とにかく度肝を抜かれるクリーチャーデザインのつるべ打ちに加えて、それらが殺陣、操演、コマ撮りとあらゆる表現方法を駆使して縦横無尽に画面を駆けずり回る気持ち良さ。特撮映画ベスト。
ザック・スナイダーは普通に映画撮るの下手だと思ってるしこれを見てもその感想は変わらないんだけど、これに関してはジェームズ・ガンの脚本によって傑作へ押し上げられてる。
ADHDの診断を受けた主人公が、リタリン(今で言うコンサータ)を服用して突然溢れ出したバイタリティを持て余す話。
不安や無気力、イライラ、自制心のなさみたいなネガティブな要素が“病気”と診断されたこ>>続きを読む
それぞれ異なる立場の男たちが結束して悪を迎え撃つという如何にもジョン・ウェインが好きそうな王道西部劇。結構印象的な馬の演技が多くて改めて西部劇における馬といううものの重要性について考えさせられる。前半>>続きを読む
常に空間を二つか三つに区切ったような異様な画面構成で、空間を隔てたり空間に踏み込んだりすることでドラマを展開する様は原初の映像快楽と言って差し支えない。まさしくその空間を利用した男女の対比も鮮やかとし>>続きを読む
クリエイターの産みの苦しみや普遍的な人生の紆余曲折も脚本家チャーリー・カウフマンにかかればこんな変な映画になります、という感じ。
何層にも表現の意味が重なりすぎてて難解だけど、思考しすぎて生命の誕生>>続きを読む
履くと動きをコントロールされるズボンとレールを自分で敷くことで列車をコントロールするグルミットの対比。アクションがストーリーを語るお手本のようなクライマックス。
アメリカ先住民(アパッチ族)から白人との戦いを描いた西部劇とのことで、とはいえどうせステレオタイプに描かれてるんだろうと思いきや、“言葉だけでなく相手の立場で思考する”というテーマが全編を貫く優れて現>>続きを読む
今度は学校が舞台なのでキャビンは全く関係ない。際限なく最悪を更新し続ける展開がひたすら最高。
デンマーク製の西部劇というそれ自体は異色でありながらも王道のマカロニ的復讐譚として傑作。現代西部劇らしい引用の数々や暴力がもたらす喪失への視座はもちろんのこと、西部劇の命である構図の美しさや陰影が効い>>続きを読む
TVシリーズ見てないけど、二人の恋愛のみに焦点を絞った作劇が小道具や細部を巧みに用いる形で描かれてて凄かった。
マスコットキャラクターが襲い掛かってくる遊園地に閉じ込められたニコラス・ケイジが実は最強のオッサンで…という、舐めてた相手が殺人マシーンのホラー版のような映画だが今言った以上のことは特に起こらない。B>>続きを読む
経済格差や成果主義によっていずれ本当に訪れることになるかもしれない友情の断絶を描いてるとこにゾッとした。その上で誰の青春も肯定されるべきだとする宣言がクライマックスに置かれているのもよい。
無音の表現含め映画館で見れたら良かったんだろうけどそれはそれでジャンプスケアの多さにイラついてしまったかもしれない。十分面白いけどまだ続篇やるならドラマの空虚さは課題かな。
人生は天気予報士の予報のよう。いくら最善を尽くしても当たらない、みたいな話。人生はクソだし全然期待通りにいかないのだから可能性をすり減らして生きることを受け入れた方が良いかもね、という悲観的だが絶望ま>>続きを読む
対象をありのままを写し取ることを取り柄としながらさじ加減次第で恣意的なアジテーションとしても機能しうるというドキュメンタリーが持つ暴力性を丸裸にした作品。これほどドキュメントタッチを上手く扱った作品は>>続きを読む
金持ちの趣味の悪さや軽薄さを徹底的にコケにしながらミステリーとしての体裁さえ「破壊」する何とも胸がすく映画。
場面の転換とか時制の転換の複雑さが逆にPOVとして信じられないほどの雑さに直結してる。にもかかわらず基本的にタルい展開が続くので正味かなり出来の悪い映画であるというのは分かるのだが怖がりなのでこのレベ>>続きを読む
珍しく2時間越えの大作で予算的にもまあまあであろう白石晃士最新作は、酷い映像酔いとマンネリ化しつつある白石晃士成分に悪い意味で面食らったのも束の間、「傑作を撮る」という意気込みとカルト教団への潜入とい>>続きを読む
寄る辺ない主人公の不安を様々な形で刺激する「有害な男性性」の話。
差し迫る恐怖と誰にも頼ることが出来ない絶望の二重苦でクラクラしてくる前半部は『ミッドサマー』どころじゃない恐怖と嫌悪感に襲われたが、>>続きを読む
タイトルの『沈黙』とは「神の沈黙」の事で、要は信仰故に苦しんでいる人間に対して神が救いの手を差し伸べないのならば、神は存在しないのと同義になってしまうという問題についての話。
大いなる信仰と目前の命>>続きを読む
「アメリカの終わった夢」である西部劇を舞台に据えることで、物語を完結させフィクションから現実へ回帰するというプロットが「神話の語り直し」として機能するみたいなことだと思った!
