって聖書に腰を抜かした時に嫌な予感はしていましたが、それが確信に変わる作品>>続きを読む

劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター(2019年製作の映画)

3.0

テレビ作品をまとめて長編映画化するヤマト商法が今でも行われていることでも、今のクオリティのキャラが富野台詞をしゃべっていることでも感慨深いものがありました。正直、1クール作品に慣れてしまった体には展開>>続きを読む

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

4.0

総集編でしたが、振られていた最後の最後の事件にオチがついて満足でした。しかし、動物のキャラクターだから寓話性を帯びて、だからこそ生まれる独特の雰囲気に魅力を感じていたので、それをいとも簡単に捨て去った>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

5.0

構成が素晴らしい。メインビジュアルの三人がちゃんと独自の立場で存在感を放っています。サイコパスは最強ではなく、平凡は無垢ではなく、そしてかわいそうは弱いではない。誰かが一方的な役割を負わされるのではな>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

5.0

誰かが「アニメの映画ではないけど、よい映画」と言っていましたが、まさにそうでした。メリハリのあるよい脚本に、キャストの魅力を引き出すよい演出、久しぶりにのめり込んで、繰り返して見ました。こういうふつう>>続きを読む

ブルーサーマル(2022年製作の映画)

4.0

まったく興味がなく、必要になって見てみました。核燃料のリサイクルでもするのかと思っていましたが、グライダーで空を飛ぶ青春アニメでした。しかし、はじめは興味がなくても、引き込まれてちゃんと楽しめる作品で>>続きを読む

サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

4.0

派手ではないけれど、よくまとまったおしゃれな作品でした。わたせせいぞう的なデザインセンスがフライングドック10周年記念作品にふさわしいと思います。イオンモール的な空間を中心とした地方郊外的舞台に、俳句>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

5.0

湯浅監督の作品には好き嫌いのムラがあるのですが、この作品は最高でした。映像的にも物語的にも、隙のない名作です。一遍などに見られるように、この時代でも集団で歌い踊り、陶酔し熱狂していたとしても不思議では>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

3.0

ロシア映画は退屈でも地味でも精密で豪華というイメージがあったので、画面の薄さとそれを紛らわすような白黒画面には少々失望しました。しかし、それでも視聴者を引っ張っていける力強さがあって、最後まで見るとそ>>続きを読む

五等分の花嫁∽(2023年製作の映画)

1.0

いろいろな媒体でやたらとプッシュしているので、劇場だけでも見てみました。まあ、予想通りのギャルゲーでした。途中ルート分岐を入れたり、一人を選んでも夢オチにしたりと、他メディアに移植すると必然的に破綻す>>続きを読む

からかい上手の高木さん(2022年製作の映画)

3.0

なぜ映画に?と思いましたが、まあ悪印象はなかったです。ひと夏の経験に大冒険、みたいなものもいいですが、少しずつ変わって行く日常と、確実に生まれる未来というのも、悪くないと思います。作品のテーマから言え>>続きを読む

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