夏藤涼太さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

見ました。
面白かったし、やっぱり宮崎駿が好きだし、日本のアニメ業界の最後の希望は宮崎駿だけだなと思いました。


以下、ネタバレなしで感想を…と言いたいところだけど、別にネタバレするような話でもなか
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.4

『怪物』を見たのでレビュー。

ド名作ですね。

「俺たち普通じゃねえからさ」というセリフが象徴するように、すべてが普通じゃない
……んだけど、すべてがナチュラル。

シナリオもキャストも演技もロケー
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

エクソシストみたいなホラーかと思ったら、東京03みたいなコントと見せかけて、トーマの心臓じゃん!と驚かされてsummerで着地。いや久石譲じゃなくて坂本龍一なんだけど。

カンヌ云々ということで高尚な
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.2

レクター博士(天才紳士のサイコパス殺人鬼)やバッファロー・ビル(変身願望のある変態連続殺人鬼)という強烈すぎるキャラクターや、プロファイリングでの捜査、男社会で戦う気丈な女性捜査官主人公などは当時は衝>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.9

超絶今さら、見ました。

個人的には2よりは好きなものの…結構がっつりガッカリしました……
でも今後のシリーズには期待が持てそうなので、テンション下がりつつも次回作はまだ楽しみ。

良かったところは、
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.1

エヴァやゴジラ、ウルトラマンに関しては元々オタクだったのに対して、仮面ライダーだけはマジで子供の頃からまったく見ずに育ったので、今回は純粋に庵野秀明の映像作品を楽しもう、という気持ちで見に行った。>>続きを読む

プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

4.1

大筋としてベタなシンデレラストーリーなので、話自体は薄っぺらい……と思いきや、実は心理描写や心の移り変わりの描き方が実に細かく、そこに至るまでの伏線の配置等も丁寧で、なかなかどうして侮りがたい。
だか
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ローマの休日(1953年製作の映画)

4.1

日本での『ローマの休日』(というよりもオードリー・ヘップバーン?)の人気は世界でもズバ抜けているという話は有名だけど、何が当時の日本人をここまで惹きつけたのか……ということについて考えながら見返した。>>続きを読む

プライドと偏見(2005年製作の映画)

4.0

いわゆる高慢と偏見。
映画版は初めて見たが、とにかくキーラ・ナイトレイが美しすぎて話が頭に入ってこない。いやイギリスの田舎の自然の風景も恐ろしく美しいんだけど……

どう考えても一番美人設定のはずの長
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

4.1

WOWOWでやっと見れた。

ロマコメの名作と名高いだけあり、バランスは取れているし、主人公のキャラのおかげか、全体的に優しさが満ちていて、誰が見ても楽しめると思う。

だが、正直ロマンスとしては物足
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.6

「ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター」版を見てきたので、3Dの感想と合わせて改めて感想を。

3Dじゃなくて普通にIMAX2Dにしろって思ったし、「バレンタインデーは、タイタニックで、泣こう
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.6

3Dじゃなくて普通にIMAX2Dにしろと思うし、「バレンタインデーは、タイタニックで、泣こう」とかいうふざけたキャッチコピーにはサブイボが立ったけれど、ここを逃すと劇場で見る機会はなさそうだったので見>>続きを読む

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.0

話題の中国産アニメ。大晦日にようやく見ました。

印象としては、「日本のアニメ(ジャパニメーション)の技術で作られたディズニーアニメ(世界基準)映画」。

戦前のアニメ・漫画産業といえば、元々はディズ
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時をかける少女(2006年製作の映画)

4.1

日本のアニメ史に残る、ひと夏の青春ジュブナイルSFアニメ映画の名品。

アイデアにあふれた筒井康隆の原作、細田守の天才的なアニメーション演出、奥寺佐渡子のみずみずしい脚本、奥華子のドラマチックな挿入歌
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.9

WOWOWでやっていたので、今さらながら見た。

この討論は三島由紀夫のファンならとっくに皆、本で読んでいて知っているもので、まぁ討論をフルで流してくれるなら見る価値もあるかと思っていたら、実際はよく
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.1

村上春樹原作の映像化作品で一番出来がいいのは間違いない。

とはいえファンタジー要素のない話だったから実写化できたんだろうなとも思うし、そもそも『ドライブ・マイ・カー』以外の話も色々盛り込まれてるし、
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

新海誠の過去作品と比較しても本作を言い表すならば、「全作品中最もキズのない、完成度の高い作品」。

しかしそのキズを消さんがために、新海誠に求めていた作家性や、娯楽作品としての爆発力をも同時に失ってし
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.6

世間では『すずめの戸締まり』が話題ですが、こちらはようやっと、すずめではなくすずを、『竜とそばかすの姫』を見た次第です。

劇場で見なかったのは、あまりにも見えている地雷だったからで、その後も想像通り
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呪詛(2022年製作の映画)