どんどん地獄に潜っていくように劣悪さを増す監房の描写が本当に最悪。一つ一つの場面でキレ味と鈍重さが同居するような空間を作り上げててS・クレイグ・ザラーは映画が上手すぎる。
タランティーノのこともマカロニのことも好きなごくごく狭い層に向けたオタクの一人語りドキュメンタリー。
列車、馬、線路を最大限駆使したバスター・キートン的アクションで掴みはバッチリのはずが、 そこから恐らく誰が見ても退屈なヒーローコンビ誕生譚(約90分)が始まる。クライマックスではまた列車アクションへ移>>続きを読む
撮影や音楽、演技が凄いのは分かるけどそれだけで全肯定するには少し退屈かも。
これもまたかなり早い段階で西部劇の解体を行った作品。一度ガンマンとしての生き方を選べば絶え間ない競争に引きずり込まれ、平穏など望むべくもなくなる。誰かの踏み台になって死ぬまで。
早撃ちとして名を馳せ>>続きを読む
大脱走のノリで見たらあまりにもショーシャンク過ぎた。このリンクがミスティック・リバーでのティム・ロビンス起用に繋がったのかもしれないと考えると胸熱。
『ジャンゴ』以降の系譜に連なる作品としての黒人音楽×西部劇という試みはセンセーショナルで、アバンギャルドな演出や復讐という主題から結果的にマカロニ・ウェスタンぽくもあるのだが、薄味でこぢんまりとした西>>続きを読む
ユーモラスな話からゾッとする話まで色々あるけど基本的に喜劇として撮ってる印象。エピソード1、2は言わずもがなの完成度で、個人的に6の悲劇の始まりを告げるようなラストも良い。抽象的な話と西部劇の相性の良>>続きを読む
力を手にして顔立ちまで変わって見える変貌ぶりとか、憧れが盲信に変わって周囲の意見を聞き入れなくなるとことか、ザ・若者って感じの主人公が失う度に何かを学ぶ。トニーノ・ヴァレリ、マカロニにおいてかなり重要>>続きを読む
広大すぎる西部の夢と苦労と暴力。
焚き火や葉巻や毛布といった小道具の扱いから立ち上がってくる生活の実在感に西部劇あるあるをなぞっていくような展開が加わって紀行映画的な楽しさを実現してる。西部劇ファン>>続きを読む
アメリカ先住民への扱いが見直されていく潮流の中で、古い人間は退場していくしかない。いわゆる修正主義西部劇ってやつなのだが、アメリカという国の成り立ちを語る上で欠かせない「暴力の歴史」を刻み込むような映>>続きを読む
何度も見てるがやっぱり『用心棒』に比べると数段落ちる。イーストウッドはいつもボコられて血まみれになるんだけど、恐らくこれが最初のイーストウッドボコられ映画。