くまちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

吉沢マイキー、永山バジの初見での違和感は、回を追う事に薄れていく。
これは映画の魅力か、役者の演技力か、アニメ版が忘却されるためか。

今作のキャスティングにて秀逸だったのが、灰谷蘭に当てられた栗原類
>>続きを読む

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

今作はランドマークタワーでの救助活動、つまり医療従事者達の身命を賭した闘いが描かれている。構造的には2011年のインドネシア製アクション映画「ザ・レイド」を彷彿とさせる。

ランドマークタワーで起きた
>>続きを読む

劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

今作は原作の第五部シャドウ・ギャラクティカ(セーラースターズ)編を基にしている。専門用語や魅力的な新キャラが乱立しており、目まぐるしく展開し続けるアップテンポなストーリーは明らかな情報過多であり、難し>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

暗い作風だった前作と比較し今作では明るく楽しくエネルギーに満ち溢れた冒険活劇となっている。

ボーイスカウト活動中のインディは盗掘現場を目撃し、コロナドの十字架を巡って盗掘団と対決する。
馬にまたがり
>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

今作はシリーズ中最もグロテスクで陰鬱な内容となる。これはジョージ・ルーカスの意向が強く反映され、またスティーヴン・スピルバーグは自身のキャリアで初めての続編制作だったため、観客を意識するあまり自分にと>>続きを読む

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

冒頭密林の場面にて、動物や川のせせらぎ等の自然音と不安を煽るBGM、木に刺さる毒矢、彼らは何を求め、何に追われるのか。一人が銃を構えソレに気が付き振り向き様に鞭を振るうナイスガイ。影から現るるはインデ>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「人魚は涙を流せない。だから、よけいに辛かった」
冒頭に提示されるこの題辞は「人魚姫」の作者ハンス・クリスチャン・アンデルセンの言葉である。悲哀の結晶たる涙を持たない人魚はその悲しみを放出することなく
>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

2013年、オスカーグラント三世射殺事件を描いた「フルートベール駅で」が公開されると、映画業界での監督ライアン・クーグラーと主演マイケル・B・ジョーダンへの注目度は一気に高まった。
それ以降クーグラー
>>続きを読む

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「ロッキー4/炎の友情」は色々な意味で観客に大きな衝撃を与えた。
お手伝いロボットやアポロの死、全体に漂うプロパガンダ。その中で際立って我々が度肝を抜かれたのはドルフ・ラングレンの絶対的な威圧感だろう
>>続きを読む

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

10月31日。
血のハロウィンと呼称される東京卍會と芭流覇羅の決戦。そこでマイキーはかつての仲間羽宮一虎を殺害する。
現在、東京卍會は警察も舌を巻く巨大な反社組織に成長しており、ドラケンは死刑囚として
>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

今作はシリーズ最低の興行収入を記録した「最後のドラマ」のリブートと言えるだろう。
アドニスは仕事と車を失うが、ロッキーは会計士の不正で破産する。
「最後のドラマ」でロッキーは脳のダメージが確認されるが
>>続きを読む

ワイルド・スピード MAX(2009年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ドミニクはレティ、ハンらとともにドミニカ共和国にてガソリン運搬車を襲撃する。横転するタンクローリーの間隙を縫う巧みなドライビングテクニックは前シリーズまでの許容範囲を大きく超えている。後に続くとんでも>>続きを読む

仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

池波正太郎が生み出した秋山小兵衛、長谷川平蔵と並ぶ人気キャラクター藤枝梅安。
「剣客商売」の秋山小兵衛は天下無双の老剣客であり「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵は火付盗賊改方長官。
武士や侍にフォーカスし、剣
>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

世界一有名な配管工兼元祖パルクーラーマリオ。2008年のニューヨーク・タイムズによればこの星で最も認知された架空のキャラクター。匹敵するのはミッキーマウスだけとのことだ。
ゲーム内には多数の設定が存在
>>続きを読む

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

「リトルトーキョー殺人課」ドルフ・ラングレン。
「デッドヒート」ジャッキー・チェン。
「ローグ・アサシン」ジェイソン・ステイサム。
「ブレット・トレイン」ブラッド・ピット。
そしてアリナミン・ダイナミ
>>続きを読む

ワイルド・スピードX2(2003年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作のラストでブライアンはドミニクを逃した。自身の車のキーを渡すことによって。
警察官の立場を追われたブライアンはマイアミでストリートレーサーとして生計を立てていた。その実力は周囲に認められカリスマと
>>続きを読む

ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

車を題材にしたアクション映画は古今東西無数に存在する。今作ではドラッグレースによる興奮と潜入捜査の緊張感、ドミニク、ブライアン両者のキャラクター性によって100分あまりの中尺を牽引していると言っても過>>続きを読む

名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

赤井秀一もいない。安室透もいない。
ジンとウォッカ以外の組織メンバーが登場しない。それでも最後まで観客の心を離さないのは純粋に脚本の完成度が著しく高いためだ。
メインとなる連続殺人事件、サイドストーリ
>>続きを読む