4.1

ネトフリ限定の映画で、「ホラー界の革命児」という紹介もあったので、怪作・斬新系な期待を勝手に抱いて見たんだけど……斬新さや革新性とは真逆の作品で、クソ真面目な秀才系映画(褒め言葉)だった

キリスト教
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ヒルコ 妖怪ハンター(1991年製作の映画)

4.0

「黒い探求者」を元にした話かと思いきや、「赤い唇」の要素も混じってる?それに加えて7割くらいのオリジナル要素か。
最後の月島昇天はあんとく様っぽかったけど……

稗田礼二郎は全然原作と違う。顔だけじゃ
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.9

評判通り確かに泣いたけど……正直なところ、気持ちのいい泣き方ではなかったし、ディズニーとかピクサーっぽい教条的な作りが好かなかった……

アニメーションは本当に素晴らしい。
やっぱりポスト宮崎駿に一番
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PK(2014年製作の映画)

4.1

『PK』のあらすじを聞いたときから、「絶対面白いじゃん!」とずっと見たかったんだけど……BSでもWOWOWでも全然やる気配はないし、アマプラでも配信してないしで、諦めて、(タイトルとコピーのうさんくさ>>続きを読む

血と砂(1965年製作の映画)

4.2

岡本喜八の最高傑作と言われてるのは知っていたものの、全然見る機会がなかったんだけど……U-NEXTの無料期間を利用、ついに見ることができました。

なるほど、これは最高傑作だ……

戦争経験者なだけあ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.1

ネタバレなしでザッと感想を言うと、『(初代)ウルトラマン』の「リメイク版TVシリーズの総集編」として見たら素晴らしい出来映えだけど、「『シン・ウルトラマン』という映画」ではなかった。
そういう意味では
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

4.1

初めて見ました。

さすがサム・ライミというべきか、映像とか構図がいちいち無駄にかっこいい。
やっぱり優れた特撮は、ミニチュアの造形だけじゃなくて、いいアングルがないとね!

とくに月夜に照らされる小
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

アカデミー賞で格差社会をテーマにした映画とか言うから、硬派な映画かと思いきや、想像以上にエンタメしてて面白かった。

こういう有能で実行力のある主人公は大好き。
まぁこれだけ有能な兄妹がなぜ無職なのか
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るろうに剣心 伝説の最期編(2014年製作の映画)

4.2

減点法で見たらクソみたいな映画だけど、加点法で見たら見どころ満載の映画。
ある意味では原作を超えている。

十本刀の扱いが適当すぎとか、宗次郎がただの基地街とか、百識の方治なのに知能ゼロとか、というか
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るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021年製作の映画)

4.0

人誅編を生贄に召喚された追憶編。

最終章は人誅編と追憶編の二部構成でやると明かされた時点で、人誅編は追憶編のために犠牲にされるんだろうとは思っていたけれど……
ストーリーだけでなく、キャストや映像の
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.8

OVAで作られた追憶編が傑作すぎたせいで、なんか追憶編と人誅編が分割されて語られがちだけど……追憶編は本来、人誅編の1エピソードであって…
追憶編は追憶編単体でも成り立つけど、人誅編は追憶編なしにな成
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.2

新自由主義と資本主義と個人主義の末路。
競争の果てにあるのは、「信じられるのは自分だけ」。そんな考え方で、本当に人と人がつながれるわけないよなぁ。

夜空の星、黄色い落ち葉、おばあちゃんの手、恋人との
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.0

閻魔大王の重要性がよくわかる映画。

ピクサーの映画(というよりもジョン・ラセター主導の映画)については、「毎回(ほぼ)確実に面白いことがわかってるから逆に面白くない」という逆張り評価を持っていて、だ
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

3.9

今さらですが、初めて見ました。

イケメンで強くて優しい王子様と結ばれ、2人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ…的な、いつものディズニープリンセス映画かと思いきや、なんと、真実の愛はそこではなかったの
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紅の豚(1992年製作の映画)

4.2

どうして #紅の豚 の主人公は豚なのかって?

そんなのは、自分が共産主義者の豚野郎っていう宮崎駿の自虐……いや、自虐というよりも自認か。にしか過ぎないよね。

戦闘機作ってた父親の息子にしてミリタリ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.1

開始1分の時点で同族嫌悪というか、共感性羞恥的なアレでなんかもう見てられないというか、いやもう逆に怖いもの見たさで目が離せないというか……そんなわけで、すぐにのめり込んで見入った。

とはいえ、この手
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劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋(2008年製作の映画)

4.5

ufotableの最高傑作。異論は認めない。

ufoといえば作画ばかりが語られがちだが(いや実際作画は本当に美しいんだけど)、個人的には映像的な快楽は薄いと感じることが多く……つまりカット割りとか見
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.3

本作の評判は知っていたし、同監督の『PK』はあらすじの時点で凄い面白そうだったから、見る機会があったら見るつもりだったけれど、
「きっと、うまくいく」というタイトルや、「あなたの人生が光り輝くヒントが
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