どらどらさんの映画レビュー・感想・評価

どらどら

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市子(2023年製作の映画)

4.6

杉咲花に目が行くけど、やっぱり中村ゆりすごい
「ありがとね」って言ったときの中村ゆり、忘れられない

結局は、嫡出の推定という制度と、そもそも戸籍制度というシステムが元凶なんだって僕は言いたい
これは
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.3

人生の一回性と不可逆性、そしてその尊さと永遠性についての物語
シュー•グァンハンと清原果耶の魅力で画面は持つけど、あんまり刺さらなかった
藤井道人に求めてるのこれじゃない感が拭えない
ラストのミスチル
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

三宅唱の映画で1番見やすいと思うが、原作の世界観は残しながらしっかり三宅監督の映画になっていた
最近結構しんどいんだけど、なんか日々を大切にそのまま生きようと思った

i ai(2022年製作の映画)

4.8

「マヒトゥー•ザ•ピーポー」って感じだった
世界は狂っていて正気ではいられないけれど、それでもわたしたちは今日を生きていく

パレード(2024年製作の映画)

4.5

ちゃんとした映画
左翼の歴史的には敗北主義っていわれそうな映画だけど
未練と絶望と後悔とその先にある希望と

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ちょっとびっくりした
虐待、セクシャリティ、DV、自殺、介護(特にヤングケアラー)などひたすら
詰め込める要素を詰め込んで、どこかでみたことある話がそれぞれ深く掘り下げられることなくフワフワ進む

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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

4.2

怒りたい時にはちゃんと怒っていい。
怒りを抑えるのはいいことではない。
自分にとっても、相手にとっても。

正欲(2023年製作の映画)

4.8

今年あんまり見られてないけど今年見た中ではベストだった

テーマとしてはいちばんすきな花とも同じだとは思うし、こういう話がこういう規模で作られ始めているということに僕みたいな人間は救われる

「地球に
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

4.3

噂ほど悪くはないと思った
確かに坂元裕二にしては話全体としては普通で、この映画が人生のバイブルです!っていう人はいないだろう作品ではある
随所の坂元節(ご飯炊きかけ云々とか)はやっぱり面白い

まあと
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.5

人間の嫌なところをちゃんとみながら、人間の生そのものを肯定する
石井裕也にしかできない芸当が本作でも遺憾なく発揮されている

キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

うーん、
そもそもアイナ•ジ•エンドの声がもともとそんなに好きではないからなのかもしれないけど、過去の岩井俊二作品振り返っても多分最も刺さらなかった

広瀬すずの役と七尾旅人と少女の交流はよかった

福田村事件(2023年製作の映画)

5.0

「鮮人だったら殺してもいいんか」

これがすべて
水平社宣言読み上げるところ震えた
猥褻で曖昧な国、日本のすべて 

何から何を守ってるんだろうね
「美しい国を取り戻す」っていつ美しかったんだろうね

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

4.3

原作大好きだし特に紫夏のエピソード大好きだし、キャスティング含めて文句ない
そりゃ面白いし、感動する

それでも、やっぱり、紫夏のエピソードと戦闘の2パートに完全に分かれていて、その接続があまりに弱い
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

4.5

戦うことそのものの自己矛盾についての映画
綾瀬はるかはもちろんだけど、トヨエツカッコ良すぎた

アクションすごいけどそれ以上に思想強い映画でもあると感じた
清水尋也とジェシー演じるキャラ2人の圧倒的な
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

4.5

川上未映子信者にとっては初の映画化、それもアイスクリーム熱からってどうなるんだ??という期待と不安があったが、あの短編を叩き台にこういう映画が生まれるということに純粋に感動した

吉澤嘉代子の主題歌が
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

4.4

世界は自分のために回っていなくて、その速度は自分と噛み合わない
世界の変わる速度が早すぎると思う人もいれば、遅すぎる人もいる
人と人もそう

しかし、その噛み合わなさがあるからこそ、そこには優しさが存
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

