後半奇を衒ったようでいてむしろありきたりな展開になりかけるんだけど、流石に読めるはずのない着地になんて気持ち悪い物語なんだとゾクゾクした。伊原六花がものすごく可愛く撮れてる映画。
視覚効果が素晴らしいだけに演技、演出面で非常にガッカリさせられる。とはいえウェットに寄せたドラマ自体は別に嫌いじゃなく、自作である『永遠のゼロ』辺りへのアンチテーゼとしても機能してるのかな?と思った。
OP?のダンスが良かったくらいで、ひたすら平板な演出、ストーリーにだいぶガックリ来た。
いつ空中分解してもおかしくないほど頓珍漢な要素の数々を最終的に切ないラブストーリーとして着地させる手際の良さ。ここから白石晃士何度目かの全盛期が始まったんだと思う。
まあ所詮B級映画なんで、、みたいなチャラけが無い(無いというか、逆手にとったとも言える)。根性を感じる映画。
今回はコレって感じで期待通り毎回新鮮なものを見せてくれる。カメラワーク風の臨場感ある演出とか、速すぎて目で追えない程の映像に仕上がっている。
散漫としすぎてるけどそこにグッドフェローズやウルフ・オブ・ウォールストリートで感じた興奮に近いものを見いだせるのも確か。とにかく長い。
知らないキャラクターばかりだけど泣かせる。
見てて結構しんどいがよくあることなんだろうなって感じ。
主人公の善性より残忍さの方が際立ち始めてるのが狂った作劇のバランスで良い。
ルーカスフィルムのロゴの後にスタジオジブリのロゴが入るとこがハイライト。
女優が皆可愛いんだけどそれに引けを取らないほどたくましく成長した市川ADが良かった。時世にそぐわなくなってきた工藤のキャラクターをもう一度見つめ直す話になってるとこも面白い。
驚いた猫の毛が全て吹き飛んだり、引っ張られた足がゴムのように伸びたりと、この頃既にアニメ的誇張表現があるのは面白い。
スーパーサイヤ人どころか舞空術も使わない時期なのでアクションが格闘としてギリギリリアルなラインに収まってて良い。
淡々としつつもソリッドな演出が童夢実写化の方向性を示してくれているかのような作品。
ワインスタイン問題について踏み込んだ描き方に好感が持てる。もちろん作家の半生を振り返るドキュメンタリーとしても。
ヒロインがむちゃくちゃたくましく描かれてるあたり、当時なりのアップデートが図られている。特殊メイクも高水準。
原作では一年間に渡る物語を異常に長い一夜の出来事として違和感なく再構成してみせたのが凄い。現実離れした酩酊感や焦燥感を携えて走り抜ける傑作。