くまちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

警部(1978年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ジャン・ポール・ベルモンドの二重生活。暴力的な男と捜査官二つの顔を巧みに使い分け、キャンプ場のテントの中からスーツ姿で登場した日にはクラーク・ケントも驚くであろう。

ベルトラン警部が娼婦と共に射殺さ
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オー!(1968年製作の映画)

3.6

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カーレーサーのフランソワは5年前のレース中の事故により親友を失った。
今は強盗団の運転手をつとめる。

ベイビー・ドライバーやザ・ドライバーのような展開を予想したが、全く違うものだった。

フランソワ
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.3

実際に起きたモロッコ左翼政党党首メフディー・ベン・バルカの失踪事件とドナルド・E・ウエストレイク原作「悪党パーカー」をベースにした社会派クライム・サスペンス。

しかし、今作の監督がジャン・リュック・
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ファッティとキートンのおかしな肉屋/デブ君の女装(1917年製作の映画)

3.7

チャーリー・チャップリン、そしてロスコー・アーバックル。喜劇スター2人を生み出したマック・セネットの慧眼には敬服するばかりだ。
さらに、アーバックルが見出した後の天才バスター・キートンも今作に出演して
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トップガン(1986年製作の映画)

3.9

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無鉄砲だが才能溢れる主人公、それを支える親友、教官との恋、ライバルとの切磋琢磨、親友の死、己の進退、実践による再起、今作を構成する要素は特別なものが何一つ無く、王道な青春物と言える。
ただ、女性は極端
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.0

ライオネル・ホワイトの小説を原作とした犯罪映画。ただキャラクターの名前を含む、原作小説との様々な差異が見られ、即興で撮影されたゴダール色が強めの作品である。原作というより、翻案と言えそうだ。

映画自
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キートンの隣同士(1920年製作の映画)

4.0

塀で隔てられた恋人たち。
想いが強ければ強いほど親の反感を買い、騒動は大きくなる。
ロミオとジュリエットをモチーフに、キートン節を効かせた喜劇。

階段の手摺を頭から滑り落ちるシーンは63年後に「プロ
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さがす(2022年製作の映画)

4.2

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ポン・ジュノのもとで助監督を務めた唯一の日本人片山慎三。監督長編2作目にして商業映画デビュー作。

不吉を予感させるひりつくような緊張感は本場韓国仕込と言えるだろう。

フランツ・リストの愛の夢が静か
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死霊の盆踊り(1965年製作の映画)

2.4

常軌を逸している。エド・ウッド恐るべし…
約10分程度でおさまる内容を1時間半に延ばしたような迷作。

ボブとシャーリーは車で墓場へ向っていた。小説家の夫ボブは墓場だとホラー小説のアイディアが浮かぶら
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.8

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作品を重ねるごとに韓国映画のような暗澹とした陰鬱さを増す白石和彌監督。
今作も御多分に漏れず。

舞妓に現を抜かしたり、謝罪のプロだったりとコメディな印象が強い阿部サダヲ。
人畜無害で人たらしな彼のパ
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ビキニの悲鳴/原子怪獣の襲来(1965年製作の映画)

3.5

ただのモンスター映画と侮るなかれ。

ポップな音楽にビーチで踊りまくる若者達。1960年代のカウンター・カルチャーやヒッピー文化等、世相を色濃く反映し、時代を象徴している。

殺人を繰り返す半魚人は着
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原子怪獣現わる(1953年製作の映画)

3.5

終戦から8年。映画史上初めて核実験の影響を受けた怪獣が登場した。

原子怪獣リドサウルスは、超自然的で容赦なく殺戮を繰り返し、不条理に全てを破壊する。流れる血液は未知の細菌を有し、生を汚染する。まさに
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.1

樋口真嗣×庵野秀明。
ゴジラをモチーフにしたお仕事映画。

樋口真嗣のキャリアはゴジラから始まり、庵野秀明の根幹には円谷作品がある。2人にとって原点回帰と言える作品。

面白く、飽きず、楽しめるが、ゴ
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マッハ!(2003年製作の映画)

4.2

私はここに宣言します。
アクション純度100%宣言
一つ CGを使いません。
二つ 死んでもワイヤーは使いません。
   絶対!!
三つ 主役は俺だ!
   スタントマンは使いません。
四つ 早回しを
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.6

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第二次世界大戦後の貧困にあえぐイタリア。ドキュメント的に撮影された今作は生きづらい世の中を痛切に描写している。

父を演じたランベルト・マジョラーニは実際に失業しており、子役のエンツォ・スタヨーラは監
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

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李相日監督はいつも観客の心をえぐり、
広瀬すずをいたぶり、心の底に灰色の靄を残す。

「怒り」とも異なる形で広瀬すずは暴力的な被害を受ける女性を熱演している。
横浜流星は好青年なパブリックイメージを覆
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プラン9・フロム・アウター・スペース(1959年製作の映画)

2.8

全体通してずっとダラダラ。

UFO発見した時のパイロットの反応薄っ!

