HeroMさんの映画レビュー・感想・評価

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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

共に何日か過ごした仲間がキャンプ場から帰っていく。そんなシーンを見送ったことがあるか?これに尽きる。
「さよなら」とは言わない「ほなまた」が永遠を匂わせる。
様々なノマドの生き方があり、そのどれにもな
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.6

敗者3部作その③
中でも、うだつの上がらなさが1番酷い。
ここまでの負けっぷりだとなかなか希望が見当たらない。前2作はこんな生き方もいいかと思わせるが今作は流石に。
カティ・オウティネンがちょい役。あ
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.7

敗者3部作その②
いつものアキ・カウリスマキ
前作の匂わせ方がさり気ない。
この演技が普遍的なキャラクターの1つの作り方なんだろう。
敗者然とした敗者はおらず、彼らを憐れむ観客もいない。
誰も負けない
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.0

敗者3部作その①
ゆるふわ北欧ヒューマンコメディ
初っ端から全開で好き
アキ・カウリスマキ作品のキャラクターはなんでこんなにみんな愛おしいのかね。
役者は大げさに悲しんだり喜んだりしないのに何故か希望
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

トマス・ヴィンターベア×マッツ・ミケルセン。
偽りなき者も良かったがこちらは万人受けしそう。
酒絡みのdestroy&rebuildとして予想通りのストーリーだが人間讃歌的な味付けが上手い。
マッツの
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

才能に生かされ
才能に殺された
細かな演出を含め映画の作り方がとても上手い。

音楽の持つ絶対的な何かを。子供のように純粋な心で信じる。そんな孤高の存在はいつしか脆い砂上の楼閣に立つ。苛烈で皮肉とも思
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

正統派な1と比べて少しくだけた感じ。茶目っ気が強まっている印象。
ダニエル・クレイグはブノワに違和感なくハマっているし、脇役もキャラが立ってポップに見やすい。

探偵映画へのアンチテーゼのようなラスト
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.0

観たの忘れてるくらいに印象薄。特に良くも悪くも。
全体的に薄味で元エピソードをサラッとなぞったくらい。
リメイクの意義は…戦闘シーンがキレイになったくらい。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

やっと観た。納得の高評価。
スター○ォーズみたいなミッションとかぼんやりロ○アな仮想敵国とかラストにかけて詰め込み過ぎなとことか、細かいツッコミはご愛嬌。
「戦闘機がすごいスピードで飛んでってドンパチ
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.9

このメンツの映画がみれただけで高評価。
かなり新感覚。80年代ハリウッドとヤクザ映画をリドリー・スコット×ハンスジマーが無理やり混ぜた感じ。そこのあなたが想像する通りのやつです。
とんでもなく俳優陣が
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.0

生物学的なヒトが人の間で生きる人間になる瞬間を東西の切り口で切り取った。
ウルリッヒ・ミューエ圧巻の無表情演技。こんなに表現力のある無表情なかなか無い。

序盤の隣人とネクタイとかラストとか出色のシー
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.9

セッション(whiplash)以来のブラススポ根モノ。涙無しには見れない。
セッションほど心がヒュンヒュンしないのでご安心を。

上原ひろみをはじめ、日本の(世界の)トッププレーヤーをDOLBYで聴く
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.3

ちょっと詰め込み過ぎかな。焦点がいまいち合わない。サントラが豪華だがイマイチ印象に残らないのもこのせいか。
最近のA24ぽいオシャレなパステルカラーみたいな感じ。
ぽんやりした終わり方はまあ綺麗だが既
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

これはいい胸糞。ダンサーインザダークにも通じる、胸糞の中にも救いというか解脱というか。ただでは終わらない。

モチーフも効いている。磔とかアメリカン正の字とか上手いし彼の審判の時とか今っぽくて面白い。
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.7

伏線の匂わせ方など「殺人者の記憶法」を思い出した。
若干説明的で冗長なのは完全に好みの差が出る。
こういうエグいのをちゃんとエグく作れるのが韓国映画の良いところ。
韓国訛りの日本語がちょっと聞き取りづ
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ヒッチャー(1986年製作の映画)

3.5

ハイウェイを密室に見立てたサスペンスは80年代らしいご都合プロット。
ハウアーの悪役っぷりが1番の見どころ。
最後にかけて安っぽくならないのは良い。

エコール(2004年製作の映画)

3.7

ハネケのような余白と後味。意味ありげな宗教モチーフが散りばめられるがどれも決め手に欠け、かなり観客に解釈が任されている。

これを変態だの気持ち悪いだの不純だの言ってる奴の心が1番穢れてる。
ってこと
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

3.7

アンソニー・ホプキンスとブラピ。存在と台詞だけで画になる。醸す雰囲気で何度も泣ける場面たち。
スーザンとドリューが90年代ハリウッドの代名詞的な俳優だからか、徐々に安くなっていく感じ。
このせめぎ合い
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オールド(2021年製作の映画)

