ABBAッキオさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

3.2

 1987年アメリカ。80年代のスプラッタ系ホラーの嚆矢となったサム・ライミ監督の前作に対して、今回は続編でもリメイクでもない、セルフ・パロディとなっている本作。主演は前作と同じだが、前作の話の続きで>>続きを読む

死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.7

 1981年アメリカ。サム・ライミの商業映画デビュー作かつ代表作の一つ。現代Evil Deadは悪霊というべきなのだろうが、死霊のはらわた、と不思議なタイトル。邦題で「死霊の○○」が流行していたのだろ>>続きを読む

ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり(1985年製作の映画)

3.5

 1985年アメリカ。ブライアン・ユズナのプロデュース、ラブクラフト原作の翻案、リアニメーター。薬品で死体を蘇らせるからゾンビとバイオでZombioはまだ許せるとして、「死霊のしたたり」って何だ?とい>>続きを読む

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)

4.0

 1958年イギリス。B級ホラーの代名詞、ハマー・フィルムの中でも金看板となったドラキュラ・シリーズの記念すべき第1作。ブラム・ストーカーの原作に基本的に沿った作品だが、クリストファー・リー御大演じる>>続きを読む

妖女ゴーゴン(1964年製作の映画)

3.0

 1964年イギリス。ハマー・プロによる怪奇映画の一本。古代神話の妖怪ゴーゴンの系譜が登場するが、見たものを石に変えてしまうゴーゴンは正直映画では扱いづらい。立って見つめて相手が石になるだけなので。そ>>続きを読む

新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.8

 1975年東映。東京発博多行新幹線を舞台としたパニックもの。山陽新幹線がこの年に延伸されて岡山-博多間が開通したからこのタイミングだったのだろう。1970年代には空港やビル火災のパニックものが流行だ>>続きを読む

殺人捜査(1970年製作の映画)

3.2

 1970年イタリア。全く知らなかったが「モリコーネ」で存在を知り、U-NEXTで視聴。イタリアの警察、権力の腐敗を皮肉った、左翼運動全盛期らしい作品だろうか。オーウェル的な全体主義的権力批判の趣が強>>続きを読む

ミッション(1986年製作の映画)

4.0

 1986年イギリス。映画「モリコーネ」でこの映画を思い出し、配信で視聴。1980年代のepic映画の一つ。1750年代に南米奥地に布教活動で入ったイエズス会宣教師の姿を描く。ともかく自然の風景が雄大>>続きを読む

飢餓海峡(1965年製作の映画)

4.0

1965年内田叶夢監督。1947年函館で起きた強盗殺人事件は大火の原因となる。3人組の犯人は青函連絡船で逃亡を図ったが嵐の中で1人(三国蓮太郎)のみが生き残る。逃走を続ける三国が出会った宿女中(左幸子>>続きを読む

A2(2001年製作の映画)

3.2

 1998年森達也監督。前作「A」に引き続き、オウム真理教の生活内部に入り込み、記録をとり続けたドキュメンタリー。オウムは分散し、あちこちへ流転を予備なくされている。住民との交流がある場合もあるが、ほ>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.7

 2021年イタリア。映画音楽で不朽の名作を書き続けた作曲家エンニオ・モリコーネ。2020年に亡くなったこの大作曲家が本人の長時間のインタビューを軸とするドキュメンタリーを残してくれたことに感謝しかな>>続きを読む

迷宮物語(1987年製作の映画)

3.2

 1987年角川春樹プロデュース。りんたろう、川尻義昭、大友克洋という80年代アニメの旗手とも言える3人がそれぞれ短編を制作したアニメ集。りんたろうの「ラビリンス×ラビリントス」に川尻の「走る男」と大>>続きを読む

インスマスを覆う影(1992年製作の映画)

4.0

 1992年TBS、小中千昭脚本。ラヴクラフトの原作を日本のストーリーに翻案し、テレビ放送で作成したカルト的作品。主演の佐野史郎の趣味が色濃く反映されている。原作はラヴクラフト作品でも比較的よくまとま>>続きを読む

「A」(1998年製作の映画)

3.9

 1998年森達也監督。ドキュメンタリー作品として非常に著名。オウム真理教の麻原以下主要幹部が逮捕された後のオウム教団に密着し、その日常を描く。1996年頃のオウムの姿であり、中心は荒木浩氏。ただしオ>>続きを読む

PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(2020年製作の映画)

3.2

 2020年上中下3編版を視聴。主人公が男性コンビになった3シーズンの続編とのこと。3シーズンを見る前に見たので人物、人間関係の理解がちょっと追いつかなかった。2シーズンでは事なかれ主義の権化のように>>続きを読む

MEMORIES(1995年製作の映画)

4.0

 1995年大友克洋企画の3本の短編アニメ集。いずれもさすがに出来がよく、大友作品としてもっと広く知られてよい作品と思う。

『彼女の想いで』ロマンチックなSFだがホラー臭もある。映像とオペラ音楽の組
>>続きを読む

コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.5

 2022年田中亮監督。地上波放送にて視聴。テレビでヒットした詐欺師グループの活躍を描いたシリーズの映画版最新作。出演者が豪華で、中心の長澤まさみ、小日向文世、東出昌大は安定。まあストーリー的にはどん>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.8

2015年佐藤信介監督。日本のゾンビ映画としては秀逸、という評判は以前から聞いていていつか見たいと思っていたがなかなか見る機会がなく、ようやく配信で視聴。まずは評判通り、たしかにゾンビ映画としてよく>>続きを読む

