ジャン=ポール・ベルモンド。フランスの国民的俳優。
単なる美男俳優というのではない。身のこなしがカッコいいというのもあるが、それだけではない。
突拍子のなさ、愛嬌とクールさが見え隠れする、掴みどころの>>続きを読む
昔母に教わった作品。『裏窓』とか『めまい』とかヒッチコックが面白いよって。昔の映画鑑賞はこの辺りから始まった。
覗きがエスカレートして不法侵入したり、美女に耳元で囁かれて迫られたりと、いろんなドキド>>続きを読む
“人間は老いるから死ぬからこそ、たまらなく愛おしい。”
“強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない。”
様々な理不尽や不条理(鬼)は、いつだってどこにでも何度でも現れる(再生する)。
それ>>続きを読む
愛の強さ。引き裂かれることによって、その強さが十二分に描かれる。
前半は、陽気なイタリアそのもの。卵24個使ったオムレツの豪快な作り方、食べ方、パンの塊を引きちぎっての分け方、マネしたくなる。
そ>>続きを読む
非日常の世界にどっぷりと浸れる。
ジブラルタル海峡を臨むモロッコの港町タンジールが舞台。
男を虜にする女の掴みどころのなさ。
二枚目のフランス人外交官が狂ったように愛に溺れていく。
美男美女二人の惚れ>>続きを読む
修行と鍛錬を経て、目つき、顔つきが変わった。甘えや隙がなくなり、一人前として成長する。
世の中さまざまな理不尽や不条理(鬼)もあるが、自分にやれることをやりきった時、窮地で自分を助けてくれる者が現れ>>続きを読む
“洋楽”との出会いは、ビリー・ジョエルとマイケル・ジャクソン。
“Thriller”や“Beat It”,“Billie Jean”が流れると、体の奥が騒ぎ出す感じがする。
その後の“We are >>続きを読む
“飛行機は美しい夢だ。設計家は夢に形を与える。”
日本がまだ貧しく、戦争、震災、結核、恐慌など生きていくのが難しかった時代、夢を夢で終わらせまいとして、立ち向かう若者たちがいた。
貧しくとも力強く夢>>続きを読む
父が大学生の頃に亡くなった、会ったことのない祖父は山形生まれと聞いている。百姓だったそうだが、蝦夷の血が入っているかもしれないし、その昔は焼畑・狩猟・採集・工芸などを生業としていたかもしれない。
作>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
今は亡き愛妻のために悪の道から足を洗ったかつての“許されざる者”が許せなかったこと。それは固い友情と信頼で結ばれたかつての相棒を亡き者にされ、晒し者にされたことだった。
老齢になり、馬に颯爽とまたが>>続きを読む
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冤罪は、被疑者にとって悲劇である。が、疑われてもおかしくないことをしたのではないかという目で見られることも、それに追い打ちをかける。
それだけ冤罪は被疑者に対して罪深いものだと思う。
本作は、スポッ>>続きを読む
最高の人生讃歌。チャップリンは数々の作品で弱き者、貧しき者、辛い思いをしている人を励ましてきた。本作はその励ましが炸裂する。励ましの天才。
その悩みがいかにちっぽけなものか。そんなものに比べたら、人>>続きを読む
1944年、太平洋戦争末期に日本軍が大敗したレイテ沖海戦を舞台に、米航空母艦の戦闘機隊員たちの人間模様を描く。
米国防総省、海軍の協力を得て製作されただけあって迫力のある映像であり、1952年に公開>>続きを読む
30年間真面目な銀行員として勤めたが、失職後、家族を養うため、ビジネスとして殺人に手を染める。
生きることに理由など要らない。人の命は理屈を超えたもの。
すべてを失った後、出会った女性にそう言われ、>>続きを読む
『幌馬車』(1923)、『アイアン・ホース』(1924)など原住民が出てくる作品を見てきたが、そこでは原住民は野蛮な抗争相手としてのみ描かれる。
彼らに対して理解を示し、一つの文化としてリスペクトす>>続きを読む
1937年(昭和12年)、江戸の長屋の住人たちを描いた。武士があまり出てこない時代劇も新鮮。何を言ってるかわかりにくいところも多いが、江戸口調も小気味良い。江戸時代の市井の人々を昭和初期に描いた作品と>>続きを読む
"市民"と言うと、一人の確固たる人間として自立した意志を持ち、人々の生活をより良くするために積極的に政治にも参加するイメージがある。
そこからすると、ケーンは、人々に真実を伝えようとの意欲に溢れ、労>>続きを読む
誰かのために生きるということは、人が幸せを感じる"行き着くところ"であるように思う。
どんなに自らが不幸の底に落ちようともそれが一縷の望みとなる。一方、それを慮ることなく生きると、気づいたときに最大>>続きを読む
