ヒトラーとナチズムをコミカルに描いて、ナチスの過去と排外主義が広がる現代の世相をだぶらせたような映画。ヨハンソンはじめ俳優は好演だし、暗くないストーリーは魅力。ただ、見落としてしまったのかも知れない>>続きを読む
日本の政治家群像劇としてはほとんど唯一成功した映画ではないでしょうか。役者に恵まれていますね。小道具の葉巻を使う点で森繁は余人をもって代えがたいですし、森繁吉田に相対するに若山クラスでなければ三木武>>続きを読む
1954年本多猪四郎監督、円谷英二特撮監督。評価は甘すぎるかも知れないが、戦後日本映画はもちろん戦後日本の存在そのものもゴジラという空想上の怪物がいなければ成立しなかった、言い換えれば本作なしで戦後>>続きを読む
1973年イギリス。後にアリ・アスター監督のミッドサマーのネタ元になった映画として再評価された。クリストファー・リーがハマーホラーに限界を感じて出演したカルトホラーだったと思います。ホラーファンの間>>続きを読む
三浦友和の父親の印象が強烈。しかしこの人物は現実の親父のデフォルメにすぎず、実際にはかなりいる気がする。逆にストーリー自体はあまりにも現実感が強すぎて虚構性を感じにくくすらある。そこをひっくり返して>>続きを読む
1987年アメリカ。アルカポネと取締官の対決を描いた有名なストーリーの映画化。コスナー、デニーロ、コネリーと名優揃いだが、有名な階段シーンでのガルシアの印象が残る。演出はデパルマらしいホラー・ショッ>>続きを読む
1976年アメリカ。ブライアン・デ・パルマの現代ホラー映画の傑作。今でも新鮮なのは、この時期に登場したニューアメリカンシネマが今日も映画のスタンダードだからかも知れない。主演のスベイセクははまり役で>>続きを読む
格差をテーマにした映画の一つだが、もっとも真っ直ぐで、身につまされる映像だ。淡々と、余りにも予想通りに展開することがせつない。最後の場面で読み上げられた言葉は現代世界の象徴だ。一人の人間として誇りと>>続きを読む
デル・トロ監督の日本の特撮映画愛を感じさせる作品。単なるものまねではなく水準以上の作品とは思うが怪獣よりもイエーガーの造形が優れているところに限界も感じてしまう。
半魚人と孤独な女性の恋の物語。デル・トロだけに見せる作りにはなっているがちょっと入りこめなかった。主人公の女性はどうしてこれほど半魚人を愛するようになったのか説得力が今ひとつだったのが原因かと。
デル・トロの傑作アクション・ファンタジーと思います。キャラクター、SFX、ストーリー、いずれも隙がない。繰り返し見ても飽きない緻密さです。デル・トロ作で続編ができなさそうのが残念ですね。
東海テレビが自局の報道現場を撮影したドキュメンタリー。制作プロデューサーさんがDVDでの発売など考えていないと言っていましたが、スタッフが顔出しで出ているので確かにこれは頒布できないでしょうね。近く>>続きを読む
2008年園子温監督。邦画では珍しい宗教問題を正面からテーマにした映画。そういう意味では遠藤周作原作の沈黙などと比べられるかも知れない。原罪意識と親子愛を結びつける構成も日本人らしい。
ただ、映画>>続きを読む
2010年園子温監督。実話の陰惨な事件にインスピレーションを得ているが、結末はだいぶ違う。でんでんの配役は面白いが、野卑な犯罪者というよりもなんだか殺人の求道者のよう。そうは言っても園子温は現代日本>>続きを読む
1980年アメリカ。懐かしい映画。ドタバタはちゃめちゃなストーリーにご機嫌な音楽がついてくる。最初に見たときも楽しかったし、今見ても楽しい。今なら許されないセリフ、シーンも一杯あるけれど、そんなこと>>続きを読む
1982年フランス。歴史を題材にとった政治劇の佳作。ワイダとドパルデューの組み合わせが見事。魅力あるブルジョワ・ダントンが革命家ロベスピエールと対峙し、権力闘争には敗れながらも自身の誇りを失わない姿>>続きを読む
1985年カナダ。人間の意識の曖昧さをホラーと絡めた傑作と思います。クローネンバーグお得意のぐちょぐちょ感でビデオを内臓に「挿入」するシーンが印象的でした。90年代のマトリックスに先行する哲学的問題>>続きを読む
超有名な頭バーン・シーンはテレビで見ても当時は結構衝撃。映画館で見た人はトラウマになったかも。この頃から特殊効果が進歩して人体を変形させるメークが可能になったという意味でも歴史的作品と思います。ちな>>続きを読む
