ひろさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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天外者(2020年製作の映画)

4.0

大阪商工会議所初代会頭、大阪商業講習所(大阪市立大学)·大阪造幣局設立など、大阪の経済·政治の発展に寄与した人物として認識していた天外者(テンガラモン)五代友厚が、生まれた鹿児島や遊学先の長崎で、江>>続きを読む

大コメ騒動(2019年製作の映画)

3.3

重い米俵を運ぶ仲仕(ナカセ)をしても子供に腹いっぱい食べさせてやれない漁師の妻。米の値段を吊り上げて大儲けする大地主。
その格差に物申したコメ騒動を独自の視点で描いており、悲しい出来事も含まれるが、見
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

3.0

「日本も戦争ができる国になる」ことを公言する総理大臣、PKOに派遣されたカンボジアで少女の痛ましい死に直面する自衛隊員、それらの状況から生み出された爆破犯人など、考えなくてはならない重いテーマが含まれ>>続きを読む

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ(2020年製作の映画)

3.8

田部井監督のムヒカに対する熱い思いが詰まった作品。
息子に歩世(ホセ)と名付けるのだから、その思いは本物。
ゲリラ闘争をし、10年以上も刑務所に入れられていたとは、ムヒカ氏の笑顔からは分からない。
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.8

実の父親しか知らない娘の名前を叫ぶナマハゲのラストシーン、その前に家に入れるかどうかガラス戸越しに対峙する妻(吉岡里帆)が見せる複雑な表情がこの映画の見どころだった。
また、主人公たすくの友人志波亮介
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わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

4.0

金正男を殺害するために、北朝鮮の工作員達が仕掛けた罠の深さに驚いた。
ドッキリ番組の仕掛け人にされた二人の女性は全く疑問を持つことなく人殺しの手先になり、その姿の一部始終は防犯カメラに記録されている。
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

玄関の扉が閉まる音が聞こえる最初の場面が、物語の重要な所だったことが後から分かる。
言葉しか知らなかった「特別養子縁組」を通して、14歳で子供を産む娘とその家族、養父母になる夫婦、子供の橋渡しをするN
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.3

福原聡子と幼馴染で憲兵になった津森泰治の駆け引きが緊張感を持ち、聡子と夫の優作がお互いのことを思いやった行動が絡み合い、最後は想像しなかった展開で終わる。
黒沢清監督の作品を初めて観たのは「Cure」
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おだやかな革命(2017年製作の映画)

3.2

渡辺智史監督は「よみがえりのレシピ」で、在来作物を育てる農家、それを料理にするイタリアンシェフなどの姿を綺麗な自然の景色を活かして撮っている。
この作品も、風力や太陽光、水力、木という自然の力を活用し
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赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

3.9

命の危険を犯しても真実を知るために取材を続ける記者ガレス·ジョーンズと、ピューリッツァー賞を受賞しながらもソ連の宣伝記事しか書かない記者ウォルター·デュランディの対比が面白い。
記者なら誰もが権力者の
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はりぼて(2020年製作の映画)

3.6

富山市議の政務活動費の不正請求を追求するチューリップテレビのドキュメンタリー映画。
証拠を突き付けられた議員は、おとぼけ−嘘−謝罪−辞職と同じ道を辿る。
そのうち、辞めない議員も登場し、市民も続く報道
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.0

東京新聞の望月衣塑子を題材にした映画「新聞記者」の藤井道人監督作品だったので鑑賞した。
「新聞記者」が、記者会見の場で安倍や菅を追求できない大手のマスコミに対し、鋭く質問して煙たがられる記者を主人公に
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戦争と平和(1965年製作の映画)

3.0

セルゲイ·ボンダルチュク生誕100周年を記念した2Kデジタル版での上映。
第一部アンドレイと第二部ナターシャを2020.9/10に、第三部1812年と第四部ピエールを2020.9/16に鑑賞した。
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LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.0

監視員がいる会場で椅子に行儀良く座らせられてロック音楽を聞く若者たち。
そんなソ連時代でも若者たちは音楽を作り・聞く青春を楽しんでいる。
電車やバスの乗客が歌を繋いでいったり、実写映像に落書きを入れ
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セロ彈きのゴーシュ(1982年製作の映画)

3.8

美しい星空とかすかに聞こえる虫の声で始まる、映像と音楽が素晴らしい映画。
高畑勲監督は「劣等感が強いゴーシュが猫やカッコー、狸、ネズミと拮抗することで成長した」と述べている。
演奏会後の打上げ会場のベ
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(2020年製作の映画)

3.1

7日間しか無かった昭和64年の出来事をきっかけに、昭和の時代を題材にした映画「64」を撮った瀬々敬久監督が、平成元年1月8日に生まれた漣と同級生葵との、平成31年4月30日までの平成時代を紡ぐ作品。>>続きを読む

太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年製作の映画)

3.6

高畑勲展でこの作品の展示を見たその日に映画を鑑賞したので、悪魔の妹ヒルダの心の動きなど、物語を深く楽しめた。
ホルスに対する村人の態度の変化など、現代社会でも起こりうる怖さもきっちり表現されており、5
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おかあさんの被爆ピアノ(2020年製作の映画)

