トミーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

トミー

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街の灯(1931年製作の映画)

4.5

サイレント映画でこれ程までに完成されている作品はほとんど無いだろう。
ボクシングの喜劇も、ラストのチャップリンの演技も一挙手一投足に至る全てが素晴らしい。
チャップリンが何故今日に至るまで評価されてい
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.8

短く纏まっていて面白かった。
後世に多大な影響を与えたフランケンシュタインの怪物の造形、演技は必見。
人間の都合で作られて殺される運命の怪物には同情を禁じ得ない。
ホラー映画の傑作の一つ。

魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)

3.7

なかなかに面白かった。
ルゴシ演じるドラキュラの妖しく優雅な物腰は今現在のドラキュラ像に繋がっている。
レンフィールドの変わり様も印象的で全体的に俳優陣の演技が良かった。

タブウ(1931年製作の映画)

4.0

南洋の島の風習に従い禁忌となった娘と、彼女に恋した青年のラブストーリー。
島の踊りの華やかさやエキゾチックさは心惹かれるし、その後物質主義的な外の文化に囚われてしまった青年の不幸は現代に通ずる普遍的な
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ル・ミリオン(1931年製作の映画)

3.8

ストーリーが山中貞雄の「丹下左膳餘話 百萬両の壺」に似てた。
前情報無しで観たのでいきなりミュージカル調になって驚いた。
全般的に喜劇なので観やすいけど、ラストがちょっと呆気なかった。
でもオペラのシ
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大地(1930年製作の映画)

3.7

エイゼンシュテインやプドフキンのような鬼気迫る熱はあまり感じなかったが、彼らとはまた違う力強さを感じた。
機械化に喜ぶ農民と富農の対立というありふれた内容だが、風景の美しさや機械のエネルギッシュさが良
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黄金時代(1930年製作の映画)

3.6

プロットらしきものはあったので前作の「アンダルシアの犬」よりかは分かりやすかった。
だけど子犬や視覚障がい者を蹴ったり子供が死んでもそんなことで済ます狂人の男や、最後の城に立て篭もった堕落した男たちは
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パンドラの箱(1929年製作の映画)

3.9

魔性の女の代名詞とも言えるルル。
周囲の人々を破滅へと追い込みはするものの、自身も罪につけ込まれて売られそうになったり貧乏な生活を強いられたりと、観る前の印象とは大きく異なりなんだか哀れにも似た感情が
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これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.6

市井の人々の日常風景を撮影した作品。
市役所に婚姻届を出すカップルと離婚届を出す夫婦や、葬式と結婚式と出産を交互に映す描写が心に残った。
その他にもスポーツに興じる人々も映されていて当時の日常のありの
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ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)

3.7

知り合った男に襲われそうになり誤って殺してしまった女と、彼女を庇う恋人の刑事。そして事の真相を知っており彼らを恐喝する男。
人間の嫌らしさを十二分に描いているが、直接的な描写や説明が少ない表現の仕方は
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アジアの嵐(1928年製作の映画)

3.6

英米の資本主義への不信感からパルチザンへと合流し、民族を率いて列強と戦う主人公を描いたストーリー。
当時の社会主義のプロパガンダ作品だが、仏教の儀式や様式を含んでいるので宗教学的側面からも非常に貴重で
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紐育の波止場(1928年製作の映画)

3.8

無骨な火夫と人生に絶望している女性の物語。
口より先に手が出る昔気質の主人公が逆に新鮮だった。
登場人物がどれも一癖あり、短い時間と少ない説明でも人となりが分かる作りは上手い。
本作を観ていて改めて思
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ゴム頭の男(1901年製作の映画)

3.4

生首に空気を送って頭を膨らますという作品。
どう生きてきたらこの様なストーリーを思いつくのか。
発想と技術の進歩に驚く。

悪魔の館(1896年製作の映画)

3.3

悪魔が魔法を使って人間を驚かすストーリー。
単純だけどなかなかに楽しめる作品。

写真会議委員の上陸(1895年製作の映画)

3.1

カメラに向かって挨拶する人々がいて、少しずつ映画が身近になり形作られてきた感じがした。

水をかけられた散水夫(1895年製作の映画)

3.4

最初のコメディ映画と言っても過言ではないのかもしれない。
ストーリー性があり短い時間で作品として仕上っているのは凄い。

工場の出口(1895年製作の映画)

3.4

世界最初の商業映画。
この作品から全ては始まったと考えると感慨深い。

群衆(1928年製作の映画)

3.9

大物になることを夢見てニューヨークにやって来たのは良いものの、現実はそう上手くは行かず失敗を繰り返す…。
誰にでも起きるかもしれないリアルさに思わず目を背けたくなった。
自分勝手で傲慢な主人公には感情
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ナポレオン(1927年製作の映画)

3.7

壮大な映画。
ナポレオンの少年時代からイタリア遠征までを映画化したものだが、特にフランス革命期の昂揚と熱は圧巻であった。
青年のナポレオンを演じたデュードネの威風堂々とした演技も見事だったし、ダントン
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十月(1928年製作の映画)