3.8

嫌いじゃない。ワンアイディアな感じ。
まあぶっ飛び理論もあるけど意外とよく考えられている。
不穏な空気の醸し方は流石だし、ラストにかけてどんどん安くなるのも、らしいと言えばらしい。

ちょっとSzっぽ
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.7

まずテンポがいい。小気味良く繰り出される暴力は痛そうだけど爽快。
小手先だけじゃない骨太なアクションが安心安定。
良くも悪くもドンソクの独り舞台。
刑事の小物感が残念。ドンソクに完全に食われている。

呪怨(2002年製作の映画)

3.9

マジでバカ怖い。
独り暮らしのあらゆる場面にトラウマを植え付けてくる。
ビデオ版を先に見たことでラストにかけて1つの大きな謎がネタバレしてしまった。
これ単体で見ると怖い中でも頭を働かせないといけない
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.4

むずい。寝てまう。
静かに進む不穏な空気。
ジャケ通り鏡のような2人。
持続エクスポージャーみたいな。
脳みそに余力があるときにまた見よう。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

まあ、no time to die ですから…
良くも悪くもダニエルクレイグ版007の集大成。
本編中のガンバレルシークエンスのオマージュがかっこいい。
もっと4部作として打ち出せば分かりやすかったの
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.3

森田ですねぇ〜
これぞ映画という余白の残し方。
きっとジョーは…なんて考えたり。
エンドロールってのはこのためにある。

モチーフ遣いが上手い。2時間の中でカタルシスを創り出すには十分すぎる仕掛け。
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

3.6

素晴らしい映像。
頭でっかちで抽象的な言葉が並んで響かない。
富野の悪いクセが出ている。
映像美とΞ、ペーネロペーの作画の良さからは続く作品の期待値はかなり高い。

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.2

これこれ。ガイ・リッチーって感じ。
序盤ゴチャゴチャと伏線をバラ撒いて「こりゃ置いていかれる」と話に食いついてきたところで爽快なアクションにバサーっと伏線回収。
キャッチーな映画作りがほんとに上手い。
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.0

テーマがボヤケて終始ピンぼけ状態。
苦手な「イーストウッドが作る実話モノ」。事実は小説より奇なり、とはならない。
本人が演じているところは面白いがADHDものとしても対テロものとしても中途半端。
中だ
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

3.7

リュックベッソンのSF。期待を裏切らない出来。
絶妙にシリアスになりすぎないバランスの上でポップに仕上げる。この尺に収めるために良くも悪くも薄いか。選曲センスも流石の一言。

主演の2人は美男美女なん
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.4

こういうド真ん中ラブストーリーが結局泣けるんよ。3回泣いた。
モチーフの小物使いも上手い。主人公の孤独とヒロインの苦悩。普遍的で使い古されたテーマだが切り口は斬新。

自分もイスさん診たらフレゴリの一
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.8

主演2人の演技とそのバランスが素晴らしい。
ジェイク・ギレンホールの少年のように無邪気で真っ直ぐなキャラクターと、心の底で自分に嘘をつき続けているかのような目の演技が物哀しいヒース・レジャー。
2人が
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.3

マイケル・マンのアクションが良い。丁度いい骨太感。ラストもなんとも言えない良さ。
しかしクライマックスへの追い込みが急に安い。安すぎる。
途中から臭っていたハリウッドB級臭が爆発。全てを台無しにした。
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.2

ヤマなしオチなし
掴みは良かったがテンポが悪い
中盤からは「この映画アカン」雰囲気が漂い始めて
ああ…やっぱダメだったかという終わり方
大人しくスナッチ見る

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

自閉的な主人公の空想を現実とシームレスに繋げることで対比の境目を曖昧にし、不思議な共感が生まれる。

1階と高層階の対比やアンモナイトのモチーフ使いなど、忍ばせ方が上手くジワジワ効いてくる感じ。

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いまを生きる(1989年製作の映画)

4.0

今を生きる。命を燃やす。ボーイミーツストーリー。
詩のように人生は美しく、そして儚い。人生のように詩は唯一性と一回性を持つ。誰かに決められたり、誰かに批評されるものでは決して無い。
自ら選択すること、
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

3.9

ザ・身分違いの恋。ドストレートラブストーリー。
ズキュゥゥゥン→モヤモヤモヤ〜→ズギャァァァン。みたいな感じで、プロットとしてはよくあるっちゃよくある。
マジモンの愛は誰にも何にも邪魔されんのですよ!

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.5

なまぬるい。
劇中歌など無理やり良い話にしようとしていてリアリティが無くさむい。
宗教の兼ね合いもあるだろうが、そんな事で自己同一性を回復できるなら誰も苦労しない。

幾何学的な構図と対比させる視覚効
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