アンジェイ・ワイダは、人間の自由を奪う権力の起源を問い続けた人だと思う。この映画は戦後ポーランド社会を背景に、若い女学生が体制によって隠された歴史を掘り起こす形で進んでいく。労働英雄を作り出した社会主>>続きを読む
1974年野村芳太郎監督、松本清張原作。テレビとの競争に負けて衰退しつつあった戦後日本映画産業の最後の華といってもよい大作。名優揃いの中で、加藤嘉の演技が胸に迫る。そして風景画が息をのむように美しい>>続きを読む
新感覚の戦争映画なのかも知れない。ただ、ストーリーには説得力を感じなかった。善玉悪玉が単純すぎるし、ラストに近くなるとどんでん返しのようなのだが、それで返ってストーリーが混乱する印象。戦争を回避する>>続きを読む
カイジのようなギャンブル映画に比べても原作の狂った雰囲気は実写には向かないと思うが、浜辺美波の演技で成立しているところに驚かされる。浜辺美波という女優がこれからどう育っていくか楽しみになる映画。
2015年アメリカ。1979年公開、メルギブソン主演で始まったシリーズの第2作は北斗の拳の元ネタ映画になり、ブレードランナーと並んでディストピア映画の代表となった。ギブソン主演作が3つ作られた後、ミ>>続きを読む
脚本演出の妙はさすがポンジュノ。ただ、パラサイトを先に見てしまった私は、この監督のうまさは当然視してしまう。テーマは社会的な道徳を超えた母の愛情という最も分かりやすい葛藤だが、この映画の核はキム・ヘ>>続きを読む
1980年アメリカ。スターウォーズのシリーズとしての方向性を決定づけ、スターウォーズをスターウォーズにした作品と思います。内容的にも、結果的に全九作中最も「スターウォーズらしい」、ギミックを交えた娯>>続きを読む
2013年白石晃士監督。モキュメンタリーホラーの傑作と思う。ネオ登場後の後半はモキュメンタリーというよりエクソシストものだが、短い時間にこれだけ詰まった映画は珍しい。最後のどんでん返しもなかなか手が>>続きを読む
2018年。ストーリーは事実と異なる点があるが、Queenのメンバー公認だし、脚色の範囲だろう。映画の出来もよいが、やはり対象となったQueenという存在が際立っていると改めて感じた。フレディは人生>>続きを読む
ほぼ主人公(キャスター役ジョンウ)しかいないスタジオが舞台で、そこに犯人の電話、プロデューサーの指示、政府役人など色々な介入がある。そして巨大構築物の破壊シーン。細部には色々無理があるけれど、俳優の>>続きを読む
レクター博士はヒッチコック「サイコ」が生みだしたサイコパス・ベイツの到達点だと思う。アンソニー・パーキンスはアンソニー・ホプキンスによって完成された?狂気と知性に満ちた目の輝き、口調とイントネーショ>>続きを読む
1964年キューブリック監督作。キューバ危機から2年後に、核戦争の瀬戸際で指導者たちが愚かさを発揮する姿を描いた、喜劇俳優ピーター・セラーズがイギリス人将校、アメリカ大統領、そしてナチス的発想を持っ>>続きを読む
アメリカンニューシネマの代表作の一つでロバートデニーロの名前を映画史に刻んだ作品と思う。デニーロは好きな俳優だが、彼の演技を1作選ぶとするなら私はこれ。ベトナム戦争で傷ついたアメリカ社会の背景を知ら>>続きを読む
B級コメディとして何も考えずに笑えて、最後はカタルシスもあって、という映画。手抜きなしの手作り感がいい。日本人にもなじみ深いドッジボールだけど、結構奥が深いんだろうか。機会があれば自宅大画面TVで見>>続きを読む
伊丹十三の快作。彼は名監督といってよいと思うけれど、私的にはこの作品のユーモアとペーソスの配分具合が最高。時代的にはバブル直前で、日本人が食にこだわりだした時代の感覚を巧く捉えているし、山崎努や加藤>>続きを読む
予算も俳優もB級なのは前提で、原作ファンにとっては原作の不思議な世界観を伝える努力は買えると思います。それにホラークイーン三輪ひとみの妹、三輪明日美が主役級なのでポイント甘め。本当はこういう所から監>>続きを読む
1980年アメリカ。ラブロマンス系は苦手なのでジャンルの傑作と言えるほど比較対象は知らないけれど、自分にとっては最高のラブロマンス映画。スーパーマン俳優と思っていたリーブさんも私にとってはこの映画が>>続きを読む
2016年庵野秀明監督。初代ゴジラファンとしてアンビバレントな印象です。
映画としては、初代ゴジラに次ぐメッセージ性が強く、よい作品と思います。庵野監督のエヴァ風演出も新鮮でした。緊張感のある演出>>続きを読む