くまちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.6

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ギャレス・エドワーズはSF作家だ。
「モンスターズ/地球外生命体」から始まり「GODZILLA」「ローグ・ワン」とキャリアを重ねる事にプロジェクトの規模も成長してきた。今作は集大成というには早すぎるが
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.9

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ケネス・ブラナー監督、主演によるポアロ映画も三作目。回を追う事にポアロが板につき、あの独特な口髭も様になってきている。アルバート・フィニー、ピーター・ユスティノフ、デヴィッド・スーシェと並んで胸を張っ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

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200分は純粋に長い。
マーティン・スコセッシは長尺の作品を定期的に制作する。「最後の誘惑」「カジノ」「ギャング・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、そして前作「
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.8

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特殊詐欺を題材にした黒川博行による大阪ノワール「勁草」。監督したのは近年毎年のように新作を発表し続けている原田眞人。

原田眞人と言えば「関ヶ原」以降毎作品にジャニーズを起用している。「検察側の罪人」
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次元大介(2023年製作の映画)

3.3

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次元大介はビジュアルと同じぐらい声が大切なキャラクターである。小林清志でも大塚明夫でも、ましてや銀河万丈でもない次元。それは玉山鉄二以外の何物でもない。また、次元はそれほど奇抜なファッションではないは>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

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ドキュメンタリーディレクターである木下由宇子は、とある学校で起こったイジメによる女子生徒の自殺を取り上げ、関係者への取材を重ねていた。
今作はドキュメンタリーを撮っているドキュメンタリーのようなある種
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.5

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口裂け女という一つの都市伝説を既存の情報に新たな解釈を加えており、なおかつ心霊というよりはモンスターパニックに近い切迫感がある。質の悪いホラー映画になりやすい題材を扱いながら、ミステリー要素を散りばめ>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.8

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昨今のニコラス・ケイジはB級からZ級のエキセントリックかつ良くわからない映画への出演が続いていた。ニコラス自身の借金を返済するためだ。
今作は確かに分類的にはB級でありサスペンスであるだろうがスリラー
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.7

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ブタと罵られた少女は孤独の中で鬱屈とした毎日を送っていた。クラスメイトにはバカにされ、家族にも理解を得られない。自身の心の奥底で抑圧していたものが倫理に触れる時どのような選択をするのか。
今作に登場す
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.6

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今作に娯楽性は皆無だ。物語など無いに等しい。徹底した心情描写によりほぼ心のみを映してると言っても過言ではないだろう。誰にでも起こり得る過ちや悲劇を淡々とカメラにおさめていく。これを無名の役者が演じてい>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.3

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1作目では上映時間が100分程度だったのに対し4作目となる今作では170分、1時間も延びている。本来はもっと長かったらしいが、削ってこの時間との事。観客の貴重な時間を3時間も拘束するのだ。長尺には長尺>>続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

4.0

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シリーズを通して今作ではジョン・ウィックの代名詞「〇〇・フー」が多用されている。犬を使う「犬・フー」馬を使う「馬・フー」本を使う「本・フー」ナイフを使う「ナイ・フー」。カンフーと銃をもじった「ガン・フ>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

4.2

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ヴィゴの弟でありヨセフの叔父にあたるアブラム・タラソフは自身のアジトを放棄しようと身辺整理を急いでいた。ジョン・ウィックの愛車フォード・マスタングを保管していたため、ジョンが近い内にやってくると予想さ>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.0

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リーアム・ニーソンと並んで孤独の似合う男キアヌ・リーブス。いや、彼の場合孤独ではなく孤高の方が正しいのかもしれない。

伝説的な殺し屋ジョン・ウィックは現役を退き愛する妻ヘレンと隠居生活を送っていた。
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.8

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ドライビングシミュレーターを極めたら本物のレーサーになっちゃった人。この激レアさんはニール・ブロムカンプによって映画化された。

グランツーリスモは山内一典によって実在の車種をリアルな運転操作と走行動
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禁じられた遊び(2023年製作の映画)

3.3

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伊原直人は妻の美雪、息子の春翔と共に幸せな毎日を過ごしていたが悲劇は突然訪れる。美雪と春翔が交通事故に見舞われたのだ。美雪は亡くなり春翔は奇跡的に一命を取り留める。これは単純な不幸ではない。悪夢の始ま>>続きを読む

劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

3.5

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前作は復活記念のファンムービー要素が強く、展開も目まぐるしかったが、今作は従来のシティーハンターに極力自然な
形で時代を踏襲し、アニメ映画としては落ち着いた印象がある。原作の重要アイテム「エンジェルダ
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.3

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90歳を超えて尚コンスタントに作品を発表し続ける山田洋次の活力には脱帽する。「母べえ」「母と暮せば」に続く母三部作の集大成として発表した今作は元が戯曲だからだろうか、限定的なシチュエーションにて会話で>>続きを読む

