ヴぇるさんの映画レビュー・感想・評価

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DEEMO サクラノオト あなたの奏でた音が、今も響く(2021年製作の映画)

2.1

美しい原作アプリを映画化するにあたり、引き伸ばしのための無駄で不必要なキャラと余計なアレンジを加えると今作の出来上がりだ。

原作はセンチメンタルな悲壮感の中に少しの希望と心細さが合わさって美しい旋律
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

事前に情報を全く入れずに視聴したため、やや不安もあったが、映像の質はOPの5分で保証されており安心してスタジオジブリ、宮崎駿の世界に浸れると安心した冒頭であった。

ただ、やはりというかこの制作会社は
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

素晴らしいの一言だ。
私はミュージカルやミュージック映画が好きでそこそこの数は見てきたが、ここまで音楽に圧倒され魅了され、息を吸う事も忘れて酔いしれた経験は未だかつて無い。原作的に言えば視聴数時間後も
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.8

山に人生を懸けた男の美しきアニメーションだ。

谷口ジローの漫画は過去に読んでいたため内容は分かっていたが、連載は2000~2003年にかけてであり、20年経った今劇場化したのは中々勇気の居る判断だっ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.1

3.11に関連した映画は少なくないが未だ傑作といった作品は現れておらず、新海誠がこの題材を扱って映画としてのパッケージとして仕上げた事には意義があったと思うし、アニメ映画としての質は高く、良く仕上がっ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.7

個人的にスラムダンクは歴代最高の漫画のベスト10には入る程好きな作品であり、3DCGに関しては今すぐ世界から作成者が居なくなって欲しい程嫌いなので、非常に評価を付けづらい作品なのだが結果として高評価に>>続きを読む

赤線地帯(1956年製作の映画)

3.9

個人的に私の好きな邦画のベスト5に入る作品だ。
戦後の吉原で働くしかなかった娼婦達の生き様がそれぞれ描かれている悲喜劇だ。作品自体は軽いテンポで進んでいき、あっという間にこの年代の雰囲気に溶け込むこと
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浮草(1959年製作の映画)

3.2

日本史上最も優れた恋愛映画と評される作品である浮雲と勘違いして視聴を始めたのが今作との出会いになったが、よくよく見れば小津安二郎監督の作品であった。

序盤は軽いタッチで進行しており軽快なリズムと共に
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

2.8

早々から荒々しい写し方で正にごった煮の様な様相を呈している。当時の観客を惹き付けるためにこの手法を取ったのだろうが、何が何だか分からない。10分すぎてからようやく会話と話の流れが掴めるレベルである。>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.0

正に日本人のための日本のドラマだ。
家族、生活、離別の全てが詰まっており、これから先何十年経とうと色褪せることは無いだろう。それ程に日本の生活を写し出している。また、キネマ旬報「日本映画オールタイムベ
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昭和残侠伝(1965年製作の映画)

3.0

正に任侠と仁義の世界であり、戦後の世界ヤクザの雰囲気を多少味わえるものとなっている。が、大作と言えるほどでもなく、全ての人間の演技が素晴らしいか?と言われればそうでも無い。やはり現代を生きる人間にとっ>>続きを読む

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.1

個人的にロードムービーの中でトップ3に入る最高の作品だ。最年少助演女優のオスカー像を獲得たり、73年公開だがあえてモノクロで演出したりと逸話や小ネタがたっぷり詰まった魅力的な作品でもある。

話自体は
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アナと世界の終わり(2017年製作の映画)

2.9

ステレオタイプのティーンミュージカル映画だが、そこにもう1つのゾンビという要素を加えた時どうなるか、という映画だ。

基本的にハリウッドの学園モノは女優の卵の演技か、1人の大物、もしくはジョークの質で
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キャタピラー(2010年製作の映画)

2.6

設定の時点でインパクトは強く、さらに戦争に絡めている点においてどこまで重く深く掘り下げるのかに興味を持っての視聴になったが、予告編のインパクトほどの内容では無かった。

基本的に人の内面を映し出して行
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.3

開始10分までは今ひとつ心が乗り移る程ではなく、画面上に映る観客との温度差に苦心していた。
が、恐らくこの映画はスマホの小さな画面でも家の中で見るものでもなく、劇場で見るべきの映画なのだろう。
余計な
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.6

聴力に問題を抱える家族を描いた1作だ。

今作は作品賞と脚色賞、父親役のトロイコッツァーがノミネートされている。加えて配給がGAGAで相変わらずの素晴らしい予告編だ。しかし予告編の出来が良すぎるためそ
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.6

ギャング映画の中では非常に取っ付きやすく、最後まで暗くて重たい雰囲気を漂わせることも無く気楽に見えるという意味では万人に受け入れやすい名作だろう。

役者陣の演技は私が言うまでもなく一流であるがゆえそ
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.2

優しさはあるが余りにも大き過ぎる嘘は扱い方を誤れば最悪の悲劇になりうる。今作はその扱いが少し難しすぎたために受け手によって評価が別れる作品になってしまったように思う。