実在の無法者ジェシー・ジェイムズを描いた作品。ジェシー・ジェイムズは、多くの犯罪を犯したにもかかわらず、その悲劇的最期や筋の通った義を持っていたことなどからアメリカでは人気があるらしい。
南北戦争後>>続きを読む
"ままにならぬが浮世の常"とはいえ、やむにやまれぬ運命が涙を誘う。
艶のある男勝りな女芸人と常に筋を通す士族出の馬丁(別当)。惚れた男に迷惑をかけまいとするが、最後まで筋を通し抜く検事となった村越欣>>続きを読む
1940年。他国に侵攻し勢力を拡大していたナチス・ドイツ率いる独裁者を笑いのネタにした。この勇気には、感服させられる。
最後の理髪師の演説は、真顔のチャップリンそのものだった。トーキーで、心の叫びを>>続きを読む
昭和初期日本の何気ない日常風景。
家族があり、大人社会があり、子供社会があった。
作品に出てくる子供たちが何とも微笑ましい。ガキ大将みたいなのがいて、チビッ子もつるんでいる。背中の張り紙(板?)や超>>続きを読む
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"Smile"
今あらためて見返してみると、この曲がこの作品でいちばん伝えたかったことをぐーっと引き立てていることがわかった。
辛いことばかりあるけど、どんな時も"Smile"を忘れないで、一緒に前>>続きを読む
会社をクビになったのだが、どこか悲壮感がない。どことなくおおらかで、どうにかなるさ的に見える。"古きよき時代"に見えるのも常なのかもしれない。
それぞれの時代、みんな一生懸命生きてたんだなあと実感。>>続きを読む
如何にして若者の希望を打ち砕いたか。救いようのない世界と化していったか。
志願兵となることは讃えられるべきと、勇んで戦場に入って最初の爆撃で、その気持ちはいとも簡単に崩れ去る。
窪みに入っては前進>>続きを読む
小津安二郎監督が26歳の頃の作品だから、アメリカ映画に傾倒して作られた作品と言われるのも納得であるが、20代の若者が作ったとは思えないような人への優しい眼差しが感じられると言ったら言い過ぎか。
今で>>続きを読む
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その夜の妻は、覚悟を決めた。家族を守るために。
そんな妻を見て、夫も正しいと思う道を堂々と生きる覚悟を決める。
これから危うい時代へと入っていく1930年代の入り口に立っていた日本で、自分たちの守>>続きを読む
人気絶頂の31歳で亡くなったサイレント期の伝説の美男スター、ルドルフ・ヴァレンティノと、こちらもまた美貌と独特の個性でサイレント期の大女優と言われるアラ・ナジモヴァの主演。
何度も舞台、映画化された>>続きを読む
私たちが見る"楽園"に住む人々は、自分たちが住んでいる場所を"楽園"だとは思っていない。
よかれと思ってタブウ・禁断を破って飛び込んだ世界は、決して"楽園"ではなかった。
本作のテーマとちょっと違>>続きを読む
第一次世界大戦を舞台にした若い二人の航空兵の友情。恋敵であり、航空兵としてもライバルだが…。
100年前のサイレント映画時代に、スクリーンいっぱいに展開された航空ショーはどれだけ観客の度肝を抜いたか>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
引き裂かれた親友の仲を、みなしごとして育てた息子が体を張ってよりを戻す。
憎しみ合いからは何も生まれない。育ての親とその親友の仲を取り持とうとするみなしごビルの信念が実を結ぶ。
親友同士殺し合おう>>続きを読む
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父を継いで女社長となったジェーンは、四十にして独身、経営に没頭する。そんな彼女が、経営に意見する一人の若者ロバートを見初め、恋をする。
そこへジェーンと年の離れた妹ドロシーが帰国し、ロバートと恋仲に>>続きを読む
サイレント映画で主人公の馬の語りで話が進行するというのが新鮮。
" "がついているのが人間のセリフで、" "がないのが主人公の馬の語り。
人間たちが世俗的なことに右往左往するのに対し、素直でピュア>>続きを読む
宝くじに当たったことをきっかけに、金の魔力に取り憑かれて、周りの人も含めて人生を狂わせていく。
普通の人に見えた3人がそれぞれ豹変していく。
"欲望、貪欲さ"は、人間が大事を為し遂げる原動力のひと>>続きを読む
『殴られる彼奴(あいつ)』(1924)に次ぐピエロ映画。
こちらは、権威のある教師が妖艶な踊り子の虜になり身を滅ぼしていく物語。
見る人を笑わせて楽しませる存在であるはずのピエロが、嘲笑の対象にな>>続きを読む
あらためて世界史の教科書を読んでみる。
1918年のロシア革命により帝政ロシアは倒れたものの、民主主義ではなくレーニンによる社会主義の道を進む。
ただ共産党一党支配というわけにもいかず、農産物の自>>続きを読む