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.5

 1964年日活、中平康監督。横浜を舞台に、虚無的に生きる小悪魔的な女ユカ(加賀まりこ)と彼女を愛人とするパパ(加藤武)、彼女に恋する若い船員(中尾彬)を軸にする関係を白黒画像で描く。ユカは誰かと寝る>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.2

 2022年吉野耕平監督。辻村深月の原作マンガを映画化。原作未読。吉岡里帆が新人アニメ監督、中村倫也が吉岡のあこがれかつライバルとなる天才監督、柄本佑が吉岡のプロデューサー、尾野真千子が中村のプロデュ>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.7

 2021年芥見下々原作マンガのアニメ化。テレビシリーズ化された虎杖が主人公となる呪術廻戦の前日譚、という位置づけだが作品としてはこちらが先。幼ななじみの理香が特級呪霊として取りついている乙骨憂太が主>>続きを読む

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)

2.5

 2022年河瀬直美監督。IOC公認の東京五輪(2020という2021年に行われた大会)記録映画の2部構成第2部。競技ではなくその運営を取り巻く話で当然ながらコロナによる延期が大きな話題。しかし森会長>>続きを読む

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)

2.2

 2022年河瀬直美監督。IOC公認の東京五輪公式記録映画で、2部構成の第1部。この奇妙なイベントの奇妙さの記録としてはふさわしいような映画。コロナで1年延期されたにもかかわらず、なぜか東京2020と>>続きを読む

ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

3.5

 2020年前田悠希監督、渡辺あや脚本。NHKで放送されて反響を呼び、劇場映画となったらしい、京都の学生寮問題をテーマとした映画。京宮大学の近衛寮となっているが京都大学の吉田寮であることは明白。寮問題>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.8

 1972年アメリカ。言わずと知れた20世紀映画を代表する名画の一つ。コッポラ監督、マーロン・ブランド、アル・パチーノらの名前を映画史に残した傑作だ。イタリアからアメリカに移民し、自らの力で裏社会のド>>続きを読む

ヤマトよ永遠に(1980年製作の映画)

2.9

 1981年。テレビ映画版「新たなる旅立ち」を経た劇場版第3作。暗黒星団帝国が今度は地球に侵攻して制圧、古代進と森雪は離ればなれ、古代守は亡くなり、スターシャとの娘サーシャが短期間で成長し、ヤマトのク>>続きを読む

宇宙戦艦ヤマト 完結篇(1983年製作の映画)

2.8

 1983年。昭和の宇宙戦艦ヤマト・シリーズの最後。当時大学生だったが、自分にとってはずっと見てきたヤマトの出がらしバージョンという印象だった。何しろ沖田艦長が実は生きていたというのではこれまでのスト>>続きを読む

宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち(1981年製作の映画)

3.2

 1980年。白色彗星との死闘で完結したはずのヤマトだったが、西崎義展氏のこだわりから続編制作が決まり、劇場版の前提としてテレビ映画として放映された1作だったと思う。白色彗星編である意味敵の強さもヤマ>>続きを読む

ヒポクラテスたち(1980年製作の映画)

4.3

 1980年大森一樹監督。ちょうど世代的に大学生だった自分にとってとても懐かしい映画。大森一樹作品の最高傑作だと個人的には思っている。京都府立医大の医学生をモデルに描いた青春群像、という映画だが登場人>>続きを読む

007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

3.5

 1964年イギリス。初めてTVで見たオトナの映画だったと思う。ともかく女性が裸に出てくるのに驚き、その女性が金箔になったところで衝撃を受けた。主題歌といい、シルクハット男といい、今から考えても当時の>>続きを読む

ばるぼら(2019年製作の映画)

2.2

 2019年手塚眞監督。手塚治虫の1970年代の原作を、生誕90周年を記念して映画化した作品。稲垣吾郎が流行作家、二階堂ふみが作家の前に現れる、謎めいた女ばるぼらを演じ、創作のインスピレーションをもた>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.7

 2022年是枝監督。当代日本を代表する是枝監督が韓国の代表的俳優ソンガンホらと共に完全に韓国で制作した映画。ストーリーは是枝監督らしい家族を問いなおすテーマで、赤ちゃんポストに来て子どもを置き去りに>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.6

2021年瀬々敬久監督。東日本大震災で家族を失った人々が生活保護の制度をめぐって苦しむ姿をミステリーと絡めて描いた作品。芸能事務所アミューズの企画とのことで桑田佳祐が主題歌を歌っているのもその縁かと>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.5

 2022年アメリカ。1980年代ハリウッド映画の代表作の一つトップガン。その続編が30年以上を経て制作された。トム・クルーズは前作同様の超絶戦闘機パイロットのヒーロー、前作では名前しか出なかった元恋>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.3

 2022年米国。ジョーダン・ピールの新作。ハリウッドに映画用の馬を提供してきた牧場のある村で起きる奇妙な出来事をめぐる映画。ピールらしい演出の妙はあるし、大自然とそこで発生する怪異の描写映像は迫力が>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.7

 2022年濱口竜介監督。村上春樹の短編原作を脚色して3時間の長時間映画とした。なかなか見ることができなかったが航空機内で鑑賞。長すぎるとの批判も聞いていたが、この映画の描き方からすれば長いとは感じな>>続きを読む