まずはミュージカル部分の曲調は
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

2.4

良くいえば現代のティーン世代における映画の入門編ともいえるラブロマンスだ。
2000年代初頭よりその時代においての若者向けの恋愛映画が作られて来た近年でのヒット作で、興収面において優秀な記録を収めた。
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海街diary(2015年製作の映画)

3.6

一言で表せば美しい映画だ。役者の素晴らしい演技、うるさ過ぎない演出、やり過ぎない脚本全てが調和し完璧な2時間を作り出している。

是枝監督の映画はホントに好きだ。
ただ1つだけ唯一苦言を呈すれば、音響
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解夏(2003年製作の映画)

2.6

ハッキリ言ってただただ浅い長崎観光協会のPR映画だ。
この土地は良いところですよー、皆さん来てください、聖地巡りにどうぞ。というのが透けて見える。もはや映画作りの際の接待や金の流れすら思考が巡るレベル
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パパが遺した物語(2015年製作の映画)

3.8

個人的に非常に評価の高い父と娘の物語になった。

脚本のひとつはよくある形で、貧困の中娘を何者かに取られまいとする父親の奮闘を描き娘との愛を確かめるパートとそこから物語を進め、その愛を受けながらも結局
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.1

公開当時この手の映画は私に先ず合わないし、何よりもジャケ絵が嫌いなタイプであったのでセンスが違うと敬遠していた作品の視聴だ。
実際視聴途中では笑いが漏れるシーンや粗が目に付いてしまい、ハッキリ言ってイ
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きみがくれた未来(2010年製作の映画)

3.0

小説の映画化であり雰囲気はわるくないが、パンチに欠ける。一言で言ってしまえば、ザック・エフロンのアイドル映画の様に感じてしまった。

正直最初の20分が過ぎた後は感情が揺さぶられることはなく予告で見た
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.1

正直自分には全く合わない作品だと思っており、気付けば公開から何年も経っていた。そしてなんとなく気分で視聴を始めたがネガティブな気持ちはたった10分で消え去り、最後まで見終わると同時に当時劇場へ足を運ば>>続きを読む

親愛なるきみへ(2010年製作の映画)

3.4

軍に属する男と夢を追いかける女性との時間について考えさせられるラブストーリーで、遠距離恋愛やコロナ禍において合うことが出来ない現状では刺さる人が多いであろう作品だ。

大まかな印象としては、王道のロマ
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星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.6

秒速を世に送り出すも当時は知る人ぞ知る素晴らしい作品という扱いだった新海誠監督の次作である。

分かりやすい制作会社のオマージュを感じることはあるが、作品自体の出来はいいと思う。
起承転結はハッキリし
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.6

やはり新海誠の初期の作品は私に刺さる作品だ。
よく最近の作品で主人公が暴走することを新海節と勘違いしてる人がいるが、それは違う。10代の登場人物達が心の葛藤を独白に似た形で吐露している。そこには余計な
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.9

現情勢下において人々の心の鬱憤を洗い流し清々しさと気持ちよさの残るミュージカル映画の傑作だ。

作品の頭から最後までカリブの雰囲気を前面に押し出し、明るく陽気でまるで旅行に行ったような疑似体験を与えて
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

3.9

ベルリンの壁崩壊辺りの時代設定の映画としか前情報としか受け取っておらず、期待感は特になく視聴したが開始5分で心を奪われた作品になった。
バイオレンスかと思えばロックの音楽と控えめな色調と最高なセンスの
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

3.0

死んだ父親を生き返らせるために行動を起こし家族愛を深めていく。そんな映画だ。

しかし、登場人物全員が特に大きな問題を抱えているわけではなくティーンならではの悩み程度であり、家族仲も元々良好であるため
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ジャイアント・ピーチ(1996年製作の映画)

3.4

言わずと知れた『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の監督作品であり、ティム・バートンも政策に関わっている。

正直スタートの実写シーンではワクワク感が一切なくツッコミどころが多かったためこの映画と付き
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マレフィセント(2014年製作の映画)

2.5

言わずと知れた『眠れる森の美女』関連作品であり立ち位置的にはリメイクに当たると説明されている。
興行収入では大成功を収めており北米で2億2600万ドルを稼ぎ出しており、日本においても50億以上の荒稼ぎ
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

3.5

2021年アカデミーで長編アニメーション賞、作曲賞に輝いており、ゴールデングローブ、アニー賞共にいくつかのタイトルを獲得した作品でありコロナ禍で苦しかった映画界の中では見るべき思わせる様な作品だ。>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.5

90年代から時を同じく共に歩んできた結果、当時の尖っていた評価されていた点は最近のシネコンに書き換えられており、味のある作品とは言えなかったが、全体的にエヴァの風味は失っておらず、解説も的確であり見や>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

3.6

2021のオスカー作品賞の対抗馬としては申し分ない出来であったと言える。
恐らく国際映画賞で出ていたらオスカーは確実である作品でありアカデミー好みの他国の慣習や思想を扱っているため作品賞でのまさかは有
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