3.8

爆心地から3km以内で被害を受けた「被爆ピアノ」を修理·調律し、自らトラックを運転して運び、全国でその音色を聞かせている矢川氏の存在を初めて知った。
矢川氏役の佐野史郎、お祖母さんとお母さんが暮らした
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.3

主人公サルバドールが子供の時に母と過ごした明るい生活と、映画監督としてスランプに陥っている暗い部屋での生活の対比。
家の補修をしてくれる職人に文字を教えて親密になった子供時代と、映画監督になってからの
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精神0(2020年製作の映画)

3.1

「精神」を見たのが2009年7月19日。それから11年。
作品の被写体はこらーる岡山に通う患者さんから、山本昌知医師と妻の芳子さんに変化している。
途中で挟まれる白黒の映像に映るテキパキした様子が無く
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.5

愛する人ができ、白人至上主義集団を脱会したブライアン·ワイドナーの実話に基づく映画。
この映画にはそんな集団からの脱退を支援する団体や入れ墨を消す費用を提供する匿名の女性も描かれ、社会の抑止力が働いて
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.5

「政治家になりたい」ではなく「政治家にならなきゃ」と、総務省(自治省)の官僚を辞めて2003年32歳で香川県1区の民主党候補として衆議院議員に立候補した小川淳也氏と家族らのドキュメンタリー。
抱っこさ
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ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

2.8

アレハンドロ·ホドロフスキーの作品は1990年に「サンタ·サングレ―聖なる血(1989年制作)」しか観ていなかったが、一つ一つの場面が記憶に残る程力強い映像で、監督への興味を持ち続けていた。
この作品
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.1

「ら·ら·ら〜·ら·ら〜·ら·ら〜·ら·ら·ら·ら·ら·ら·ら〜」の物悲しいメロディーと広大なひまわり畑から始まる映像が記憶に刻まれる。
情熱的に夫婦になった二人が戦争によって引き裂かれ、互いに愛情を
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野球部員、演劇の舞台に立つ!(2018年製作の映画)

3.8

突拍子もない題名だが、福岡県八女市の高校で実際にあった話しを映画化した。
ふて腐れた顔から、一皮剥けた表情に変化する主人公(望月潤)を演じた渡辺佑太朗、コミカルな三上先生役の宮崎美子、そして周りの生徒
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

4.3

「在りし日の歌」というタイトルが付けられたのは、劇中で「蛍の光」が節目節目で歌われるからだが、原題の「地久天長(とこしえに)」や英語題の「So Long, My Son」もこの映画の内容を良く表してい>>続きを読む

21世紀の資本(2017年製作の映画)

3.5

働いてもぎりぎりの生活をする多くの人達に対して、一握りの大金持ちがいる社会を、資本収益率(r)>経済成長率(g)の数式で表現したトマ·ピケティの「21世紀の資本」を原作とする映画。
再分配しない資本主
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

3.1

川から引上げられた沢山の死体。爆撃で亡くなった子供。床に残る血の跡。
そんな状況下で子供を育て、映像に記録したワアド·アルカティーブ監督の精神力に感服する。また、その映像を編集したエドワード·ワッツ監
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わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)

2.5

NHKアナウンサーからフリーになった堀潤監督が日本や世界各地に存在する“分断”を取材するドキュメンタリー映画だが、その視点は小さな主語。
事実を自分の目で確かめず、一個人の自分の考えを「日本人は」「み
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プリズン・サークル(2019年製作の映画)

3.6

大きな広間に集まる受刑者。穏やかに進められる討論。窓から見える花々や雪景色によって感じる四季の移ろい。みんな同じ服を着ていることを除けば、刑務所とは思えない。
ここでは対話することにより、自分の生い立
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

3.8

福島第一原発の崩壊の危機を救った東電社員や協力会社の従業員の姿と、遠く東京から指示する東電本社や官邸の姿を対比する。
当時関わった誰かを非難したり奉ったりするのではなく、日本全体の危機が、現場の努力と
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.9

対立する立場にいる三島由紀夫と東大全共闘の学生が、互いを罵倒することなく、熱く語り合う。相手の意見を自分の中で咀嚼して考えを深め、反論してゆく様は見応えがあった。
大学への進学率が2割程度で、エリート
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さよならテレビ(2019年製作の映画)

3.5

報道の仕方に悩むメインキャスター、本多勝一や鎌田慧を読み、芯が通っている契約社員、アイドル好きでフワッとした契約社員、政府が言う働き方改革をそのまま社内に適用しようとする重役など、色々な人で構成されて>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.0

これだけの閉塞感を表現した映画を中国で撮影できたことに驚いた。
満州里への旅の途中で映画は終わるが、四時間に込められた一人一人の一日を思い起こすラストだった。

つつんで、ひらいて(2019年製作の映画)

4.5

単行本のカバー、表紙 を作る
装幀に、これ程の手間がかけられていることを教えてもらった。
一冊の本は、著者の文章だけでなく、全体が芸術品だと、初めて分かった。

ラストレター(2020年製作の映画)

2.5

高校時代と現在を行き来する物語は面白かったが、乙坂鏡史郎が未咲を死に追いやった阿藤陽一と出会った場面を初め、淡白に描かれ過ぎているように感じた。