夏藤涼太さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.3

本作の評判は知っていたし、同監督の『PK』はあらすじの時点で凄い面白そうだったから、見る機会があったら見るつもりだったけれど、
「きっと、うまくいく」というタイトルや、「あなたの人生が光り輝くヒントが
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シドニアの騎士 あいつむぐほし(2021年製作の映画)

4.2

TVアニメ『シドニアの騎士』を初めて見た時の感動は今でも覚えている。
ピクサーなんかと比べて、これまでどうも違和感を禁じ得なかった日本のフル3DCGアニメは、弐瓶勉原作漫画のために存在しているんじゃな
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ARIA The BENEDIZIONE(2021年製作の映画)

4.2

あの伝説の「未来形ヒーリングコミック」『ARIA』が、3部作の劇場版で復活するというだけでも望外の喜びだったのに、まさか原作ファンがずっと待ち望んでいた藍華のプリマ昇格エピソードが、劇場という大舞台で>>続きを読む

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

4.0

奨学金を頼りに一人で大学に通うような学習意欲にあふれた学生だった花が、なぜあっさりと大学をやめて妊娠出産という道を選んだのかとか…
子供を心配する児童相談所を悪人のように描くのはおかしいし、予防接種を
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

3.9

悠木碧の演技の、感情の乗せ方は本当に絶品だな……

TV版と比べると、演出と脚本の緻密さ、計算高さが際立つ。
原作がけっこう男性的なのに対して、この外伝は女性的と言おうか。実際、後半は吉田玲子のオリジ
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蒼穹のファフナー THE BEYOND 第十話・第十一話・第十二話(2021年製作の映画)

4.4

最終章、見てきました。

正直絶対に続編に続くと思ってたし、「レガートとセレノアを倒すのが関の山で、マリスもミツヒロもマレスペロも決着はつかず、当然島にも帰れない」などという讒言を呟いたことを謹んでお
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.9

1から100までなんでもかんでも説明してくれる鬼滅の刃が一番売れた映画となった時点で、「説明セリフは極限まで削って画や演技で魅せろ」っていう脚本術の基礎中の基礎が、いかに的外れな自己満足かが発覚してし>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.2

宮崎駿に感情移入する映画。

宮崎駿の引退詐欺は有名だけど、今作に限っては本気で引退するつもりで作ってたんじゃないかと思われる1作(結局詐欺だったけどね!)。
というのも、歴代の宮崎駿作品の中で、恐ら
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

3.8

監督:細田守✕脚本:奥寺佐和子✕キャラデザ:貞本義行✕音楽:松本晃彦という、細田守の初リジナル長編映画にして、最強の布陣だったころの細田守映画。

後発作品になり細田守がシナリオを始めとした各セクショ
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バケモノの子(2015年製作の映画)

4.0

この『バケモノの子』(と次作の『未来のミライ』)を受け入れられるかどうかで、細田守の本当のファンになれるかの分水嶺になるだろう……と思われるほど、細田守純度の高い一作。

『ぼくらのウォーゲーム』や『
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.2

トラウマ映画。
食べられないけど、進撃の巨人よりよっぽど怖い。話や絵はもちろんのこと、音楽まで怖いわ。

子供が虫を残酷な方法で殺す遊びにハマってて困ってる親御さんは、本作を見せよう。きっと二度とアリ
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GAMERA1999(1999年製作の映画)

4.0

ガメラ55周年記念、平成ガメラ再上映でこちらだけ(当たり前だが)流してくれなかったので、セルフで見返した。

庵野秀明によるナレーションや説明があるわけではないが、構図、カット割り、編集、テロップ等々
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グーニーズ(1985年製作の映画)

4.1

おそらく15年以上ぶりに見た。

最初はやっぱり子供向けだな……と思いつつも、途中からのめり込むように見てしまい、最後までガッツリ楽しめた。
ギャグは今でも十分笑えるし、なんなら子供向けとは思えないネ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.0

バカで底辺でガラの悪い勉強できないガキのくせに、利発で聡明で機知に富んだ頭のいい子どもたち。さすが、頭脳は大人で身体は子どもなだけはある。
真面目で上品な奴らなんてつまんないからね、本当最高だね。
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.5

怪獣特撮映画の3大名作を決めるとすると、だいたい1作は人によってバラけるんだけど、2作は異論なく決まる。
1つは『初代ゴジラ』、そして本作『ガメラ2』だ。

特撮映画の伝説的シリーズ、平成ガメラシリー
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ゲド戦記(2006年製作の映画)

3.6

映画の出来ばかりが叩かれがちだけど、個人的には、「宮崎駿が世界最高峰のファンタジーの1つである『ゲド戦記』をアニメ化する」こと、さらには「宮崎駿の傑作絵物語である『シュナの旅』をアニメ化する可能性を潰>>続きを読む

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.2

リバイバル上映に向けて見直し。
伝説の『平成ガメラ』シリーズ第1作目。

今となっては現代怪獣映画のスタンダードになってしまったうえに、歴代怪獣映画の中でも3本の指に入る傑作の2と、特撮史上最高クオリ
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