老人の妻が亡くなり葬儀の場面。状況や老人の心情を全てナレーションが説明してくれる。
いや、映像で見せなさいよそこは!
(; ・
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息もできない(2008年製作の映画)

4.4

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洗練されたリアリズム。
韓国映画の中でもかなり本物に近い絶対的な暴力。
それは常にブレ続け、ピントがあわない。ドキュメント的な手法で撮られた今作は、見る者に呼吸を止めるほどの衝撃を与えた。
殴る瞬間や
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とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー(2021年製作の映画)

3.9

可愛いが大渋滞!(ㆁωㆁ*)

TVシリーズを編集した構成であること、
30分と尺が短いことにより、¥1800を支払ってまで劇場で見たいかと問われれば微妙な作品である。

えっ!?ストップモーションで
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ホリック xxxHOLiC(2022年製作の映画)

3.0

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蜷川実花監督による実写化が決定した時激しく同意した。むしろそうあるべきだと願った。

CLAMPの外連味溢れるディティール、
蜷川実花のサイケデリックな世界観、
両者が絶妙に調和し、芸術性と娯楽性の極
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バトルヒート(2015年製作の映画)

3.3

二大アクションスター夢の共演。

人間核弾頭ドルフ・ラングレン、
ムエタイ界の寵児トニー・ジャー。
この二人がタッグを組めば間違いないだろう。
アクション映画はファーストフードのようなものであり、一定
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悪人に平穏なし(2011年製作の映画)

3.1

ホセ・コロナドの顔面がバイオレンスアクションな雰囲気を漂わせているが、ゴリゴリのサスペンス映画。アクションはラストのみ。

マドリード列車爆破テロ事件から着想を得たという今作。
バルでの殺人事件、麻薬
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必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)

3.3

やばいものを見てしまった…

車の爆発事故で両親を失った神父が傷心旅行で訪れた中国で、忍者に襲われている少女から恐竜の牙を託され、その力によって恐竜へ変身を遂げる。

自分でも何言ってるかわからん。
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サウルの息子(2015年製作の映画)

3.9

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これほどミニマムでセンセーショナルな戦争映画も稀有ではなかろうか。

とにかく難しい。内容は明解だが、音楽や背景、セリフ、ありとあらゆる情報を廃し、シェイプアップしているため、周囲での出来事を把握し難
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.5

格差を直接的に描いた寓話的な不条理スリラー。

CUBEにも近い内容で、蜘蛛の糸的とも言えるかもしれない。
食物が上の階層から下の階層へと順に流れ、上の者から食べていく。必然的に下には残らない。

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セントラル・インテリジェンス(2016年製作の映画)

3.4

ドウェイン・ジョンソンポテンシャルギャグ全振り映画。

ドウェイン・ジョンソンの男らしさ、筋肉、カリスマ性、他の作品では英雄然としている全ての要素をギャグへと転換した意欲作。
ラストのNG集含めラッシ
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

おされおじさん、ベネディクト・カンバーバッチ。

「スパイダーマンノーウェイホーム」がマルチバースという世界の幅をファンサービスに費やしてたのに対し、今作はそこに意味やテーマを盛り込んだ、意義のあるマ
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実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン(1979年製作の映画)

3.5

第15話「恐怖の宇宙線」
    ガヴァドン
第22話「地上破壊工作」
    テレスドン
    地底人
第23話「故郷は地球」
    ジャミラ
第34話「空の贈り物」 
    スカイドン
第3
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長編怪獣映画 ウルトラマン(1967年製作の映画)

3.5

第1話「ウルトラ作戦第一号」
   ベムラー
第8話「怪獣無法地帯」
   レッドキング
   チャンドラー
   マグラー
   ピグモン
   スフラン
第26話「怪獣殿下 前篇」
    ゴモラ
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映画ドラえもん のび太の人魚大海戦(2010年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

海底、しずか敵に捕まりがち。

海底という壮大な設定を海底鬼岩城よりうまく効果的に使われている。
海底鬼岩城をブラッシュアップした作品と位置付けても差し支えないだろう。

使用したヒミツ道具が後半伏線
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

全人類へ向けたラブソング♬
リメイクとしての完成度たるや…

聴覚障害を題材にしながら、差別や偏見といった外的で表面的な部分ではなく、自立しながらもマイノリティと向き合う内的部分にフォーカスすることで
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映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史(2009年製作の映画)

3.0

リメイクの必要性を感じられなかった。

見どころは大きいナメクジいっぱいでてくるところ…

大まかなストーリーラインは旧作と同じだが、オリジナル要素や展開をトッピングした事で、それぞれの旨味を相殺し全
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映画 ドラえもん のび太と緑の巨人伝(2008年製作の映画)

3.8

従来のドラえもんを押さえつつ、環境問題という、幾度となく取り上げてきた社会テーマに対する新たな試み。🌳🌳🌳

全体的にテーマが先行し神話的で抽象的な印象を受ける。
渡辺歩監督自ら「駄作」「愚作」と評し
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映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い(2007年製作の映画)

3.8

旧作の大長編ではのび太がドラえもんに泣きつく際、高確率で、おやつか読書をしている。今作では横になりながらどら焼きを頬張るという、お行儀悪さの極致を演じており、しかも後にどら焼き30個も食べていたことが>>続きを読む

アドレナリン:ハイ・ボルテージ(2009年製作の映画)

4.5

The NonStop Action 2❣❣❣❣❣❣❣

ステイサムが生きていた。

いや、正確には生かされた…か。

地面に叩きつけられ死んだかと思われたステイサム。しかしその直後、回収され運ばれ、
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アドレナリン(2006年製作の映画)

4.3

The NonStop Action❣❣❣

ジェイソン・ステイサムが終始アドレナリンを出しまくり、観客からも出させまくる、そんな映画。

トランスポーターシリーズを始めとしたステイサム映画では、基本
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