ABBAッキオさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

  • List view
  • Grid view

の・ようなもの(1981年製作の映画)

3.7

 1981年森田芳光監督。森田監督の初メジャー作品とのこと。落語修行中の若者(伊藤克信、尾藤イサオ、でんでんら)が深い悩みではないが、何となく生きながら、時が移ろうさまを描いたような作品。秋吉久美子の>>続きを読む

逆噴射家族(1984年製作の映画)

3.5

 1984年石井聰亙監督。若き日の小林よしのり原案、脚本で日本ATGから配給の作品。夢の中古一戸建てに引っ越した平凡な家族(小林克也、倍賞美津子、工藤夕貴、有薗芳記)、そこに祖父・植木等が転がり込んで>>続きを読む

家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.1

 1983年森田芳光監督。本間洋平原作。一列に並んだ家族の食卓で時代を代表するイメージを刻印した森田監督の代表作。大藪春彦のバイオレンス・アクション映画の主演をしていた松田優作を大学7年生の家庭教師に>>続きを読む

黒い家(1999年製作の映画)

3.7

 1999年森田芳光監督。貴志祐介原作を角川のメディアミックス手法で映画化。生命会社社員の内野聖陽に接触してきた大竹しのぶと西村まさ彦の夫婦。妻の連れ子が自殺し、その保険金を執拗に請求してくる。次第に>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

2023年石井裕也監督。辺見庸の原作を主人公の視点を変えて脚本化したという(原作未読)。堂島洋子(宮沢りえ)は311の被災地を描いた小説で賞をとった作家だがそれ以降書けなくなり、重度身障者施設で非常>>続きを読む

人魚伝説(1984年製作の映画)

3.5

 1984年池田敏晴監督、白都真理主演。白都さんのインタビューで本作の存在を知り、早速視聴。アート・ディレクターズ作品で荒削りだがともかくパワーが凄い。本作は主演の白都真理の鬼気迫る演技なくしては語れ>>続きを読む

ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)

3.0

 1995年大河原孝夫監督、大森一樹脚本。平成ゴジラの最終話に位置づけられ、その流れを受けたゴジラジュニアが登場するが、ストーリーとしては1954年第1作の40年後を意識。1作の山根博士、芹沢博士の衣>>続きを読む

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

3.3

 1989年大森一樹監督。平成ゴジラ第1作(実質的には1984から新シリーズの流れ)。平成ゴジラはパスしてきた自分だが、BS12で放送されたので視聴。出演者はそれなりに豪華だし(沢口靖子の出落ちと昇天>>続きを読む

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

3.3

 2012年白石晃士監督。モキュメンタリーホラーが白石監督の表の顔だとするなら、暴力を直視するような映画が裏の、あるいは本音の顔なのだろう。さまざまな形で暴力を受けた人間が集められ、宇野祥平演ずる謎の>>続きを読む

バチアタリ暴力人間(2010年製作の映画)

3.3

 2010年白石晃士監督。安物の心霊ビデオを生業にしている白石監督の所に、二人の乱暴者が俳優として乱入し、インチキ教祖(佐川銀次)のお祓いの場に乗り込んだが、二人のために無茶苦茶に。後半にはちゃめちゃ>>続きを読む

必殺!III 裏か表か(1986年製作の映画)

3.8

 1986年工藤栄一監督。必殺の劇場版3作目。バブル前夜の時代、金融屋を中心としたストーリー。川谷拓三が金融屋を脅して逆に殺害される腐敗同心、その妻の松阪慶子は実は闇の仲介屋の娘で事件をきっかけに仲介>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

2.5

 2022年アメリカ。たまたまUNEXTで目に入ったので見たが、あまり見所のなかったホラー。ポルノ映画撮影のクルーが田舎の老夫婦の住まう農家に撮影で訪れ、例によって餌食になる、というC級ストーリーだが>>続きを読む

白い巨塔(1966年製作の映画)

4.0

 1966年山本薩夫監督。山崎豊子の原作を映像化。これが初映像化だったのだろうか。田宮二郎演じる財前五郎・浪速大学第一外科助教授が主人公で、彼の出世欲と、医学界の権力闘争、その中で軽く扱われる患者、と>>続きを読む

全身小説家(1994年製作の映画)

4.2

 1994年原一男監督。「ゆきゆきて、神軍」からの原一男監督作品、UNEXTにて視聴。1992年に大腸癌で亡くなった小説家、井上光晴の晩年を追い続けたドキュメンタリー映画。本人が肝転移について診断を受>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

3.8

 1987年原一男監督。UNEXTにて視聴。ニューギニアで独立工兵第36連隊に従軍し、戦後、天皇の戦争責任を問う立場から孤立して反体制運動を行った奥崎謙三を追ったドキュメンタリー映画。公開当時大反響だ>>続きを読む

FAKE(2016年製作の映画)

3.5

 2016年森達也監督。2014年、疑惑の作曲家として大騒ぎになった佐村河内守氏の家庭に入り込んで撮影したドキュメンタリー映画。UNEXTにて視聴。佐村河内氏に密着しつつ、彼らを訪れるテレビ局スタッフ>>続きを読む

金田一少年の事件簿 上海魚人伝説(1997年製作の映画)

3.5

 1997年堤幸彦監督。日テレで大人気となった、堂本剛・ともさかりえ主演の金田一少年の事件簿シリーズの最後を飾る劇場映画作品。実際に上海ロケが行われており、今見ると当時の上海風景が映像化されているのも>>続きを読む

1980(イチキューハチマル)(2003年製作の映画)

3.5

 2003年ケラリーノ・サンドロビッチ監督。U-NEXTの鑑賞。1980年のジョン・レノンが殺害された翌日に始まる物語。主演のともさかりえはB級アイドルを辞めて教育実習生として高校に来る。そのクラスに>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.2