「正しさ」に押しつぶされそうな社会で「生まれ変わる」のでももちろん「治る」のでもなく、そのままただ離脱する
その先には言葉もいらないし、関係性に名前もいらない

ある種ミスリーディングなタイトルは僕は
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.8

原作小説がほんとうに大好き、というか読んだ時に自分がずっと感じていたモヤモヤや生きづらさみたいなものがそっくりそのまま言語化されていて、このことで悩んでいるのは自分だけではないんだと思えたし、多分実際>>続きを読む

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

5.0

- 大人なんだからさぁ、(•••)コントロールしよう?

ほんとうにそこらへんの大学生(特に男)の教科書にするべき映画

カメラは男女のディスコミュニケーションに徹底的に向けられる
優美↔︎直哉、優実
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

4.0

「だってお前はまだ生きているじゃないか!」

キングダムという作品の成功の99%は羌瘣というキャラクターの造形に依存していると思っているので、それをスクリーンの上で体現してみせた清野菜名がすごい

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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.3

胸が苦しくなる作品
「誰なのか?」という視点を(誘導されているとはいえ)どうしても持ってしまう視聴者が自分の視点の残酷さ•汚さ•無意味さ•加害性を痛烈に自覚する構造
撮影当時よりもうすこし社会も前に進
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.8

“ Merry Christmas, Mr. Lawrence”

すごい映画を見た、という感想以外ない
あらすじ云々などではない

日本軍の精神性、特にその異常性、捕虜の扱い、イギリス内の差別、切腹
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

4.2

- 俺はお前らと本当の仲間になりたい、信じてもらえる奴になりたい

人生にはままならないことがたくさんある
生まれは選べないし
病気は無慈悲だし
中学生には勝てないし
地獄トンネルは怖いし
自分は弱虫
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.8

- What killed my boy? (•••) His love for you.

なにか真実が宿っているとしか思えない
エルヴィスという1人の人間の真実と
彼と写し鏡の社会と大衆の真実と
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

5.0

- 生きろとは言わん。ばってん、死なんでくれ。

「黙っとったら分からん」と沢井は言われた
しかし、それは本当だろうか
絶対に語りえないことを言葉で語ることは可能なのだろうか
「沈黙」でしか語りえない
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.7

「この漫画のおかげでわたしたち友達になったんです」

「好き」からはじまった出会い
自信の欠落した少女に確かな勇気を
孤独な老人にワクワクを
そして年齢も立場も超えた友情をふたりに
その「好き」はもた
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.8

「やって来た星がバラバラなんだから、わかり合えないのは当然なんだよ」

めちゃくちゃラディカルな映画だと思った
「ちひろさん」という生き方の実践は
我々の生き方と世界の見え方をひっくり返す

ちひろさ
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渇き(2009年製作の映画)

4.2

“俺にはお前しかいない”

究極の自己献身を試みた神父
自己献身を強要されてきた女

2人の魂の共鳴は
利他から利己へ鮮やかに反転する

翻って、利他と利己の境界とは何なのか?
「生きる」ことの原罪が
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エゴイスト(2023年製作の映画)

5.0

- まだ行かないで、、

日本でこのレベルのゲイムービーが撮られたことに第一に感動する
「セックスのバケモノ」としてでもなく
「不可避の困難を乗り越える真実の純愛」でもなく
その特異性を殊更に煽ること
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

5.0

- Money!Money!Money!

アンチ•資本主義映画の新たなマスターピース
この世界のシステムはとっくに破綻していて
しかしそのシステムに骨の髄までどっぷり浸かっている我々に
幸せな生も、
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お嬢さん(2016年製作の映画)

5.0

「現実の世界では力ずくの関係で快楽は感じない」

奪われたものたちの逆襲
植民地•男権主義と女性のモノ化•貧困

日本人になりたかった叔父
貧困からの逆転を狙う男
自由を求める女たち

あらゆる搾取に
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