3.9

宮崎駿監督作の中でも1、2位を争うレベルでシナリオが破綻した滅茶苦茶な物語。だけどそれを補ってあまりあるほどに魅力的なキャラクターと世界観。

それを可能にしたのは、文字情報や設定では決して表現しきれ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

-

シンエヴァを見て発狂してると、「自分とシンジを重ねたオタクがヒロイン達に裏切られて発狂してる」などと言う人がいるが、それは違う。
本当に末期のオタクは、庵野秀明と自分を重ねていたのだ。大人になっても大
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ARIA The CREPUSCOLO(2021年製作の映画)

4.3

公開記念舞台挨拶ライブビューイング付きARIA新作劇場版、見てきました。

元々天野こずえ作品は全作品揃えていた原作ファンであるものの、ARIAは何がすごいって、原作はもちろん、アニメもドラマCDもラ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.0

当時の劇場のポカーン具合とネットでの大論争っぷりがもはや懐かしいエヴァQ。

賛否両論というか基本「否」意見ばっかだったけど、中には褒める意見もあって、特に「これこそがエヴァ」とか「俺達のエヴァが帰っ
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

4.9

※本レビューは『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の感想です。
『DEATH(TRUE)2( https://filmarks.com/movies/15372 )』、『シト新生
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

4.0

序は旧版と話の流れはほぼ同じだけど、作り直してるだけあって、使徒の目的やリリス、人類保管委員会あたりの設定が整理されててわかりやすくなってるのはいいと思う。
ただ、やっぱりシンジの心情のストーリーを追
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.2

3DCGのクラウチングスタートよりも本田雄のセル画ATフィールド全開作画の方がかっこいいし、「ネブカドネザルの鍵だよ」よりも「世界最初の人類…アダムだよ」の方がワクワクするし、エレベーターは辛気臭い緊>>続きを読む

蒼穹のファフナー THE BEYOND 第七話・第八話・第九話(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

6話のトラウマがあったから、またお通夜みたいな雰囲気で劇場を後にする覚悟をもって挑みに行ったが…
冲方先生、あなたを信じてよかった……っ!
マスクがびちょびちょになっていけねえよマジで。これが、祝福な
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

4.1

女人気はすごいけど男が見たらつまらないと有名な1作。好奇心で見てみたが、普通に面白かったです。

モデル体型の超絶美人アン・ハサウェイが地味子の格好してるだけなんだから、そりゃまともな格好すりゃ綺麗に
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

いきなりマッドマックスみたいなキャラが出てきたと思ったら、ゴッサムシティもマッドマックスの世界になってたでござる。

叩かれてるのを知ってた上で見たので、「思ったよりいい完結編じゃん…」って思った。
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring song(2020年製作の映画)

4.1

型月ファンとしては、ufotableと須藤監督には最大の感謝の念とねぎらいを送りたいです。

ただ…1本の映画としては、ハードルを超えてくれなかったというのが正直な感想。第1章、第2章の方が出来は良か
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

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スコアなしなのは、数年後に先入観なしでもう一度見て改めて評価したいからです。

「泣ける」という前評判から見てみましたが、冒頭の観覧車のくだりから心を鷲掴みにされ、「泣けるうえに笑えるなんて、これは面
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.0

ビギンズが思った以上に面白かったので、これだけ絶賛されてるダークナイトはさぞや面白いんだろうと思っていたが、正直期待を超えてくれなかった。
というより、先に『ZETMAN』を読んでいたのが失敗だったの
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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.0

ノーランの『バットマン』シリーズ、ただでさえノーラン映画なんてなげーのに3部作なんて見る体力ないわ……と思って後回しにしてきたんだけど
今回初めて見ました。めっちゃ面白いじゃん……もっと早く見ればよか
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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.5

『もののけ姫』は世界観や登場人物設定、ヒロインはジブリで一番好きだし、前半の筋は完璧。だけど後半が後期パヤオ特有の唐突感というか、スケールは大きいのにこじんまりとまとまってる感がなんとも惜しい……とい>>続きを読む

潮騒(1975年製作の映画)

4.0

三島由紀夫の原作は大好きだけど、超絶画力ならぬ超絶文章力で描かれる神島の人や自然が魅力の8割くらいを占めているので、そのまま映画化しても面白くないのではと思って今までスルーしていたが、想像以上に面白か>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

4.2

クリント・イーストウッドへのあつい風評被害は何度見ても笑う。

完結編といいながら3部作の中で一番タイムマシン要素が薄く、話も単純ではあるけれど、BTTFの第二の主人公であるドクのドラマが面白いのでヨ
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.2

2015年になっても空飛ぶ車もパワー靴ヒモも開発されていないけれど、FAXは生存していた(日本に限る)。
レトロカフェとかは実際に流行ってるよね。

3部作の中では一番話が複雑だけど、その分面白い。続
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.6

BTTF1のギター演奏シーン、あらゆる映画のライブシーンで一番好き。
2も3も面白いけど、やっぱり1はズバ抜けてる。1秒のムダもない完璧な脚本。

オチわかっても最後は絶対ハラハラするよね。