3.7

今まで「ストライキ」、「戦艦ポチョムキン」という社会派の名作を撮ってきたエイゼンシュテインの監督作品なので本作も素晴らしい出来だった。
腐敗した政府を打倒し労働者の為の政権を樹立させるべく、人々が立ち
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サンライズ(1927年製作の映画)

4.5

大満足の映画だった。
本当の愛に気づいた夫と妻のまるで新婚当初の様な仲睦まじさを前中盤で描いてからの終盤の嵐は視聴者を飽きさせない。
特に結婚式での男の涙は思わず涙腺が緩んだ。
「最後の人」を撮ったム
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ドクトル・マブゼ(1922年製作の映画)

4.2

4時間もの長さが苦にならないくらい面白かった。
正体不明の犯罪者とそれを追う検事の白熱したサスペンス劇はテンポも良くハラハラしっぱなしだった。
何よりマブゼ役のロッゲの演技に魅かれる。
他人を何とも思
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メトロポリス 完全復元版(1926年製作の映画)

4.1

完全復元版をようやく視聴。
ストーリーもより明瞭になり存分にメトロポリスの世界を堪能できた。
セットもさることながらマリア役のヘルムの演技力も素晴らしい。
頭脳と手の媒介者は心というラングの考えも頷く
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ストライキ(1925年製作の映画)

3.7

エイゼンシュテイン初監督作品。
全編にわたっての労働者の闘争は見応えがあって手に汗握る。
過酷な労働環境と一人の労働者の死への怒りから始まったストライキは大勢を巻き込み最初のうちは順調だったものの、裏
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嵐の孤児(1921年製作の映画)

4.0

歴史に翻弄される2人の孤児の話。
今まで観たグリフィスの作品で一番良かった。
両親の死去、失目、離散…。
2人の悲劇と共に、貴族と庶民の格差を丁寧に描いており、秀逸な歴史物を作ってきたグリフィスの凄味
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イントレランス(1916年製作の映画)

3.6

四つの時代を並行して展開しているので若干分かりにくい箇所はあるものの、セットのスケールの大きさや緊迫感はグリフィスが他を圧倒していたと本作で感じた。
特にバビロンのセットは現代でも通用するかと思われる
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レ・ヴァンピール -吸血ギャング団-(1915年製作の映画)

3.9

長かったけど見応えあった作品。
大掛かりな仕掛けに二転三転する場面展開は素晴らしいの一言。
妖艶で知的なイルマや、三枚目なマザメットなど登場人物も豊かで飽きさせない。
パリの至る所に潜み暗躍する盗賊達
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.9

戦争前夜の薄暗い雰囲気が日本を包んでいた時代。
とある裕福な夫婦が、売国奴と誹られようが己の正義とお互いの愛情を指針に文字通り命がけで戦う話。
蒼井優さんの演技にただただ驚嘆した。
表情、表現の演技も
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.2

鑑賞中、映画館で観るべきだったなと後悔した。
想像した以上にライブ感が高く、ここまで演者と視聴者が一体となった作品は観たことなかった。
自身がバイセクシュアルであるとの告白やそれによる破局、メンバーと
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蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH(2010年製作の映画)

4.0

映像が進化していてビックリした。
それに後輩たちを含めて皆成長していて、前作をもう一度見返そうと感じた。
竜宮島の人たちは平和に過ごしてほしいと心底願っている。

雨月物語(1953年製作の映画)

4.0

日本を代表する作品の一つ。
二組の夫婦の物語を同時並行で見ていく形式で、内容自体は教訓めいているが無駄のないストーリー展開は現代においても通用するだろう。
特に京マチ子氏の艶やかな演技は、本作が今尚名
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蒸気船ウィリー(1928年製作の映画)

3.7

ディズニーの顔であるミッキーとミニーのデビュー作。正確にはそれ以前に出ていたが公開されたのは本作からである。
人気者だったオズワルドの後継として登場したミッキーは、瞬く間にスターへとなっていった。
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バックドラフト(1991年製作の映画)

4.0

火事の恐怖が十二分に伝わる作品だった。
キャストの演技は、まさしく熱演と呼ぶに相応しいものだ。
消防士の活動だけではなく、サスペンスも絡めた手法に自分は釘付けになった。
後、兄弟愛って良いものだな。

魔女(1922年製作の映画)

3.7

中世の魔術史や悪魔・魔女の認識、魔女狩りの拷問などを、講義形式や再現映像で進んでいく作品。
多数の参考文献などを用いており、悪魔や魔女に対する一種の研究発表とも言っても良いくらい詳しく述べられている。
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荒武者キートン/キートンの激流危機一髪!(1923年製作の映画)

4.0

やはりキートンは緩急の付け方が上手い。
敵方の娘との恋愛と逃走、娘の救出までの流れが視聴者を飽きさせない。
滝での救出シーンは東への道を想起させるけど、救出の仕方が流石キートンだと唸る出来栄え。

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

3.7

最初期の名作ホラーとあって切迫した状況作りは流石の一言だった。
正直ドラキュラ像はこの作品で完成されていると言っても過言ではないと感じた。
ドラキュラの怪奇さを見事に演じきったシュレックは素晴らしい。