2023年森達也監督。関東大震災100周年で、日本人の大半が知らない福田村事件を題材にした映画作品が封切られた。讃岐の被差別部落から、薬売り行商で旅する一行が関東大震災直後に千葉の福田村を訪れ、朝鮮>>続きを読む

怪談昇り竜(1970年製作の映画)

3.5

 1970年石井輝男監督。ロマンポルノに活路を探る直前の日活が石井輝男に撮らせた怪作映画。主演梶芽衣子がまだふっくらと若く、殺陣も未熟さが見えるがすでに凛とした風格を感じさせる。任侠で始まるのに化け猫>>続きを読む

富江(1999年製作の映画)

3.0

 1999年及川中監督。伊藤潤二原作の「富江」を翻案した作品だが、質的には自主映画のノリ。ただ、菅野美穂、田口トモロヲ、洞口依子など演技力の高い俳優が出演している。特に富江役の菅野美穂の無気味な雰囲気>>続きを読む

フォークロア:モンダル(2018年製作の映画)

3.0

 2018年韓国。HBOアジア企画の伝承を踏まえたホラー競作第6話。前半はストーカー気質の高校生が主人公だったが後半はその母親が主人公。ちょっとストーリーにまとまりがない。

フォークロア:トヨール(2018年製作の映画)

3.5

 2018年マレーシア。HBOアジア企画の伝承に関連したホラー競作第5話。横暴な父のようになりたくないと願っていた主人公だが、ある女が目の前に表れて……、という話。比較的展開が読みにくく、ひねりもあっ>>続きを読む

フォークロア:POB(2018年製作の映画)

3.7

 2018年タイ。HBOアジアによるアジア諸国のホラー競作企画第4話はタイ。ネット記者が幽霊と出会い、その思い出話を聞く話。幽霊がアメリカ人在住者と出会う話など、ユーモラスな部分もあり、予測不能な点で>>続きを読む

フォークロア:名もなき者(2018年製作の映画)

3.4

 2018年シンガポール。HBOアジアによるアジア各国のホラー競作シリーズの第3話はシンガポールから。工事現場で発見された若い女性死体には首に釘が打ち込まれていた、という出発からの怪異譚。ストーリーに>>続きを読む

フォークロア TATAMI(2018年製作の映画)

3.3

 2018年斎藤工監督。HBOアジアの企画でアジア6カ国の監督が民話を土台にした短編ホラー映画を連作したシリーズの第2弾。日本編は斎藤工が監督し、北村一輝主演。過去の怨念が埋め込まれた畳をモチーフに、>>続きを読む

デモンズ4(1991年製作の映画)

3.0

 1991年アメリカ(クレジットはイタリア語だが)。ミケーレ・ソアヴィ、ダリオ・アルジェントのコンビ制作のためか、原題は「カルト宗派」と内容そのままなのに、日本ではデモンズ・シリーズで公開されたようだ>>続きを読む

フォークロア:母の愛(2018年製作の映画)

3.3

 2018年インドネシア。HBOアジア・オリジナルのホラー連作。本作はインドネシア版。貧しく、家を追い出された母子が出会う怪異と、母子の絆を確かめる話。インドネシア版「怪談」かな。

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.3

 2023年斎藤工監督。神津凛子原作の映画化、斎藤監督作品は初見。原作未読なので分からないが、映画からはヒトコワ、超常現象、家族の呪い、家ホラーといったいろんなジャンルの要素を組み合わせた作品と思える>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.0

 2003年今敏監督。Memoriesで「彼女の想いで」の脚本を書いていた今氏の作風が発展しているのを感じる、人間ドラマアニメ。クリスマスの夜にホームレス3人組が拾った赤ん坊を巡ってさまざまな人間模様>>続きを読む

未知への飛行(1964年製作の映画)

4.3

 1964年アメリカ。UNEXTにて視聴。キューバ危機から2年、キューブリックの傑作「博士の奇妙な愛情」と同じ年、シドニー・ルメット監督が風刺ではなく正面から事故による核戦争の恐怖を描いた作品。原題F>>続きを読む

魔の巣 Manos(1966年製作の映画)

1.1

 1966年アメリカ。なぜこの映画を知ったのかすら思い出せないが、最低映画の一つとして興味本位に見た。「死霊の盆踊り」の翌年にこんな最低映画がつくられたとは。棒読みセリフ、やたらと登場する女優がペッテ>>続きを読む

死霊の盆踊り(1965年製作の映画)

1.4

 1965年アメリカ。以前にどこかで視聴したが書き忘れていた。B級映画のカルト・クラシックと呼ぶのはB級に失礼だろう。原題は「死者のご乱行」だが、この間延びした内容では邦題の方がふさわしいだろう。最低>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.1

 2022年カナダ、ギリシャ。クローネンバーグ監督の最新作。ビデオドローム以来のファンとしては期待通りの雰囲気で楽しんだ。90年代にすでにできていた脚本を映像化したそうだが、モチーフとしてはビデオドロ>>続きを読む

ランボー3/怒りのアフガン(1988年製作の映画)

2.8

 1988年アメリカ。スタローンのロッキーに次ぐ当たり役、ランボー。ベトナム帰還兵のランボーが3作目ではアフガン作戦に参加し、ムジャヘディンと共にソ連と戦う。中身の出来はともかく、ベトナム戦争の挫折感>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

3.5

 2012年白石晃士監督。コワすぎ!でこれだけレビューしていなかった。シリーズ第2作はおまぬけ連中が入った廃墟で出会ったらしい「震える幽霊」の投稿ビデオの探索。前回からの呪具も使い回し、塩らしかった市>>続きを読む