黒伊佐綿さんの映画レビュー・感想・評価

黒伊佐綿

黒伊佐綿

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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.2

ダスティンホフマンに傾倒していた約20年前に鑑賞。

何の違和感もなく共感したが、
公開日は更に20年以上も遡る事を考えると、
当時は社会に一石投じるような、新しい価値観を提供する存在だったのではなか
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

滝沢カレ◯さんではないが、ジブリ作品で最も好きな作品。

一つ前の「もののけ姫」が、
コンセプト盛りだくさん、メディア露出全開で仰々しい宣伝だったのとは対照的に、本作はとても大人しめの展開だったのを覚
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ダイ・ハード(1988年製作の映画)

5.0

自分史上最高アクション映画。

アクション映画と言えばスタローンやシュワルツェネッガーが代名詞だった当時、
CMを初めて見た当時の印象は
「この小さいオジサン誰?」
世の中に突然現れた稀代の傑作と知る
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機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

5.0

一体何度鑑賞した事か。
いつ見ても飽きず、今見ても楽しい。

原作と趣が異なり、
登場人物たち全員が主人公と言える展開も心地良い。

作品の時代背景の変化や、テクノロジーの革新が現代のそれと錯綜してい
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On Your Mark(1995年製作の映画)

4.5

当時VHSを購入し、何度も何度も繰り返し見たが、あれどこいったのやら。

ほぼ雰囲気のみで鑑賞していたので
時々何方かの考察を見かけては、
自力では計り得なかった作品の意図の検証に、都度感心させられた
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隠し剣 鬼の爪(2004年製作の映画)

4.7

由緒正しく黄昏清兵衛につづき鑑賞。
「時代劇映画が好きだ」と
やはり勝手に言いたくなる映画。

「幕末。愛に生きる侍がいた。」
この宣伝文句も良い。

こういう素朴さと儚さ、逞しさが同居する世界観に浸
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

1度鑑賞し、映画ラストとリンクする辺りまで原作を読み進めて2度目の鑑賞。

上映時間内で描き切れない部分や、ユキノリのストーリーなど、独自の編集も上手く原作のイメージを膨らませていると思う。
何より原
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変な家(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

奇妙な間取り図からの導入は斬新。
原作を本屋で見かけた時も惹かれる表紙だった。

が、内容はオカルトでミステリーではない。

所々に過去の和製ホラー映画へのオマージュを感じなくもないが、
ストーリーに
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

血生臭さしかない人生でも、
秋桜に手を伸ばす
穏やかな最後を迎えられた。
その道則を観させて頂いた印象。

思いやりと慈悲深さを感じる物語。

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年製作の映画)

4.5

青春のお祭り映画。
リアルタイムで渦中に居れた幸せ。

あれほど長い間夢中になって
情報という情報を追いかけ、
一喜一憂に満たされた未熟な時間が愛おしい。

思い出加点込みで。

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.2

二十歳ぐらいの時に観れたのがとても恵まれてた。

設定も演出もぶっ飛んでたが、
自身の人生にドラッグとの接点も皆目無いが、
彼らの心情や立場に妙な共感を感じたのを思い出す。

中でも、
沈んだ地面から
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

映画館で観なくて良かったと心底思う。

頭で分かったつもりでいても次の瞬間、
いともカンタンに見失う。
え、それってつまり…?なんて隙を見せると、
ストーリーに容赦なく振り切られていく…

何度も何度
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ナビゲイター(1986年製作の映画)

4.0

幼少期に観て、主人公の境遇に強く憧れた記憶が残っている。

のび太のような男の子が、
「特別」に選ばれるようなストーリーが
とにかく大好物だった。

今見ても当時の純粋さに到底敵わないけど
こういう朗
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

5.0

昭和男子にとって避けて通れない冒険。
オジサンの夢見がちな心を鷲掴み、
いつまでも燦然と輝きを放つ。

何処に居ても、BGMを耳にすれば
スイッチon

マーティの躍動的な所作も、
あり得ないスリリン
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

5.0

階段のシーンと、
ラストの「一杯やるさ」を聞いた後の記者の表情が好き。

主演ケビンコスナーはこれがベストかも。

ステート・オブ・グレース(1990年製作の映画)

3.7

U 2の音楽に乗せた予告編の出来が素晴らしかった。
その残像のおかげで作品に辿り着けたし、
その残像の力で今もこうして思い出せる映画。

ストーリーは暗く、救いがないが、
ショーンペンが好きなら、
1
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Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

4.0

もっと弾けられたキャスティングだったとも思えるが、この設定でこの俳優は、いつも観る前からワクワクする。

銃使った夫婦喧嘩なんて、リアリティをどこに置けばいいのやらなのに。

ブラピのユーモアは、カリ
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ヒート(1995年製作の映画)