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

今作を大きく牽引しているのは人気キャラクター「ドラケン」とドラケンを演じる「山田裕貴」、その掛け算された限定的な魅力にほかならない。
原作やアニメ版で得られる好奇心やエクスタシーを悉く刈り取ってしまっ
>>続きを読む

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今作は既存のミステリー要素も近年のエクストリームなアクションも控えめながら非常に見やすく緊張感を維持し、かつエモーショナルなラブストーリーに仕上がっている。
灰原哀は作品世界における最重要人物であり、
>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.2

今作はLGBTQを扱った数多くのコンテンツの中でトップクラスと言わざるをえない。それほど傑出していた。

監督松永大司はデビュー作がトランスジェンダーの友人を映したドキュメンタリー「ピュ~ぴる」だった
>>続きを読む

わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

今作をライトノベルや漫画原作だと侮ってはいけない。
久藤清霞、斎森美世の両者を脅かす苦難の連続が観客の好奇心をあおり、物語の強い推進を担っている。
典型的なシンデレラストーリーであり、清霞と美世が結ば
>>続きを読む

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

フレンチアルプスの白銀を纏うゲレンデは見惚れるほど美しい。その景観に反する醜い夫婦喧嘩。どこにでもいるごく普通の家族、ありきたりの夫婦を主軸に据え、どうしても看過できない事実と自分の気持の折り合いを全>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今作はジャウム・コレット=セラ監督のテクニカルなサスペンス構成によって、観客の緊張を牽引している。
ひとえに監督の手腕による所が大きいのは事実だが、イザベル・ファーマンの年齢に不釣り合いなエキゾチック
>>続きを読む

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

1993年春。

円谷プロダクション創立30周年を記念して制作された特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」。そのさらに30年後にこういった形で日の目を見る事になるとは誰が想像しただろうか。当時は黎明期のイ
>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

聖なる夜に子どもたちへプレゼントを配るため、吐瀉物ぶちまけながら、雪上に舞い降りたやさぐれ無頼漢、サンタクロース。
クリスマスは一年の中で唯一必然的な奇跡とバイオレンスが同時多発する日。
強盗計画に巻
>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

これほど平和的で観客の情緒を固定できる作品はそうはなかろう。
とある施設を舞台に繰り広げられる群像劇といえば同監督の「マスカレード・ホテル」を思い出す。
脚本は「おくりびと」の小山薫堂。
入浴の作法と
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ドラえもんとはシリーズを通してのチートキャラである。未来がもたらすテクノロジーの数々は現代では到底太刀打ちできるものではなく、どのような局面に立たされても打破できる能力がある。
観客を楽しませる都合上
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

監督を努めたダニエル・クワンとダニエル・シャイナート。通称ダニエルズと呼ばれる2人は卓越した想像力を持っている。それは「スイス・アーミー・マン」を見れば一目瞭然だろう。
そんな2人のエキセントリックな
>>続きを読む

恐怖城/ホワイト・ゾンビ/ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビ(1932年製作の映画)

3.3

ゾンビの起源はハイチの民間信仰ブードゥー教にある。神官の呪術により活動能力を付与された屍の事であり、それは神官の命ずるままに使役するとされる。
1929年、アメリカの探検家がハイチへ渡り取材を敢行、後
>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙がハリウッドの大物プロデューサーハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡る性犯罪に関する告発記事を掲載した。
記事内では自身が設立したミラマックス制作作品へ出演した有名
>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭でのハッチのルーティーン。
月曜から金曜まで同じことの繰り返し。
それは一種のループ物のように不安を煽る。
変わらぬ日常。誰からも評価されず、抑圧した何かを抱えながら生きてるだけの毎日。共感する者
>>続きを読む

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

-

踊りにリズム感や柔軟性や運動神経は関係ない。自由に心を表現すること。それ自体が"オドリ"なのである。
田中泯の踊りは無軌道で型破り、一見すると簡単そうで何がすごいのかがわからない。凡人は理解が追いつか
>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

これほど徹底したソリッド・シチュエーション・スリラーは邦画には珍しいのではないか?
ソリッド・シチュエーション・スリラーは「ソウシリーズ」によりジャンル化されたが、今作では+α「オールド・ボーイ」との
>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

今作は2013年の連載開始以来、感動と興奮が渦巻く秀逸なストーリーと圧倒的描写力に裏打ちされた音楽シーンで「音が聞こえてくる漫画」と評されている。

映像化に際し様々な選択肢がある中、安易な実写化が乱
>>続きを読む

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

「鬼滅の刃」は2019年に映像化されて以来、老若男女問わず世間の耳目を集め、翌20年に劇場公開された「無限列車編」はアニメーションとしても映画としても記録的な大ヒットとなった。
文字通りサブカルチャー
>>続きを読む