マークスマン(2021年製作の映画)

3.5

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リーアム・ニーソンの全身に纏う哀愁は、どんな局面においても絶対的な存在感を発揮する。これほど孤独が似合う男がいるだろうか。主人公ジム・ハンソンは愛妻に先立たれているがリーアム自身妻と死別しておりその親>>続きを読む

355(2022年製作の映画)

3.4

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ジェシカ・チャステインはサイモン・キンバーグへ女性主導のスパイ映画を提案した。目指すコンセプトは「ミッション・インポッシブル」「007」の精神を取り込むこと。サイモンは「Mr.&Mrs. スミス」「シ>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.8

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「ディープ・ブルー」以降サメ映画はマンネリ化が指摘され、今では奇抜なアイディアに頼り切ったB級の代名詞となった。サメを脅威として描く部分は共通するも奇を衒った設定だけを頑張ってるものが多い。
そんな中
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春に散る(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

沢木耕太郎の著書「春に散る」。
このタイトルから春に桜のように散ってしまう、つまり何かしらの喪失が描かれていることが読み取れる。それは一種のネタバレでありながらもドラマで読者を魅了させられるだけの自信
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

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今作の原作となったミリアム・トウズによる「Women Talking」は2000年代後半にボリビアのメノナイトによる集落で発生した実際の事件から着想を得ている。当時その集落には2000人ほどが生活して>>続きを読む

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

今作は「映画クレヨンしんちゃん」の中でも退屈でつまらない訳ではないが凡庸ではある。スラップスティックでナンセンスなコメディ要素と家族愛といったお決まりポイントを踏襲しつつも3DCGでなければいけない理>>続きを読む

氷の微笑(1992年製作の映画)

3.7

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今作は冒頭の殺人場面から心理的な駆け引き、示唆的なラストに至るまでヒッチコックの影響が色濃く感じられる。
特に観客の精神をじわじわと追い込むような刺激的でひりつく音楽の数々はシャロン・ストーンの官能と
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

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バービーは多様性を表現し、発売以来女性でありながら大統領やドクター、ノーベル賞受賞者など様々な職業をモチーフにした商品が発売されてきた。“You Can Be Anything(あなたは何にだってなれ>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

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近年日本では韓国作品のリメイクが増えている。その中でも特に入江悠の「22年目の告白 私が殺人犯です」や森淳一による「見えない目撃者」は好意的な評価を得ている。それはオリジナルをベースとしつつも日韓にお>>続きを読む

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

脆弱な主人公が特定のスポーツに魅了され、仲間とともに頂点を目指す。
その使い古された青春サクセスストーリーは観客へコンスタントに感動を与えてくれる。決してスーパーヒーローではないキャラクター達に感情移
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プロジェクトX トラクション(2023年製作の映画)

3.9

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近年のジャッキーは後進の育成に力を入れており、ジャッキー主演映画にも関わらずハードなアクションは若い共演者に割り振り自身は控えめなスタンスを取っている。ジャッキーの肉体は長年酷使した代償として膝も肩も>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ケイディはタブレットと同期する最新玩具ペッツにハマっていた。玩具メーカーに勤務する叔母のジェマにもらったものだ。旅行の移動中も常に大音量で遊んでいる。助手席の母はゲームは一日30分だと注意し、教育にあ>>続きを読む

ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

4.0

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今作は前2作とは毛色が異なり非常に緊迫した場面から物語が始まる。
拘束されたイーサン。その前で銃を向けられる女性。その様子からイーサンにとっての大切な女性であることがわかる。銃を向ける男性は女性の脚を
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

4.0

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制作も務めるトム・クルーズは監督を選択する事ができる。今作に抜擢されたのは香港ノワールの大家ジョン・ウー。
作品ごとに監督が異なれば大なり小なり監督の色や作家性のようなものが見られるはずだが、今作ほど
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

毎作インディはオープニングから何かしらの考古遺物を探し求め、エキサイティングなアクションを見せてくれる。
それは監督が異なっても変わらない。
冒険こそが普遍的なテーマであり人生そのもの。
冒頭の舞台は
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ラロ・シフリンのテーマ曲が流れると気持ちが自然と高揚する。日本のテレビ番組でも頻繁に用いられ「スパイ大作戦」を知らない世代にも浸透した名曲。

「スパイ大作戦」を原案としたアクション映画シリーズの1作
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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

インディとマックはアメリカ軍を装ったソ連兵に拘束される。
フェドーラハットが地面に落ち、男が倒れ、立ち上がると同時にハットを被るが顔は見えず影でインディであることを示す。この登場シークエンスが実にスピ
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プー あくまのくまさん(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

今作のキャッチコピーには大きな誤りがある。
「はちみつはもう飽きた。」
これはポスターにもパンフレットにも記載してある。だが本編では人間に蜂蜜をかけるという食通ぶりを見せ、原題には「BLOOD AND
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