4.8

市街の銃撃戦と言えば。

デニーロに傾倒している時分に見て、パチーノの目力に釘付けになった。

浪花節にも似た窮屈な美学。
仕事を遂行する時の研ぎ澄まされた空気。

ラストで立ち尽くすアルパチーノの、
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

5.0

元祖とは別の空気なんだろうけど、こっちのふざけた、
まあるいルパンワールドが好み。

男子の憧れるちょいワル像。
まるでスタンドバイミーのように童心に戻れる世界。

当たり前なのに
いつ見ても変わらな
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

間違ってるなと
どうしても指摘したい事が時々ある。
この映画の場合は宣伝文句。

「ラスト⚪︎分であなたは騙される」的なフレーズ。
ストーリーの仕掛けを事前に晒して面白くなりますか。これなんてタイトル
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真実の行方(1996年製作の映画)

4.0

生まれて初めて役者に騙された映画。

後にも先にも、空いた口が塞がらない体験はこの作品ぐらい。初見の一度きりしか観ていないが、鑑賞後に自分がフリーズした事を覚えてる。
ストーリー云々より役者。

全然
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ヒーロー 靴をなくした天使(1992年製作の映画)

4.5

ストーリーも面白いが、意外性のある展開ではない。
成るべくして成り、終わるべくして終わる。

誠実とは、勇気とは何かを問うてるように見えるが、
大事なのはそこじゃない。

好きな嘘を選ぶ。
どこか能天
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

4.3

ボリュームアップしたタクティカルな銃撃戦が魅力の2作目。

ストーリー云々より、主に狭い空間のバトルを楽しむ作品。
よく動くキアヌ・リーブスと、しょっちゅう飛んでいくマガジンが見ていて楽しい。

黒澤
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.5

世代の離れた友情は大好物。

ファーストネームで呼び合う、日本とはテイストの違う上下間の関係性を羨ましく思う。

この作品も素敵なシーンで溢れている。
中でも印象的なのは
ベン・アフレックがマット・デ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

5.0

人生の灯台のような作品。

間隔を置きながら何度か偶発的に見る機会があるが、どの世代になってもやっぱり哀愁を感じてしまう。
むしろオッサンになるほど、遠くなる幼少期の情景とのギャップにどんどん望郷を感
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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.8

当時、期待に満ち満ちた心境で映画館で鑑賞。

事実に基づくという点が、
ただでさえ眩しいヒッカム少年の希望と
その苦悩をより鮮明に映し出してくれる。

何といっても
力強く飛翔する彼のロケットの勇姿を
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.9

大泉洋が好きだが、カッコイイとは思ってない。

女子高生とバツイチ中年でこんなシチュエーション、ある訳ないやん!
と言い切れない儚げなリアリティがある。
とにかく店長のオジサン的ディテールが細かいのが
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.6

予備知識無しで視聴。

神様の扱いにご都合主義的な点はあるものの、何よりこのテーマに作品として立ち向かった覚悟を感じた。
少しでも多くの人の想いを取り込もうとする監督のメッセージが、映像や台詞回しから
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

3.9

オリジナルは観ずに視聴。

役所広司の時代劇を追っかけて辿り着いた作品だったが、稲垣吾郎の怪演に釘付けになる。
それが物語への没入感の後押しとなり、打倒殿様へ向け、歯を食いしばり拳を握り締めるような心
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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.8

ゆっくりと静かに進む珍しいガンダム。
映像は元より音質のクオリティが素晴らしく、また音楽も良いので、独特な台詞回しと相まって、ラジオドラマのように耳だけでも充分鑑賞できる。
王道の宇宙世紀を丁寧に、悪
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南極料理人(2009年製作の映画)

4.0

極寒の地で冷えた身体に、おにぎりを頬張りながら熱々の豚汁を流し込む高良健吾の、芝居なの?とても美味しそう。

食べる事の豊かな表現で、そのありがたみに気付かされる作品。
お腹いっぱいなら余計な事は考え
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RONIN(1998年製作の映画)

4.2

時代が代わり雇用主を失った傭兵たちの日雇任務。メンバー全員訳アリ風で何れも胡散臭い。
金か大義か、命を賭ける理由が分からないパートナー達との共同戦線は、いつでも裏切られるリスクが共存。
各人が自分の背
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.6

同じ時代を経てきた人間として、ただただ楽しい作品。
日本のカルチャーに対して、かつてこれほど愛情に満ちた表現を見た事がない。ガンダムをこんなに大切に、こんなにカッコよく扱ってくれるなんて。そのモーショ
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セッション(2014年製作の映画)

4.0

凄腕教師の底意地の悪さも、見終わればそれも人間らしさだったと思える。
文字通り血の滲む努力の日々。
人のエネルギーが生まれて尽きるサイクルを見た気がしている。
パッション溢れる芝居に没入。

手紙(2006年製作の映画)

4.4

昔の記憶だが、映画館で初めて人目を憚らず涙が出た映画。
兄の手を合わせる姿が切ない。

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